あらすじ
書簡体形式などを用いた独自の文体で読者を幻惑する、唯一無二の怪奇探偵小説の巨匠・夢野久作。その入門書にふさわしい四編を収録した傑作集を贈る。ロシア革命直後に語られる数奇な話「死後の恋」。南の島に流された幼い兄妹の悲劇を綴る「瓶詰の地獄」。満州を舞台に、日本兵と異国の少女の逃避行を描く「氷の涯」。虚言癖の少女、命懸けの恋に落ちた少女、復讐に身を焦がす少女の三人を主人公にしたオムニバス「少女地獄」。『黒死館殺人事件』『虚無への供物』と並ぶ、不朽の大作『ドグラ・マグラ』の著者の真骨頂を示すベスト・オブ・ベスト。/解説=戸川安宣
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Posted by ブクログ
グロすぎて吐き気がする。インパクトの強い作品群だった。死後の恋のラストシーンがエグさでは一番で、今、こんな小説を書くと批判されるか禁書になるか差別主義者だと言われそう。好きなのは瓶詰の地獄。これは実際あるかもしれない。でも、自殺する必要はないと思った。嘘をつきまくる看護士の話しは、これもありがちだなと思うが「赤に違いない」と決めつけるのは時代だなと思った。最後の話しが一番好きだが、教師の裏側を描いた作品で、あれをやられたら生きてはいけないと思う。
Posted by ブクログ
初の夢野久作傑作選。
世界大戦付近の時代背景を前提にしてる作品が多くて、その辺もっと詳しければ、もっと楽しく読めるんだろうなぁという感じがあった。
表題となる少女地獄を構成する3作品は、歴史観無くてもすっと読める作品で、ゆめきゅうらしい狂気や純粋さが余すとこなく語られてて良かった。
氷の涯をもっと楽しく読める程度に勉強してもう一度読みたい。今作1番愛おしいのはニーナだった。