横溝正史のレビュー一覧
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アメリカ帰りの富豪に依頼された人探しのために、金田一耕助は久しぶりに岡山県へ行く。そこで磯川警部と旧交を暖めたのも束の間、警部の話から探していた人物が怪死したらしいことを知る。
こういった物語が、上巻にあるような恐ろしく謎めいた言葉の書き出しで始まる。
こういう、今から恐ろしい物語が始まるよ、と自然に読者を横溝正史の世界に引きずりこむ盛り上げの上手さが横溝正史作品の魅力だと思う。
横溝正史の作品には「平家物語」や平家の落人といったものがよくあり、岡山県と平家は深く繋がっているのだなと感じる。「平家物語」も読むと更に愉しめるのだろうが、ちょっと読めそうにない。
この作品では、蒸発という出来 -
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あの島には悪霊がとりついている
鵺(ぬえ)の鳴く夜に気をつけろ
その島の名は……
とても良い始まりをする「悪霊島」。
『ひとり横溝正史フェア』をつづけることがキツくなってきたので、他に読む作品があるけれど飛ばして大作である「悪霊島」を読むことにする。
確かこの作品も映画化されており、小さい頃にコマーシャルで、鵺の鳴く夜は恐ろしい、とかいうフレーズを聞いた。何がどう恐ろしいのかちっともわからないけれど、その煽るようなコマーシャルにガッチリ乗せられたわたしはとにかく恐怖を感じた記憶がある。
煽られすぎて結局映画自体は観なかったのだが、怖いもの見たさで原作小説は後に購入していたようだ。
ようだ、 -
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また定期的にやってきた、金田一耕助読みたい病(笑)
まだあるかな〜と本棚を覗いたら、本書があったので読むことに。
悪魔の降誕祭、女怪、霧の山荘の3つの物語を収録。
どれもこれも、人間の欲望、浅はかさ、卑しさなどが事件を通して描かれている。
個人的には女怪、霧の山荘が印象に残った。
女怪では珍しく、金田一さんの恋愛模様を取り上げていて、おっ!と思ったのだが結末があんな形になって、私が金田一さんの立場だったら当分、再起不能に陥る。絶対に。
霧の山荘は、人をとってくった様な感じが腹立たしくて、後味悪い印象を受けた。
現在も謎解きものはたくさんあれど、金田一シリーズは安定のシリーズ。書かれた -
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下巻では、20年後に新たな殺人事件へと発展しましたが、20年前の殺人事件まで含めて全ての謎が氷解してスッキリしました!さすがに、いろいろな因縁が絡んでいてストーリー的には面白かったですね!金田一耕助シリーズの集大成的作品で良かったです。
最後には金田一耕助がアメリカに旅立ち、消息不明となるシリーズの終わり方も良かったと思います。
これ以上、新作が読めないというのは甚だ残念ではありますが、なんとなく金田一シリーズ全作品を読み切って、やり遂げた感はありますね!
でも、ついでといってはなんですが「金田一耕助の冒険」も読んでおきたいと思います。 -
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悪霊島と同じように本作も上巻はエピローグ的な作品となっておりますが、本作の違うところが、上巻より下巻がどうやら、上巻から20年後の事件の顛末を描いた作品となっているようで、20年以上の歳月を経た壮大な長期間に渡るミステリー作品となっております。
上巻では法眼家と五十嵐家の複雑な家系図が織りなす悲劇ですが、真犯人は女性のような気がしますが、女性がどうやって巨体の首なし男性胴体を処理したのか?が謎ですね!そう考えると真犯人あるいは共犯の男性がいるのかもしれませんし、そもそも偽装殺人なのかもしれません。
いずれにしても20年後に解決することになる下巻が楽しみです! -
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『ひとり横溝正史フェア』のこちらは、えっとえっと何作目でしょう。
忘れました。
豪邸名琅荘は、邸内至る所に仕掛けが施してあり複雑な造りから迷路荘と呼ばれている。
その迷路荘の創始者古館種人は、美しい後妻加奈子とその遠縁にあたる静馬との仲を疑っている。ある日種人は加奈子を斬り殺し、静馬の片腕を斬り落とした上で自死してしまう。
そんな迷路荘に知人の紹介で訪れた金田一耕助は、凄惨な殺人事件に巻き込まれる。
こういって始まる物語で、いつものように金田一耕助がまあまあ殺されてから事件を見事に解決するわけだが、全く内容の記憶がない。
我が家に「迷路荘の惨劇」は二冊あり、間違いなく最低二回は読んでいるは