夢野久作のレビュー一覧

  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    浜辺に流れ着いた3通の手紙。
    そこには、遭難した兄妹の無人島での生活が綴られていた。

    1通毎に時が戻る。
    死を決意→じわじわ狂っていく→健やか
    暗かった。
    タイトルの瓶詰地獄にふさわしい。
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    ふつうに小娘に怒るなり注意するなりしてもいいのにな。迷惑この上ない。しないのは小娘と、雑多なこととかかわりあいたくないからだろうか。
    そんな主人公の心の変化が、ラストのイラストの色のやわらかさで表れていてとてもよかった
  • 乙女の本棚2 猫町
    温泉に滞留していた私はあるとき迷子になり見知らぬ町に辿り着く。そこには不思議な光景が広がっていた。

    薬物中毒者のうわ言のような印象をうけた。
    幻覚と現実の境目、どちらが表かわからない。
    狐に化かされたような気分になった。
  • 乙女の本棚9 外科室
    外科室での手術で麻酔を拒否する貴船伯爵夫人。
    彼女の視線の先には、外科医・高峰がいた。

    夫人と高峰の心の機微が私の読解力ではうまく汲み取れなかった。
    泉鏡花は難解だった。
  • 乙女の本棚8 夢十夜
    10の夢によって構成される夏目漱石による幻想的な奇譚。

    第三夜の盲目の不気味な我が子を背負って歩く話が好き。
    子から明かされる自身の過去によって感じる罪悪感と子の重さが比例しているように感じた。
  • 乙女の本棚 女生徒
    東京に暮らす一人の少女。
    彼女のある1日の心の動きを描く。

    繊細なようで図太い。
    猫のように気まぐれで子リスのように臆病、万華鏡のように気分が移ろう少女。
    これぞ思春期って感じがした。
  • 少女地獄
    翻弄しているようで、翻弄されている。
    翻弄されているようで、嘲笑っている。
    振り回されて、傷つけられて、その上で見せる恐ろしく強い意志。
    かたや、最初から最後まで手玉にとっている。
    通り一辺ではない、表裏一体な「少女」「女性」たち。
    同じ女性としてツラい展開もあれば、ニヤリとする展開もある。…一気に...続きを読む
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    乙女の本棚。

    横須賀線に乗った「私」。
    発車間際に乗り込んできた田舎娘と相乗りに。

    退廃的な心持ちでいた私は小娘の蜜柑を見送りに来た兄弟にまくという行為にひととき心を慰められる。
    読みやすかった。
  • 少女地獄
    ①小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』と並んで、日本探偵小説三大奇書と言われる「ドグラ・マグラ」の作者、夢野久作作品。
    ②過日読み終えた「おちくぼ姫」同様に人気てぬぐい店「かまわぬ」とのコラボ和柄Specialカバーである。

    上記2点が本書を購入した理由、「ドグラ・マグラ」の難解...続きを読む
  • 押絵の奇蹟
    『氷の涯』
    正直よくわからなかった。ただ、ラストがよかった。

    『押絵の奇蹟』
    最後の最後まで真相が明かされない所が良くもあり悪くもある。話の内容はとてもよかった。運命・神秘・可能性みたいなものを感じた。
    心の中の想い人ににてしまうというのはあり得るように思う。女独自の感覚かもしれないが。一種のテレ...続きを読む
  • 空を飛ぶパラソル
    夢野久作作品は、ドグラ・マグラだけだったので、短編集ということで読んでみた。やはり猟奇的で耽美的な作品が多い印象。世界観に没入する前に、突然話が終わってしまうのがなんとも歯痒い。
  • 瓶詰の地獄
    表紙の可愛さを木っ端微塵に吹き飛ばす、独特の作品ばかりが詰め込まれた短編集。
    どの話もなかなか読み進められず、ずっと物語の世界に閉じ込められているような気分だった。
    あの肌に纏わりつく湿っぽさと陰鬱な思考回路はやっぱり苦手だけれど、夢野ワールドを堪能できる一冊だった。
  • 瓶詰の地獄
    瓶詰めの地獄のみ読みたくて、鉄槌の途中で断念

    瓶詰めの地獄はもう素晴らしかった。
    他の作品はえろグロ、と言った感じでついていけなかった
  • 少女地獄
    現代社会の堕落層に住む寄生虫

    夢野久作といえば「ドグラ・マグラ」が有名ですよね。
    一度、ドグラ・マグラを通読してみたのですが、やはりまだ私のレベルではついていけなかったので比較的読みやすい本書を通読してレベル上げをすることにしました笑
    私が1番好きな話は「煙を吐かぬ煙突」です。
    短編集とはい...続きを読む
  • ドグラ・マグラ(下)
    読み終えるが、精神に異常なし。
    時間がかかった。
    途中で、他の本がどんなに読みたかったことか。
    下の半分過ぎくらいになって、なんとか読めるようになる。
    何回か読めば、今よりは謎がハッキリすると思う。

    三大奇書、四大奇書を読破しました。
    これから、肩の力を抜いて楽しい読書できると思うと嬉しい。ヤッタ...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    初めて読みました。「檸檬」気になっていた作品だったのですが、難しいという先入観で読んでませんでした。
    イラストがあると、想像しやすく少しですが理解しやすかったです。
  • ドグラ・マグラ(下)
    高校時代チャカポコで挫折したけど再読。
    難しい、そして長い……もう一度読みたいけど読み返すのはしんどい長さ。なんか結局みんな狂っていて、呉一郎が可哀想。シャッターアイランドを連想した。
  • ドグラ・マグラ(下)
    1つの作品を読み終えるのに3週間も費やした。
    作中に出てくる書類に記載された映像や別の書類を読んでいると、自分は今、一体何を読まされているのかが分からなくなる。
    本書の後半でやっと真相が掴めてきたと思いきや、また混乱の渦に放り込まれて、結局分からないまま放り出される。
    これが奇書か。
  • 少女地獄
    個人的にはあまり合わないんです、この時代のこの手のテイストの作品は。良い悪いの話ではございません。
    でも解説の読み解き方含めて、書かれた時代を考えると深いものがあるだろうとは容易に想像つきます。当時どんな感じで受け止められていたのか、結構興味あります。
    にしてもこのお方の出自、何気にすごい。こういう...続きを読む
  • ドグラ・マグラ(上)
    物語の鍵を握るのは記憶喪失の青年か。
    記憶を呼び覚ますキッカケになるだろう、と謎の博士が記した書類を渡される。
    内容は『ある研究に着手するまでの経緯や理論、実験方法に関する記録』で、その奇妙さと難解さには戸惑う。
    だけど興味深いと思える部分もある。
    結末が全く想像できないので、下巻が楽しみ。