あらすじ
かけ出しの小説家松原浩三は、ふとしたことからとてつもない恐ろしい事件に巻き込まれていった。暗い夜の町を散策していた彼は、偶然行き会った若い女の異常な様子に不審を抱き、後を追いかけた。だが、通りがかりの警官と共に、女が消えた路地へ踏み込んだ彼は戦慄した! 軒灯にヤモリが這うクモの巣だらけの無気味な家、そして縁側からまっ赤な猫の足跡が続き、血の海と化した座敷には、無数の切り傷から鮮血をしたたらす全裸の女の死体が……。横溝正史の傑作長編推理小説。
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Posted by ブクログ
なんか珍しく素直にいいと思った。
昔の作品なので人間がイヤーな感じであるのは仕方ないが、終盤少し切なくもあり。
犯人はわかりやすいので人間ドラマとしての面白みがあった。
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久しぶりの金田一シリーズ。狂気の表情を浮かべる猫の表紙。これは冒頭の惨劇のシーン。
ダ・ヴィンチ別冊のムック「金田一耕介the Complete」も合わせて読みながら横溝世界を堪能しました。時代設定としては戦後10年、出版も同じくらいの時期のせいか「戦災」跡の描写が生々しく、今読むと別世界のように感じられると共に非常にリアルな情景です。
今回は金田一はほとんど登場せず、複雑な仕掛けを解くというより、苦境に陥った人々を掬い上げる男の活躍を描くサスペンス比重が高い。共感してほしい、かまってほしいとか
、すぐに心折れたとかが多い今と違って、弱音を吐かないとかなんとしてもやり抜くとか昭和の理不尽なまでのメンタルの強さが魅力的に映ります。もはやこんなところも異世界
と感じてしまう今の自分のひ弱さがショック。優しさが滲み出るシーンも多く、金田一シリーズの中でも特に印象深い作品でした。
Posted by ブクログ
敵は絶倫中年男⁉︎笑
やはり愛がないとね…ꉂ(ˊᗜˋ*)
ある夜、小説家の浩三は不審な女を目撃する。
女が出てきた家には、霊媒師の全裸の死体が横たわっていた。周りには血塗れのネコが5匹鳴いている。
推理小説には絶対的な悪人が出て来がちですが、こいつには呆れた(^▽^;)
いったいどうやったらこの方法で女を囲えるのか不思議だ。
しかもこいつが言う『霊的エマナチオンを注入』に爆笑した笑
全国の男が知りたがるであろう絶倫男のキモい誘惑笑笑
イケメンだったら良いという訳ではないが、まだマシだな。
コイツの頭の中は、そんな事でいっぱいなのだろうか。いそいそと準備万端でスタンバイする様子を想像すると吐き気がする。
しかも、囲う女は美人ばかり…。
まぁ、小説の中の世界は美しくありたいので良しとする。
そして今回の死体もまーた派手ですね(〃´-`〃)♡
血に塗れた猫達……。
血を舐めてしまった猫も…。
死体は妖艶な美女なのでそれもまた良い✧
なんと言っても魅力的なのが家系の複雑さ。
横溝正史小説に人物メモは欠かせない。
私の脳みそでは、メモしないと後ほど絶対後悔する。
今回、金田一耕助は浩三の探偵ぶりを見守る役回り。
控えめな出演でした。
浩三、有能すぎ♡
さて、次読む横溝正史本、いよいよ『犬神家の一族』行きましょうかね❀.(*´▽`*)
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。今までの殺人事件の謎を解いていく話というよりも、最低非道な人間にやり返すというか痛い目をドンドン見させていくというスカッとするような物語だった。いつしか、殺人事件の犯人を見つけるよりも、最低非道な人間が落ち目になっていく様子をドキドキしながら折っていた。ただ最後はハッピーエンドなんだろうけど、物悲しいもので涙が出た。もちろん奇怪な犯人を追い詰めるのも楽しいのだけど、今回みたいな敵討ちのようなスカッとする話も気分変えというか良かった。
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金田一耕助がほぼ出てこない金田一耕助シリーズ。
幸の薄い女性が幸せになる物語を愛する方にはとにかくおすすめ。めちゃくちゃ良質なサスペンス・ロマン。
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一応、金田一ものの一冊ではあるけどほとんど登場しない。昔の昼メロ?みたいなストーリー展開だったけど、物語はさくさく進んでいくのでまあ退屈せずに楽しめたかな。
Posted by ブクログ
金田一耕助の物語としては異色だろう。
彼はあくまで添え物的な立場だし、推理がメインかというとそうでもない。
金田一耕助ものらしい凄惨な殺人事件も起きるが、中盤は寧ろ殺人事件の話の影がなくなるほど。
これは資産持ちの小説家の男性による、ある霊媒師に食い物にされていた女性たちの救済の物語だった。
この男が段々と羽をむしられるように丸裸になっていく終盤はすかっとできた。
女性たちも一部を除いて、いい相手と出会えて救われたのもよかった。
ただそんな彼女たちを救った英雄の末路が……
最初は信用ならないなこいつと思いながら読んでいたのに、最後は「おい、おまえ消えるのか!?」と動揺する羽目になってしまった。
まあ、金田一耕助ものだと、この立場の人は大抵こうなるので、逃れられない運命だったのかもしれない。