横溝正史のレビュー一覧

  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(上)

    Posted by ブクログ

    あの島には悪霊がとりついている
    鵺(ぬえ)の鳴く夜に気をつけろ
    その島の名は……

    とても良い始まりをする「悪霊島」。
    『ひとり横溝正史フェア』をつづけることがキツくなってきたので、他に読む作品があるけれど飛ばして大作である「悪霊島」を読むことにする。

    確かこの作品も映画化されており、小さい頃にコマーシャルで、鵺の鳴く夜は恐ろしい、とかいうフレーズを聞いた。何がどう恐ろしいのかちっともわからないけれど、その煽るようなコマーシャルにガッチリ乗せられたわたしはとにかく恐怖を感じた記憶がある。
    煽られすぎて結局映画自体は観なかったのだが、怖いもの見たさで原作小説は後に購入していたようだ。
    ようだ、というのは小説は手元に残っているのだが、全く内容の記憶がないからだ。もしかしたら、興味はあって購入したものの気が小さいため読まずに終わったか、読んでみたらコマーシャル程の怖さがなく記憶から消去したかのどちらかではないかと思う。

    果たして「悪霊島」は恐ろしい作品なのか。

    始まりの鵺云々を読み、当然思うのが、鵺って何ということ。
    読書の友である金園社国語辞典をパラパラめくるとこうある。

    鵺 一、とらつぐみ。二、怪鳥の名。三、前後の不続一なもの。

    ……とらつぐみって何。

    パラパラ。
    載っていない。

    鵺の挿絵には普通の鳥の絵。可愛らしい。
    ただ大きさはわからないので、可愛いらしさを感じられない巨大な鳥の可能性はある。

    まあ、何にせよそのとらつぐみなる鳥は存在するようなので、その鳥が何がしかの声で鳴く夜ということだ。もしくは、伝説の怪鳥が鳴く夜ということで、こちらの方が恐ろしさは増す。
    ちなみに鵺は、空に鳥とも書くらしい。

    作中でも鵺について語られる場面がある。(p97)
    「平家物語」に出てくる頭は猿、体は狸、手足は虎、尻尾は蛇、鳴く声は鵺に似ている源三位頼政に退治された異形の怪物。
    鳴く声が鵺に似ているだけで、鵺が怪物ということではないらしい。

    この姿は可愛いらしくない。

    その怪物が鵺の声で鳴く夜なのか、とらつぐみが鳴く声なのかどちらかは不明だが、始まりの文章は死に瀕した男が息も絶え絶えに伝える言葉なので、怪物の鳴き声の方がおどろおどろしい横溝正史の世界の幕開けとしてはふさわかもしれない。

    物語の始まりと鵺についてばかり書いてしまったが、作品自体の感想は下巻を読んでからにする。

    0
    2017年03月06日
  • 芙蓉屋敷の秘密

    Posted by ブクログ

    空前の横溝ブームにより、著者の初期の作風も読みたいという読者の希望を満たすため『恐ろしき四月馬鹿』『山名耕作の不思議な生活』が角川文庫から出版され好評を得たが、文庫での作品総集というにはまだ未収録のものが多く、それらを集めた作品集。著者の最初の本格長編である「芙蓉屋敷の秘密」は、現代の読者にも十分通用する謎解き小説であり、一読の価値がある。

    0
    2017年02月15日
  • 殺人鬼

    Posted by ブクログ

    『殺人鬼』『黒蘭姫』『香水心中』『百日紅の下にて』の4つの短篇のなかで『百日紅の下にて』が一番好き。最後がたまりません。「蒼茫と暮れゆく廃墟のなかの急坂を、金田一耕助は雑嚢をゆすぶり、ゆすぶり、急ぎ足に下っていった。瀬戸内海の一孤島、獄門島へ急ぐために――。」このあと獄門島に続くわけでそういう繋りとか、警察の繋りとかも金田一耕助のシリーズの読みどころだと思う。

    0
    2016年12月12日
  • 恐ろしき四月馬鹿

    Posted by ブクログ

    「本陣殺人事件」や「獄門島」で知られる横溝正史の埋もれた初期の作品を集めた単行本を分冊文庫化した前半。
    表題作「恐ろしき四月馬鹿」は作者の処女作にして、雑誌「新青年」の懸賞小説で一等当選という、既に大物作家になることがうかがわれる。
    犯罪なのか、犯罪にはいたらないささいな事件なのか、様々な趣向をこらした大正期の作品群14篇。

    0
    2016年09月23日
  • 悪魔の降誕祭

    Posted by ブクログ

    また定期的にやってきた、金田一耕助読みたい病(笑)
    まだあるかな〜と本棚を覗いたら、本書があったので読むことに。

    悪魔の降誕祭、女怪、霧の山荘の3つの物語を収録。
    どれもこれも、人間の欲望、浅はかさ、卑しさなどが事件を通して描かれている。

    個人的には女怪、霧の山荘が印象に残った。

    女怪では珍しく、金田一さんの恋愛模様を取り上げていて、おっ!と思ったのだが結末があんな形になって、私が金田一さんの立場だったら当分、再起不能に陥る。絶対に。

    霧の山荘は、人をとってくった様な感じが腹立たしくて、後味悪い印象を受けた。

    現在も謎解きものはたくさんあれど、金田一シリーズは安定のシリーズ。書かれた年代は少し古いが、そのレトロな文体や言い回しなんかも気に入っている。

    0
    2016年08月23日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)

    Posted by ブクログ

    下巻では、20年後に新たな殺人事件へと発展しましたが、20年前の殺人事件まで含めて全ての謎が氷解してスッキリしました!さすがに、いろいろな因縁が絡んでいてストーリー的には面白かったですね!金田一耕助シリーズの集大成的作品で良かったです。
    最後には金田一耕助がアメリカに旅立ち、消息不明となるシリーズの終わり方も良かったと思います。
    これ以上、新作が読めないというのは甚だ残念ではありますが、なんとなく金田一シリーズ全作品を読み切って、やり遂げた感はありますね!
    でも、ついでといってはなんですが「金田一耕助の冒険」も読んでおきたいと思います。

    0
    2016年07月05日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

    Posted by ブクログ

    悪霊島と同じように本作も上巻はエピローグ的な作品となっておりますが、本作の違うところが、上巻より下巻がどうやら、上巻から20年後の事件の顛末を描いた作品となっているようで、20年以上の歳月を経た壮大な長期間に渡るミステリー作品となっております。
    上巻では法眼家と五十嵐家の複雑な家系図が織りなす悲劇ですが、真犯人は女性のような気がしますが、女性がどうやって巨体の首なし男性胴体を処理したのか?が謎ですね!そう考えると真犯人あるいは共犯の男性がいるのかもしれませんし、そもそも偽装殺人なのかもしれません。
    いずれにしても20年後に解決することになる下巻が楽しみです!

    0
    2016年06月30日
  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(下)

    Posted by ブクログ

    金田一耕助シリーズ終盤のまさに大作でしたね!刑部島を舞台にした連続殺人事件の謎を金田一耕助が見事解明する訳ですが、事件の背景に複雑な人間関係が絡んでいるところも見事でしたし、最後のオチもなかなか秀逸でした!
    ビートルズの「Let it be」を主題歌にした「鵺の鳴く夜は恐ろしい!」というCMでも話題になった映画も観てみたくなりました!
    さあ残すところ壮大だった金田一耕助シリーズも「病院坂の首縊りの家」を残すのみとなりました。心して読みたいと思います。

    0
    2016年06月25日
  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(上)

    Posted by ブクログ

    上巻はエピローグ的要素が強く、下巻への伏線となる殺人事件が起き、主な登場人物の素性の情報がそこそこ与えられ、これから下巻になって、事件の本質が徐々に判明していくのだろうなぁということで、下情報的なものが与えられた内容でした。
    早速、下巻に入って、真相究明へと入りたいと思います!

    0
    2016年06月22日
  • 金田一耕助ファイル18 白と黒

    Posted by ブクログ

    金田一耕助シリーズの長編で読みごたえがありましたね。殺人事件の容疑者が二転三転する展開で、事件の真相は一体なんなのか?ということが終盤になるまで、はっきりしないスリリングな展開でした。でも「白と黒」の意味が判明するにあたり事件は解決します。未読の金田一耕助シリーズもあとわずかになってきたので、ラストスパートです!

    0
    2016年06月11日
  • 金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会

    Posted by ブクログ

    久しぶりに読みごたえのある500ページ超えの金田一耕助ミステリー作品でした!
    ある女性のかつての夫だったことのある男性4人が相次いで亡くなった真相は何か?ということで、複雑な人間模様が絡んでいき、最後に事件の全貌が明らかになるのでした。
    真犯人は中盤あたりで読めたのですが、さすがにその動機までは見抜けませんでした。
    金田一耕助シリーズの終盤作は長編続きのようです。

    0
    2016年06月02日
  • 悪魔の降誕祭

    Posted by ブクログ

    中編2編「悪魔の降誕祭」「霧の山荘」と短編「女怪」の計3編構成となっていました。中編の2編は、どちらもなかなか秀逸なトリックが隠されていて面白かったですね!
    「女怪」は恐らく金田一耕助シリーズで初めて金田一耕助が惚れた女性にまつわる殺人事件という設定で、切ないミステリー作品でした!

    0
    2016年05月09日
  • 金田一耕助ファイル15 悪魔の寵児

    Posted by ブクログ

    金田一耕助シリーズの長編作品でしたが、意外な人物が犯人なのだろうな?と、これまでのシリーズの話の流れから想定していたのですが、その想定が個人的には当たっていましたね!
    でも物語には、かなり凝っている内容であり、ミステリー作品としては秀逸であったと思います。
    次の金田一耕助シリーズ作品にいってみようと思います!

    0
    2016年04月20日
  • 金田一耕助ファイル8 迷路荘の惨劇

    Posted by ブクログ

    『ひとり横溝正史フェア』のこちらは、えっとえっと何作目でしょう。
    忘れました。

    豪邸名琅荘は、邸内至る所に仕掛けが施してあり複雑な造りから迷路荘と呼ばれている。
    その迷路荘の創始者古館種人は、美しい後妻加奈子とその遠縁にあたる静馬との仲を疑っている。ある日種人は加奈子を斬り殺し、静馬の片腕を斬り落とした上で自死してしまう。
    そんな迷路荘に知人の紹介で訪れた金田一耕助は、凄惨な殺人事件に巻き込まれる。

    こういって始まる物語で、いつものように金田一耕助がまあまあ殺されてから事件を見事に解決するわけだが、全く内容の記憶がない。
    我が家に「迷路荘の惨劇」は二冊あり、間違いなく最低二回は読んでいるはずなのに。
    全く読んだ覚えがない。
    内容どころか、これって買ったっけくらいに記憶がない。
    どこかで頭でもぶつけたか、いや、もしかしたら殴られたのか。
    事件発生。金田一さーん。

    この本は読み始めるとじきに、子爵だとかフルートだとかが出てきて、なんだかとっても「悪魔が来りて笛を吹く」に似ている。
    勿論、似ているところはそこだけだけれど。
    フルートの音色というものは、どこかしら淋しげで暗い内容の横溝作品にはよく似合うかもしれない。

    屋敷から繋がる洞窟だとか、美しいけれど健やかさはない女性、惨劇に相応しい殺されかたなど面白く読ませる。
    それなのにどうして全く憶えていないのか、謎は深まるばかりだ。

    横溝正史の作品は時代が時代なので仕方ないが、数え年や尺貫法が用いられている。
    そういった表現に慣れていないため、読むたびに頭の中で考えなければならないところが少々手間ではある。かっこ書きで実年齢やメートル法キログラム表記をしてくれると読みやすいかもしれない、などと甘えたことを思ったりもする。

    ラストは横溝作品にはしばしば見られる大団円だが、今回の終わり方は好きではない。
    「女王蜂」のときにも似たような違和感があったが、わかっている犯罪者を金田一耕助の独断で見逃したり、なかったことにするようなことがおかしいと感じる。
    何の権利があって一探偵に過ぎない金田一耕助がそういうことをするのかと疑問であるし不快でもある。金田一耕助の好みで対応を変えられては困る。

    最後に至るまで遂に全く思い出すことなく、初読のように謎解きも楽しめた。
    わたしの記憶がなくなった謎は未解決のままだけれど。

    0
    2016年03月18日
  • 金田一耕助ファイル13 三つ首塔

    Posted by ブクログ

    金田一耕助シリーズ長編の作品でしたが、巨額の遺産相続に関連した、横溝正史お得意の複雑な、お家関係が絡み合い、相続候補者が次々と殺されていき、連続殺人犯は一体誰なのか?その動機は?という事件の核心に向かって、どんどん物語が展開していき、最後は金田一耕助が事件の全貌をスッキリ解明するというオチです。
    この人は真の悪人なのか?悪人のようで悪人ではないのではないか?というのがポイントですかね?

    0
    2016年01月29日
  • 金田一耕助ファイル11 首

    Posted by ブクログ

    金田一耕助シリーズのタイトルにもなっている「首」他、「生ける死仮面」「蝋美人」「花園の悪魔」の計4編の短編からなる作品です。どの話も、なかなか秀逸な犯行の動機やトリックが隠されており、面白かったですね!
    個人的には「生ける死仮面」が中でも一番秀逸な話だったと思います。

    0
    2016年01月16日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

    Posted by ブクログ

    年末ギリギリに読み終えました。さすがに金田一耕助シリーズの長編だけに、二転三転の展開で、最後まで犯人が誰なのか?分からず、トリックや事件の背景もよく練られていましたね。特に、この作品は少しの読み飛ばしも大事な場面を見逃すことになるので、些細な部分まで気を配って読む必要がある作品でした!

    0
    2016年01月03日
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂

    Posted by ブクログ

    やはり金田一耕助シリーズは長編ですね!しっかりとした事件背景と複雑な人間関係が妙ですね!
    この作品も絶世の美女を中心とした愛憎劇という内容で、登場人物のいろいろな思惑が悲劇を招くという展開で、最後に事件の全貌が明らかになりスッキリしたのでした。

    0
    2015年12月16日
  • 殺人鬼

    Posted by ブクログ

    4つの短編からなるミステリー作品ですが、どの話も面白かったですね!特に最初の殺人鬼と最後の百日紅の下にては、両方義足の復員兵が出てきて、繋がりがある話なのか?と思いきや全く関係ありませんでした・・・
    それにしても短編ながら、しっかりとしたミステリー作品にどれも仕上がっており、さすがは金田一耕助シリーズだと感心するのでした!

    0
    2015年12月04日
  • 金田一耕助ファイル6 人面瘡

    Posted by ブクログ

    5つの短編から成り立つ金田一耕助シリーズ作品でした。この作品に限らず金田一シリーズは、女性が怖い(裏の顔がある)というシチュエーションと、義眼と夢遊病という話が横溝正史が好きなシチュエーションなのかもしれないということを学びました。今後の話では、あまりないのかもしれませんが・・・

    0
    2015年11月13日