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Posted by ブクログ
横溝正史の長篇ミステリ作品『夜歩く 金田一耕助ファイル 7』を読みました。
『悪魔が来りて笛を吹く 金田一耕助ファイル 4』に続き、横溝正史の作品です。
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「我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真が、古神家の令嬢八千代のもとにまいこんだ。
三日後に起きた、キャバレー『花』での佝僂画家狙撃事件。
それが首なし連続殺人の発端だった……。
因縁の呪いか? 憎悪、貪欲、不倫、迷信、嫉妬と、どす黒い要素が執念深くからみあって、古神家にまつわる、世にも凄惨な殺人事件の幕が切って落とされた!!
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1948年(昭和23年)から1949年(昭和24年)に中央文芸社から出版されていた大衆文芸・小説雑誌『男女』(後の『大衆小説界』)に連載され、1950年(昭和25年)に刊行された作品……金田一耕助シリーズの第3作です。
古神家の令嬢八千代に舞い込んだ「我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった……卓抜なトリックで推理小説の限界に挑んだ力作。
佝僂の画家や夢遊病、旧家の因縁、嫉妬などのモチーフをこれでもかと詰め込んだ、怪奇色の濃い本格長篇ミステリ……「汝夜歩くなかれ」という不気味な警告を発端に、狙撃事件、首なし死体、血塗られた村正、佝僂の人物の入れ替わりなど、複数の謎が互いに絡み合いながら進行します、、、
古神家と仙石家の複雑な関係、夢遊病の八千代の存在が、誰もが秘密を抱えているような不穏な空気を生み、読者を物語の奥へと引きずり込みます……物語は途中から岡山県の鬼首村へ舞台を移し、閉ざされた山村の陰鬱な雰囲気がさらに怪奇性を強めます。
村に伝わる因習や土地の空気が、古神家の謎と結びつき、物語のスケールが一段と広がるのも魅力です……そして本作最大の特徴は、金田一シリーズでは異例の叙述トリック、、、
語り手の一人称が読者の認識を巧みに誘導し、終盤でその「語りの罠」が明かされることで、真相の意外性が鮮烈に立ち上がります。
怪奇味と本格性、そして叙述の妙が見事に融合した、読み応えたっぷりの一作でした……面白かったです。
Posted by ブクログ
ディクソン・カー『夜歩く』を読んだので、同じ題名の横溝正史探偵小説を。
金田一耕助長編では、本陣殺人事件、獄門島に続く三作目。
横溝正史は「首なし死体といえばあるお約束(ネタバレ回避のため伏せます)があるが、それの次の段階のものを書きたい」としたもの。
『夜歩く』は、むかーーし映画だかドラマで『夜歩く女』という題名で見て、なかなか面白かったという印象だけ覚えている。しかし読んでみると、これ映像化はか難しいというか、この雰囲気、このトリックの醍醐味を出しづらい気がする。
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語り手は「三文探偵小説家」の屋代寅太。彼は学生時代に知り合った仙石直記から「実家で何やら事件が起きそうな嫌な予感がするので、探偵小説家の君の力を借りたい」と相談される。仙石家は、かつての藩主古神家の家老筋にあたる。数代前から主君にあたる古神の当主はのんびり世間知らず…要するにボンクラ揃いなので、家老の仙石家が事実上の主として家屋敷商売を取り仕切るようになっている。
先代当主の古神織部には、初めの妻との間の嫡男守衛は傴僂で、二番目の妻のお柳との間には八千代がいる。数年前に織部が亡くなり現代の当主は守衛だが、実際に家を取り仕切っているのは直記の父の仙石鉄之進で、直記も威張り散らかしている。
守衛と直紀は、それぞれが美人の八千代を愛して自分のものにしたいと思っているのだが、はたして八千代の父は先代で故人の古神織部なのか、織部生前からお柳と通じていた仙石鉄之進なのかがわからない。そこで二人とも異母妹かもしれない八千代をモノにすることをギリギリで踏みとどまっている状態だ。
そんな古神八千代のもとに差出人不明の怪しい手紙が届き「われ東京へ来れり。近く汝と見参せん。……汝夜歩くなかれ」と書かれて首なし傴僂男の写真が同封されていた。実は八千代は夢遊病を患っているのだ。八千代は、たまたま立ち寄ったバーで、傴僂の画家蜂屋小市を見ると「本当に現れたわね!」と言って銃で撃つ。だが数日後「鉢屋小市と結婚する」と言い出して古神家の屋敷に招いたのだ。
屋代寅太が招かれた古神の屋敷にいるのは怪しげな人たちばかり。
傴僂の当主の古神守衛、
客の傴僂の鉢屋小市、
夜歩く女の古神八千代、
暴力酒乱夢遊病爺さん仙石鉄之進、
一見か細いが淫乱めいたお柳、
先代織部の弟で知的障害者の古神四方太、
主家より威張って女癖の悪い仙石直記
が、いるという「何かが暴発寸前」の状態だった。
そしてその真夜中、屋代寅太と仙石直記は、夢遊病の古神八千代の後をつけると離れの館から首なし死体を発見するのだった。
やがて物語の舞台は、古神家旧領の岡山県鬼首村(おにこうべむら。『悪魔の手毬唄』も同名の村での事件だ!)に移動する。そして新たな死体が。
だが鬼首村には名探偵の金田一耕助が呼ばれていたのだ!
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横溝正史小説では血縁がとにかく乱れまくって、ドロドロした血の因縁が暴発して陰惨な殺人事件に繋がっていく。今回も特に千石親子が女性に関してクズクズなので読んでも被害者の身になってつらいorz
そして首なし死体ってかなり怪奇猟奇ですが「俺たちには刀で人を斬ることはできないが、親父やお祖父さんの世代は刀上等だったんだからいくらでも斬れるだろう」という若い世代や、「いやこちとら戦争で刀を奮ってるんだ、首無し死体くらいが何だ」という時代めいたものも。そうか、現代読者の私達が考える「日本刀で人を殺して切断して運んで」というのと、この本の登場人物たちがやるのとでは全く違う感覚か。
そしてそんな怪奇死体が連なる陰惨な事件であっても、横溝正史の人柄か、金田一耕助の存在なのか、どことなく爽やかささえ感じるんですよ。ドロドロの停滞した空気を金田一耕助の風が吹いて流していくような。
今回もかなりキモチノワルいし、加害者側が気の毒な事件だったけど、やっぱり横溝正史は面白いんだよなあ。
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ7冊目。『悪魔が来たりて笛を吹く』と同様、タイトルは知っていたが、内容は全くの初見。
首なし連続殺人事件。「夢遊病」や「佝僂病」等、特異な性質を持った人々と旧家の爛れた内情、妬み・憎悪・因縁が絡み合い、先入観で読者を陥れる―――。
『犬神家の一族』、『八つ墓村』、『獄門島』等と比べると(自分の中では)知名度が一つ落ちるので、ぼちぼちの期待感で手に取ったのだが・・・いやはや、自分の中の金田一耕助シリーズNo.1が変わりましたわ!まさか、こんなトリックを仕掛けてくるとは夢にも思わなかった・・・。(推理小説としては反則級のトリックだが、これはあくまで「事件簿」なのでね。)
これが1948年(~1949年)の作品!?時代が流れても色あせることのない傑作!
Posted by ブクログ
ゆったり横溝正史を読み直そう!まだまだ寿命が残っていると信じて!(嫌な言い方すな)の回です
というわけでこれまた名作中の名作『夜歩く』を読み直しです!もう一緒に歩いちゃいますよ!(そんな話しでない)
恐らく2、3回読んでるはずなんですが、狂おしいくらい覚えてないw
でもそのおかげでしっかり堪能できたので、むしろそんな自分が愛おしい
まぁさすがに終盤で思い出しましたけどね
もう、業界で言うところの「全部のせ」です(なに業界よ)
チリンチリン♪「オーダー!全部のせ〜」です
実は金田一耕助シリーズ3作目なんですが、3作目にしてめちゃくちゃ乗せてきやがってるのよ!初期だからできた暴挙とも言える
正史思い切ったなっていうね
設定にしろトリックにしろこれでもかって詰め込んできてます
元華族の古神家に洋風の館、事件を予告する手紙、佝僂、夢遊病、兄妹ではないと思われている兄妹、兄妹と思われている男女、日本刀、岡山県鬼首村、顔のない死体、謎の女、アリバイトリック、そして…まぁこれ以上並べるとがっつりネタバレになるのでやめときますが、とにかくまだまだ乗せてきますからね
それでいてこのボリュームでうまくまとめてるのがほんと凄い!
ただまぁあまりに詰め込みすぎて金田一耕助はただの説明係になってますけどね
いやでもほんと今の子たちにも読んでほしいわ〜正史読んでほしいわ〜
次はなに読もうかな〜♪
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