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近いうちにこの切っ先が、私の手の内で何人かの血を吸うであろう……。 Q大附属病院に入院をしていた「私」は、レントゲン室に勤務する異母弟から余命宣告をされる。 理不尽な運命を豪快に笑い飛ばした「私」だったが、生命が尽きるまでに成し遂げなければならない使命があった。 「私」は背広の内ポケットに家伝の短刀を忍ばせると、恐ろしい復讐の旅に出るのであった。
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Posted by ブクログ
短編集『狂人は笑う』(一九七七年, 角川文庫)に「冥土行進曲」を追加し、改題・復刊された内容。谷口基による解説(pp308-314)によると「冥土行進曲」は遺稿であり、失敗作だとする評者(西原和海)もいるようであるが、この短編が追加されるかされないかで、本書の読後感はだいぶ変わるのではないか。冒頭...続きを読むに収められた「狂人は笑う」から、七編目の「爆弾太平記」までは、書かれた当時の混沌とした時代背景と、食うか食われるかの人間関係が緊張感をもって描かれているが、果てしなく陰惨で殺伐としている。その殺伐さがあまりにも突き抜けていて笑うしかない「爆弾太平記」のあとに付け足された「冥土行進曲」は見事な冒険活劇で、陰惨さはほとんどなく、痛快無比。主人公と共に周囲に振り回されながら、最後は気持ちよくページを閉じることができた。
海上ものの話が多くて苦手な部類なんだけど、珍しく面白く読めた。 久しぶりに夢野の精神世界に迷い込みに行った訳だけども、みんな狂っていて好き。 角川で続々と復刊してるの本当に有難いです。 切れ味の良い狂いっぷりでざわざわしてるこの本、後味は割とほっこりめで終わるのでスッキリしてる。 怪奇中の怪奇で怪奇...続きを読む小説が好きな人は向くと思う。 ハマりましたね久々に。
妖の雰囲気が漂う作家だが失敗作とされる『冥土行進曲』は活劇的で読みやすかった。 好みにもよるのだろうがこの人の作品は一人称で威力を発揮するように思える。冒頭の『狂人は笑う』は面白いがもっと人数を増やせば山田風太郎氏の様な連作風の長編が出来たのではと妄想した次第。
勉強の前と寝る前にちょっとずつちょっとずつ読んでやっと読み終わった。 これを読んでるタイミングと『異世界ありがとう』を読んでるタイミングが被ってて、海が共通してるときになんか脳内でイメージごっちゃになって頭疲れてるな…と思いながら読んでた。 海を見たくなって夜中に川辺と海辺をドライブした。 久...続きを読むしぶりの夢久めっちゃすき!とはならんが長編を読む脳キャパがないので区切り区切りで読めてのめり込みすぎるほどすきでもなくほど良かった。 やっぱり装丁がいい。 なんかアニメキャラとのコラボ装丁じゃなくなったら他の読んでないのも買いたい。
夢野久作はなんだかんだで結構読んでる気がしたけど、これはどれも読んだことない短編集だった。いや、普通に読んだことあるけど忘れてるというのも全然ありうるけど。 本作は、タイトルにもなっている「冥土行進曲」が実は夢野久作の遺稿でもあり、ラストに満を持して登場するのだが… それまでの短編の完成度が高すぎ...続きを読むたのか、ちょっと拍子抜けだった。未完成だったのかも知れない。 なぜか船や炭鉱の話が多く、設定もなんか似通っていて繋がってるのかと思いきや、特にそうではない。 そしてどの話も夢野久作作品らしく、二転三転四転していく。もはやどれが真実だかわかりゃしない。だがそれでいいんだ。 「焦点を合わせる」が一番行ったり気たりで幻惑させられた。でもそれが面白いんだなぁ。結局話がなんだったのか良く理解できていないが!夢野久作作品はストーリーを理解して楽しむと言うよりは体験重視という感じがする。 だが、逆転するのが頭に入っていると、普通の話でも「さあいつ反転するんだ?」と訝しむ読み方になってしまい、「爆弾太平記」はストレートに終わったので「おっ… なるほど、まあ、面白かったですけど」ってなってしまった。そうか、転がない場合もあるか… 「商店を合わせる」で出てきた、ニトログリセリンとジンを合わせたダイナジン(ニトログリセリンはダイナマイトに使われているから)というカクテルが気になりすぎた。ネタかと思いきや、ニトログリセリン自体は医薬品でもあり、狭心症の治療に使われているらしい。気になるけど、そこまでして飲みたくはないかな。 あと、夢野久作作品に顕著なのは「…」いわゆる三点リーダー。めっちゃよく見る。 これの「正しい使い方」、ほんとは「……」と2つ並べるというのは往々にして話題になるやつ。そして自分もその2つ並びを見る度に違和感を覚えていた。でも夢野久作作品ではきちんと三点リーダを2つ使ってるんだよなぁ。この頃は普通だったのだろうか。 いつものように読み飛ばしそうになったが、解説がまた面白かった。 江戸川乱歩などが「本格探偵小説」ではなく、『謎が合理的に解き明かされていく快感などはない。しかし、現実を相対化する視点を獲得し、非論理の論理に淫する愉悦がある』「変格探偵小説」を始め、夢野久作はそれに全身で取り組んだ。 確かに、夢野久作作品は探偵小説の快感はない。犯人探しやトリックの解決法なんか全然出てこない。謎ばかりが出てきて、たまに解決するけど大体はホホホホホホ……やアッハッハッハッハ……という笑い声でかき消される印象。でもそれがまさに「被論理の論理に淫する愉悦」だわ。 また、この短編集では漁業や炭鉱の話が多く、且つ解像度の高さが異常だったので、夢野久作の実体験を元にしたものなのか…?と思ったが、解説を読むとものすごく取材をしていたり、親類から聞いた話を昇華していたりしたらしい。とんでもないよなー。名前は轟雷雄とか須婆田とか変わったものが多いけど、その他の細かい内容はとにかく引き込まれるほど詳細。 こういう細かさから話がどんどん現実性を帯びて、その世界に引き込まれていくという仕組みになっている気がするなぁ。
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