【感想・ネタバレ】金田一耕助ファイル1 八つ墓村のレビュー

あらすじ

戦国の頃、三千両の黄金を携えた八人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を惨殺。その後、不祥の怪異があい次ぎ、以来この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという――。大正×年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、要蔵が突然発狂、三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。そして二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った……。現代ホラー小説の原点ともいうべき、シリーズ最高傑作!!

カバーイラスト/杉本一文

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Posted by ブクログ

ネタバレ

金田一耕助シリーズ第5作品目ー時系列に沿うように読み進めている、横溝正史の代表作の1つ。有名な作品ながら、昔、テレビで少しだけ見た覚えがあるが実際にはどういう話か分からず、手に取った。

金田一耕助が探偵とし、、ではなく、あくまでも語り部が主で金田一耕助はちょい役なのが異色ではある。
舞台は岡山と鳥取の県境、実際に起きた1938年津島30人殺しをオマージュしている。金田一耕助シリーズは1949年〜1950年だから、当時の生々しさや衝撃が作品を通じ感じる。

今作はとにかく読みやすい、当時の言葉遣いや風習などは違和感があるが、これこそ文学である。村社会という閉鎖世界における狂気は外部から見ると異常だが、中から見るとそれこそ当たり前。係る中、都会からやってきた主人公は狂事に巻き込まれていく。重々しい空気の中、3人の女性が登場するが、どれも魅力的だ。作品の雰囲気の暗さがより花を際立たせるのであろう。

名作として今も読み継がれる作品だけあって、今読んでも十分に面白い。最後はハッピーエンドで終わるのも個人的に好き。横溝正史は江戸川乱歩とまた違ったベクトルでの狂気があり、そこがまた大変おもしろいと感じた。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今更になって初めて横溝正史を読んだ
金田一耕助があまり活躍してない…?

要蔵の32人殺しの時の容貌、(白鉢巻に懐中電灯、片手に猟銃、腰には日本刀)最初に出てきただけなのに有名だねー、映画での影響が大きいのだろうか

いわゆる犯人探しの要素は少なめに感じた、なにせ人がどんどん死ぬし、田治見家の因縁、離れの抜け道など新しい事象がコロコロ出てきて考える間もなく終わってしまった

猿のように小さい双生児のお婆さんや兎口の醜い濃茶の尼の容姿は嫌でも考えずにはいられない、鍾乳洞の描写も素晴らしい、クドい文体のおかげで場面や人物描写が際立つねー

辰弥の未来に幸あれ

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

金田一耕助はあまり出てこず、調査や推理の描写を楽しむ作品ではないです。
手記形式で、主人公を中心に広がる事件の中で、翻弄されたり、冒険したり、出生を追ったりが描かれるような作品。

硬派なミステリーと言うよりもドラマ的で(特に後半は)目紛しく動く展開に、緊張感、焦燥感も煽られるところが楽しいかも?

読者に疑心を植えるのが巧くて、読み進めるごとにこの人が犯人?利用されてるだけ?無関係?と推理が二転三転させられ、読む手が止まらないです。
特に弁当の描写のリフレインのせいで犯人をミスリードさせられました…。

村の独特なおどろおどろしさはあいもかわらず、集団意識の恐ろしさを感じますね…。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

初めて金田一シリーズを読んだが年代を感じさせない面白さ。面白くて2日でスルスルと読めた。

本当に読んで良かったと感じさせる一冊

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2025年02月05日

Posted by ブクログ

みんみんさんに、マキさん金田一読めばいいよねと言って頂き、ひま師匠が紹介してくださった一冊。


うをぉ!
最初っからバッタバッタ死にますね。
これでもか!ってくらい、皆殺しから幕を開けるのですね。
確かにこれは祟りが起きそう。
ワクワクすっぞ!«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク

↓これが冒頭の祟りに纏わる話。
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戦国時代、山中の寒村に、尼子氏の家臣だった8人の落武者たちが財宝とともに逃げ延びてくる。
逃げ延びた先の村人たちは毛利氏による捜索が厳しくなると、褒賞に目がくらみ、武者たちを皆殺しにしてしまう。
武者大将は死に際に「七生までこの村に祟ってみせる」と呪詛の言葉を残す。祟りを恐れた村人たちは武者たちの遺体を手厚く葬った。これが「八つ墓明神」となり、村はいつの頃から「八つ墓村」と呼ばれるようになった。
時は過ぎて大正時代、落武者たちを皆殺しにした際の首謀者・田治見庄左衛門の子孫の要蔵は、粗暴な性格であった。妻子がありながら井川鶴子を暴力で自宅の土蔵に閉じ込め、情欲の限りをつくす。
鶴子には亀井陽一という心に決めた人がおり、要蔵の目を盗んで逢引きをしていた。
「辰也は要蔵ではなく、亀井の子だ」という噂を耳にした要蔵は、鶴子と辰弥を虐待する。
身の危険を感じた鶴子は、親戚の家に身を寄せるのだが、帰ってこない鶴子についに怒りを爆発させた要蔵は、異様な姿で手にした日本刀と猟銃で計32人もの村人たちを次々と殺戮し、山へ消えた。
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この時の要蔵の格好が白鉢巻をし、その鉢巻にはつけっぱなしにした棒形の懐中電灯を二本、角のように結びつけ、胸にはナショナルの懐中電灯を、まるで丑の刻参りの鏡のようにぶらさげていたとのこと。
ナショナルかぁ!って何だかくすくす笑えてしまった。懐中電灯の丑の刻参り(笑)
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1人、また1人と死んでいく、こういう本は堪らないですね(*´꒳`*)
誰が犯人なの!?こいつなんじゃないの!?これ考えている時が至福の時です。


さて、この本で私の今年の読書も終わりにします。
今年はブクトモの皆様のおかげで、土瓶さんと同じく過去最高となりました。こんなにたくさん本を読んだのも久しぶりでした。
たくさんの良い本をご紹介くださり、本当に有り難うございましたm(_ _)m
今年の最後の本が『八つ墓村』、最高でした!

みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

懐かしいミステリの定番を半世紀ぶりくらいにに再読。

戦国時代、黄金を携えて逃げてきた8人の落武者を、村人たちが騙して惨殺。その後怪異が相次ぎ、以来「八つ墓村」と呼ばれるようになった山奥の山村。大正になり、落武者惨殺の首謀者田治見家の当主、要蔵が発狂して32人の村人を虐殺し行方不明になっていた。それから26年。母子家庭で育った辰弥が要蔵の息子であることがわかり、田治見家に迎えられると、再び陰惨な連続殺人が村に起こる…というあの話だ。


古い因習がまだ残っている戦争直後の時代背景と伝奇ホラーっぽい設定がたまらなく魅力的だ。国枝史郎や岡本綺堂や山田風太郎のような、あの湿気臭い畳や暗い納戸の奥のホコリの匂いを呼び起こす感覚が私は好きなのだ。

話は辰弥の視点で描かれる。だから神戸から山奥の八つ墓村に来た不安や心情、村人に襲われる恐怖や誰が犯人なのかと疑う不信感、登場する女性たちに対する恋慕など様々な辰弥の感情により、サスペンスフルに描かれ、設定は複雑に絡む。現代ミステリの原点はここにあるんだろうなと思う。

鍾乳洞のシーンはよく覚えている。最後犯人が明らかになったところで、そうだ!犯人はこの人だった、と思いだした。

ちょっとまた横溝正史か高木彬光、読みたいな。


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2024年11月10日

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名前は知っていたけど、こんなにおもしろい作品だったとは…
なぜこれまで読まなかったのか…

作品全体に漂うおどろおどろしさと、物悲しさ。
ホラーでミステリーという、初めてのジャンルに一瞬で虜になった。
しばらく金田一耕助シリーズの沼にはまります…

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

課題図書で読んだ。自分だと手に取らないものだが、面白かった。絵としては怖いけれど、ホラーというよりはミステリーだなと思った。

本編に対してラストがハッピーエンドすぎて驚いた。
あれだけ恐ろしい内容であれだけ人が死んでおいて、あのラストを持ってくるのがすごい。

表現は無駄がなく簡潔でインパクトがあった。印象的な表現ではあるが1,2文ですっきりしている。
そういう文章かつ、次々に展開していくため、ボリュームはあるが読み進めやすい。

ストーリーが進むほどに謎が絡まっていくようでどんどん混乱していくのがすごかった。

はじめの方は登場人物が多すぎてごっちゃになるかと思ったけれど、意外と大丈夫だった。
登場する女性はみな主人公を好きになるかのような錯覚をしてしまったので、犯人は予想外だった。

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2025年12月06日

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ネタバレ

めちゃくちゃ人死ぬ(笑)初めて金田一シリーズ読んだのに金田一正直おらんでも全然問題ない、まじか(笑)村のあちこちに広がる、金塊が隠された鍾乳洞、わくわく

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

実写化したら映えそうなミステリー。映画も観てみたい。

比較的善が報われるストーリーだったけど、美也子みたいな女性に憧れる。
やっぱり悪いことはしてはいけないね。

視野の狭さ、感情や憶測だけで動く人間の恐ろしさを感じた。


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2025年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ抜きで初金田一作品読みました!
人間関係が昭和で少し分かりにくいものの、一人称視点で進行していくため非常に臨場感があり楽しめました!
ホラー要素も最高。
他の海外ミステリ活躍のホームズやポアロと違いお淑やかや探偵という印象で日本の奥ゆかしさを感じました。
(前に進んで解決パートというより、全てが終わってぼそっと解決みたいな笑)

ラストもう少し後日談的な視点がもう少し欲しかったところかなあ。

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2025年07月16日

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ついに、ついに!この歳まで一切ネタバレせずに読めたの奇跡だと思う、本当に面白かった~ 

財宝目当ての村人達に殺された八人の落ち武者が眠る「八つ墓村」。その祟り故か、村人の首謀者だった田治見の家の者も後に発狂し、32人殺しに手を染め、失踪。神戸で育てられ、自身の生い立ちに関して一切知らされていなかったその息子は村へと呼び戻されるも、目の前で毒殺事件が発生し…。

冒頭、えげつない性暴力の話に心が折れかけたが、フィクションだと自身に言い聞かせる。読み進めれば殺人に次ぐ殺人、最初からエンジン全開で面白くない訳がない。やっぱ自分は密室殺人一件より連続殺人事件を扱った規模がデカいミステリーが好き!加えて32人殺しの因縁、隠された財宝、村の地下一帯に存在する鍾乳洞、といった舞台設定からして心が躍る。犯人の動機もシリーズ過去作品よりも納得出来るものだったので嬉しい。これぞ自分がイメージしていた金田一耕助作品!という感じで本当に面白かった!

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

 タイトルだけでも内容のおどろおどろしだ雰囲気が想像できた。もしかすると映画化された頃のやーつーはーかーむらーのフレーズがそうさせているのかもしれない。推測よりも残忍で乱暴な惨殺から始まる村の歴史は後世にまたも祟りを思わせる犯罪が展開される。
 後半は洞窟内の情景が多数描かれていた。山陰地方の鍾乳洞は有名な場所もあり過去に訪れた景色が重なりひんやりとした空気がイメージできた。湿った迷路はお宝と秘密を闇に紛らすには格好の場所だ。追手が来ても闇が身を守り危機を先延ばしにできる。
 家系にまつわる恨みつらみは特定の人々への利益を得るために綿密な計画を立てて実行する。そこまで深く考えて重い罪を犯せるなら、その思考回路と実行力を別な方向の策に傾注したらもっと儲けられる仕事に繋がるのかも。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

金田一耕助シリーズといえば犬神家か八つ墓村かというところで。ちゃんと知らなかったので読んでよかった。

津山の三十人殺しをモチーフにした作品。
身寄りなく暮らしていた主人公が、八つ墓村の名家の跡取りということが判明するところから始まる。
物語はこの主人公の視点で語られるため、作中金田一耕助はあまり登場しない。

過去の惨劇、次々と起こる殺人、洞窟の冒険と盛り沢山。面白かった。
出てくる女性達が魅力的に描かれているのもいい。

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2025年02月01日

Posted by ブクログ

津山の三十人殺しをモチーフとした小説。金田一要素はあまり多くないですが、語り手の男性の驚愕の日々や、冒険要素が組み込まれている今まで読んだのと違う形の金田一シリーズとなっていました。新しい形としては面白いものの、名探偵金田一を見たい方は別のシリーズの方がいいように思います。

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

今読んでもとても面白いスリル満点の本でした。鍾乳洞を冒険し、追って追われてのミステリーよりもホラーに近い感じのエンターテイメント性の高い作品で、さすが名作といわれるだけはあるなと思いました。
読んで損はない一冊です。

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2025年01月10日

Posted by ブクログ

2025年一冊目は景気よく、そして絶対に面白いものを読みたい!ということで『八つ墓村』をチョイス。うん、間違いのない選択でした!

横溝正史といえば、『八つ墓村』と『犬神家の一族』が双璧かなと思うのですが、意外にも事前情報ゼロで読み出した『八つ墓村』。もちろん津山事件はよく知っているのですが、オマージュなどで目にする映像がものすごく怖く、スプラッタものが苦手な私はなんとなく手を出せずにいたのです……。
しかし読み進めるうちに、ミステリーよりも鍾乳洞での冒険色の強さに夢中に。なかなかこういうものは、”金銀財宝はロマンでした〜”で終わる作品が多い中、しっかり見つけて大団円につながるのもほっこりでした。

それにしても、辰弥君の不運&モテっぷりよ……!
私だったらそもそもそんな因縁渦巻いた土地には帰らないし、四面楚歌の中できっとありもしない罪を認めていたはず。
そんな彼が正気を失わずにいたのも姉と典子ちゃんのおかげなわけで。特に典子ちゃんは(何か裏があるのでは?)と疑っていたのにただの献身的な子だったので、これ以上辰弥君が人間不信に陥らずよかったなぁとしみじみしました。

今作は辰弥君の語りによるもので、金田一さんの出番はあまりというかほとんどないのですが、『夜歩く』の鬼首村のあとにこちらに立ち寄るなど、コ○ン君ばりの事件に好かれる体質で、そんなメタ的要素に微笑ましくなるなど……。
金田一さんの活躍目当てに読むと少し物足りないかもしれませんが、やはり名作中の名作。鍾乳洞での冒険はいつか映画版も観てみたいな〜と思います。

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2025年01月05日

匿名

購入済み

金田一を読むなら、このシリーズ

金田一シリーズは、乱歩ともルパンとも又違う世界観があります。
過去に上映されたインパクトの強い、劇場版を知っている方もいるかと思いますが、小説の方も面白いです。
一巻から順に読むも良し、気になるタイトルから読んでいくのも良しだと思います。

#怖い #ドロドロ

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

映像化されたのにもかかわらず、全く観たことが無かったのでチャレンジしてみました。
初版発行が昭和46年…もう50年以上も前の作品である事と、500頁という大作なので読めるか心配でしたが、200頁くらい近くになるとどんどん加速しし始めました。初めの方は登場人物も多いし、言葉の意味や漢字の読みも難しく「??」という感じでしたが、途中からはそんな事はどうでもよくなって来るほど惹き込まれました。
沢山映像化されるはずです。読み終わったので映像を観たいと思います。

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2024年10月10日

Posted by ブクログ

金田一耕助シリーズです
50年前に書かれた因習村モノです

出生の秘密で出てくる、要蔵パートが読んでいて一番ドキドキしました
あの暴れっぷりは読んでいて爽快なくらいでした
頭に懐中電灯をツノみたいに巻いて、猟銃と日本刀ぶら下げて嫁を探し回るバーサーカーは、非常に恐ろしかったです
村の犠牲者もとんでもないことになっていたし、曰く付きの伝説ばかりやたら泊がついてる村でした

八つ墓村の言い伝えになぞらえて次々に犠牲者が増えていきますか、主人公の恐怖レパートリーが汗かくか震えるかぐらいなので、4人目に差し掛かるころには慣れてきて、いいから探偵に告げ口にいきなさいと思いました

典子が道中に変に親切なので、とても怪しかったです
毒殺事件が続く中やたら手弁当を主人公に食べさせてくるので、双子婆の毒茶並みに胡散臭かったです
もうパッケージされた既製品しか食べるなと主人公に言いたくなりました

因習村の地図が出てきて整理も付きませんでしたが、同じ場所を行ったり来たりしてるので何となく読めました

春代なり金田一耕助が長文を喋るとストーリーが進んでいくので、主人公のSAN値チェック待ちがもどかしかったです
やたら美也子をスーパー婦人アゲしてくるので、作者はトリックを成り立たせるために犯罪者を超人にしているなと感じました

止まらない連続殺人事件が延々と続くので、読んでてダレてきましたが、打ち上げ会で金田一耕助がタネ明かしするときに、各事件の伏線やナゾを回収していってくれるので、点と点が繋がっていくのが気持ちよかったです

主人公が亀井陽一の息子だと判明したり、その父親が冒頭に出てくる僧だったり、ヒミツが明かされていく展開が気持ちよかったです

1970年代に書かれた推理小説とは思えないくらい、内容がしっかりしていました
確かに根強いファンがいるんだろうなと思いました

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夏の読書会課題本。

八つ墓村、めちゃくちゃ不吉。怖い。
はじめからどんどん人がしぬ。
伝説の物語にからめていろいろ不吉。
双子のおばあさん。
地下の鍾乳洞。
母が残した地図。
そしてすごく面白くて止められない。

関連映像もみました。YouTubeで1話が公開されていましたよ。

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2024年08月16日

Posted by ブクログ

中盤くらいまでのおどろおどろしさは堪らなかった。
どうなっちゃうの?
ゾクゾクわくわく。
金田一耕助の活躍がなかったのが残念。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

29歳の寺田辰弥は、ある日弁護士の諏訪から、自分が八つ墓村の田治見家の跡取りであることを教えられます。ところが、彼を迎えにきた祖父の井川丑松が、何者かに毒を盛られて殺害されます。さらにその後、辰弥のもとに八つ墓村に帰ってはならないという脅迫状がとどけられます。

八つ墓村では、辰弥の父親の要蔵が、32人の村人を殺害しその後行方不明になるという事件が起こっており、辰弥の帰郷を快く思わない村人たちがいました。しかし辰弥の大叔母で田治見家をとりしきっている小梅と小竹は、辰弥の従兄である里村慎太郎に田治見家の遺産を継がせないために、辰弥をさがし出して村に呼びもどすことをきめたのでした。死んだ祖父に代わって辰弥を迎えにきた森美也子は、村人たちから白眼視される辰弥をかばいますが、その後も村人たちが次々に殺害されます。

さらに辰弥は、小梅と小竹の二人が、彼の寝静まったあとひそかに村の鍾乳洞に入ってなにかをしていることを知り、辰弥は村にかくされた秘密にすこしずつ近づいていきます。この事件の謎を、村に滞在していた探偵の金田一耕助が説明するという物語です。

国産ミステリの古典ですが、あらためて読んでみると、鍾乳洞内の探検をおこなう展開や、村人たちの襲撃から逃れるシーンなどは、ミステリ作品としてはサスペンス的な演出がやや過剰にも感じられます。とはいえ、それらもふくめて、読者を引きつけて離さないスリリングなストーリー構成になっているように思います。

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2025年01月03日

購入済み

夢にまで見るものすごさ

八つ墓村の話は、テレビでもよく見たような記憶があるが、当初は、怖くて読む気がしなかったが、読み始めると、つぎどうなるのか、次、どうなるのかと引きずられて最後まで読んでしまった。夜中、突然、目が覚めて、夢だったのか現実だったのか、自分が当事者のような錯覚を覚えた怖かった。
 読み終わってから、森美也子が犯人だと知って、動機が分からなくって、今までの推理小説と違う印象を受けた

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2019年01月14日

Posted by ブクログ

だいぶ時間かけて読み切りました。字が小さくてページ数以上にボリューム満点。
横溝正史先生の金田一耕助シリーズをいつか読んでみたいと思っていて、最初の一冊。

昭和46年初版発行で舞台が戦後の昭和二十×年なので、ノスタルジー感満載です。

装丁と表紙がかなりおどろおどろしいので、ホラー要素のあるのかと思ってましたが、そんなことありませんでした。
途中で犯人は、この人しかいないよねと分かるのですが、謎解きは意外とあっさりでした。

戦後の田舎の村に一人のよそ者(しかも曰くつき)が訪ねてきて、連続殺人始まったら…そりゃあ白い目で見て疑われるも当然だろうと思って読んでました。

なぜそうなる?みたいな展開も多いのですが、面白かったです。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

111108さんの本棚から興味をひかれて。

昔、横溝正史の怖い映画を観るのが大好きだった。
インパクトのあるキャラクターやその殺され方に
両手で目を隠しながらも釘付けに。

八つ墓村は
頭に2本の懐中電灯、
片手に銃、もう片方には日本刀という姿や、
「たたりじゃー!」の決め台詞が強烈だった。
出てくる人物が怪しげで恐ろしげで、
特に双子の老婆が怖いのなんのって。。

実際に原作を読んでみると
びっくりするくらいのどかな描写が続き、
あれ?こんなだっけ?と拍子抜け。
老婆、全然怖くないし。
名探偵金田一耕助もあまりにパッとしない外見で
映画とイメージがかけ離れてた。
今回はほとんど活躍の場もなし。

ドラマや映画の金田一はどんなふうにして誕生したんだろう?気になります。

ストーリーはしっかりと練られていて
主人公の若者の恋愛模様や鍾乳洞での迷路の謎のワクワクも含め、最後まで楽しめた。

また改めて映画を観てみたくなった。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

横溝正史の金田一耕助シリーズ、長編4作目にあたる。
いわゆる「岡山もの」の1つで、因習に囚われた村で起こる、凄惨な事件を描く。
何だか落語の三題噺を思わせるような作りで、落武者の呪い+津山30人殺しをモデルとした連続殺人+鍾乳洞探検を組み合わせた形。

事件は戦後、辺鄙な村で起こる。
主人公の青年・辰弥は肉親との縁が薄く、復員後は天涯孤独の身の上となり、会社勤めをしながら淡々と暮らしていた。あるとき、突然、弁護士から彼を探している人がいると連絡を受ける。実は辰弥の亡父は八つ墓村という村の旧家・田治見家の当主であり、親族がその家を継いでほしいと言っているというのだ。急な話に辰弥は不審に思う。それが真実ならばなぜ母はその家を出たのか。その陰にはどうやら暗い秘密があるようだった。
そして辰弥は「村に帰ってくるな。帰ってくれば、26年前の大惨事が再び繰り返されるだろう」という怪文書を受け取る。
さらには、迎えに来た母方の祖父が辰弥の目の前で血を吐いて死ぬ。
それが一連の怖ろしい事件の始まりだった。

一時は祖父殺しを疑われたが、その嫌疑も晴れ、辰弥は、親戚筋の森美也子に連れられて、村を訪れることにする。
だがどうやら彼は村人からはまったく歓迎されていないようだった。それもそのはず、彼の父親はかつて、狂乱の挙句、村で32人もの人を殺害していたのだ。理由はといえば、手籠めにされ、妾として監禁されていた彼の母が、父の元を逃げ出したのがきっかけだったのだという。
辰弥は、双子の大叔母、肺病で臥せっている兄、心臓が弱い姉、村の医者、僧侶、尼さんと様々な人と出会う。
やがて、そのうち、1人、また1人と辰弥の周囲で人が死んでいく。

八つ墓村という不吉な名には謂れがあった。その昔、16世紀、8人の落武者が村に落ち延びてきた。村人は当初、快く彼らを受け入れた。だが、詮議が厳しくなり、匿い続けるには危険があった。落武者を差し出せば褒美ももらえるという。さらに、村人たちは、武者たちが大金を持っていることを知っていた。ついに、彼らは武者たちをだまし討ちして惨殺する。
ところがしばらくして、名主が発狂し、7人を殺し、自らも首をはねて死んでしまう。つまり、8人が亡くなったわけである。すわ、落武者の祟り、とおびえた村人は8人の落武者を祀る八つ墓明神を建て、彼らの霊を懇ろに弔った。
この発狂した名主は田治見家の祖先なのだった。

村の地下には巨大な鍾乳洞があり、落武者とは深いかかわりがあった。この洞窟は一連の事件に何かと関わっているようであった。
辰弥も謎を解決するべく、洞窟の奥深くへと入っていく。
果たしてこの連続殺人は、落武者の祟りなのか。鍾乳洞の奥にはどんな秘密が隠されているのか。

名探偵・金田一耕助は比較的早い時点で登場する。
しかし、連続殺人を止めることはできず、名探偵ぶりはさほど発揮されない。
物語の語り手は辰弥であり、金田一は添え物的な立場である。
最後に謎解きをするのは金田一なのだが、読者の知らない事実も提示され、フェアな推理小説とは言いにくい。つまるところ、本作は「探偵小説」であり、それに加えて、ホラー的な味わいを鑑賞する作品というところだろうか。

特筆すべきは昭和の風俗が描かれている点で、田舎の雰囲気はこうしたものだったのだなというのがもう1つの味わいどころだろう。
津山30人殺しは、昭和史に残る大事件で、1人の犯人による犠牲者の数の多さは京都アニメーション放火事件までは最大だった。こうした昭和の暗部にあたる事件をいち早く創作に取り入れたところも著者の非凡なところだろう。

何度も映像化されている作品でもあるが、出色は1977年版の映画だろうか。原作とは違う点も多々あるのだが、真犯人と辰弥の鍾乳洞での緊迫したシーンが印象に残るところである。


*「金田一耕助」と聞くと、日本語学者の「金田一京助」が思い浮かぶのですが、やはり命名の由来になっているようですね。横溝によるシリーズで「金田一」という姓の知名度が格段に上がったのだとか。

*たくさんの人が犠牲になる、何だかごちゃごちゃした設定はどこか坂口安吾の『不連続殺人事件』も連想させるのですが、実際、横溝もこの作品を念頭に置いていたようです。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

金田一耕助シリーズの一編
文豪何の日、横溝正史の亡くなった日

映画やドラマで観ているので読んだつもりでしたが、おそらく初読
主人公寺田の回想形式

戦国時代、8人の落武者たちを彼らが持つ財宝に目が眩み、皆殺しにしてしまった山中の村
その後、村人達に変死が続き
祟りと恐れ 八つ墓明神を祀る
大正時代、再び村に悲劇がおこる
落武者殺害首謀者の子孫が32人もの村人を殺戮
その息子とされるのが主人公寺田

寺田が村に戻ると 三度事件が起き始める

横溝正史作品は 何冊か読んでいるけれど
どうもいろんな作品が混乱してしまっている感じ
徐々に読んでいこうと思ってます

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時代背景から理解しにくい部分もあるものの、読みやすくてあっという間に読み終えた。『八つ墓村』『金田一耕助』は映像や小説を読んだ事がない自分でも知ってるほど有名で、たまには名作と言われる作品を読もうと思い手に取りました。

金田一耕助は頭をポリポリ、フケを落としながら名推理をするイメージでいたがこの作品では存在感は薄め笑。ちょくちょく現れては消えて、終盤でちゃっかり締めるように事件の真相を語るだが「最初から分かってた」的な所がなんともな…しっかり八つ墓村の歴史になぞらえた殺人は行われているし…

推理での活躍というより、鍾乳洞でロープを用いて迷わない様に探索していた方の活躍が目立っていた。また、頭が切れるって感じも少ない。やっぱり自分の世代的に金田一と言えば「じっちゃんの名にかけて…」の名ゼリフとIQ180の頭脳でズバズバ推理する『金田一一』かな。

とても怖そうだけど、映像でこの作品を観たいと思いました。

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2024年11月06日

Posted by ブクログ

横溝本再読中。まずは八つ墓から。
原作も何度も読んでいるが、書物というよりもはや映像の方で何度も視覚情報がかなり強く入ってしまっているので、感想を書くのが難しい。
個人的には鍾乳洞のくだりのせいか、冒険活劇のイメージが強く、ミステリーとしての位置づけがしづらい。ミステリーの観点からだと、横溝作品にはもっと優れたものがある。
ただ、横溝正史らしい作品であるのは確かかも。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

古めかしい言葉使いや死語が多く読みづらい
血を吐く毒ってあるのだろうか?
洞窟の描写は読者に想像してもらうしかない
基地街だらけ

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
やっぱりこの時代を舞台にしたミステリは好きだ。
ミステリというか、パニックものっぽい感じはしたけど。
金田一耕介はびっくりするほど活躍しないし。
作中でもそれは金田一自身が言ってるけどね。

しかし、主人公の流されっぷりがなかなかのものだ。
典子のことだってさ…
最初は不細工って言ってたのに。
恋をして綺麗になるのはいいけど、
綺麗にならなくても好きになれよ!
典子は最初から主人公への態度は変わらなかったじゃないか…

最終的にどうにもちゃっかり終わってるからいいけども。

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2025年11月18日

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