あらすじ
滝の途中に突き出た獄門岩にちょこんと載せられた生首。まさに三百年前の事件を真似たかのような凄惨な村人殺害の真相を探る金田一耕助に挑戦するように、また岩の上に生首が……。被害者は村にロケに訪れた映画監督だった! 名推理に照らしだされる意外な事実。そして二つの事件の関係とは? 表題作「首」など猟奇的事件を鮮やかに解決する四つの名推理。秀作ぞろいの事件ファイル。(「花園の悪魔」改題)
カバーイラスト/杉本一文
感情タグBEST3
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金田一シリーズの短編集
『生ける死仮面』とあるアトリエで死んだ少年をめぐる事件
『花園の悪魔』花畑で発見されたヌードモデルに関する事件
『蝋美人』死体を元に作られた、蝋人形を巡る物語。個人的には一番面白かった
『首』数年前に起こった、首を切断された死体の事件、そして、現在に起こった数年前の事件と全く同じ殺され方の死体。それぞれの事件に関する物語。
全体的にDNA鑑定や科学的な捜査が研究されていない時代ならではのトリックが面白かった
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今年初読みの金田一。年内に〈金田一耕助ファイル〉を読破しようかなと思ってます。
今回は短編集。『生ける死仮面』『花園の悪魔』『蝋美人』『首』の4作。
短編はあっさり描かれてるから、直ぐに内容は忘れてしまいそう。だけど、読んでる瞬間は楽しめる。この時代の感覚は今のとだいぶ違うから、自己投影とかせずに現実を忘れて読書できるのがいい。クセになる。
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金田一耕助シリーズのタイトルにもなっている「首」他、「生ける死仮面」「蝋美人」「花園の悪魔」の計4編の短編からなる作品です。どの話も、なかなか秀逸な犯行の動機やトリックが隠されており、面白かったですね!
個人的には「生ける死仮面」が中でも一番秀逸な話だったと思います。
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金田一モノ短編集。どれも上手く膨らませれば中編~長編にできそうなネタを、上手く途中経過を省略して短編にまとめ上げる構成力が素晴らしい。(そのため、金田一の調査・推理の過程がすっ飛んで唐突に解決する物もありますが、まぁ、それはしょうがない)
エログロ描写も満載なんだけど、乱歩と違って横溝作品のエログロはドライであまり粘着質な感じがしないのが面白いですな。
どの短編もそれぞれネタ方向性が違いつつ、金田一らしい雰囲気たっぷりの作品なので、「ちょっと長編に挑むのは大変だけど、短編でさくっと金田一モノ読んでみたい」って人にもオススメかもしれません。
『花園の悪魔』、『蠟美人』、『生ける死仮面』、『首』の4編収録。
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首(と、顔もかな?)をテーマにした短編を収めた一冊。どれも横溝流のグロさとえげつなさで良かったです。腐乱してたり死体が陵辱されてたり…普通にはありえない状況を劇的に描くのが横溝作品の真骨頂ですね。
でもやっぱり「犬神家の一族」を超える衝撃ではない…なあ。
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「生ける死仮面」「花園の悪魔」「蝋美人」「首」の4編が収められた短編集。3/4が東京を舞台にした作品で、先日読んだ『犬神家の一族』から急に時代が進んだ気がしました。
短編となるとなかなか当たり外れがあったりしますが、横溝正史は短い中にもしっかり雰囲気と山場が作られていてなかなか読み応えがありますね〜。
顔のない死体に肉付けをし、科学的根拠から生前の顔かたちを復元する……という「蝋美人」が衝撃的。
出来上がった顔はなぜか誰もが知る悪女で、という設定は面白かったものの、謎解きが駆け足だったのが少し残念……。
そして「首」は本作で唯一の岡山もの(磯川警部も登場!)で、横溝正史の描く地方の風景は、ただそれだけでホッとするなぁとしみじみ。こちらも真相がやや複雑で??な部分も多々あるのですが、静養を台無しにされた金田一さんがかわいそうかわいいのでヨシ!(?)
……というかですね、たまたまかもしれないのですが、金田一耕助ファイルの短編集は死姦が多すぎませんか?!!
エログロを入れようとするとそうなってしまうのか、なんだかあまりにそういう描写が多く……「異常性癖」を描くつもりが、「またか……」となってしまうんですよね;
他の短編集を読む機会があれば、できればもう死後にアレコレ、はないといいなぁ。。
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【生ける死仮面】猟奇的でエログロな内容で、始まるが、動機はいたって単純で、遺産相続が犯人の狙い。
【花園の悪魔】ヌードモデルの全裸死体という、スタートから怨恨が動機かと思うと、
じつは、擬装工作で•••••
【蝋美人】白骨死体からデスマスクを作成し、モンタージュ写真を撮影し、被害者を特定する
それに関わるすべての人物が怪しい。
【首】山奥の部落に伝わる、三百年ほど前の事件から始まり、映画撮影の監督の首が獄門岩の上にのっていることが事件。猟奇的な殺人事件のようだが、動機は怨恨。謎解きの際に金田一の優しさが見られる。
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短編集
とりたてて感想はなく、よくある横溝話。
標題の首は、過去の事件ともう少し捻った繋がりがあるのかと思ってたが、参考にしただけだったので残念。
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四篇からなる短編集。
こちらも今回の『ひとり横溝正史フェア』ではじめて読む作品。
横溝正史はどちらかというと長編でこそ本領発揮する作家のようで、短編の出来はいささか物足りない。
この短編集でもそうで、横溝正史らしい世界観の構築が不足しているように思う。「生ける死仮面」では死体愛好、「蝋美人」では復顔といった、それなりのものを題材にしているが、踏み込みが足りないというかなんというか。
「首」では、また金田一耕助の粋な計らい、いわゆる人道的配慮といったことを行うのだが、ちっとも粋じゃない。
でも、金田一耕助は魅力がある。
磯川警部もまた然り。
「花園の悪魔」改題。
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長編、殊に映像化作品においては、金田一は単独の探偵で、ホームズに対するワトソンのような所謂「助手」はいないと感じられる。
ところが、本書のような短編においては、バディとしての磯川警部や等々力警部の姿が、鮮やかに浮かび上がってくるのである。
長編においても(読み直してみれば)彼らの協力が、事件の解明に不可欠であることが分かるのだが、短編においてはそれが際立っている。
特に磯川警部の如きは、遠方まで静養に来た金田一を何くれとなく世話する様子が、じつに微笑ましい。
事件の内容自体は、金田一の短編においては定番の、ネクロフィリア、首無し、男女入れ替えと若干マンネリ気味である。
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高校生当時にハマって読んだ横溝正史作品。文庫本、よくとってあったな俺。
暑い夏にヒンヤリしようと再読してみたのですが・・・かえってドロっと、ベトっとした気分になりましたね(笑)
そうそう、こんな感じだっただった!
言わずと知れた名探偵 金田一耕助が猟奇な謎を解き明かす、推理小説短篇集。
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金田一ファンというより、杉本画伯の描く横溝世界に惹かれて古本屋さんを歩き回って集め、事件年代順に読むという金田一祭りを一人開催中。やっぱり、寝苦しい夜は横溝だなぁ。
読んだ本は、昭和51年発行の杉本画伯が表紙を飾る文庫版でタイトルは「花園の悪魔」。表紙絵は表題作の犠牲者がおどろおどろしく描かれています。
収録作は同じです。
死体陵辱等異常者による猟奇的な事件など、都会においてのおどろおどろしさを出そうとすると、こういう要素が必要になるか。田舎の因習に縛られた一種閉鎖環境での異常性と対比すると興味深い。
金田一は吃音癖があって地方訛りも少し残っているという設定ではなかったっけ?表題作中での口調が「・・・でさぁ。」って。他ともまったく違う感じになっていて、これはこれで謎・・・
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『生ける死仮面』:美少年の死体と彼から作ったとされるデスマスクを愛でていた芸術家が逮捕される。その直後に顔をしつようにつぶされた男のバラバラ死体も…異常愛の果ての凶行かと思いきや、実際は財産目当ての事件。それぞれの遺体は一体誰なのか
『花園の悪魔』:ヌードモデルの死体が花壇で発見される。いっしょの宿に泊まったとみられる男に手配がかかるが1年経っても消息がつかめない。実はモデル殺しはカモフラージュのための殺人であった
『蠟美人』:腐敗した死体の骨から生前の顔を再現したところ、それは良人殺害の容疑で手配中の銀幕女優だった!世間を騒がせた直後、復元した学者が殺害され、蝋人形も破壊されてしまう。遺体は本当に女優・マリだったのか?
『首』:約300年前と同じように首は獄門岩に、胴体は首なし淵にという凄惨な事件を金田一が調査している最中にまたも同じような事件が!しかし2つの事件に共通する関係者は皆無。これのみ磯川警部が相棒
2012/11/02-04
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズの短編がよっつ。
ミステリ小説に出てくる好きな探偵はダントツ金田一耕助!好き!
どれも首が鍵になってて、さらりとグロくてあまり嫌悪感もわかず、話も分かりやすかった。
でもそれぞれのインパクトはふつうだったので星三つ。
トヨエツ版金田一耕助を今一度!