横溝正史のレビュー一覧

  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

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    モラルもへったくれもない人間関係…

    なかなかのボリュームですが、面白さにサクサク読めます。詳しい感想は下巻に書き込みますが、いわくつきの家で起こる奇妙な事件に、先が気になって仕方がない…

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    2021年10月08日
  • 殺人鬼

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    久しぶりに金田一ものを読んだこともありおもしろかったです。「百日紅の下にて」は内容が印象的で、なかなか秀逸であり、短編ならではの良さがありました。

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    2021年09月04日
  • 夜の黒豹

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    横溝正史『夜の黒豹』角川文庫。

    横溝正史の没後40年&生誕120年記念企画の第一弾。金田一耕助シリーズの怪作が復刊。金田一耕助シリーズはかなり読んでいるのだが、この作品を読むのは始めて。

    横溝正史の作品にしては珍しくエロチックな描写もあり、終盤に江戸川乱歩の作品のような活劇もあり、怪作と呼ばれる理由も理解出来る。凶悪犯罪はいつの時代にも起きるのだが、まだネットやPCも無く、科学的捜査方法も確立されていないこの時代には探偵と警察は足を使って情報収集するようだ。そして、集めた情報の断片から名探偵・金田一耕助が下した推理は……

    昭和35年11月。連れ込み宿のベッドで女性が縛り付けられ、

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    2021年09月03日
  • 真珠郎

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     表題作は1936(昭和11)年から1937(昭和12)年に発表。
     横溝正史を読むのは、実は初めてだ。横溝正史といえば金田一耕助探偵の『八つ墓村』などが続々と角川から映画化されたのが私の小中学生の頃で、「八つ墓村のたたりじゃ〜」などと言うのが友人たちの間で流行った。そのくらいの世代の日本人の多くは、だから横溝正史の作品世界を知ってはいるのだが、実際に原作を読んだことのある人はそう多くはないのではないか。しかし、現在も書店には角川文庫の横溝正史が幾らか並んでいるから、今でも読んでいる人はいるのか。
     本作は金田一耕助探偵の出てこない単発作品と思って買ったのだが、実は由利麟太郎という、横溝正史の

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    2021年08月19日
  • 蔵の中・鬼火

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    1930年代発表の、
    金田一耕助登場前の妖美な短編を集めた作品集、
    全6編。
    古い版で既読だが、
    訳あって改版を購入したので改めて。

    ■鬼火
     1935年『新青年』分載。
     湖畔を散策していた「私」は
     廃屋となったアトリエを発見し、
     そこにおぞましくも美しい描きかけの絵を見出す。
     顔馴染みになった俳諧師・竹雨宗匠の庵を訪ねた
     「私」は、問題の絵にまつわる愛憎劇を聞いた――。
     宗匠の告白が切ない。

    ■蔵の中
     1935年『新青年』掲載。
     妻の死後、過去の交際相手と縒りを戻した
     文芸誌編集長・磯貝三四郎が、
     持ち込まれた原稿を読んでいると、
     自分と愛人のやり取りを盗み見たかの

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    2021年08月14日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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    ネタバレ

    もちろん途中の話がつまらないとか冗長というわけでもないが、ラストで全部持っていかれる感じ

    旧華族のドロドロした雰囲気に、さらにドロドロとした人間関係、そして色々なモノを巻き込み多くの人間の人生を狂わせたヤツらに対する報復…
    簡単に割り切れるはずもないけど、これは「復讐劇」の話なんだな〜と思う。

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    2021年08月11日
  • 血蝙蝠

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    短編集。

    特に印象に残った一編。
    一番最後の「二千六百万年後」。
    まるで星新一の作品を読んでいるようで、今まで触れたことのある横溝作品とは全く毛色の違う作品でした。そして案外星新一の無感情な雰囲気の文章と似ていると感じました。
    ただ、やっぱり横溝作品は長編であってこそ、と個人的には思います。

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    2021年07月19日
  • 蔵の中・鬼火

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    雑誌編集長の磯貝氏のもとに届けられた原稿は、蔵の中で聾唖の姉と育った病気の少年の「蔵の中」という題名の話だった。聾唖だが絶世の美少女だった姉との思い出。姉の死後、大人になった少年は遠眼鏡で蔵の外を覗いていると…。かつては病人や外に出せない訳ありの子供を閉じ込めた蔵の中、中にいる人と外にいる人は違う世界に住みそれは交わることがない。そこから見えた情景は真実だったのか妄想だったのか。蔵の中の住人は常に弱者でありマイノリティなのである。
    「鬼火」は万造と代助というお互い仇敵同士の従兄弟とお銀という女の物語。代助を陥れてお銀を奪った万造は列車事故で全身大火傷をして気味の悪いゴム製の仮面を被る。横溝正史

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    2021年04月25日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

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    ネタバレ

    金田一耕助もの。作中の時間軸は有名な「犬神家」などよりはもう少し進んだ時代で、文明的な機械や施設もできてきており、いわゆる経済発展のさなかでこういった作品が書かれていたのだな、という感慨はある。

    ヌード写真の女性モデルを専門に扱ういかがわしい写真館(こういうのが商売として成り立っていたということ自体、非常に昭和的)に、恐ろしい容貌の男がふらりと立ち寄ったのが物語の発端。幽霊男と名乗ったその男は、モデルを用立ててまたふらりとどこかへ。指名されたモデルは幽霊男に拉致されてしまい、行方が知れなくなってしまう。女性は後日、都内のホテルで殺害された状態で見つかるが、幽霊男の行方は杳として知れず。衝撃的

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    2021年03月26日
  • 金田一耕助ファイル18 白と黒

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    金田一耕助シリーズとしては珍しい、団地を舞台に行われる連続殺人事件。
    ある怪文書をきっかけに、様々な事情を抱えた人物が登場し、展開される物語は正に奇々怪界。
    タイトルにもある白と黒の意味がわかった時の爽快感と、結末の意外性が読んでいて心地良かった。

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    2021年01月09日
  • 憑かれた女

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    由利麟太郎ものの中編『憑かれた女』を軸に、著者の戦前の作を集めた中短編集。著者の戦前の作の多くは、要するにスリラーで、ミステリ的な妙味はあまりなかったりする。この辺は本書に収録の『首つり船』『幽霊騎手』を読んだ後なら、大概の人がウナ図ていくれるんじゃなかろうか。そんな中、表題作の『憑かれた女』は例外というか、きちんとしたミステリで、驚かされてしまう。いわゆるWHYが腑に落ちる形で説明されるのね。僭越ながら掘り出し物と言わせていただきましょうか。

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    2021年01月07日
  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(下)

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    晩年の作品と聞く。双生児と孤島、洞窟などシリーズの世界観に悉く魅了された。警部の身の上話に踏み込むなど、人間描写も氏の集大成だったのではないか...真犯人は誰であれ、残された者の純朴さと溌剌とした生命力が本シリーズの核心と次世代への望みではなかったか...

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    2020年11月07日
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂

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    ネタバレ

    こんなに長い話だとは思わなかった(息切れ)
    美人な女性に群がる男性陣が悉く殺されるこの惨劇の始まりとなった事件まで解き明かすのだから、それは当然か。
    でも、その長さを最後まで飽きさせずに読ませられるのは、流石の筆力だと強く感じた。
    息切れ起こしているのは、単にこちらの体力がなかっただけの話である。
    (何しろ面白いのに4日かかった)

    脅迫文に密室殺人(しかも2種類)時間差トリック、ミステリの要素盛りだくさんなところに、謎の男性陣の登場も多く、内容も濃い。
    その割に、視点はくだんの女性か、謎の男性寄りなので、金田一探偵の存在感がやや薄い。
    第三者から見た金田一探偵みたいな感じで、それはそれで面白

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    2020年10月25日
  • 不死蝶

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    ネタバレ

    読者が推理できるよう、いくつかわかりやすい提示をしている。
    マリとよく似た君江の姿 とか、
    金田一耕助がわざとらしくクシャクシャと手紙を慌ててしまう様子 とか
    真相を知る者が皆死んでしまったのは残念だったが…。
    23年前の君江の書き置きを実行した、その真相は、とても自分の中ですっと入ってきた感じ。

    人面瘡は、ホラー的な要素でも楽しませてくれる。
    昭和の時代のホラーが、周りの世界より不気味にしてくれる。

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    2020年10月23日
  • 殺人鬼

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    ネタバレ

    殺人鬼
    金田一耕助が、この話の主人公を助けたと思ったら…
    終わりに金田一の手記を添えていること、オチが文学的。
    黒蘭姫
    咄嗟とはいえ殺してしまったこと、「デスペレート」になり過ぎ!
    香水心中
    なぜ香水を使ったか?だけはわかった!
    百日紅の下にて
    長閑な中で語られる辛い過去…
    悲しい結末、と思ったけど、でも優しさと温もりのある終わり方だった。

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    2020年10月21日
  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(上)

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    金田一のシリーズで、なぜこれだけ入手困難なのだろう。ネットで買えて良かった!
    登場人物や、類似事件が重なり合うので一気読みがお勧めです。

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    2020年09月30日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)

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    ドロドロの愛憎劇。
    焼きもちって、ある一定のレベルを越えちゃうと単なる狂気。
    何気に口に出して伝えるって愛情に限らず、事実や気持ちを誤解なく伝える大切な手段だと思う。って、あたりまえだよ、って思うけど全然うまくできない。
    まぁ、そんなきれいに伝えちゃったら物語の根本を否定してしまうんだけど。ただ、考えるきっかけになった。

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    2020年09月22日
  • 金田一耕助ファイル18 白と黒

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    ネタバレ

    新しくできたマンモス団地に横行する怪文書、そのうちに殺人事件が起きてしまう。最初の被害者は顔がわからないように火傷していた。それはなぜ?被害者は誰なのか。
    時代的には、団地という住まい方が新しかった時。本書では、他人と接したくない人にはこの密集した住まい方は辛いともいうし、扉をしめてしまえば自分たちだけの世界であるとも相反することを登場人物たちが言っているが、人の秘密をあばく中傷や噂がどんどん広がっていったこと、その一方、真実は誰にもわからないということがこの物語から感じ取れる。今にも通ずることかもしれない。
    前回のもだけど、意外な、殺人容疑者から無意識にはずしてしまうような人が犯人だった。あ

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    2020年08月09日
  • 金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会

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    ネタバレ

    500ページの読み応えのある長編作品。
    最初に江戸川乱歩に捧ぐとあるが、乱歩作品に影響を受けたものなのだろうか。
    冒頭に登場人物紹介があるので、名前を覚えられない私には助かった。
    土日に一気に読んだので、霧の降る軽井沢の世界にたっぷりひたれた。

    金田一耕助シリーズは、今の時代にはない上流階級の暮らしをする人の世界の中での作品が好きだ。
    御用聞きの小僧、婆や、暮らしが落ちぶれたなんて言いながらいちいち細々としたことを頼む、あの感じが私にとってはファンタジーに近い。

    霧が深く前もよく見えないゴルフ場の描写などはホラー的な雰囲気も楽しめる。
    冒頭の心中に向かうシーンはもの寂しく心に残った。

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    2020年07月30日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)

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    ネタバレ

    切なくて金田一シリーズの中で結構好きかもしれない。犯人の滋がすごくいい人なんだよなあ、そして小雪ちゃんも、ビンちゃんも結局みんな狂わされただけで、根からの極悪人じゃなかったところが辛い。
    女傑の弥生も、実の子や孫には冷たいとは言え、金田一シリーズによく出るような悪女ではなかった。

    謎解きがすごいというわけでもなく、生首風鈴に至る過程ももっと凄惨さを想像してたから物足りなかったけれど、それでも事件の背景が哀しくて好きだった。

    最後のシリーズとしての終わり方も好き。アメリカから帰ってきて本陣殺人事件を解決し、病院坂の事件を終えてアメリカに帰っていく。

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    2020年07月25日