横溝正史のレビュー一覧

  • 雪割草

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    『ビブリア古書堂』に登場して、興味を持って読んだ一冊。
    横溝正史の幻の作品。金田一は、出てこない。タイトルの通り、長い苦悩の冬を越え、雪を割って幸せが出てくる話。

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    2021年11月27日
  • 迷路の花嫁

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    金田一耕助がほぼ出てこない金田一耕助シリーズ。
    幸の薄い女性が幸せになる物語を愛する方にはとにかくおすすめ。めちゃくちゃ良質なサスペンス・ロマン。

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    2021年11月22日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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     1951(昭和26)年から1953(昭和28)年にかけて雑誌連載された作品。『本陣殺人事件』(1946)『獄門島』(1948)『八つ墓村』(1951)『犬神家の一族』(1951)に続く、戦後すぐの初期の金田一耕助ものの名作群に連なるもの。
     こないだ比較的後年の『白と黒』(1961)を読んだばかりなので、作風・書法の違いを比較しながら読んだ。『白と黒』では文体がユーモアも含んだちょっと軽い感じのものであった。これは戦後間もない頃の作風とかなり趣が異なっている。
     比較的初期の横溝正史の作品世界は怪奇趣味、陰惨さへの好みに彩られているのが魅力的なのだが、60年代以降は薄まったのだろうか?
     こ

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    2021年11月05日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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    そんなんあり?それはわかんないよ!て思いました笑
    夢遊病がモチーフになってるのはこの時代よくあるけど、今の時代じゃむずかしいですね。

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    2021年11月01日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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     読めども読めども金田一が登場せず、「おや、金田一シリーズではなかったか?」と思った頃に登場。身内ではない外部の人目線から見た金田一耕助は、かなり頭が切れるが故の不気味さがあり新鮮だった。
     本作は横溝版クリスティの某有名作品。クリスティ既読の方も未読の方も、予備知識なしに読んでいただきたい。犯人は彼かと思いきや、最後まで騙された。しかし、警察に捕まらないために、2人(3人?)も殺すなんて。しかも本当に殺したかった人間は殺せなかった犯人って一体…。ラストに喋りすぎて目的完遂できない所がお約束で、ふっと笑える。

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    2021年10月30日
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄

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     楽しみにしていた横溝作品。とにかく3人以上死ぬ、若者が犠牲になることが多い所が横溝作品の特徴かな。相変わらずやり切れないとは思うが、仕方ないとは思えない動機だった。時代が違うので、殺人の選択肢しかなかったかもしれないが。しかし、こんな手近で不倫しまくるとは。
     昭和七年の事件の真相など、作者の思惑通りにミスリードさせられた。正直見立て殺人にする意味はまったくなかったと思うが、面白かったので良し。今回は最後の殺人を阻止できて、思わず金田一に拍手。

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    2021年10月24日
  • 蔵の中・鬼火

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    初の横溝正史。ミステリではなく幻想小説を集めた短編集ですが、この方向性の作品もっと読んでみたいな〜。美しく官能的な情景描写がとても良かったです。「蔵の中」「かいやぐら物語」が好きでした。

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    2021年10月11日
  • 雪割草

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    ネタバレ

    こうなったらいいな、もしかしてこの2人は、と、読みながら沸き起こる疑問が、見事に予想通りの展開になるから、読んでいてストレスが少なかったです。もちろん、やきもきするような仕掛けもたくさんあって、久しぶりに読書の醍醐味を感じました。
    登場人物みんなが魅力的。特に仁吾さんの描写はまるで金田一さんそのものなのに、全く違う人物で思わずニヤニヤしてしまった。
    木の実さんと山崎先生の仲がどうなるかも楽しみ。
    楓香先生の秘密はきっと……

    仁吾の魅力が途中で少し霞んだように感じるのは、思い入れ過剰だったかな?ういこちゃんに感情移入しすぎてしまったかも。
    横溝先生の鬼気迫る、書くことへのエネルギーたるや。そし

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    2021年10月11日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

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    モラルもへったくれもない人間関係…

    なかなかのボリュームですが、面白さにサクサク読めます。詳しい感想は下巻に書き込みますが、いわくつきの家で起こる奇妙な事件に、先が気になって仕方がない…

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    2021年10月08日
  • 殺人鬼

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    久しぶりに金田一ものを読んだこともありおもしろかったです。「百日紅の下にて」は内容が印象的で、なかなか秀逸であり、短編ならではの良さがありました。

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    2021年09月04日
  • 夜の黒豹

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    横溝正史『夜の黒豹』角川文庫。

    横溝正史の没後40年&生誕120年記念企画の第一弾。金田一耕助シリーズの怪作が復刊。金田一耕助シリーズはかなり読んでいるのだが、この作品を読むのは始めて。

    横溝正史の作品にしては珍しくエロチックな描写もあり、終盤に江戸川乱歩の作品のような活劇もあり、怪作と呼ばれる理由も理解出来る。凶悪犯罪はいつの時代にも起きるのだが、まだネットやPCも無く、科学的捜査方法も確立されていないこの時代には探偵と警察は足を使って情報収集するようだ。そして、集めた情報の断片から名探偵・金田一耕助が下した推理は……

    昭和35年11月。連れ込み宿のベッドで女性が縛り付けられ、

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    2021年09月03日
  • 真珠郎

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     表題作は1936(昭和11)年から1937(昭和12)年に発表。
     横溝正史を読むのは、実は初めてだ。横溝正史といえば金田一耕助探偵の『八つ墓村』などが続々と角川から映画化されたのが私の小中学生の頃で、「八つ墓村のたたりじゃ〜」などと言うのが友人たちの間で流行った。そのくらいの世代の日本人の多くは、だから横溝正史の作品世界を知ってはいるのだが、実際に原作を読んだことのある人はそう多くはないのではないか。しかし、現在も書店には角川文庫の横溝正史が幾らか並んでいるから、今でも読んでいる人はいるのか。
     本作は金田一耕助探偵の出てこない単発作品と思って買ったのだが、実は由利麟太郎という、横溝正史の

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    2021年08月19日
  • 蔵の中・鬼火

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    1930年代発表の、
    金田一耕助登場前の妖美な短編を集めた作品集、
    全6編。
    古い版で既読だが、
    訳あって改版を購入したので改めて。

    ■鬼火
     1935年『新青年』分載。
     湖畔を散策していた「私」は
     廃屋となったアトリエを発見し、
     そこにおぞましくも美しい描きかけの絵を見出す。
     顔馴染みになった俳諧師・竹雨宗匠の庵を訪ねた
     「私」は、問題の絵にまつわる愛憎劇を聞いた――。
     宗匠の告白が切ない。

    ■蔵の中
     1935年『新青年』掲載。
     妻の死後、過去の交際相手と縒りを戻した
     文芸誌編集長・磯貝三四郎が、
     持ち込まれた原稿を読んでいると、
     自分と愛人のやり取りを盗み見たかの

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    2021年08月14日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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    ネタバレ

    もちろん途中の話がつまらないとか冗長というわけでもないが、ラストで全部持っていかれる感じ

    旧華族のドロドロした雰囲気に、さらにドロドロとした人間関係、そして色々なモノを巻き込み多くの人間の人生を狂わせたヤツらに対する報復…
    簡単に割り切れるはずもないけど、これは「復讐劇」の話なんだな〜と思う。

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    2021年08月11日
  • 血蝙蝠

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    短編集。

    特に印象に残った一編。
    一番最後の「二千六百万年後」。
    まるで星新一の作品を読んでいるようで、今まで触れたことのある横溝作品とは全く毛色の違う作品でした。そして案外星新一の無感情な雰囲気の文章と似ていると感じました。
    ただ、やっぱり横溝作品は長編であってこそ、と個人的には思います。

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    2021年07月19日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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    ネタバレ

    まず、雰囲気がとても良い。
    文章も、『本陣殺人事件』を読んだ時は読みにくいと感じだが、今ではとても読みやすく感じる。

    密室トリックはあまり驚きはしないが、仏像の入れ替え、秋子が見た悪魔の正体、「a=x,b=xならばa=b」を用いた入れ替わり、などの小さなトリックは面白かった。

    そして最終章で今度は別の方向から驚かされた。
    あの曲に込められたメッセージ、そしてタイトルの意味...切なさをも感じさせるラストもとても良かった。

    一点だけ文句を言うのならば、痣はおそらく遺伝はしないので、偶然だとしてもなぜ"偽"東太郎に父の利彦と同じ痣があったのかは一言説明が欲しいところではあ

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    2021年07月17日
  • 蔵の中・鬼火

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    雑誌編集長の磯貝氏のもとに届けられた原稿は、蔵の中で聾唖の姉と育った病気の少年の「蔵の中」という題名の話だった。聾唖だが絶世の美少女だった姉との思い出。姉の死後、大人になった少年は遠眼鏡で蔵の外を覗いていると…。かつては病人や外に出せない訳ありの子供を閉じ込めた蔵の中、中にいる人と外にいる人は違う世界に住みそれは交わることがない。そこから見えた情景は真実だったのか妄想だったのか。蔵の中の住人は常に弱者でありマイノリティなのである。
    「鬼火」は万造と代助というお互い仇敵同士の従兄弟とお銀という女の物語。代助を陥れてお銀を奪った万造は列車事故で全身大火傷をして気味の悪いゴム製の仮面を被る。横溝正史

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    2021年04月25日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

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    ネタバレ

    金田一耕助もの。作中の時間軸は有名な「犬神家」などよりはもう少し進んだ時代で、文明的な機械や施設もできてきており、いわゆる経済発展のさなかでこういった作品が書かれていたのだな、という感慨はある。

    ヌード写真の女性モデルを専門に扱ういかがわしい写真館(こういうのが商売として成り立っていたということ自体、非常に昭和的)に、恐ろしい容貌の男がふらりと立ち寄ったのが物語の発端。幽霊男と名乗ったその男は、モデルを用立ててまたふらりとどこかへ。指名されたモデルは幽霊男に拉致されてしまい、行方が知れなくなってしまう。女性は後日、都内のホテルで殺害された状態で見つかるが、幽霊男の行方は杳として知れず。衝撃的

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    2021年03月26日
  • 金田一耕助ファイル18 白と黒

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    金田一耕助シリーズとしては珍しい、団地を舞台に行われる連続殺人事件。
    ある怪文書をきっかけに、様々な事情を抱えた人物が登場し、展開される物語は正に奇々怪界。
    タイトルにもある白と黒の意味がわかった時の爽快感と、結末の意外性が読んでいて心地良かった。

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    2021年01月09日
  • 憑かれた女

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    由利麟太郎ものの中編『憑かれた女』を軸に、著者の戦前の作を集めた中短編集。著者の戦前の作の多くは、要するにスリラーで、ミステリ的な妙味はあまりなかったりする。この辺は本書に収録の『首つり船』『幽霊騎手』を読んだ後なら、大概の人がウナ図ていくれるんじゃなかろうか。そんな中、表題作の『憑かれた女』は例外というか、きちんとしたミステリで、驚かされてしまう。いわゆるWHYが腑に落ちる形で説明されるのね。僭越ながら掘り出し物と言わせていただきましょうか。

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    2021年01月07日