横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すっ飛ばしてたクラシック。
ほかの何よりも
節々から本格の形式美が
感じられるのが良かった。
本格にしては弱めの本格度で味変系。
(シリーズ3作目で味変系というのも特殊だな)
トリックの納得感や
フェアネス度については
感じ方は分かれそうな内容だが、
釈然としたいところは
きちんと要所抑えて筋を通しているあたりの
抜かりなさと始末のよさが本格テイストで
気持ちがいい。
些末なことだが、
戦後ならではの時代背景にある
いろいろなことよりも、
うまい飯を食べているときには描写がないが、
貧相な飯だけ描写されることでなぜかクスリした。
他にも物事の描写のするしないの
チョイスとテンションの偏りがだいぶあり、
「え、ここがたっぷり語られるが、
そこはスッとひと言なの?」
「え、ここが悠長のんびりだらだら展開で
あそこが急に話が事務的効率なの?」
という落語とかトークショーとか怪談のような
人間的なノリとテンションのムラを感じる。
特に情報NPCのおじさんやお爺さんたちは
何かと話出すと気分良くなって止まらない上
尺もたっぷり与えられとかく甘やかされる
居酒屋の人情トーク絡み酒は優遇みたいなところも
何だか微笑ましい。
あとは遠雷と潮騒と胸騒ぎはやたらとするのである。
現代的なミステリーに慣れていると、展開の各パートの分量構成はだいぶ不思議に感じられるところがあり、緊張感がないわけではないが、気ままとも言える謎のテンポ感で、全体がおそらく中篇以下のボリュームに対しやや締まりがない。
とはいえ純粋な無駄尺稼ぎがなく常に情報はアプデされる有効展開には常になっており、そこが守られるのは形式美的によかった。
名にかけられるじっちゃんの元祖金田一さんの
人畜無害、情緒安定、
あれこれの謎スキルを都合よく持ち合わせ
愛嬌あり人当たりもよい
ストレスに強くそつのないバランスタイプだという
ある種の探偵の元祖的キャラクターの一つの
源流もこれで確認できて良かった。
一位に選ぶほどの作品かでいうと
異論と肩透かししかなく出版社の思惑や
トレンド操作を感じざるを得ないところがあるが、
長寿連ドラかアニメの1話か
前後編エピソードとしてまとめられたら
ちょうどいい面白さと密度になるはずだ。
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Posted by ブクログ
すっ飛ばしてたクラシック。
ほかの何よりも
節々から本格の形式美が
感じられるのが良かった。
本格にしては弱めの本格度で味変系。
(シリーズ3作目で味変系というのも特殊だな)
トリックの納得感や
フェアネス度については
感じ方は分かれそうな内容だが、
釈然としたいところは
きちんと要所抑えて筋を通しているあたりの
抜かりなさと始末のよさが本格テイストで
気持ちがいい。
些末なことだが、
戦後ならではの時代背景にある
いろいろなことよりも、
うまい飯を食べているときには描写がないが、
貧相な飯だけ描写されることでなぜかクスリした。
他にも物事の描写のするしないの
チョイスとテンションの偏りがだいぶあり、
「え、ここがたっぷり語られるが、
そこはスッとひと言なの?」
「え、ここが悠長のんびりだらだら展開で
あそこが急に話が事務的効率なの?」
という落語とかトークショーとか怪談のような
人間的なノリとテンションのムラを感じる。
特に情報NPCのおじさんやお爺さんたちは
何かと話出すと気分良くなって止まらない上
尺もたっぷり与えられとかく甘やかされる
居酒屋の人情トーク絡み酒は優遇みたいなところも
何だか微笑ましい。
あとは遠雷と潮騒と胸騒ぎはやたらとするのである。
現代的なミステリーに慣れていると、展開の各パートの分量構成はだいぶ不思議に感じられるところがあり、緊張感がないわけではないが、気ままとも言える謎のテンポ感で、全体がおそらく中篇以下のボリュームに対しやや締まりがない。
とはいえ純粋な無駄尺稼ぎがなく常に情報はアプデされる有効展開には常になっており、そこが守られるのは形式美的によかった。
名にかけられるじっちゃんの元祖金田一さんの
人畜無害、情緒安定、
あれこれの謎スキルを都合よく持ち合わせ
愛嬌あり人当たりもよい
ストレスに強くそつのないバランスタイプだという
ある種の探偵の元祖的キャラクターの一つの
源流もこれで確認できて良かった。
一位に選ぶほどの作品かでいうと
異論と肩透かししかなく出版社の思惑や
トレンド操作を感じざるを得ないところがあるが、
長寿連ドラかアニメの1話か
前後編エピソードとしてまとめられたら
ちょうどいい面白さと密度になるはずだ。
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Posted by ブクログ
「八つ墓村の祟りじゃーーー!!」
あまりにも有名な名シーン(笑)
過去に何度も映画化・ドラマ化されてきた金田一耕助シリーズ。どこか懐かしさを感じる作品ではあるものの、これまで原作を読んだことはなかった。
今回、新たな映画化をきっかけに、初めてシリーズを手に取ってみました。
映像作品の予告などからホラー色の強い印象を持っていたが、原作はしっかりと推理を楽しませてくれる本格ミステリー。
事件に巻き込まれた辰弥自身が、出来事を振り返りながら語るという手法も面白く、古い作品でありながら驚くほど読みやすかった。
そして何より印象的だったのが、村全体を覆うような、ジメッとした陰鬱な空気。
閉鎖的な村に根づく因習や怨念、人々の疑念までもが文章からじわじわと伝わってくる。映像による恐怖とはまた違う、文章ならではの不気味さがあった。
長く愛され続けるシリーズなのも納得の面白さ。
ただ、20作品ほどあるという金田一耕助シリーズ。全部読んでみたい気持ちはあるものの、さすがに手を出すには少々躊躇してしまう(笑) -
購入済み
短編集なので手軽に読めるのが良かった。
短編なので油断してると
いつの間にか終わってしまったりもするが
読み直すのもむづかしくないので
読みやすいと思います。 -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩の『孤島の鬼』が大好きなので、有名な今作にオマージュのような類似点がみられるのに驚いた。
(序盤で「恐怖のあまり白髪に変わる現象」に言及があった時点でおや?と思ったが、洞窟の迷路はモロそれ)
作中で本人も言っている通り、金田一耕助は全然活躍しない笑。
村の伝承は不気味極まりなく、どのように事件に関係するかワクワクしながら読み進めていたが、結局あまり物語に活かされなかった印象。
(「山に潜む要蔵の仕業かも」という説が挙がらなかったのはとても意外だった)
伝えたかったのはそういった因習を盾に平気で人を追い詰める閉鎖的社会の醜さだったのだろうけど…。
犯人の動機にしても何にしても、登場人物みながうわべの富や名誉を狂おしいほど求めているのは、自分の幸せに他人の許可がいるという窮屈な感覚なのかな。
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Posted by ブクログ
横溝正史の長篇ミステリ作品『死仮面』を読みました。
『夜の黒豹』に続き、横溝正史の作品です。
-----story-------------
横溝正史生誕120年記念復刊! 横溝正史の異色傑作!
昭和23年秋、「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警へ挨拶に立ち寄った。
ところがそこで、耕助は磯川警部から、無気味な死仮面にまつわる話を聞かされる。
東京で人を殺し、岡山に潜伏中の女が腐爛死体で発見され、現場に石膏のデスマスクが残されていたのだ。
デスマスクはいったい何の意味なのか。
帰京した耕助は、死んだ女の姉の訪問をうけ、さらに意外な事実を聞いて、この事件に強い興味をそそられた。三十年ぶりに発掘された巨匠幻の本格推理に絶筆「上海氏の蒐集品」を併録する。
解説/中島河太郎
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1949年(昭和24年)に中部日本新聞社から出版されていた雑誌『物語』に掲載された金田一耕助シリーズの『死仮面』と、1980年(昭和55年)に角川書店の発行する文芸誌『野性時代』に掲載された『上海氏の蒐集品』を収録して、1984年(昭和59年)に刊行された作品……『死仮面』は、全8回の連載のうち第4回が欠けており、解説を担当している中島河太郎が、その部分を補ったようです。
『死仮面』は、昭和の女学生たちが醸し出す独特の空気感がまず魅力的で、物語全体に柔らかなノスタルジーが漂います……その中で金田一耕助が挑むのは、無気味なデスマスクをめぐる怪事件、、、
岡山を舞台にした事件の発端(『八つ墓村』事件解決直後)については、磯川警部が登場するのでファンには嬉しいところです……デスマスクという素材を巧みに使ったトリックが随所に織り込まれ、伏線の張り方も丁寧で、読み進めるほどに「この先に何があるのか」というワクワク感が高まります。
岡山で容疑者として逮捕された後に逃亡し行方不明となった野口慎吾や、野口慎吾の自宅に遺された死体の正体が意外な形で明かされる展開は意外性があり、印象的でしたね。
併録の『上海氏の蒐集品』は、全体としてはやや印象が薄いものの、ラストの皮肉な結末が効いており、短篇らしいキレのある読後感を味わえます……昭和の香りが色濃い一冊でしたね。