あらすじ
戦国の頃、三千両の黄金を携えた八人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を惨殺。その後、不祥の怪異があい次ぎ、以来この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという――。大正×年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、要蔵が突然発狂、三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。そして二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った……。現代ホラー小説の原点ともいうべき、シリーズ最高傑作!!
カバーイラスト/杉本一文
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ第5作品目ー時系列に沿うように読み進めている、横溝正史の代表作の1つ。有名な作品ながら、昔、テレビで少しだけ見た覚えがあるが実際にはどういう話か分からず、手に取った。
金田一耕助が探偵とし、、ではなく、あくまでも語り部が主で金田一耕助はちょい役なのが異色ではある。
舞台は岡山と鳥取の県境、実際に起きた1938年津島30人殺しをオマージュしている。金田一耕助シリーズは1949年〜1950年だから、当時の生々しさや衝撃が作品を通じ感じる。
今作はとにかく読みやすい、当時の言葉遣いや風習などは違和感があるが、これこそ文学である。村社会という閉鎖世界における狂気は外部から見ると異常だが、中から見るとそれこそ当たり前。係る中、都会からやってきた主人公は狂事に巻き込まれていく。重々しい空気の中、3人の女性が登場するが、どれも魅力的だ。作品の雰囲気の暗さがより花を際立たせるのであろう。
名作として今も読み継がれる作品だけあって、今読んでも十分に面白い。最後はハッピーエンドで終わるのも個人的に好き。横溝正史は江戸川乱歩とまた違ったベクトルでの狂気があり、そこがまた大変おもしろいと感じた。
Posted by ブクログ
今更になって初めて横溝正史を読んだ
金田一耕助があまり活躍してない…?
要蔵の32人殺しの時の容貌、(白鉢巻に懐中電灯、片手に猟銃、腰には日本刀)最初に出てきただけなのに有名だねー、映画での影響が大きいのだろうか
いわゆる犯人探しの要素は少なめに感じた、なにせ人がどんどん死ぬし、田治見家の因縁、離れの抜け道など新しい事象がコロコロ出てきて考える間もなく終わってしまった
猿のように小さい双生児のお婆さんや兎口の醜い濃茶の尼の容姿は嫌でも考えずにはいられない、鍾乳洞の描写も素晴らしい、クドい文体のおかげで場面や人物描写が際立つねー
辰弥の未来に幸あれ
Posted by ブクログ
金田一耕助はあまり出てこず、調査や推理の描写を楽しむ作品ではないです。
手記形式で、主人公を中心に広がる事件の中で、翻弄されたり、冒険したり、出生を追ったりが描かれるような作品。
硬派なミステリーと言うよりもドラマ的で(特に後半は)目紛しく動く展開に、緊張感、焦燥感も煽られるところが楽しいかも?
読者に疑心を植えるのが巧くて、読み進めるごとにこの人が犯人?利用されてるだけ?無関係?と推理が二転三転させられ、読む手が止まらないです。
特に弁当の描写のリフレインのせいで犯人をミスリードさせられました…。
村の独特なおどろおどろしさはあいもかわらず、集団意識の恐ろしさを感じますね…。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ人死ぬ(笑)初めて金田一シリーズ読んだのに金田一正直おらんでも全然問題ない、まじか(笑)村のあちこちに広がる、金塊が隠された鍾乳洞、わくわく
Posted by ブクログ
夏の読書会課題本。
八つ墓村、めちゃくちゃ不吉。怖い。
はじめからどんどん人がしぬ。
伝説の物語にからめていろいろ不吉。
双子のおばあさん。
地下の鍾乳洞。
母が残した地図。
そしてすごく面白くて止められない。
関連映像もみました。YouTubeで1話が公開されていましたよ。
Posted by ブクログ
時代背景から理解しにくい部分もあるものの、読みやすくてあっという間に読み終えた。『八つ墓村』『金田一耕助』は映像や小説を読んだ事がない自分でも知ってるほど有名で、たまには名作と言われる作品を読もうと思い手に取りました。
金田一耕助は頭をポリポリ、フケを落としながら名推理をするイメージでいたがこの作品では存在感は薄め笑。ちょくちょく現れては消えて、終盤でちゃっかり締めるように事件の真相を語るだが「最初から分かってた」的な所がなんともな…しっかり八つ墓村の歴史になぞらえた殺人は行われているし…
推理での活躍というより、鍾乳洞でロープを用いて迷わない様に探索していた方の活躍が目立っていた。また、頭が切れるって感じも少ない。やっぱり自分の世代的に金田一と言えば「じっちゃんの名にかけて…」の名ゼリフとIQ180の頭脳でズバズバ推理する『金田一一』かな。
とても怖そうだけど、映像でこの作品を観たいと思いました。