あらすじ
その昔、薄倖の女が首を縊った忌まわしき旧法眼邸。明治から戦前まで盛隆を極め、“病院坂”という地名にまでなった大病院の屋敷跡であった……。本條写真館の息子直吉は、ある晩そこで奇妙な結婚記念写真を依頼された。住む人もない廃屋での撮影は、不吉な出来事を暗示しているようであった。数日後、再び撮影で屋敷を訪れた直吉は、そこに鮮血を滴らせ風鈴の如くぶら下った男の生首を発見するが……!?
カバーイラスト/杉本一文
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
再読。長さを感じさせずサクッと読める。面白い。
登場人物も家系も多いのだが、わりと分かり易い。人物像や見た目がはっきりと説明されているからだと思う。
犯人とか展開とかをすっかり忘れていたので、下巻も楽しみ!先が気になる。頭の中に出てくるのは桜田淳子じゃないんだよ。
Posted by ブクログ
これ、まだ上巻!?っていうぐらいの、濃さ。
金田一さんと言えば地方の閉鎖的な村や島、そこに伝わる伝統や風習、名家の因縁。。。と言ったイメージが強いけれど、今回の舞台は東京。
今まで地方を舞台にしたものばかり読んでいたから、果たして東京が舞台になったら今までの面白さは半減!?とか勝手に先入観を抱いて読み始めたが、読んですぐに吹っ飛んだ。
面白い!面白い!
序章部分が少し長いけれどそれさえ超えてしまえば、いつものように物語に引き込まれて一気に読んだ。
今回は高輪の病院坂にあったさる名家を舞台に、22年前の事件と22年後に新たに起こる事件がキーになっている。
おなじみ等々力警部も登場。
金田一さんも珍しく、事件に振り回されている感もある。
下巻で物語は更に展開していくと思われるが、登場人物の関係が少しややこしいので上巻の最初の方に家系図が載っているので、それを見ながら読むとごちゃつかずにすむのでオススメ。
Posted by ブクログ
怖いんだろうナァ~って先入観で読めなかった横溝先生、2冊目に挑戦。上下2巻の大作でしたが、時を忘れさせてくれました。
それにしても表紙が怖い・・・続きは下巻へ。
2024年9月、再読
Posted by ブクログ
本陣殺人事件とほぼ同時期に読んだ、私の横溝デビュー作品のひとつ。これも怖くて怖くて仕方がなかった。(そんなのばっかり)横溝作品の中でも力作だと思う。なんしか20年かかってますから。
Posted by ブクログ
1978年単行本刊行。金田一耕助最後の事件。この頃横溝正史は70代のおじいさんである。
「生首風鈴」という着想は、いかにも横溝らしいグロ趣味だ。最初の事件発生は1953(昭和28)年とされ、当時の若者たちのジャズ・グループが登場する。この時代にジャズを志す若者たちは相当に蔑まれていたようで、ちょっと興味を惹かれる。
さらに20年後の1973(昭和48)年へと舞台は移され、謎が解明される。金田一耕助の年齢はいつもはっきりと書かれておらず、故意にぼかされているのだが、たぶんこの頃は50代だったようだ。
本作は2つの家系が非常に複雑に絡んでいて、正妻の子の他に妾腹の子がいたり、相当ややこしい。いつものようにメモを書きながら読んだのだが、それでも非常に難解だった。
が、横溝カラーが堂々と展開されており、金田一耕助最後の事件としてきっちりと締めくくる良質の作品だった。
ちなみに1979年に公開された劇場版を見たが、すっかり違う話になっていてあっけにとられた。
Posted by ブクログ
金田一耕助の冒険をゆるりと読み直しておりますが、今回は金田一耕助最後の事件『病院坂の首縊りの家』です
最後の事件と言っても、書かれたのは最後じゃありません
『カーテン』方式ですね
そうそう『カーテン』方式なんだよねと思ったそこのあなた!今度飲みに行きましょうヽ(´ー`)ノ
ちなみに最後に書かれたのは『悪霊島』なんですが、どっちもけっこう集大成的な感じなんですよね
なのでこの『病院坂の首縊りの家』もけっこう色々詰まってるんですが、上巻はまだその色々感が伏せてある感じ
そして分かる人には分かる横溝正史の独特の世界をかなーり丁寧に構築していてその分堪能できます
横溝正史の世界にどっぷり漬かったところで、色々が動き出す下巻へ!
Posted by ブクログ
様々に想像を掻き立てる内容だった。犯人自体は怪しいし、最初からこれが20年の時を超えると前置きがしてあるのでどう事件がこれから動いていくのか楽しみ。時を超える事件は、ワクワクして面白い。
Posted by ブクログ
モラルもへったくれもない人間関係…
なかなかのボリュームですが、面白さにサクサク読めます。詳しい感想は下巻に書き込みますが、いわくつきの家で起こる奇妙な事件に、先が気になって仕方がない…
Posted by ブクログ
金田一耕助最後の事件らしいです。しかも解決に約二十年かかるらしいです。なんというスケールの大きな話! もったいつけた前置きも気分をかき立ててくれます。
金田一耕助に持ち込まれた令嬢誘拐事件と、奇妙な結婚記念写真の謎。そこに関わってくる不穏な「病院坂の首縊りの家」とこれだけでも雰囲気抜群なのに、そこで起こる殺人事件の現場の凄絶さが! 絵的に凄まじすぎます。そりゃあそんなもの見たら正気失いそう……そんな中、冷静に写真撮ってたあの人たちがまた凄すぎる(笑)。
事件に絡む人間関係や因縁の複雑さもあってこれは謎めいた面白い事件だと思いきや。……え? 犯人判明? 事件終わった? でもこれまだ上巻ですから。そんな簡単なはずはないですよね。当然。
Posted by ブクログ
悪霊島と同じように本作も上巻はエピローグ的な作品となっておりますが、本作の違うところが、上巻より下巻がどうやら、上巻から20年後の事件の顛末を描いた作品となっているようで、20年以上の歳月を経た壮大な長期間に渡るミステリー作品となっております。
上巻では法眼家と五十嵐家の複雑な家系図が織りなす悲劇ですが、真犯人は女性のような気がしますが、女性がどうやって巨体の首なし男性胴体を処理したのか?が謎ですね!そう考えると真犯人あるいは共犯の男性がいるのかもしれませんし、そもそも偽装殺人なのかもしれません。
いずれにしても20年後に解決することになる下巻が楽しみです!
Posted by ブクログ
横溝正史の血みどろのおどろおどろしい世界が昔は大好きでよく読んでいました。首だけが切られて部屋の天井から吊るされているなんて…本当に残忍です。最近は好みが変わっていて、他の作家の本をよく読むようになりました。
Posted by ブクログ
金田一耕助最後の事件。
これも再読(というか、何度目なんだろうか?)。ワタシの持っている版は表紙が釣鐘頭の婚礼写真版なのでちょっと古いんだけど、なんで表紙変えちゃったのかなぁ、残念。
この頃の金田一モノになると、田舎の古い因習などの要素が薄れてくるのが残念だけど、それでも十分面白い。
古い病院の建物で不気味な婚礼写真の依頼って・・・想像しただけでも薄気味悪くていい感じ(ほめてます、これ)。
Posted by ブクログ
壮絶。
タイトルからしてすごそうとは思っていましたが「首縊りの家」の由来?となったお冬さんの事件で発見した娘がこの悔しさを忘れぬようにと母の体にびっしりついた蛆虫を口へ…というのがめっちゃインパクト強い。
足掛け20年金田一を悩ませることになる事件なうえに、金田一耕助最後の事件です。
後半にも期待!
2012/11/25-26
Posted by ブクログ
タイトルから惹きつけられる作品。明治から戦前まで隆盛を極めた大病院、そして薄幸の女性が首をくくった忌まわしい過去を持つ旧法眼邸で、風鈴の如く吊るされた男の生首が発見される…。
Posted by ブクログ
金田一耕介の最後の事件!
金田一シリーズを今から全て読もうと思う方には、これを最後に読むことをお勧めします。
少なくとも私は、最後に読めばよかった…と後悔しました。
20年近くに及ぶ事件へのつながりと解決。
横溝正史らしい独特の言い回し、不気味さ、浪漫が溢れた話でした。
Posted by ブクログ
一応、金田一耕介最後の事件となってます。最後だけあって上下巻のボリュームのある話です。映画にもなってますが、原作の方がもっと複雑で面白いです。タイトルがもう・・・ツボですw
Posted by ブクログ
懐かしくて読み直してみました。横溝作品の中でも特に好きな作品の1つです。この我らが金田一耕助も最初の事件では未解決のままにしてしまったほどの事件。約20年後に解決します。もちろん金田一耕助がですよ〜ん。それも最後の事件でありますからね〜。ファンとしましてもじっくり読みたいところであります。余談ですが、映画化になりましたよね〜、この作品。覚えているのはヒロインに桜田淳子だったということくらいです。(笑) この作品の好きなところは・・・もちろんドロドロした人間関係、そしておどろおどろしい殺人。もう言うことありません!横溝作品未経験な方にもお勧めしたい逸品です。
Posted by ブクログ
風鈴の如く短冊までつけられて吊り下げられている生首は中々ショッキング。
久々の横溝正史だったけど、すらすら読めた。ただ絶対解けないだろう謎ではなく、何となくこうなんじゃないかと予想出来る部分がある。それを上回って欲しい。
Posted by ブクログ
巷では『ビブリア』のドラマ化のキャスティングの是非が話題のようだが、映像と原作は別物と考える私からすると、不毛な議論に思えて仕方ない。
原作。コミック。そしてドラマ。
子供につきあって、すべてに目を通したが、まあそれぞれいいのではないか。
それより世の中には色々な失敗作がたくさんある。
原作のイメージぶち壊しの設定変更。
芸能界の事情丸出しのキャスティング。
時間やスポンサーの縛りで変わるストーリー。
若いころはその一つ一つに目くじらを立てていたものだが、
裏切られ、
失望し、
幻滅し、
そのようなもの、と思えるようになってきた。
映像と原作は別物。
うまくいくこともあるし、逆もある。
さて、私の金田一耕助との出会いと言えばドラマ。
古谷金田一のドラマをよく見ていたが、原作を読んだのはそのずっと後だった。
したがって、原作を読みながらも、あの映像が思い浮かんでは来るが、決して邪魔ではない。どちらかと言うと、映像を見たことがない人は金田一の姿恰好など想像しにくいのでは、と思える。
お釜帽???と。
そして、あの音楽。
懐かしい。
しかし。
この作品、劇場まで足を運んだはずなのだが、まったく中身を覚えていない。
タイトルの強い印象は忘れがたいのだが。
さて、後半はいかに。
Posted by ブクログ
これが読みたくて金田一シリーズを読み始めたのだ!
なんといってもタイトルが素晴らしい。
首くくり!
たくさんの謎が下巻であきらかになると思うとわくわくする。
Posted by ブクログ
明治から戦前まで隆盛を極めた法眼邸。“病院坂”という地名にまでなった大病院の屋敷跡で首を括った女。時がたち、再び忌まわしい惨劇が・・・。
ご存知金田一耕助の最後の事件。
Posted by ブクログ
金田一最後の事件と銘打たれた作品。
横溝作品の持つ陰惨さ、人間の汚さと運命に翻弄される人々のつながりが綿密に描かれています。
この作品は長い事件の因縁の始まりを描いているのですが、これがどういう顛末を迎えるのか…最後に金田一はどうなるのか、という気になる部分を残しているので期待の★3つ。
.
Posted by ブクログ
上下巻でページ数はあれど、一旦すんなり物語に入れれば、読みやすい作品だった。
最後の事件らしく量はあるけど、まぁまぁだったかな。
本陣殺人事件や獄門島とかに比べての話だけど。
相変わらず殺人防げてないのはご愛嬌ってことで。
一旦迷宮入りしちゃうのも金田一の力量不足???
Posted by ブクログ
先に映画を見たものですから、本編のあまりの長さに驚きました(笑)映像化するに当たって、やはり親子三代とか人数が増えると映画としては異常に長くなるからでしょうか。
前編を読む限りは、まだ核心に迫る前というのでしょうか。バックグラウンドを掴むための一冊ですか(聞くの)