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Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ8冊目。こちらもタイトルは知っているが初見(・・・というか、ここから先は全部コレ)。
明治の権臣・古館種人(たねんど)伯爵が富士の裾野に建てた豪邸・名琅荘(めいろうそう)。明治維新という時代の変動期において建てられたこの豪邸は、粛清や暗殺に対して極度に警戒された作りとなっており、いたるところにどんでん返しや抜け穴等が設計されていた。この複雑怪奇な豪邸は別名、"迷路荘"と呼ばれていた。
名琅荘を古館伯爵の子孫である辰人(たつんど)から譲り受けた実業家・篠崎慎吾は、この豪邸をホテルとして経営に乗り出す。慎吾は、ホテル開業を前にこの豪邸を名残惜しんでもらおうと縁のある人々を集めが、名琅荘と特に縁のない金田一耕助も呼び出されることに。そこには、二十年前に起きた凄惨な事件の因縁を匂わせる人影があり―――。
どんでん返しや抜け穴が張り巡らされた豪邸を舞台に起こる連続殺人事件。設定からしてトリックを重視した内容になるものと思われるが、複雑怪奇な"迷路"のような豪邸を探索するという冒険色を楽しむための舞台装置として描いている印象。むしろ登場したトリックを作中で、"それを実演してみせておのれの知恵をほこり、混乱する捜査陣をひそかに嘲笑してやろうという、いわば小ざかしきエリート意識の現れ"と一刀両断しており、「舞台が複雑怪奇であっても、あくまで事件を起こしているのはただの人。真相は存外単純な話」と語りかけられているようにも感じられた(それは考え過ぎか)。
個人的に、他のシリーズ作品と比べるとインパクトが弱く感じられ、「★3」の気持ちだったが、やはり終わり良ければ総て良し、エピローグを読み終えたら自然と「★4」になっていた。読後の余韻が良い作品は名作と言えよう。
Posted by ブクログ
明治の元老、種館種人が建てた迷路荘でかつて残虐な殺人事件が起きた。
種人の息子一人が妻の加奈子と当時下宿していた尾形静馬の不貞を疑って二人を殺害しようとした。
加奈子は殺されたが一人は静馬に反撃を受けて殺害された。片腕を切り落とされた静馬は裏山の洞窟に逃げてそれ以来消息が分からなくなった。彼が生きてるのか死んでいるのか誰にも分からなかったが、そんな静馬の影が現代になって現れた…
迷路荘の隠し扉などの仕方を上手く使っていたのと種館家に恨みを持った静馬を思わせる変装した片腕の男が現れたり読書の想像を膨らませてくれる様々な要素があって面白かったです。
Posted by ブクログ
昭和5年。隠し扉やどんでん返しが
ふんだんに施された通称迷路荘で、
主人やその妻が殺害される事件が
起こった。真相ははっりしないまま。
昭和25年。
迷路荘にかつての惨劇の時と同じ
左腕のない男が姿を現し、
家人達は不安を募らせ、
現在の館の主人は金田一に調査を依頼。
そして発生する連続殺人。
綾辻行人の館シリーズに登場しそうな
仕掛けだらけの館。
更に館の下には地下道が通っている。
ボリュームがあって読み応えは抜群。
複雑な人間関係が事件をややこしい
ものにしていて、それも魅力的。
迷路のような地下道でくり広げられる
捜査は、冒険小説の様で面白かった。
戦後すぐの時代設定、
街から離れた豪勢な館、
謎の片腕の男、かつて起こった惨劇、
没落貴族等、
このシリーズらしい要素が満載。
金田一の活躍も見事で、
ラストは好みの締め方だった。
知名度は低いがもっと読んで貰いたい作品。
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