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Posted by ブクログ
横溝先生の書かれる小説は、どれも大変に素晴らしい作品ばかりだと思います。しかしこの「悪霊島」を読んでしまったら、もう二度と他の横溝作品はおろか、普通の推理小説では満足できないのではないか、そう思えるほど濃密で精巧なストーリーです。
主人公の名探偵、金田一耕介も非常に魅力的です。でも個人的には磯川警部が私は大好きです。彼らに限らず、どのキャラクターも特徴的で、一度イメージするとなかなか忘れられないかもしれません。
また「悪霊島」の背景描写が、作品の雰囲気と上手にマッチしています。おどろおどろしい舞台が、事件や人間関係の凄惨さに、より一層拍車を掛けているのも、横溝作品の醍醐味だと私は思います。
Posted by ブクログ
あの島には悪霊がとりついている
鵺(ぬえ)の鳴く夜に気をつけろ
その島の名は……
とても良い始まりをする「悪霊島」。
『ひとり横溝正史フェア』をつづけることがキツくなってきたので、他に読む作品があるけれど飛ばして大作である「悪霊島」を読むことにする。
確かこの作品も映画化されており、小さい頃にコマーシャルで、鵺の鳴く夜は恐ろしい、とかいうフレーズを聞いた。何がどう恐ろしいのかちっともわからないけれど、その煽るようなコマーシャルにガッチリ乗せられたわたしはとにかく恐怖を感じた記憶がある。
煽られすぎて結局映画自体は観なかったのだが、怖いもの見たさで原作小説は後に購入していたようだ。
ようだ、というのは小説は手元に残っているのだが、全く内容の記憶がないからだ。もしかしたら、興味はあって購入したものの気が小さいため読まずに終わったか、読んでみたらコマーシャル程の怖さがなく記憶から消去したかのどちらかではないかと思う。
果たして「悪霊島」は恐ろしい作品なのか。
始まりの鵺云々を読み、当然思うのが、鵺って何ということ。
読書の友である金園社国語辞典をパラパラめくるとこうある。
鵺 一、とらつぐみ。二、怪鳥の名。三、前後の不続一なもの。
……とらつぐみって何。
パラパラ。
載っていない。
鵺の挿絵には普通の鳥の絵。可愛らしい。
ただ大きさはわからないので、可愛いらしさを感じられない巨大な鳥の可能性はある。
まあ、何にせよそのとらつぐみなる鳥は存在するようなので、その鳥が何がしかの声で鳴く夜ということだ。もしくは、伝説の怪鳥が鳴く夜ということで、こちらの方が恐ろしさは増す。
ちなみに鵺は、空に鳥とも書くらしい。
作中でも鵺について語られる場面がある。(p97)
「平家物語」に出てくる頭は猿、体は狸、手足は虎、尻尾は蛇、鳴く声は鵺に似ている源三位頼政に退治された異形の怪物。
鳴く声が鵺に似ているだけで、鵺が怪物ということではないらしい。
この姿は可愛いらしくない。
その怪物が鵺の声で鳴く夜なのか、とらつぐみが鳴く声なのかどちらかは不明だが、始まりの文章は死に瀕した男が息も絶え絶えに伝える言葉なので、怪物の鳴き声の方がおどろおどろしい横溝正史の世界の幕開けとしてはふさわかもしれない。
物語の始まりと鵺についてばかり書いてしまったが、作品自体の感想は下巻を読んでからにする。
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