あらすじ
何故に
草の芽生えは光りを慕ひ
心の芽生えは闇を恋ふのか
わが胸に邪悪の森あり
時折りに
啄木鳥の来てたゝきやまずも
***
故郷・福岡で、のちに代表作となる幻魔怪奇探偵小説『ドグラ・マグラ』を執筆する合間――夢野久作が手帳に綴り、雑誌に発表した短歌連作「猟奇歌」。
発表以来、独自の言語感覚で静かに読者を魅了し続けてきたその本篇と、関連作品を初めて一冊にした文庫オリジナル。
〈巻末エッセイ〉寺山修司
【目次】
猟奇歌
[巻末資料]
日記より
ナンセンス(随筆)
夢野久作の死と猟奇歌――吸血夢想男
「猟奇歌からくり」夢野久作という疑問符――寺山修司
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
好きなフレーズが多すぎて書き切れないので特に好きだと思ったものを。
煙突が
ドンドン煙を吐き出した
あんまり空が清浄なので……
黄道光は
空の女神の脚線美さ
だから滅多にあらはれないのさ
内容は猟奇的だが不思議と読みやすい。
謎にどこか懐かしい感じもする。
初めて読んだ夢野久作、自分が好きなタイプなのかもしれない。さすがにまだドグラマグラを読む自信はないが…。
慣れない言葉のものが複数あったが短いためか読みやすかった。
Posted by ブクログ
迫力と滑稽みがうまい具合に共存していて、綱渡りを見ているような気持ちになった。
なんでかわからないけど、時折実家のような懐かしさを感じてしまう。
良心が猿の形をしているのが面白かった。