夢野久作のレビュー一覧

  • 瓶詰の地獄

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     夢野久作の短編小説集。だいたい、昭和一桁年頃の作品群のようだ。西暦で1930年前後。
     相変わらず性的にどこかヘンタイっぽく妙な小説が多い。一人称体の作品は『ドグラ・マグラ』と同様の、延々とトートロジックに吐き出される独白の急流が見られる。この文体や主題の取り方・筋などはとてもケレン味が強く、やはり文壇の王道よりはかなりかけ離れているのだが、この怪しげな欲望の奔流は、単なる娯楽作品という枠に閉じ込めきれるものではない。カルトな芸術である。あまりにもリビドー放出が激しすぎてしばしば日本語が壊れてしまうところが凄い。
     1編読み終えてみるとちょっとすっきりしないような終わり方の作品も幾つかあった

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    2022年04月21日
  • 人間腸詰

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    なんというひどいタイトル笑
    しかも比喩的表現かと思いきや、マジメに人間ソーセージでした。恐ろしい。
    いつも度肝を抜いてくれる夢野久作先生です。

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    2022年04月01日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    ★4.0 「瓶詰地獄」
    ★3.5 「死後の恋」「悪魔祈祷書」
    「ドグラ・マグラ」ほどのおどろおどろしさはないかな。

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    2022年01月30日
  • 瓶詰の地獄

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    夢野久作の七篇構成の短編集。


    瓶詰の地獄 ☆☆☆★★
    兄妹の禁断の恋と、それに対する苦悩。順序の分
    からない3つの手紙。兄と妹の互いの気持ちがリアルに伝わってきて苦しかった。

    人の顔 ☆☆☆★★
    母の浮気を子が知って、それを父に知らせると父
    は子を睨み───。この続きがハッピーエンドに
    繋がると考えるのは難しそうなのでつらい。

    死後の恋 ☆☆☆☆★
    これは素晴らしい恋愛作品。‥‥アナスタシヤ内親王殿下‥‥。この7つの作品の中では個人的に一番よかった。FGOでアナスタシアが好きな人は是非。

    支那米の袋 ☆★★★★
    これは微妙。

    鉄鎚 ☆☆☆★★
    まるで悪魔な叔父と更にその悪魔度を上回

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    2022年03月10日
  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    ロマノフ王朝の呪い?
    そんな前置きをされたら、嘘臭くて、絶対に聞かないで席を立ちたい。
    たった一夜の間に白髪混じりの老人になってしまった24歳のロシア人の老人。
    「ハラショ」
    ひと通り聞いてみると、気狂いじみていたけれど、私は、本当の、真実の話かもしれない、と、
    思ってしまった。

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    2021年04月13日
  • 瓶詰の地獄

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    思ってたより全然読みやすくて面白かった。 読む前は気味悪さ、グロさだったり狂気的な内容と思っていたが文体も読み易いし内容も神秘的で官能的。 ついつい引き込まれる。 評価が高いのもうなずけるし他の作品にも興味が沸く。 こういう世界観はいいなと思わされた一作。

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    2020年10月22日
  • あやかしの鼓 夢野久作怪奇幻想傑作選

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    あやかしの鼓―夢野久作怪奇幻想傑作選
    (和書)2009年05月27日 18:02
    1998 角川書店 夢野 久作


    随分前に「ドグラ・マグラ」を読んで凄く面白いなって思った作家だった。今回は、短篇集と言うことで「少女地獄」以来だった。しかしどれを読んでも「ドグラ・マグラ」に見劣りしてしまうように感じた。

    もう一回「ドグラ・マグラ」を読んでみようと思う。

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    2020年09月25日
  • 瓶詰の地獄

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    「死後の恋」は島田荘司の「ロシア幽霊軍艦事件」を思い出しながら読んだ。
    表題作の「瓶詰の地獄」が切れ味としては抜群か。

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    2020年06月20日
  • 夢Q夢魔物語

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    ネタバレ

    夢野久作(1889-1936)の小品集。猟奇歌(抄録)、掌編、童話、エッセイ、ルポルタージュなど、他の作品集で選ばれることの稀なものが多い。

    記者として勤めていたことのある『九州日報』に連載されたルポルタージュ「東京人の堕落時代」「街頭から見た新東京の裏面」が貴重でありかつ興味深い。記者杉山萌圓の視る大震災後の東京と作家夢野久作が描く作品世界とは、まるで断絶していない、ぞっとするほど地続きであることが、読めばすぐに感じられる。都市彷徨者としての夢野久作。都市も人物もどこか透明で実体が欠落しているよう。非人称的。

    自己を自己たらしめている何かが実はただの虚無でしかなかった、という感覚。彼の描

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    2020年01月01日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    短編集、読んだ事の有る作品、読んだ事のないので面白かったのは「あやかしの鼓」。 いなかの、じけんは少し狂ってて、次から次に短いのに読み終わるのに時間がかかった。

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    2019年08月13日
  • きのこ会議

    do

    購入済み

    びっくりするくらい短かった

    とても短い話でさくっと読めました。

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    2019年01月16日
  • 犬神博士 アニメカバー版

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    乞食や詐欺など不穏な要素もありつつ、所謂神童と呼ばれるような子供が大人たちに振り回される冒険活劇という印象を受けました。
    純粋で活発な子供だからこその大胆さで大人たちを振り回し振り回され、女の子のような愛らしい出で立ちや名人級の踊りを買われ何度も拐かされたりと常にドタバタで破茶滅茶だけれど、それを面白がっているチイ(当の本人)のあっけらかんとした性格が読んでいてとても愉快でした。
    未完となってしまった為、この痛快な冒険の終着点がどうなる予定だったのか気になり、続きがないことがとても残念です。

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    2018年11月23日
  • 夢Q夢魔物語

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    ネタバレ

    夢野久作らしくも読み易い小品集。
    「瓶詰地獄」以外は初めて読んだのですが、不気味で不可思議な輪廻転生を綴った「魔の章」から始まり怪奇あり幻想ありでバラエティに富んだ作品集でした。
    「空中」は恐らくバミューダトライアングルを題材としており、これが現実に起きている怪事件と思うと夢野久作の描く不思議な物語たちも強ちフィクションではないのかもしれない..と感じました。
    「病院」は「ドグラ・マグラ」に繋がる部分があり、論文の為に自分自身を追込みキチガイ地獄へと放ったもう1人の自分とは一体誰なのか?という謎が非常に面白かったです。
    本当に短く読み易い作品ばかりですが、個人的には他の夢野久作作品を読んでから

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    2018年10月16日
  • 押絵の奇蹟

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    夢野久作の中篇3作が収められた本書は、
    全て書簡形式で遺書という面白い組み合わせでした。
    時代背景や地域は様々ながら全作を通して死際に打ち明ける秘密であり、様々な愛の形が散りばめられていました。
    「氷の涯」は戦時下の露西亜を舞台にしており様々な思想や主義などの背景が描かれる中、所謂ヒロイン的でも悪女でもなく(今時の表現で大変失礼かとは思いますが)まさにキルビルの如く強く生き生きとしたニーナはとても格好良かったです。
    夢野久作の作品に登場する女性はどこか妖艶で陰のある人物像が多いので、意外に感じつつとても好きになりました。
    「押絵の奇蹟」は押絵そのものの繊細な描写が非常に美しく純愛を彩っていまし

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    2018年08月22日
  • 少女地獄 夢野久作傑作集

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    旧字体が多いので少し読みにくいのですが、現代文学にはない少し変わった世界観が広がっている気がしました。

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    2018年03月20日
  • 犬神博士 アニメカバー版

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    ネタバレ

    犬神博士・・・というタイトルから私がイメージしていた話とは程遠い話だった。
    新聞連載ということを知って納得。面白くて読むのが止まらない娯楽作品という印象。博打を売って爺さんを任そうとしたあたりでは、いくらなんでもチイが大人すぎて頭が良すぎて、そんなわけないだろうと思ったが、ハンマの源を手ぬぐいで打ち負かした辺りで、もうこれは利発な少年の痛快武勇伝でいいのだなと思った。ただ、それにしては、裏の政治背景があまりにややこしすぎて読み飛ばしてしまったが・・・後でわけわかんなくならないだろうか、と心配してるうちにチィは走りだし、作品は未完を迎えるわけである。

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    2018年02月25日
  • あやかしの鼓 夢野久作怪奇幻想傑作選

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    死後の恋
    瓶詰地獄
    悪魔祈祷書
    支那米の袋
    難船小僧
    幽霊と推進機
    怪夢
    白菊
    いなか、の、じけん
    木魂
    あやかしの鼓

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    2017年10月15日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    あとがきに書かれているように、私も以前「ドグラ・マグラ」から夢野久作に入ろうとして門前で弾き飛ばされた一人なのですが、この本は短編集で読みやすく、夢野久作入門には最適でした。幻想怪奇趣味が詰まっていて、好み。近藤聡乃さんの表紙絵はイメージぴったりだと思いました。「いなか、の、じけん」だけは青空文庫で既読。「瓶詰地獄」が特に面白かった。いまだに本棚の奥で眠っているドグラ・マグラに再挑戦してみようかな。

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    2017年06月22日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    とても面白かったです。既読の作品もいくつかありましたが、何度読んでも、目眩く狂気の世界に惹きつけられます。「瓶詰地獄」「いなか、の、じけん」「怪夢」が特に好きです。カタカナの挟まれる文章も癖になります。「いなか、の、じけん」は、こんなに狂った事件がいくつも起こる地域なんて嫌だと思ってしまいました。初めて読んだ「あやかしの鼓」については、作者の言葉と、江戸川乱歩とかの評論も収められていて贅沢です。狂気と正気は紙一重で、狂気の側に陥った人の描写に怖いと思うと同時に、すごく惹かれている自分もいます。夢野久作の作品も、もっと読みたいです。

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    2017年05月25日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    ドグラ・マグラでチャカポコしている時にはどうしてその後夢野久作作品続けて読むようになるなどと予想できただろうか。不気味でグロテスクで背筋が冷たくなったりもするんですが、狂言じみた言い回しがどこか美しくて。表題作のほか『支那米の袋』が好きでした。ほかにもロシア絡みのネタがちょいちょい挟まれてたのですがそれがまたいい味でした。『いなか、の、じけん』はちょっと柳田国男っぽい感じで面白かったー。

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    2017年02月09日