横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これも昔ドラマで見た記憶がうっすらとありますね。読んでみても覚えていたのは主人公の登場場面ぐらいでしたが。
これぞ、横溝作品の集大成では!?と思って読みました。
絶世の美女、世代を超えて続く血の歴史。
が、他の方の書評を読むと厳しかったりしますね。トリックが稚拙だとか、過去の話に比べて現代の重みが足りないとか。
でも、まあいいじゃありませんか。
「女王蜂」というタイトルからは男を手玉に取っている女のようなイメージも浮かびますが、主人公はどうもそうでもなし。どこからつけた題名かちょっと疑問な気はします。
文庫版の表紙も意味深なんですが、どういうシチュエーションでしょうか?? -
Posted by ブクログ
こんなタイトルで子供向けかと思いきや、なかなかすごい内容。
映画にしたらめっちゃ映えそうだと思わせられた。
死体を飾り立ててるところとか、羊たちの沈黙みたいに。
犯人が結構わかりやすいというか、なんとなく「コイツやな」と勘でわかってしまったけれど、あの手この手で趣向を凝らしてあるので面白かった。
最後の方で、すごく好きな文章があって
以下引用~
~警部はまるで毒虫にでもさされたようにとびのいて、
「そのけだものをはやくむこうへつれていけ……」
と、嫌悪にみちた声でどなった。
警部も今まで、これほど卑劣で、きたならしい犯人にお眼にかかったことはない。~
このくだりが、たまらない爽快感を味わえまし -
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ
『殺人鬼』
深夜の帰宅見知らぬ女に助けを求められた男。500人に1人の殺人の話。女の義足の夫と愛人。愛人の死と愛人の妻の関係。
『黒蘭姫』
百貨店で万引きをする「黒蘭姫」と呼ばれる女。店長が女の親のもとに請求を行い無事にすんでいたが・・・。万引きを止め刺された売り場責任者と喫茶店で殺害された元売り場責任者。
『香水心中』
依頼人に会うために軽井沢を訪れた金田一と等々力警部。一度はとりけれた依頼。しかし心中事件が・・・。食い違う死亡推定時刻。
『百日紅の下にて』
自分の為に育てた少女の自殺。出征当時に少女を託した男たち。毒殺された男。戦場で思いを託されて金田一 -
Posted by ブクログ
昭和51年刊行の杉本画伯の表紙は黒い帽子に黒ぶち眼鏡をかけたアップの構図なのですが、顔半分が牙から血をしたたらせた野獣のような男、その半分は女性というジキルとハイド(っていうよりアシュラ男爵か・・・)的な絵です。目が充血していて気持ち悪いのだ。4つの短編が収録されていますが、いずれも終戦直後の焼け跡から復興しつつあるのだけれど、何の希望も救いも持てない時代の(今に通じるのかもしれない)荒んだ時代の事件です。世の中には500人に1人殺人犯がまぎれているという説が取り上げられていますが、最近の事件を見るにつけ、戦後と変わっていないのかもしれないなんて思ってしまいます。「殺人鬼」★★★★「黒欄姫」★