横溝正史のレビュー一覧

  • 花髑髏

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    初めての由利・三津木シリーズ。
    戦前のこの時代特有の、不自由さや因襲が恐ろしく薄気味悪い。令和版のドラマも面白かったけど、原作はやはり格別。横溝先生の描く美男美女と怪人はそこにいるだけで背筋が凍るよう。
    エロスとグロテスク、人のおぞましさに立ち向かう由利先生と三津木くんが格好良いです。
    展開がスピーディでとても先を読めない。由利先生の慧眼に感服するばかり。
    三作とも、とても面白かった。

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    2022年01月25日
  • 扉の影の女

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    ネタバレ

    金田一耕助シリーズも、これでコンプリート。
    あとはジュブナイル作品のみ。という時点での一冊。
    まさか角川文庫で復刊するとは!

    扉の影の女
    金田一耕助のこの時点のおおよその年齢、食生活、探偵としてのやる気が起こる時、虚無感に襲われる時それはどんな時か。お金の使い方、など人物像にせまる記述も多い。
    結末もいい終わり方をしているし、最後に犯人がどう捕まったかも、しっかり書かれているのでそこもスッキリ。

    鏡ヶ浦殺人
    海辺のシリーズ(パラソルで隠れて…とか砂に埋もれたときに…とか)みたいのかと思ったら、そうではなかった。ゴムマリのトリックは他で読んだのですぐわかった。
    こちらは…ひどいやつが結構いた

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    2022年01月24日
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂

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    ネタバレ

    出てくるメンズがだいたいキモくて笑っちゃった 智子お嬢様が孤高の女王蜂として君臨し数多の男どもを這いつくばらせ踏みにじるがその魅力で全部許される話かと思ったら違った。結局グッドルッキングガイと結婚か~~~い!そんならもうちょい多門くんに活躍してもらいたかったな~ 私は神尾先生好きですよ!!

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    2022年01月18日
  • 夜の黒豹

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    事件が次々に起きて、その度に担当刑事がでてきて登場人物が多い!というのが途中までの感想です。
    整理できないと思ったら金田一先生が疑問の数々を整理してくれて、終盤に謎解きをしてくれてさすが金田一先生!と思いました。
    生まれてないけど昭和30年頃を感じられる雰囲気というか内容が良かったです。

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    2022年01月16日
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄

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    ネタバレ

    まぁ、面白いのは分かるけどやっぱり自分の好みではないかな。

    特に見立ての理由であったり、リカが土蔵に影を映した理由とかっていうのはほとんど説明されていない。どちらが良い悪いというわけではなく、必然性を重視するかどうかは好みの問題。
    (おそらくほとんどの本格好きにとっては必然性は重要なポイントではあるのだが)
    見立ての理由に関しては、その手毬唄を一番よく知っていた多々良に罪を着せるため、というのが仄めかされてはいるが、犯人が犯人自身しか知らない歌に見立てるというのは有り得ないのでさすがに成り立たない。

    だが、もう一つの「一人二役」トリックは面白い。"どちらが加害者でどちらが被害者な

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    2022年01月09日
  • 魔女の暦

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    ネタバレ

    収録された2話は、実写にするにはいろいろな意味で難しい話。
    どちらもストリップ業界の話かつ男女の愛憎話だし。
    特に『火の十字架』は遺体そのものがえげつない。
    作中でも言われていたが、グロさではかなりのものだと思う。
    犯人と被害者たちの関係性の根っこ部分もかなりえげつなかったけれども。

    『魔女の暦』は、金田一探偵が間に合わない話。
    彼は事件を未然に防ぐ探偵ではないからなあ。
    なので、全ての殺人が終わってから唐突に解決編に入る。
    こちらは本来の目的のために別の殺人を犯すその怖さが印象的だった。
    殺人が起きるのに、犯人を絞り込めずやきもきしているところに更なる事件が発生。
    犯人を追い詰める道筋は非

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    2022年01月08日
  • 蔵の中・鬼火

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     横溝正史の初期短編集で、1933(昭和8)年から1936(昭和11)年の作品が収められている。はっきりとミステリとも怪奇小説とも言えないが、それに近い作品群だ。
     巻頭「鬼火」(1935)を読み始めて驚くのは、非常に文学的興趣のある文体で、語彙も素晴らしく豊かなことである。昭和10年前後の文芸作品として遜色のない文章だ。本書収録の全編にわたってハイレベルな文学性が見られ、ただ、物語が怪奇や殺人への興味の方に振れているために、芸術小説とは見なされなかったのであろう。こうした文体を駆使する能力があったのに、ずっと後年、1960年頃(『白と黒』)にはすっかり語彙は減り、ありふれた軽い文体へと次第に

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    2022年01月08日
  • 雪割草

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    『ビブリア古書堂』に登場して、興味を持って読んだ一冊。
    横溝正史の幻の作品。金田一は、出てこない。タイトルの通り、長い苦悩の冬を越え、雪を割って幸せが出てくる話。

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    2021年11月27日
  • 迷路の花嫁

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    金田一耕助がほぼ出てこない金田一耕助シリーズ。
    幸の薄い女性が幸せになる物語を愛する方にはとにかくおすすめ。めちゃくちゃ良質なサスペンス・ロマン。

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    2021年11月22日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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     1951(昭和26)年から1953(昭和28)年にかけて雑誌連載された作品。『本陣殺人事件』(1946)『獄門島』(1948)『八つ墓村』(1951)『犬神家の一族』(1951)に続く、戦後すぐの初期の金田一耕助ものの名作群に連なるもの。
     こないだ比較的後年の『白と黒』(1961)を読んだばかりなので、作風・書法の違いを比較しながら読んだ。『白と黒』では文体がユーモアも含んだちょっと軽い感じのものであった。これは戦後間もない頃の作風とかなり趣が異なっている。
     比較的初期の横溝正史の作品世界は怪奇趣味、陰惨さへの好みに彩られているのが魅力的なのだが、60年代以降は薄まったのだろうか?
     こ

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    2021年11月05日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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    そんなんあり?それはわかんないよ!て思いました笑
    夢遊病がモチーフになってるのはこの時代よくあるけど、今の時代じゃむずかしいですね。

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    2021年11月01日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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     読めども読めども金田一が登場せず、「おや、金田一シリーズではなかったか?」と思った頃に登場。身内ではない外部の人目線から見た金田一耕助は、かなり頭が切れるが故の不気味さがあり新鮮だった。
     本作は横溝版クリスティの某有名作品。クリスティ既読の方も未読の方も、予備知識なしに読んでいただきたい。犯人は彼かと思いきや、最後まで騙された。しかし、警察に捕まらないために、2人(3人?)も殺すなんて。しかも本当に殺したかった人間は殺せなかった犯人って一体…。ラストに喋りすぎて目的完遂できない所がお約束で、ふっと笑える。

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    2021年10月30日
  • 蔵の中・鬼火

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    初の横溝正史。ミステリではなく幻想小説を集めた短編集ですが、この方向性の作品もっと読んでみたいな〜。美しく官能的な情景描写がとても良かったです。「蔵の中」「かいやぐら物語」が好きでした。

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    2021年10月11日
  • 雪割草

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    ネタバレ

    こうなったらいいな、もしかしてこの2人は、と、読みながら沸き起こる疑問が、見事に予想通りの展開になるから、読んでいてストレスが少なかったです。もちろん、やきもきするような仕掛けもたくさんあって、久しぶりに読書の醍醐味を感じました。
    登場人物みんなが魅力的。特に仁吾さんの描写はまるで金田一さんそのものなのに、全く違う人物で思わずニヤニヤしてしまった。
    木の実さんと山崎先生の仲がどうなるかも楽しみ。
    楓香先生の秘密はきっと……

    仁吾の魅力が途中で少し霞んだように感じるのは、思い入れ過剰だったかな?ういこちゃんに感情移入しすぎてしまったかも。
    横溝先生の鬼気迫る、書くことへのエネルギーたるや。そし

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    2021年10月11日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

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    モラルもへったくれもない人間関係…

    なかなかのボリュームですが、面白さにサクサク読めます。詳しい感想は下巻に書き込みますが、いわくつきの家で起こる奇妙な事件に、先が気になって仕方がない…

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    2021年10月08日
  • 殺人鬼

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    久しぶりに金田一ものを読んだこともありおもしろかったです。「百日紅の下にて」は内容が印象的で、なかなか秀逸であり、短編ならではの良さがありました。

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    2021年09月04日
  • 夜の黒豹

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    横溝正史『夜の黒豹』角川文庫。

    横溝正史の没後40年&生誕120年記念企画の第一弾。金田一耕助シリーズの怪作が復刊。金田一耕助シリーズはかなり読んでいるのだが、この作品を読むのは始めて。

    横溝正史の作品にしては珍しくエロチックな描写もあり、終盤に江戸川乱歩の作品のような活劇もあり、怪作と呼ばれる理由も理解出来る。凶悪犯罪はいつの時代にも起きるのだが、まだネットやPCも無く、科学的捜査方法も確立されていないこの時代には探偵と警察は足を使って情報収集するようだ。そして、集めた情報の断片から名探偵・金田一耕助が下した推理は……

    昭和35年11月。連れ込み宿のベッドで女性が縛り付けられ、

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    2021年09月03日
  • 真珠郎

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     表題作は1936(昭和11)年から1937(昭和12)年に発表。
     横溝正史を読むのは、実は初めてだ。横溝正史といえば金田一耕助探偵の『八つ墓村』などが続々と角川から映画化されたのが私の小中学生の頃で、「八つ墓村のたたりじゃ〜」などと言うのが友人たちの間で流行った。そのくらいの世代の日本人の多くは、だから横溝正史の作品世界を知ってはいるのだが、実際に原作を読んだことのある人はそう多くはないのではないか。しかし、現在も書店には角川文庫の横溝正史が幾らか並んでいるから、今でも読んでいる人はいるのか。
     本作は金田一耕助探偵の出てこない単発作品と思って買ったのだが、実は由利麟太郎という、横溝正史の

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    2021年08月19日
  • 蔵の中・鬼火

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    1930年代発表の、
    金田一耕助登場前の妖美な短編を集めた作品集、
    全6編。
    古い版で既読だが、
    訳あって改版を購入したので改めて。

    ■鬼火
     1935年『新青年』分載。
     湖畔を散策していた「私」は
     廃屋となったアトリエを発見し、
     そこにおぞましくも美しい描きかけの絵を見出す。
     顔馴染みになった俳諧師・竹雨宗匠の庵を訪ねた
     「私」は、問題の絵にまつわる愛憎劇を聞いた――。
     宗匠の告白が切ない。

    ■蔵の中
     1935年『新青年』掲載。
     妻の死後、過去の交際相手と縒りを戻した
     文芸誌編集長・磯貝三四郎が、
     持ち込まれた原稿を読んでいると、
     自分と愛人のやり取りを盗み見たかの

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    2021年08月14日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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    ネタバレ

    もちろん途中の話がつまらないとか冗長というわけでもないが、ラストで全部持っていかれる感じ

    旧華族のドロドロした雰囲気に、さらにドロドロとした人間関係、そして色々なモノを巻き込み多くの人間の人生を狂わせたヤツらに対する報復…
    簡単に割り切れるはずもないけど、これは「復讐劇」の話なんだな〜と思う。

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    2021年08月11日