横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ6作品、昔の慣習と言葉遣い、差別的な考えが逆に当時の空気感を表していて好き。田舎の村ならではの人の距離の近さは懐かしさを感じる。
かなり方言が出てきて読みづらいかもしれないが、私自身が西の生まれなので、ざっくりはわかるし、西の独特な陽気さと田舎の卑屈さが通ずるところにも楽しさを感じた。
話の構成の巧みさはさすが、またストーリーのみならず、登場人物の心理という面でも巧さを感じる。八つ墓村や犬神家の一族よりも一般的ではないのが不思議。6作中、八つ墓村に続いておススメしたい。次はいよいよ犬神家の一族かな。
さて、今作品に戻り、私が感じたことはトリックがどいたこうよりも、人のう -
Posted by ブクログ
ネタバレ金田一耕助もの。初めて読んでみた。せむし男や夢遊病、横溝らしい物語だ。
三文小説家の屋代は親友の仙石直記からある因縁話を聞く。彼の家の主家筋の古神家にまつわる話である。古神の忠実な家来であった仙石家。直記の父の鉄之進は古神家の未亡人、お柳さまと関係がある。古神家の先代、織部の子どもは先妻の子、守衛とお柳の子、八千代。守衛はせむしである。八千代は鉄之進の子ではないか、と直記は疑っている。八千代は脅迫状で脅されており、情緒が不安定な時にバーであった、せむしの男、蜂屋を拳銃で撃ってしまう。直記に頼まれて屋代は彼の小金井の家に行く。その時、事件が起こる。なんと顔のない死体。せむしの体から守衛か蜂屋であ