横溝正史のレビュー一覧

  • 支那扇の女

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    ネタバレ

    住宅街で起こった凄惨な殺人事件にかつての毒殺婦の肖像画が絡んでくる『支那扇の女』と緑ヶ丘のパーティーで起きた事件を描く『女の決闘』の2作を収録。
    『支那扇の女』は読んでいて事件が複雑な方向に転がっていき、最後の神宮外苑での犯人との攻防戦が手に汗握る展開がとても良かった。
    『女の決闘』は短いながらも読み応えがあり、それでいて犯人への手がかりも散りばめられている良作。
    ちなみに『支那扇の女』は横溝がかつて、短編として出しており、その後にガラッと変えた作品のひとつ。改訂前の作品も他社から出版されてるので読み比べても面白いかも。

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    2022年11月16日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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    ネタバレ

    横溝正史とはこんなに時代の先を見ていた作家だったのか。

    正直なところ横溝正史の作品をじっくりと読んだのは初めてだった。
    映像化された作品は観てきたけれど、よくありがちな原作にはあたらないというムーブばかりしていたのである。
    今回読むきっかけになったのは9月4日にNHKで『シリーズ深読み読書会/悪魔が来りて笛を吹く』が再放送されたからである。

    横溝正史は『八つ墓村』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』など田舎の因習ものという作品を立て続けに発表し、その後で都会の貴族ものである『悪魔が来りて笛を吹く』を書いたのだと番組内で言っていた。
    そういうわけで私はこの番組を見て、いわゆるネタバレを受けた状態

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    2022年11月06日
  • びっくり箱殺人事件

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    ネタバレ

    『びっくり箱殺人事件』は横溝正史の中でも異彩を放つ作品と言われていたが、読んで少し唖然とする書きっぷり。特に地の文が、「本当に横溝なのか?」と思うほどにはちゃめちゃなのである。そして、登場人物が個性的を通り越して際立つのも特徴。また、200ページの中で4人の連続殺人、ラブ・ロマンスと読んでいて「えっ?」となるが、最後はきちんと解決まで持っていくからこの書き方はさすがだなと思わずにはいられない。
    もう一編の『蜃気楼島の情熱』はお馴染みの金田一耕助が登場。前に他作品に収録されていたのを読んだが、当時は中学生だったために内容は全く覚えておらず、読み返してとても新鮮な気分に。
    犯人たちが人の皮を被った

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    2022年09月30日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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    ネタバレ

    金田一耕助=石坂浩二さんの私でしたので、完全に初読でした。ただ、いろいろとフェアではないとか、某海外作品の手法とか、うっすらと警戒しながら読みました。
    最後まで動機が解らず、ミスリードされたまま独白で、え!そっち側でしたか・・・。
    トリックや病気よりも、関係者の救いようのない嫉妬心や底無しのドロドロ感に引き込まれました。

    本当に作中の男の嫉妬は醜いな。
    金田一耕助の爽やかさに救われました。

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    2022年09月16日
  • 扉の影の女

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    ネタバレ

    『扉の影の女』と『鏡が浦の殺人』の中編2篇が収録されている。
    『扉の影の女』は金田一耕助と容疑者候補の人々、そして等々力警部が互いに騙し合いながら話が進んでいく。しかし、犯人は最後の方に出てきた奴だったのがビックリ!ただ、犯人が誰かということよりも犯人に至るまでの経緯は読み応えがあるので、全体的に満足いく出来となっている。ハウダニットを中心に据えたミステリと言っていいだろう。
    『鏡が浦の殺人』は夏の終わりに起きた毒殺事件をめぐる物語。こちらは犯人は誰かに焦点が当てられたミステリであり、トリックは中盤で明らかになるように書かれている。夏の終わりを惜しむ儚さも感じられる一作である。
    さて、本書は横

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    2022年08月18日
  • スペードの女王

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    ネタバレ

    話が二転三転コロコロするために、読んでいて非常にハラハラするミステリー。
    ミステリーの王道『首のない死体』をベースに起きる連続殺人。
    金田一耕助が変装するシーンもあり。

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    2022年07月17日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)

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    やっぱりいいね!
    由香利(あえてね)の告白は、想像すると随分エゲツない画が浮かんでくるのだが、文章は下ネタチックに書いてないので、やっぱり上手いんだなぁと思う。
    心情の変化も自然で、救いもある。

    追記すいません…
    孤高の金田一耕助。どんなに慕って慕われて、共に協力して事件を解決し、戦友の様な関係を築いたとしても、やっぱり最後はひとり。
    周りに流される事なく事件と、その事件関係者と、自分と向き合い、自分で考え、人はひとりで歩いて行かなければならないんだ。これが“人間”なんだと毎回気付かされる。
    そして周りの人達もそれを理解し、気に掛けつつ、そっと見守っている。
    私もこうありたい!なんて思ってし

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    2022年07月13日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

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    再読。長さを感じさせずサクッと読める。面白い。
    登場人物も家系も多いのだが、わりと分かり易い。人物像や見た目がはっきりと説明されているからだと思う。

    犯人とか展開とかをすっかり忘れていたので、下巻も楽しみ!先が気になる。頭の中に出てくるのは桜田淳子じゃないんだよ。

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    2022年06月05日
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄

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    安定の金田一耕助シリーズ。
    ミステリー小説の基本ですね^ ^
    面白かったです。

    鬼首村(おにこべむら)の『亀の湯』で休息する事になった金田一耕助。
    磯川警部は、ここで起きた20年前の事件の解決をさりげなく促す。
    そして、殺人事件に遭遇する。
    死体には『手毬唄』の歌詞に沿った装飾が施されていた。
    真相を探る金田一。
    20年前の事件との関連は…。

    この話の魅力は、なんと言っても「異様な死体」です。
    手毬唄の歌詞に沿った意味ありげな証拠品の数々。
    いかにも「犯人はこの人ですよ」と言わんばかりのヒントであり、金田一は裏をかく推理で真相を暴きます。
    もうひとつあるのですが、ネタバレになってしまう可能

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    2022年05月09日
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く

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    中盤に場面が明石、淡路に移ったあたりから盛り上がってきて、怒涛の展開で一気に読んでしまいました。
    終盤、人間関係が複雑で混乱したけど、細かい設定も凝っていてとてもおもしろかったです!

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    2022年05月07日
  • 迷路の花嫁

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    久しぶりの金田一シリーズ。狂気の表情を浮かべる猫の表紙。これは冒頭の惨劇のシーン。
    ダ・ヴィンチ別冊のムック「金田一耕介the Complete」も合わせて読みながら横溝世界を堪能しました。時代設定としては戦後10年、出版も同じくらいの時期のせいか「戦災」跡の描写が生々しく、今読むと別世界のように感じられると共に非常にリアルな情景です。
    今回は金田一はほとんど登場せず、複雑な仕掛けを解くというより、苦境に陥った人々を掬い上げる男の活躍を描くサスペンス比重が高い。共感してほしい、かまってほしいとか
    、すぐに心折れたとかが多い今と違って、弱音を吐かないとかなんとしてもやり抜くとか昭和の理不尽なまで

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    2022年01月16日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)

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    金田一耕助最後の事件!

    上巻で解決した事件の20年後に、再び事件の関係者が殺されていく。金田一耕助が20年もの間心に秘めていた真相とは…

    上巻、下巻とあって、かなり長いのですが、この壮大な物語に私はすっかり魅了されました。
    金田一耕助の事が色々とわかる一冊なので、金田一ファンとしてはとても感慨深い作品です。

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    2021年11月27日
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄

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    ネタバレ

    市川崑監督の映画はもう何度も観ているが、原作を読むのは初めてだった。作者本人もお気に入りの作品のようだが、日本の探偵、推理小説における名作の一つと言っていいだろう。
    どうしても先に観た映画と比べてしまうのだが、映画は原作をほぼ踏襲しつつも、里子が殺されて以降、終盤の流れはかなり変更されている。原作ではリカが犯行を自供することなく死んでしまうが、映画では千恵子に自分が犯人であることを告白するシーンがあり、誤って我が子の命を奪ってしまったリカの苦しみが表現されている。自分は映画の方が好きだと思う一方で、リカにみなまで語らせず、取り返しのつかないことをしてしまったリカの後悔に読者自ら思いを馳せる原作

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    2021年11月06日
  • 塙侯爵一家

    ネタバレ 購入済み

    面白かった!

    金田一シリーズでお馴染みの横溝正史の短編小説です。横溝先生の文章はとても読みやすくて、一気に読んでしまいました。最初のお話は、入れ替わりが最大の鍵になっています。いろんな人がそれぞれちょっとずつ悪事に手を染めている感じです。結局誰が一番の悪人だったんだろう?
    私は、自分が何かをすることなく望みの物を手に入れた安道なんじゃないかと思っています。ぜひ一度読んで見てください。
    最後のお話は新婚のカップルがとんでもない悲劇に巻き込まれて…というお話です。新婚の夫の上司の妻が、自分の思い通りに行かないのを恨んで、無関係の少女を殺して、その罪を新婚の夫に着せようとします。夫の無実を信じる妻が、自分の

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    2021年10月24日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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    ネタバレ

    面白かった!
    登場人物もそれほど多くなく、スルスルと読めました。
    金田一耕助の出番はだいぶ後半でまだかまだかと待っていました。それも登場人物に探偵小説家がいたせいもあるかと思いますが、最後にこれが効いてくるのが面白かったです。

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    2021年09月24日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

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    物語の面白さと結晶のような完成度に圧倒されつつ、頁を閉じた。
    冒頭の技がすごい。のっけから事情のわからない長い台詞。会話が続き、なんだなんだと読んでいくうち、おどろおどろしい殺人事件にあれよあれよと巻き込まれてしまう。視点の工夫から読み手は目撃者になる。金田一の登場にほっとした。

    「イヤミス」に代表される現代ミステリーをプラスチックとするなら、横溝正史の推理小説は樹木。忌むべき内容なのに、どこか潤う。日本の原風景がみえるからか。
    この作品は横溝が自信喪失の中で書いたものらしい。それを念頭に読むと心に迫るものがある。
    読んでよかった。

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    2021年08月15日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

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    事件順に追う金田一シリーズ再開。表紙は杉本画伯のチープなおどろおどろしさを漂わす昭和52年版。
    昭和29年の時代設定。いかがわしいヌードクラブに発生した猟奇的殺人事件。朝鮮戦争の好景気に湧く中でも、不穏な雰囲気を残した時代なのか快楽殺人をテーマにした現代的な事件。なかなかに凝ったトリックだけれどもスピード間もあって一気読み。珍しく金田一も事件を食い止める。やっぱり紙の本は雰囲気があっていいなぁ。

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    2021年08月05日
  • 蝶々殺人事件

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    再読。犯人が分かっていても横溝正史は面白い。趣味嗜好は人それぞれ。探偵さんはそこも解ってくれて救われる。

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    2021年02月21日
  • 金田一耕助ファイル18 白と黒

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    現代風の珍しい作品。結構地味に好き。子供とて大人顔負けに何かを考え、行動してるものだ。京美ちゃんの歪んだ笑顔が後味。

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    2021年01月09日
  • 真珠郎

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    戦前の小説らしいのだが、戦後の「八つ墓村」や「犬神家の一族」等々の要素があちこちにあって、もぉー、ニンマリ。
    そして、横溝正史と言えば、読んだ後に残る、一抹の哀感。
    横溝正史のいい所であるそれが、ちゃんと担保されている。
    つまり、ぶっちゃけ言えば、すでにワンパターン!w
    ただ、それは横溝正史だから。横溝正史が横溝正史の小説の中でワンパターンしている分には大歓迎なわけだ。
    ていうか、主人公の椎名耕助って、ミョーに「姑獲鳥の夏」での関口くんとダブるんだけど?
    えっ。もしかして、彼のキャラはここからきてる?
    なぁ~んて思ってしまうと、この話と「姑獲鳥の夏」って、どこか似ているよーな、似てないよーな!

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    2020年12月21日