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Posted by ブクログ
伊豆沖に月琴島と呼ばれる小島がある。月琴島。げっきんとう。いい名前。
江戸時代は密貿易の中心地として栄えたが、鎖国が終わり廃れていった。この家の分限者は、源頼朝の隠し子(娘)の血筋と自称する大道寺家。この家では19年前に悲劇がおきた。
大道寺家の16歳の跡取り一人娘の琴絵が、東京から来た二人の学生のうちの一人、日下部達哉と結ばれて妊娠した。知らせを受けた日下部は東京から月琴島に戻るが、崖から落ちて死んでいるところが見つかったのだ。
大道寺家は、日下部とともに月琴島を訪ねた彼の友人速水欣造を壻に入れて、生まれた娘智子の戸籍上の父親とした。大道寺を継いだ欣造は東京、琴絵と智子は月琴島で暮らす。琴絵はその後亡くなり、遺言で「智子が18歳になったら東京の欣造のもとに行く」ことを言い遺した。
そしてその智子は18歳になり、祖母の槇(マキ)、琴絵の代からの家庭教師の神尾秀子とともに、東京からの迎えを待っている。
金田一耕助は、大道寺家の弁護士である加納辰五郎氏から連絡を受けた。大道寺欣造と、そして「秘密の依頼人」の元に匿名の脅迫状が届いたという。
「彼女を東京に呼んではならない。19年前の惨劇が繰り返される。あの娘は女王蜂だ。彼女の前に多くの男の血が流されるだろう」
そこで加納弁護士は金田一耕助に脅迫者を確かめることと、智子の身に危険がないかの調査を依頼をしたのだ。
だが智子は予定通りに東京に向うと、予告通り次々に惨劇が起きる。
果たして19年前の、彼女の父親は本当に事故だったのか?その死と今回の殺人は繋がっているのか?
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映画では大道寺欣造が仲代達矢のギラギラした人物像だったのに、原作ではまだ若々しく貴族的な顔をした好人物ってことでギャップが・笑
映画では(こういっては差別的?なのですが)被害者たちがいけ好かない成人男性だったことと、未来に繋がる恋愛要素もあったので、他の金田一モノよりは割と気楽に見てました。
智子は原作のほうが気が強くて魅力的で生まれながらの女王然としていて絶世の美女というのが現れていたのですが、田舎から東京に出てすっかり垢抜けちゃったり男性たちに魅力を振りまいたりする様子には「男にそんな素振りをするんじゃない!危険だ!」と警告したくなった、ああ、危なっかしい。智子の気持ちが、自分の父が何者なのか、自分の父はなぜ死んだのか、そして今回は自分を中心に連続殺人が起きて引っ込みがつかない感じになるのもわかるし、どうせい未婚の今はチヤホヤされても家の決めた結婚して主人に従う人生だと思うと今は好きにしたいって気持ちもわかるんですけどね。しかし祖母世代に近い私からしたら「ああ、危なっかしい(^_^;)」
それでも恋愛部分もあったり、途切れていた縁が繋がったりして、未来に向けては大団円ではありました。
金田一耕助の事件は、過去からの因縁が絡み合い犯人にもどうしようもなく殺人へと駆り立てられるものが多いのですが、小説としては金田一耕助の存在や、生き残った人たちが「前を向いて生きましょう」と手を取り合うため、その酷い殺人によって淀んでいたものが祓われたような、風が通ったように感じます。
Posted by ブクログ
金田一耕助です
新年だけに
やっぱり面白いし
本当に色褪せない
びっくりです
それにしても思うのは古今東西名探偵というものは殺人事件を「防ぐ」のには全くもって役に立たないということです
もう目の前でがんがん殺人事件起こりますからね
ひと通り死んでからですから真犯人を告げるのは
そんでもって最初から怪しいと思ってたとかぬけぬけと言いますから
おい!っていうね
特に金田一耕助なんて殺人事件を防げない名探偵としては相当上位にランクしてるんじゃないでしようか
わざとか!と
だいたいがあれですから
金田一耕助の事件なんてどろどろの人間関係が犯行の動機ですからね
そして真犯人が最後死んじゃうのめちゃくちゃ多いですからね
色々きれいに清算されるの待ってるフシがある
そんでもって最後に解き明かす
遅いわ!
もうあらかた死んどるわ!
でも物語としてはそれが面白いのよね
一番残酷なのはいつの時代も読者なのかもしれんね
Posted by ブクログ
女王蜂
金田一耕助シリーズお馴染みの由緒ある一族が中心になるミステリー。主人公は月琴島に暮らす大道寺家の娘、智子。彼女は周りの男性を狂わす程の絶世の美女であり、彼女が中心となって物語が進行していく。
根本に19年前に起きた智子の実父が崖から転落して亡くなった事件があり、19年前の変死事件に端を発して新たな悲劇が幕を開ける。
金田一耕助シリーズのイメージにあるおどろおどろしい雰囲気は少なく、どちらかと言えば近代的な読み方が出来る作品。智子の屋敷の開かずの間から19年前の事件が恐らく単純な転落死事件ではないという事が匂わせられるが、冒頭ではどの様な意味が有るかはまだ分からない。物語が進むにつれて、殺人事件が発生し様々な謎が生まれるが、終盤まで真相を読み解く事が難しい。
今作は登場人物達がかなり特殊であり、皇族であったり旅役者だったり果ては不思議な蝙蝠であったりと幅が広く、しかし物語の構成のバランスがとても良い為、無理矢理彼等が登場するのでは無く舞台背景、時代描写にとてもあった設定になっている。
今回は耕助は冒頭から参加しており、大道寺家一族と一緒に物語の謎を追っている。途中、耕助自身が危険を追うシーンや随所で推理を明かすシーンもあり読み応えのある作品だ。
作風として密室の謎、ミッシングリンクと設定は読み応えあるが、一部読者が気がつけない部分があり少しやきもきしてしまった。編み物の暗号についても時間を割いた割にはあっさりと畳まれてしまったと少し物足りなさもあった。
この時代の男女関係を巡るあさましさについては現代で読むといささかインパクトが足りない。主人公の智子が自身の美しさを受け入れながらも強く生きていく部分は好意的な印象だ。
智子の婚約相手3名はなんとも(笑)また、家庭教師の秀子のキャラクターはとても魅力的で彼女にもう少し脚光が当たると嬉しかった。
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