【感想・ネタバレ】少女地獄のレビュー

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Posted by ブクログ

心理描写がズマ抜けて素晴らしい。初めて夢野久作の書いた作品を読んだけれど、面白い位にどタイプだったので他の作品も読んでみたい。

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2023年04月16日

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ネタバレ

まずこの本は短編集です。
その中でも表題の「少女地獄」の感想になります。
「少女地獄」は「何んでも無い」「殺人リレー」「火星の女」の三作で構成されています。この中でも「殺人リレー」は先に発表され、後から「何んでも無い」と「火星の女」と共に一つの本となって刊行されました。
書簡形式で書かれた作品ですが、同じ書簡形式をした短編は同じ著者だと「瓶詰めの地獄」がありますね。

閑話休題。

私がこの中でも一番好きな話は「何んでも無い」になります。私自身、虚言癖があります。なので、この「何んでも無い」のユリ子という彼女の嘘とその末路が美しくも鮮やかで寂しくて大好きです。
嘘つきにはロクな死に方は求められません。ユリ子は自殺“したことになっている”のです。ユリ子は主人公への書簡の中で死んでいます。これはユリ子という人格の死に他なりません。
実際に“ユリ子”にあたる人物が死んだかはわかりません。そこが、この話の美しさなのです。
嘘という言葉で構成されたユリ子の、最高の結末は、言葉による嘘でなければ、物語は終わることができないでしょう。

なお、この「何んでも無い」は映画化されたようです。気になる方はそちらもどうぞ。

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2022年11月01日

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暑さに噎せ返るような感覚を覚えた。背中を撫ぜるような不安感。だけど話はするする読めるし情景も想像しやすい。『ドグラ・マグラ』を読んだ時はどこまで何を読んだか思い出せなくて苦労したけど読みやすさに驚いた。

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2022年07月22日

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初めて夢野久作氏の作品を読みましたが、とても良いですね、全てにおいて美しいと感じます。
谷崎潤一郎が好きなので、夢野久作の作風にも見事にハマりました。
こう書くと色んな所から批判を浴びそうですが、まずサブカル女(私も含め)は、この手の作品が好きでしょうね。サブカル女をもっと分かりやすく伝えると、岡崎京子の漫画をバイブルにしているような人間といえば分かりやすいでしょうか。

複数の短編作品が収録されていますが、1番読みたかった目当ての作品は「何でもない」でした。
ですが、いざ読み終わってみると…うん、どれも好きだ!!!!
何処か物悲しく、けれども愛らしさもある作品ばかりでどストレートに揺さぶりかけられました
これを機に色々彼の作品を読んでみようと思います

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2022年02月05日

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ドグラ・マグラで有名な夢野久作作品の入口に相応しい1冊。
3人の女たちの美しい狂気と破滅を描く中編集。
本書の代表作「なんでも無い」。主人公の姫草ユリ子は有能な看護婦であるが病的な虚言癖を持つ。大学病院、診療所などに勤めるかたわら医師たちに嘘をつき彼女は破滅していく。
虚言女は普遍的である。ユリ子が現代に生きていたら毎日加工自撮りをあげ生配信で虚言を吐き続け最期は炎上するであろう。

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2022年01月25日

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表題作含む4作品が収録されているのだが、特にこの少女地獄が面白い。というか…ぉおという声が漏れるこの後読感。比べるのもアレだがドグラ・マグラより好みである。夢野久作は短編の方が良い感じです。

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2021年05月06日

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狂気と儚さが共存している感じがクセになる。
ドグラ・マグラを読んで、衝撃受けてから欲するようになった作家。
「本当」に触れてるようで、触れられてはいない感じがハマる。中毒性あり。

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2020年01月04日

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もっと古臭くて読みづらいかと思ったけど全然そんなことなくて面白かった。
特に表題作の中の「何でも無い」と「殺人リレー」が良かった。姫草ユリ子みたいな娘がほんとにいたらちょっと怖いけど、何故だか人を惹きつける魅力があるんだろうなぁと思った。
遺書が十二月三日の日付になってるのもよかった。
なんだかユリ子には生きていて欲しいなぁと思った

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2019年11月12日

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「何んでもない」という短編が良かったです。

何処にも桃源郷がないのなら 
お創り致しませう

上は椎名林檎の曲「葬列」の歌詞ですが、そんな感じのお話。
夢野久作では「ドグラ・マグラ」も大好きな作品ですが、この作品が一番好きかもしれないです。
 まず、言葉遣いが良い。まさに大正ロマン。
文章にしっとりとした可憐な色香を感じます。
 ドグラ・マグラが逸脱した「キチガイ地獄」ならば、少女地獄は元来人間なら誰しも持つような日常的な感情が肥大して生まれた狂気を描いています。その感情とは、『人によく思われたい』。
 姫草ユリ子は、すべての人間に好意を抱かせる、生まれも育ちも良い、噂の天才美人看護婦。だけどその実態は天才的な虚言癖。
 ユリ子が自分のイメージを獲得するために必死な様子は人間くさくて哀しく、それだけにいっそう不気味です。ユリ子ほど天才的とはいわずとも、真の狂気とは人間らしい欲望の中にあるのかもしれません。
 多くの人間が持っている要素と、狂気への紙一重に戦慄しつつそれがクセになる…そんな不思議な感覚を覚えます。
 嘘をつけばその嘘を守るために嘘を重ねなければならず、限界に達したときユリ子は自殺する。すべてを虚構で塗り固めたユリ子にとって、その仮面が剥がされるのは自ずと、自分が死ぬのと同じことだったのだと思う。囚われたらさいご命すらあやうい魅惑の地獄。
少女というのも実は嘘ですが。
 ユリ子はすべての人を虚構で魅入らせ、自分自身も虚構に魅入られて、虚構のうちに散った。何が幸せかは人それぞれで、「何んでもない」それも、寂しいですがひとつの生き方だったのかもしれません。築き上げた桃源郷を守ろうとした姿は哀しくもいじらしく、周りの人間も、嘘をつかれているのを分かっていて、その桃源郷を一緒に守ろうとした。狂気めいているのにこの温かさはなんだろう、不思議な世界観です

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2018年04月23日

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三人の少女に襲いかかる三通りの地獄をリアルに描写したのは読んでいてゾクゾクとした怖さがある
特に一本目の「何でも無い」は秀逸
誰もが一度はしたことがある「嘘を嘘で隠す」を突き詰めていけば待っている地獄、それを解釈する他人の汚さがもうたまらなく恐い

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2024年05月21日

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最初文章に慣れるまで少し時間がかかったが、全編通じて独特な雰囲気を感じた。

もぅ少し夢野久作の作品を読んでみたいと感じた。

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2023年12月17日

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夢野久作の短編集。どの話にも強烈な印象を残すヒロインが登場するので、作者の人物描写の堪能さに舌を巻く。
個人的には「何んでもない」の姫草ユリ子が好き。名前年齢学歴生家、自身を構成する全てを虚構で塗り固め、巧みな話術と徹底した振る舞いで周囲を「姫草ユリ子の世界」に巻き込んでいく彼女。
今年は嘘を吐くことで愛することを知ろうとしたヒロインのアニメがヒットしたが、姫草ユリ子にとっても嘘を吐くことが彼女なりの、世界を愛し愛される術だったのではないかと感じる。多少屈折している気はするが、嘘は最上の愛情表現……なのかも。

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2023年12月16日

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今にも通じるところのある話だなと頷きながら読みました。この手の人物は今も昔も変わらないものなのだな、と。

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2023年11月28日

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個人的に大好きな1冊
まさに「地獄」
個人的には最初の姫草ユリ子ちゃんのお話が好き
あの魔性の女感!!!あまりにも大好きだ!!
あと好きなのが煙を吐かぬ煙突
最後がとってもお気に入り
ぜひ読んでほしい

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2023年06月10日

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人間の怖さや陰は時代とともに儚げに変わるものもあれば、時代背景でこんなにも影響を与えるのだなと考えさせられました。
火星さんと呼ばれた少女は
ルッキズムや人と違うところなどに焦点を合わせず
男性の道徳観念に関してに怒りを覚えたのも面白かったです。
「火星の女の置き土産、黒焦げ少女の死体を受け取りください。
私の体は永久にあなたのものですから。」
この言葉から炎のように赤い怒りを感じました……

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2023年05月13日

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一言で言い表すのが難しい。
印象に残るのは少女或いは女性達の何重にも張り巡らされた尋常ならざる執念と、なんともオソロシ気な事件の顛末。
それらが、チョット普通の文体では考えられないようなある種の「ドグラ・マグラ」を思わせるような独特の構成によって炙り出されて行く。
確かにこれは"少女地獄"というタイトルに相応しい恐ろしくも圧巻の内容だった。

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2022年08月12日

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浅ましい男性たちが少女によって世間的に地獄に落とされる話。オカルトに頼らない怖さがあってぞっとする。

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2022年07月04日

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お名前は知っていましたが
こういう感じなんですね、
12月は慌しいのでサラッと読みましたが
時間のある時にじっくりと読み直したい一冊です。

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2021年12月16日

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 1930(昭和5)年から1936(昭和11)年にかけての作品を収めた夢野久作の短編小説集。10年かけて書いたという『ドグラ・マグラ』は1910年の出版。翌1911年に作者は47歳で死去しているので、本書収録の多くの作品は最晩年のものということになる。
 何とも淫靡な雰囲気を漂わせるタイトルの『少女地獄』(1934-1936)はそれ自体が3編から成る短編集。本書中ではやはりこれがベストと思われた。
『ドグラ・マグラ』を読んだ時、何だ、この、情念まみれの独白の垂れ流しによる荒唐無稽な洪水は。と驚いたものだが、これのドロドロ・ダラダラ・滅茶苦茶な様相は、本書の諸作にはそこまで表れていない。もっとまともで、普通に面白かった。
「ずっと」を「ズット」とするような片仮名表記が多用され、おどけているような感じをもたらしているが、そういえば横溝正史の1960年代以降の文体がこれに似ている。横溝に夢野久作の文体が直接影響したのかどうかは分からない。
 わりあいに破天荒な物語が多く、たぶん「現実離れ」しているのだろうが、読んでいてそんなに違和感は無かった。先日読んだ近年の作家の小説には現実離れしたストーリーや設定に強い違和感を持ったのに、本書ではそういうこともなく、面白く読めてしまったのは何故だろう? 昭和10年前後という時代の違いが大きいので、当時のパースペクティヴを十分知らないから、非現実的なものもそのまま受け止められたのだろうか? いや、これくらいの時代であっても、江戸川乱歩の作品には不自然さを感じるではないか。
 では、夢野久作の独特な文体に乗せられて、現出するストリームにすっかり身を投ぜられ、すべてを受け入れてしまうような、そんな読書体験となったのだろうか。
 どうもよく分からないが、夢野久作、面白いことは面白い。また他の作品も読んでみる。

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2021年12月09日

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ネタバレ

「少女地獄」自体は「何でもない」「殺人リレー」「火星の女」の3つの短編集。

姫草ユリ子ってめちゃくちゃ虚言癖があって、周りを脅したり騙したりそれだけみると悪い女なのに、彼女の狂気が儚さを引き立てていて、妙に惹かれてしまう。その手紙を書いている先生自体が彼女に同情的だからなのだと思うけど、その不思議な文章に魅了されてしまった。

「火星の女」は、ある事件をきっかけに聖人といわれている校長一味の悪事が「火星の女」によって露呈されていくお話。
はじめは校長先生が狂っていく姿をみて同情的になってしまったけれど、本当は口からでまかせばかり話すような人物で話が進んでいくに連れて鳥肌がたった。他人に対する慈悲の心がない内面の恐ろしさを感じた。

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2021年05月13日

Posted by ブクログ


難しい言葉や表現が読んでく上で少し苦戦したけれど、理解できると面白かった

読んでいくうちになんとも言えない不気味さや薄気味悪さがゾクゾクとさせられた

個人的には1番初めの話が1番引き込まれて面白かったかな

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2023年08月29日

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私には少し難しかったかなと感じました。
もっとたくさんの言葉や文学を身につけてから
もう一度読みたいと思います。

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2023年05月14日

Posted by ブクログ

翻弄しているようで、翻弄されている。
翻弄されているようで、嘲笑っている。
振り回されて、傷つけられて、その上で見せる恐ろしく強い意志。
かたや、最初から最後まで手玉にとっている。
通り一辺ではない、表裏一体な「少女」「女性」たち。
同じ女性としてツラい展開もあれば、ニヤリとする展開もある。…一気に読むとドッと満足感と疲労感!
固定観念的な性差を避ける時代だけど、どこかこの男女の「断絶」はいつの時代も在るんだろうなぁ、と思ったり。

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2023年04月11日

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ネタバレ

①小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』と並んで、日本探偵小説三大奇書と言われる「ドグラ・マグラ」の作者、夢野久作作品。
②過日読み終えた「おちくぼ姫」同様に人気てぬぐい店「かまわぬ」とのコラボ和柄Specialカバーである。

上記2点が本書を購入した理由、「ドグラ・マグラ」の難解さを思い出す度に手にとることを躊躇い、積読となっていましたが、何故か今回はすんなりと手に取ることが出来ました。

初版は昭和51年1月30日に初版発行された本書、私が所持しているのは平成25年5月25日の70版発行分。

初版から約37年半で70版、いかに多くの読者が手にして来たかがわかります。

表題作でもあり巻頭に収められている「少女地獄」には「何でもない」「殺人リレー」「火星の女」の3篇の短篇ですが、著者が戦前(昭和11年)に書いた作品。

正直に言えば、やはり読み辛い...

ただこれだけ版を重ねてきた本書、読み辛いと感じるのはまだまだ私の力不足ということ。

好きで購入したまま積読となっている多くの皆川博子作品にも手がのびないのはそれが理由。

もっと頑張らないと^^;

説明
可憐な少女姫草ユリ子は、すべての人間に好意を抱かせる天才的な看護婦だった。その秘密は、虚言癖にあった。ウソを支えるためにまたウソをつく。【夢幻」の世界に生きた少女の果ては…。(松田 修)

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2023年03月19日

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現代社会の堕落層に住む寄生虫

夢野久作といえば「ドグラ・マグラ」が有名ですよね。
一度、ドグラ・マグラを通読してみたのですが、やはりまだ私のレベルではついていけなかったので比較的読みやすい本書を通読してレベル上げをすることにしました笑
私が1番好きな話は「煙を吐かぬ煙突」です。
短編集とはいえ夢野久作の著書はやや癖が強いですね笑

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2023年01月20日

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個人的にはあまり合わないんです、この時代のこの手のテイストの作品は。良い悪いの話ではございません。
でも解説の読み解き方含めて、書かれた時代を考えると深いものがあるだろうとは容易に想像つきます。当時どんな感じで受け止められていたのか、結構興味あります。
にしてもこのお方の出自、何気にすごい。こういうところからしか出てこない異才なんですかね。

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2022年10月02日

Posted by ブクログ

『少女地獄』は、「何んでもない」、「殺人リレー」、「火星の女」三編を収める、何れも書簡体小説。
「何んでもない」では病的虚言症の少女、姫草ユリ子が嘘を嘘で塗り固め、周辺の人を振り回して、次第に後戻り出来なくなり、ついに自殺してしまう話。読んでいくうちに姫草に愛着が湧いてしまう。キャラクターの描写がイキイキして素晴らしい。
「殺人リレー」「火星の女」などもサスペンスっぽさがあり面白かった。
『煙を吐かぬ煙突』グロテスク、かつミステリアス。エロとグロと恐怖と。読んでいて頭がぐわんぐわんする感じ(?)。『ドグラマグラ』でも感じた不思議な感覚。これぞ夢野久作マジックw
『女鉱主』では、したたかで意志の強い女炭鉱王、新張眉香子(みかこ)が美青年を追い詰める様子がエロティックかつスリリングでよかった。 

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2022年05月13日

Posted by ブクログ

3つの短編小説からなる短編集
特にその中の1つ「何でも無い」は書簡体で語られる本文すら虚構なのではないかとすら疑い出してしまった…

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2022年03月02日

Posted by ブクログ

3話目の新聞の所が漢字ばかりだし読みづらくて挫折して何ヶ月も放置してあった。そこを抜けたら読みやすかった。こんな学校やだ。姫野ユリ子の話が1番面白かった。あとの2話は気持ち悪すぎた。同じ表紙が見つからず、こちらで登録。

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2021年12月14日

Posted by ブクログ

夢野久作の読んでいて人を惑わすような、蕩かすような文体が好きだなぁ。『少女地獄』編は書簡体の形式が効果的に用いられてた。手紙を書いている人物はすでに死んでいるという事実が、手紙の末尾に締め括られる毒気の篭った言葉の皮肉を際立たせてる。ずるずると引き摺る後味の悪さがたまらない。

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2020年06月18日

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