夢野久作のレビュー一覧

  • 夢Q夢魔物語
     執筆年1917(大正6)年から1936(昭和11)年ころのアンソロジー。
     ほんの2,3ページ程度の掌編小説や連作短歌(!)がたくさん収められている。私は主に角川文庫で夢野久作をいくらか読んできたが、本書で重複しているのは「瓶詰地獄」くらいであり、相当めずらしい作品が集まっている。
     やはり夢野久...続きを読む
  • 乙女の本棚8 夢十夜
    「こんな夢を見た」から始まる、十の美しい夢の世界。夢だからすべてに理由なんてないし、ちょっと怖い。でもこんな夢の話ならいつまでも聞いていたい。
    お話としては一、三、七が好み。
    しきみさんのイラストは第一夜の百合が儚い雰囲気で良かった。
    ページごとに文字や背景の色の変化があって、飽きずにするすると読め...続きを読む
  • 瓶詰の地獄
    夢野久作の短編集。
    表題作の『瓶詰の地獄』は聖書に祈りを捧げながら両親の助けを待ち続ける、海難事故に遭った幼い兄妹の話。彼らが海に流した三つの麦酒瓶の中に入っている手記を読む書簡体。この兄妹は、たった離れ小島という閉鎖的環境で、お互いに異性として認識してしまう性的葛藤を描いている。とても短い話だが、...続きを読む
  • 冥土行進曲
    勉強の前と寝る前にちょっとずつちょっとずつ読んでやっと読み終わった。

    これを読んでるタイミングと『異世界ありがとう』を読んでるタイミングが被ってて、海が共通してるときになんか脳内でイメージごっちゃになって頭疲れてるな…と思いながら読んでた。

    海を見たくなって夜中に川辺と海辺をドライブした。

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  • 乙女の本棚2 猫町
    この作品は文字だけの方がいいな。
    なぜなら、描写がものすごく細かく、描写だけで頭の中に細部まで映像化ができてしまうので、それと合わないイラストによって逆に再現された映像が壊れてしまう。
    猫が迫り来るシーンはまるでサメがあの有名な音楽と共に迫り来るジョーズのような緊張感があるのだが、イラストとはずれる...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    病気になると趣が変わることはとても共感できました。
    ほんの些細な小さなモノに感動や美しさを感じる事ができるようになること、つまりそれは、それだけ自分も儚く小さな存在になってしまった事を自覚したときではないかと個人的に考察します。それまで好きなものは、自分に自信があるからこそ、まだまだ自分が健在だから...続きを読む
  • ドグラ・マグラ(上)
     巷間言われているほどのグロさもエロさもない。正木を通じて語られ続ける作者の世界観、生死観は理解の範疇である。

    (内容紹介)
     昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉...続きを読む
  • 乙女の本棚9 外科室
    うーん、外科室での顛末はなんか察することができたんだが、後半がマジで全く筋が読めず、解説ググって理解した感じ。 私には難易度が高かった。

    2024.1.2
    3
  • 乙女の本棚4 檸檬
    乙女の本棚シリーズ3冊目。
    物語というより、どちらかというと絵に惹かれて読む。
    学生と思われる若い男性の鬱々とした気分と、描かれている絵がしっくりくる。
    「檸檬」は初めて読破。
  • 死後の恋(乙女の本棚)
    美しい絵に中和されたところは多少あるが、苦手な戦争モノだった。。。作品のテーマは戦争ではないのだが、戦時中の物語で、苦手な戦争のグロさが途中でいきなり出てきて、最後まで読めたもののしんどかった。。。
    苦手なジャンルでも最後まで読ませるくらい物語としては興味深いのですが唯々苦手、という一言に尽きる。と...続きを読む
  • 瓶詰の地獄
    一旦、表題作の感想を...
    胸糞!と聞いていたので、3番目の手記で如何に恐ろしい内容が来るのかと構えていたら、呆気なく終わった.けど、それは逆に悍ましいし、全体としてみることで、不気味さがより伝わるのだと思う.
  • 乙女の本棚10 赤とんぼ
    赤とんぼと別荘と思われるところへやって来た女の子のひと夏の出会いと別れ。
    色使いがとても綺麗な絵が、この物語をより幻想的なものにしている。
    装丁もおしゃれで、和紙っぽい見返しもとっても綺麗だ。
    大人の絵本だね。
  • 乙女の本棚8 夢十夜
    夢十夜は、最初に“こんな夢を見た”とされ、、多少の理不尽や非合理性は、許してね、ということになる。その絵を描くというのはあまりに許容範囲が広すぎて難しかったでしょうねと思います。

    第一夜
    死んだ女が百合の花に転生する夢。
    愛する女を失った男の夢。
    「もう死にます。百年 私の墓の傍で待っていてくださ...続きを読む
  • 瓶詰の地獄
    結果的に、わたしにはあまり夢野久作がハマらなかったということがよくわかった。死後の恋のビジュアル感、支那米の袋の臨場感はイイ!と思ったけど、全部の話で話長えよ〜!!って思ってしまうのは、もう相性の問題だと思った。鉄槌の主人公がいちばんサバサバしてて好感が持てました。
  • ドグラ・マグラ(下)
    文字を一通り追ったうえで、わたしが楽しめる一線を超えていたと純粋に思いました。マルチバースやタイムリープに興味がなくなる感覚と似てるね。
  • ドグラ・マグラ(下)
     巷間言われているほどのグロさもエロさもない。正木を通じて語られ続ける作者の世界観、生死観は理解の範疇である。

    (内容紹介)
     昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉...続きを読む
  • 乙女の本棚2 猫町
    で『猫町』はねこ助さんじゃないんかーい!


    と、言いたいためだけの詩人萩原朔太郎唯一の小説『猫町』です

    いやーわからんかった
    ぜんぜんわからんかった
    お手上げ
    えっと麻薬中毒者の妄想でなくて?

    わからんかったモノはわからんかったと書くそれがわいの正義や!(わからんかったくせに偉そう)

    そして...続きを読む
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
    大乱歩氏の有名な短編に、しきみ氏のイラストがコラボされた作品。相手は昔のまま変わらないのに、自分だけが年老いて行く悲しみが切なく感じる。儚い恋愛小説としても読めると思った。
  • 乙女の本棚8 夢十夜
    ヨルシカの「第一夜」を聴いていたら、ふと読みたくなって手に取った。
    夏目漱石×しきみで、とってもイマドキな感じに仕上がっている。
    こんなイラストと組み合わせても、全く色褪せないのは、やっぱり文豪夏目漱石だからなんだろうな。
    夢の中の話というだけに、つかみどころがない感じがするけど、読み手によって様々...続きを読む
  • ルルとミミ(乙女の本棚)
    むかしむかし、ある国の美しい湖のふちにある村にルルとミミという兄妹の孤児がいた。

    ルルは亡き父と同じ立派な鐘造りを目指す。

    「湖の水が濁るとよくないことがある」

    幻想的で悲しいお話だった。