あらすじ
病院坂の首縊りの家で起きた生首風鈴事件から20年の歳月が流れた――。元警部等々力(とどろき)が開設した秘密探偵事務所を訪れた金田一耕助は、彼の関係した事件の中で唯一不本意な結末を迎えた病院坂の事件の話を始めた。事件そのものは時効が成立していたが、金田一は、その延長線上に新たな事件発生の兆候があるという。あの忌まわしい事件の再来を、この名コンビは防ぐことができるのか――!? 金田一耕助ファイル、最後の事件!!
カバーイラスト/杉本一文
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Posted by ブクログ
分かる!
もっとぎゅっとできたんじゃね?
ってご意見は分かる!
でもいいじゃない、これはこれで
だって解決まで20年かかってるんだから、この間延びした感じが過ぎ去った月日を感じさせる演出なのよ
良い方にとり過ぎ
いやーそれにしてもやっぱ横溝正史好っきやわー
ものすごいグロなんよね
世界観的には、だけど語り口がサラッとし過ぎていてあんまりグロさを感じさせないのよ
グロなのに読みやすい
グロ耐性低めのわいでも安心して読める
どういうトリックなんでしょうね
そしてやっぱ金田一耕助も好きやわー
もちろん一番好きな名探偵です
そして殺人を防げない名探偵の第一人者の耕ちゃんですが、今回は第三、第四の殺人をちゃんと防いでます
偉い!
たまには偉い!
そして金田一耕助はこの事件を最後にアメリカへと旅立ち、行方はようとして知れずってことになるのです
ありがとう金田一耕助!フォーエバー!
しかし、まだまだゆるり読み直しの旅は続く
次は『悪霊島』か『八つ墓村』か、うーん『悪魔の寵児』あたり行ってみるか?
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やっぱりいいね!
由香利(あえてね)の告白は、想像すると随分エゲツない画が浮かんでくるのだが、文章は下ネタチックに書いてないので、やっぱり上手いんだなぁと思う。
心情の変化も自然で、救いもある。
追記すいません…
孤高の金田一耕助。どんなに慕って慕われて、共に協力して事件を解決し、戦友の様な関係を築いたとしても、やっぱり最後はひとり。
周りに流される事なく事件と、その事件関係者と、自分と向き合い、自分で考え、人はひとりで歩いて行かなければならないんだ。これが“人間”なんだと毎回気付かされる。
そして周りの人達もそれを理解し、気に掛けつつ、そっと見守っている。
私もこうありたい!なんて思ってしまう横溝正史が創り出した金田一耕助とそれを取り巻く世界観が私は大好きだ。
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金田一耕助最後の事件!
上巻で解決した事件の20年後に、再び事件の関係者が殺されていく。金田一耕助が20年もの間心に秘めていた真相とは…
上巻、下巻とあって、かなり長いのですが、この壮大な物語に私はすっかり魅了されました。
金田一耕助の事が色々とわかる一冊なので、金田一ファンとしてはとても感慨深い作品です。
Posted by ブクログ
壮大な舞台の話だった。
ミステリー小説だからそこはお約束なんだけど、後味の悪さというか、どこでボタンをかけ違ってしまった…あの時違う選択をしていれば…という気持ちになってしまう。
弥生と耕助が由香里の秘密について話した時の場面、あそこはハッとしながら読んでいた。そうかもしれない…と思いながらも臨場感を感じながら読めた。
最後の耕助が行方をくらますところ、シリーズとしての終わりかたが、耕助は事件を解決するとメランコリーに打ちのめされるという記述が今までにも出てきたが、それがとうとう決壊を越えたのかなと感じさせる、でも耕助らしい飄々とした後味を残した終わり方だった。
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金田一耕助、最後の事件!
上巻の昭和20年代の事件から舞台は高度経済成長中の昭和40年代へ
等々力警部も退職してるし金田一も20歳年をとり…
そんな中、近頃身の危険を感じるという本條写真館の倅・直吉が金田一の前に現れ、20年前の事件の続きが始まる
新たに出てくる由佳里と滋の息子・鉄也の出生、法眼弥生と本條写真館の関係など下巻も謎がたくさん出てきますが、最後にはスッキリ~
手を焼いていた元チンピラのシュウちゃんと手を組まされたり、自分がちょっと目を離したすきに直吉が殺されて自分を責め続けたりと等々力警部が大変そうw
2012/11/27-12-4
Posted by ブクログ
いやぁ。面白い。個人的には大好き。長かったけど。最後も結構よめる展開だったけど、それでも面白い。ひとえに文章力ではないかと。こういう推理小説って今はないよなぁ。。。
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金田一探偵はいろいろと映像化されてもいるし、「ジッちゃんの名にかけて・・・」の彼とは旧知の中なので(笑)なじみは少なくないんだけど、やはりもっと早くに出会えればよかった。なにしろ表紙が怖いもので・・・。
さて、この下巻ですが、上から20年以上の月日がたってしまっているという設定。文字通り壮大なミステリーですね。
泣かせる内容だし、人間臭さがまたいい。
2024年9月再読。
挙げ句、市川監督の映画までサブスクでみてしまった。
結構相違点あり、これは語らねばならない、いや、まだ観てない人、読んでない人には語れない。
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ついに読み終わっちゃったよー!
あああ…すごい話だった。長編なだけはある素晴らしい充実感。
たくさんの謎が次々に解き明かされる終盤は読むのを止めるのが難しかった。
耕さん…また会いたいなぁ…(´ω`*)
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本陣殺人事件とほぼ同時期に読んだ、私の横溝デビュー作品のひとつ。これも怖くて怖くて仕方がなかった。(そんなのばっかり)横溝作品の中でも力作だと思う。なんしか20年かかってますから。
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ドロドロの愛憎劇。
焼きもちって、ある一定のレベルを越えちゃうと単なる狂気。
何気に口に出して伝えるって愛情に限らず、事実や気持ちを誤解なく伝える大切な手段だと思う。って、あたりまえだよ、って思うけど全然うまくできない。
まぁ、そんなきれいに伝えちゃったら物語の根本を否定してしまうんだけど。ただ、考えるきっかけになった。
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切なくて割と金田一シリーズの中で好きかもしれない。犯人の滋がすごくいい人なんだよなあ、そして小雪ちゃんも、ビンちゃんも結局みんな狂わされただけで、根からの極悪人じゃなかったところが辛い。
女傑の弥生も、実の子や孫には冷たいとは言え、金田一シリーズによく出るような悪女ではなかった。
謎解きがすごいというわけでもなく、生首風鈴に至る過程ももっと凄惨を想像してたから物足りなかったけれど、それでも事件の背景が哀しくて好きだった。
最後のシリーズとしての終わり方も好き。アメリカから帰ってきて本陣殺人事件を解決し、病院坂の事件を終えてアメリカに帰っていく。
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恐るべき生首風鈴事件から約二十年の時を経て、再び起こる酸鼻な事件。複雑で隠微な人間関係の数々が絡み合い、おどろおどろした雰囲気を盛り立ててくれます。世代をまたいで受け継がれるかのような因縁がもうたまりません。そしてもちろん、ここで過去の事件の真相も明らかになりましたが。想像の斜め上を行くとんでもなさでした……。
無残で悲愴でどうしようもない悲劇の物語ではあるのですが。不思議と読後感は悪くありません。まるで救いのないわけでもないのか。そして金田一耕助最後の事件なので、有終の美という雰囲気もありますかね。
ところでトリック、最近読んだ「蝶々殺人事件」と一緒だなあ、って思っていたら。作中でしっかり言及されていたのに笑いました。作中の世界でも読まれてたんですね。
Posted by ブクログ
金田一耕助最後の事件。
刊行順に、まだ読んでない金田一耕助シリーズを読んでいたので、短編集続きだったが、久々の長編。
長編の方がやっぱり面白いなぁ。
下巻の謎解きと新たな事件の重ね技で、続きが気になった!
金田一シリーズ全般だが、時代のせいか動機とか男女の関わりが共感出来ないが…仕方ない。
普通に由香利がかわいそうなんだが?!
怒れる海賊たちの同窓会からの墜落は劇的でした。
犯人は意外でしたね〜
Posted by ブクログ
下巻では、20年後に新たな殺人事件へと発展しましたが、20年前の殺人事件まで含めて全ての謎が氷解してスッキリしました!さすがに、いろいろな因縁が絡んでいてストーリー的には面白かったですね!金田一耕助シリーズの集大成的作品で良かったです。
最後には金田一耕助がアメリカに旅立ち、消息不明となるシリーズの終わり方も良かったと思います。
これ以上、新作が読めないというのは甚だ残念ではありますが、なんとなく金田一シリーズ全作品を読み切って、やり遂げた感はありますね!
でも、ついでといってはなんですが「金田一耕助の冒険」も読んでおきたいと思います。
Posted by ブクログ
横溝正史の血みどろのおどろおどろしい世界が昔は大好きでよく読んでいました。首だけが切られて部屋の天井から吊るされているなんて…本当に残忍です。最近は好みが変わっていて、他の作家の本をよく読むようになりました。
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読むつもりじゃなかったのに、うっかりフライト当日の朝から手をつけてしまったため、上下巻とも抱えて飛行機に乗る羽目に。カバーなしで釣鐘頭の表紙の文庫版を一心不乱に読みました。隣に座ってた人はなにかと思っただろうなぁ(苦笑)。
謎が解けるにつれて、それまで漂っていたおどろおどろしい雰囲気が霧消していくのが悲しい。結局はいろんな人の欲と思惑が絡み合っていただけというか・・・まぁそれはどんなミステリを読んでもそうなんだけどさ。
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読み終わって、ああと溜め息。推理小説としての部分は面白い。あ、同じトリックと思いきや「日本の小説で」なんて自作の題名を出す所もお茶目。そして、人間の心理への観察も表現も繊細だ。ただ、その目は主人公、金田一耕助にも向けられている。だから金田一耕助は超人的な名探偵になれなかった。金田一耕助を愛して心配する人は沢山いるのに、ついに彼の隣に居続けられる人間は現れなかった。それが悲しい。アメリカでも日本に帰ってでも、愛情でも友情でも、彼の隣に誰かがいる様に願う。
Posted by ブクログ
世の中にはたくさんのシリーズものがある。
面白くて長く長く続くもの。
惜しまれながらも終わってしまうもの。
終わったはずなのに、再び始るもの。
期待通りか、期待はずれか。
見る側の想い。作る側の考え。
交錯して、うまく昇華したり、すれ違ったり。
気に入った主人公のシリーズは、ずっと続いて欲しいけれど、
惰性で続いていく姿を見たくないのも事実。
その終わり方、最後の姿をどう決着をつけるか。
金田一耕助最後の事件。
馴染みの登場人物。
垣間見られる積み重なったエピソード。
散りばめられたそれぞれに、うれしくもあり、
冗漫さも感じてしまう。
ベテランアクションスターが久しぶりの復活。
喜びの思いと、痛々しさ。
そんな思いがよぎる。
ネタが割れてしまう謎もあるが、
年月を重ねた家族にまつわりついた呪いは
さすが横溝。
Posted by ブクログ
市川崑の映画を観た後に読んだ。やはり上下巻2冊分を2時間にまとめたということで、内容も人物設定も違う部分が多い。映画では写真館の助手(というより金田一耕助の助手的役割)の草刈正雄が、原作ではまったく違うキャラだったことに愕然。映画でにはない淫びでドロドロな横溝ワールドがちゃんとここでは楽しめた。
Posted by ブクログ
金田一耕助が唯一不本意な結末で終結した生首風鈴事件から二十年の月日が流れたが、金田一耕助はこの生首風鈴事件の延長線上に事件の兆候を感じ、事件の渦中へ飛び込む。金田一耕助ファイルの最後を飾る作品。
Posted by ブクログ
上巻で描かれた陰惨な殺人事件から20年後、再び悪意が動き始めるのを止めるため奔走する金田一。
何代にもわたって受け継がれた血の因縁と、それによって引き起こされた数々の悲劇。まさに横溝作品と言えるおどろおどろしい物語でした。
ただ、20年前ほどには陰惨さがなかったのと、幕切れが少しあっけなかった点、そして何より、これが最後の事件というにはあまり華やかさ(事件に華やかも何もありませんが…)がないかな…。
期待していた割に少し地味で残念だったです。
他の短編集とかも今後読んでみようかな。
Posted by ブクログ
最後の結末はこの人が犯人かという納得感ある理由のものだった。20年経った後の殺人事件が2件だけというのは少し面白味が無かった。2件だけは立て続けに起こったのだが、その後のストーリーはなぜ犯罪が起きたのかを説明するもので少し退屈だった。
Posted by ブクログ
横溝ワールドらしいと言えばそうなんだが、推理小説としてはどうなのかな。大したトリックがあるわけでもなし、本当に謎がスッキリ解けたかと言えば、そうでもなし。とくに、この物語を成り立たせている前提に、割合早い段階で気付いたが、それが、私にはかなり無理があるように感じられる。
ただ、複雑な血脈と淫靡な雰囲気がなんとも言えず、時代を感じさせてその力で読ませる。横溝の作品は世評が高いものは、これで大体読んだが、初期のものをもう一度読もうかな。
Posted by ブクログ
角川書店の金田一耕介シリーズ完結。
読みきった感動が一番大きい。
小説の中でも金田一耕介の最後の事件という書き方がされていたが、最後の死人は金田一さんのせいでは?
小説の中では、等々力元警部が自責の念にかられていたけど…