あらすじ
日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。怪奇幻想作家として知られる夢野久作。他にも、軍人、農園経営者、僧侶、謡曲教授、新聞記者と多くの顔をもっていた。本巻では、代表的な短篇を始め、詩、実父・杉山茂丸の評伝、能楽に関するエッセイと、特異な才能を発揮した著者の、多彩な作品群を見ることができる。
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Posted by ブクログ
「氷の涯」の終盤のニーナの独り語りが凄い好き。半世紀以上前の小説とは思えないスピード感。
「人間腸詰」もやっぱり面白い。
日中露のゴタゴタした感じがたまらん。
Posted by ブクログ
夢野久作の短編集。
ドグラ・マグラが読んでみたいなと思っていたが、つまらない作品だと時間の無駄なので、手始めとして短編集を読んでみた。
正直ストーリーの組立などは現代小説のほうが上手だけれども、独特の言い回しや文体など恐ろしく魅力的な作品だと思う。
古くても寂れない名作とはこの小説のような存在のことを言うのだろう。
この短編集の中の「人間腸詰」が軽妙でもあり、グロくもあって中々に素敵だった。
Posted by ブクログ
なんといっても「氷の涯」なのですね。ラストが必見です。夢野久作が書簡体や一人称語りなどを魅力的に使用していることが「瓶詰地獄」などでうかがえたりします。
Posted by ブクログ
読みました。やはり「瓶詰地獄」が最高でした。あと、「いなか、の、じけん 抄」の「スイートポテトー」が好きでした。
「猟奇歌」は漫画に描くととても暗く濃いものが出来そうだ。イメージだけが突き抜けていて血生臭くてたまらん。
ホラーと言われるテイストを求めて読んだのだが、「氷の涯」には特にその手のものはなく長い割に?となった。ドグラマグラ的な立ち位置がわからなくなるような話なのかと思ったがそういうわけでもなかった。前半と後半で味わいも変わるのもまた?となったところ。ただとても「ドグラマグラ」味を感じる中編なんだよな。ケムに撒かれている感じ。この手紙を書いた主人公は実際のところ本当にあった事を書いているのかと疑いたくなるその感じ。
Posted by ブクログ
収録作品:いなか、の、じけん 抄 / 瓶詰地獄 / 押絵の奇蹟 / 氷の涯 / 人間腸詰〈そうせえじ〉 / 猟奇歌 / 謡曲黒白談より / 杉山茂丸