夢野久作のレビュー一覧
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ネタバレ夢野久作(1889-1936)の小品集。猟奇歌(抄録)、掌編、童話、エッセイ、ルポルタージュなど、他の作品集で選ばれることの稀なものが多い。
記者として勤めていたことのある『九州日報』に連載されたルポルタージュ「東京人の堕落時代」「街頭から見た新東京の裏面」が貴重でありかつ興味深い。記者杉山萌圓の視る大震災後の東京と作家夢野久作が描く作品世界とは、まるで断絶していない、ぞっとするほど地続きであることが、読めばすぐに感じられる。都市彷徨者としての夢野久作。都市も人物もどこか透明で実体が欠落しているよう。非人称的。
自己を自己たらしめている何かが実はただの虚無でしかなかった、という感覚。彼の描 -
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ネタバレ夢野久作らしくも読み易い小品集。
「瓶詰地獄」以外は初めて読んだのですが、不気味で不可思議な輪廻転生を綴った「魔の章」から始まり怪奇あり幻想ありでバラエティに富んだ作品集でした。
「空中」は恐らくバミューダトライアングルを題材としており、これが現実に起きている怪事件と思うと夢野久作の描く不思議な物語たちも強ちフィクションではないのかもしれない..と感じました。
「病院」は「ドグラ・マグラ」に繋がる部分があり、論文の為に自分自身を追込みキチガイ地獄へと放ったもう1人の自分とは一体誰なのか?という謎が非常に面白かったです。
本当に短く読み易い作品ばかりですが、個人的には他の夢野久作作品を読んでから -
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夢野久作の中篇3作が収められた本書は、
全て書簡形式で遺書という面白い組み合わせでした。
時代背景や地域は様々ながら全作を通して死際に打ち明ける秘密であり、様々な愛の形が散りばめられていました。
「氷の涯」は戦時下の露西亜を舞台にしており様々な思想や主義などの背景が描かれる中、所謂ヒロイン的でも悪女でもなく(今時の表現で大変失礼かとは思いますが)まさにキルビルの如く強く生き生きとしたニーナはとても格好良かったです。
夢野久作の作品に登場する女性はどこか妖艶で陰のある人物像が多いので、意外に感じつつとても好きになりました。
「押絵の奇蹟」は押絵そのものの繊細な描写が非常に美しく純愛を彩っていまし -
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ネタバレ犬神博士・・・というタイトルから私がイメージしていた話とは程遠い話だった。
新聞連載ということを知って納得。面白くて読むのが止まらない娯楽作品という印象。博打を売って爺さんを任そうとしたあたりでは、いくらなんでもチイが大人すぎて頭が良すぎて、そんなわけないだろうと思ったが、ハンマの源を手ぬぐいで打ち負かした辺りで、もうこれは利発な少年の痛快武勇伝でいいのだなと思った。ただ、それにしては、裏の政治背景があまりにややこしすぎて読み飛ばしてしまったが・・・後でわけわかんなくならないだろうか、と心配してるうちにチィは走りだし、作品は未完を迎えるわけである。 -
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夢野久作の中編三篇を収録した作品集。彼の作品の特徴を為す主題が描かれている。
「氷の涯」 (1933)
疾走というのは、いつも desperate であって、行く宛先の無いものだ。男女二人の終末の後ろ姿には、そうした何処か乾いた美しさがある。
「押絵の奇蹟」 (1929)
夢野久作らしい、伝奇的にしてロマンティシズム漂う凄絶な恋物語。夢野はしばしば、人間の精神と肉体の拠って来たる所を闡明せんとする近代の技術的学知たる精神医学と遺伝学が却って垣間見せるところの、人間存在の否応無き深淵の底知れなさを剔抉する。 「・・・、場合によりては男女間に於ける精神的の貞操の有無をも、形而下