横溝正史のレビュー一覧

  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(下)
    事件が錯綜して混乱しそうだったけど、最後、ついに綺麗に回収・収束されていった!
    以下ネタバレ大有りです。

    横溝正史の小説はミステリーなのに、ホラー感が強いのは何故だろう、といつも思っていたのだけれど、悪霊島は特にその雰囲気や場面がそれにぴったりだった。
    終わり方も、大団円とか、全ての謎が詳らかにな...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
    私が横溝正史が一番好きな作家、というのは高校生の時にこの『悪魔が来りて笛を吹く』を読んだから。
    昭和時代の作品ということもあり、日常的に使わない言葉や、華族なんかが出てきたり、探偵小説あるある、登場人物が多くてなかなか読むのに手こずった思い出がある。
    最後まで読んだ時、得も言われぬモヤモヤ感が胸につ...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く
    戦後間もない頃の、旧家の殺人事件。登場人物がどいつもこいつもどこかしら病んでいて、これだよ~~とわくわくしながら読み進める。金田一は中盤からしか登場しないけど、相変わらずの好人物で和む。
    まったく予想してなかった終章の展開には興奮した。久しぶりに好みにドストライクぶっささる本を読んで、満足です。
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  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)
    上巻よりその後も、金田一耕助は密かに事件関係者の動静を見守ってきた。そして一見事件に巻き込まれたかのような人物が、実は色濃く関わっていた事が確信に変わり、20年後、その者の死をきっかけに新たな惨劇が始まる。
    恐怖を煽る演出と、全てが白日になった後の結末の描写が金田一耕助シリーズらしく独特だった。

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  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)
    思った以上に読みやすい。どうして今まで遠慮してきたのか…スラスラと読める。
    人物や風景、状態の描写、最初の殺人が起こるまでのプロローグが丁寧に描かれてある。
    この丁寧なプロローグが一旦事件が解決して終わる上巻に、疑問をプンプン臭わせながら下巻に誘ってくる。早く読みたい。
  • 不死蝶
    横溝作品らしい、田舎独特のドロドロがあり、八つ墓村とはまた違った鍾乳洞でのゴタゴタありで読み応えありました。
    もうひとつのお話【人面瘡】は、現代だったらあまり考えられないだろうなぁという展開。戦時中はこういうことあっただろうなと考えられる作品でした。
  • 金田一耕助ファイル15 悪魔の寵児
    意外な犯人。「レインコートの犯人」が誰にでも出来るせいで上手く惑わされた…
    メイン目線の記者の動きも若干怪しいため、メタ的にもみんなが怪しく思えて、最後まで犯人がわからなかった。
    いつも以上に死人が多いのは、相変わらず無能な探偵と警察である(笑)
  • 真珠郎
    金田一耕助の前にシリーズ化された由利先生シリーズの代表的作品が、本書表題の「真珠郎」。由利先生とは、かつて警視庁の名捜査課長を務めた後、私立探偵となった由利麟太郎。「真珠郎」では、後半部分から突如搭乗する。もう一作品収録されているのが、「孔雀屏風」で、これには由利先生は登場しない。
  • 双生児は囁く
    金田一耕助が登場しない7つの短編が所収。7編とも異母姉妹、双子が登場する横溝正史特有の戦前・戦中・戦後直後の血縁・愛憎がキーになる短編集。いずれも短編ゆえに、長編作品ほど、ドロドロとした人間模様は描かれていないけれど、それでもやはり横溝正史らしい作品集。
  • 喘ぎ泣く死美人
    大正11年から昭和22年まで、様々な雑誌に掲載された短編が、全18作品所収。まだまだ発見されていない作品もありそう。なお、金田一耕助が登場する作品は無い。
  • 殺人鬼
    金田一耕助の短編集。「殺人鬼」「黒蘭姫」「香水心中」「百日紅の下にて」の4作品が収録。章末で、金田一耕助が戦前、復員後、事務所をどこに開設したり、移動しながら、どんな事件を解決してきたか、時系列に少し解説されていたのは、金田一耕助の功績を振り返るうえで、大いに興味深い。
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男
    江戸川乱歩の怪奇シリーズや怪人二十面相などを彷彿とさせられる作品。一風変わった舞台設定、連続殺人事件と活動的な金田一耕助の行動展開が、他の作品と少し趣を異にする印象。
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂
    1978年公開の市川崑監督、石坂浩二主演の映画が有名。元宮家・東小路家の女主人として映画では高峰三枝子が演じているが、原作では元宮家・衣笠家の男性主人となっている点が異なる。他にも京都と伊豆山間地が舞台の映画に対して、原作は東京と伊豆沖の小島。また京都のお茶会での毒殺に対して、歌舞伎座でのチョコレー...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
    横溝正史が扱う素材としておおいのが、昔ながらも家制度、そして近親者で家を守り、継承しようとする旧体制、近親者同士の結婚やそれがもたらす災いや苦悩である。
    本書も、旧伯爵家、子爵家にまつわる近親者による交わり、その子供らによる苦悩が殺人事件の根幹に底流する。
  • 塙侯爵一家
    全集か何かで読んで、この短編は特に印象が強く残っている。
    誰もかも心理が読めない、全体的に漂う緊張感とあっけない幕切れ。
    それにしても横溝は登場人物の顔をクチャクチャにするのが好きだねぇ。
  • 金田一耕助ファイル5 犬神家の一族
    めちゃおもだった

    古典だから難しいんじゃないかと思ってたけどとても読みやすくて一気に読んでしまった
    すっとんきょうな推理をしながら読むのが好きなので、金田一が実はこうなのではないか、といろんな案を作中で言い出すのがおもしろかった。ミステリーの探偵って作中全部わかってるんですよ、ってかんじで最後に答...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会
    再読。
    それでも面白かった。

    長いけれど、後半は事件解決に向けて一気に展開していくので読む価値はあり!

    金田一耕助行くところに、事件あり。
    今回も大活躍。
  • 金田一耕助ファイル8 迷路荘の惨劇
    のらりくらりした金田一耕助じゃないと駄目なんだと思う。犯人が誰か途中まで本気でわからなくて、はらはらした。問題点は説明文が多いことかなぁとは思う。お屋敷とかになると、間取りが気になってそして分からないので困る。
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く
    三文作家の屋代寅太が事件を小説に仕立てているんだけれど、半分くらい読んでも金田一耕助が出てこないし、イライラしながらも面白くて引き込まれる。顔のない屍体は犯人を分からなくするけど、まさかこんな落ちとは!って感じでした。金田一耕助と相変わらずの磯川警部も登場して、舞台は東京から岡山に行くしこれぞ横溝正...続きを読む
  • 殺人暦
    横溝正史の、大体は大人向けの短編集。

    5人の死亡を予告する新聞記事に怯え、連続殺人が始まるか?という表題作と、美人令嬢に入れ替わった元女優「女王蜂」は、江戸川乱歩の作品を模したものだろう。特に表題作では、ドジな探偵(警視庁の刑事だが)を出し抜く、『殺人だけは犯さない』名怪盗が出てくるのだが、明らか...続きを読む