横溝正史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ横溝正史とはこんなに時代の先を見ていた作家だったのか。
正直なところ横溝正史の作品をじっくりと読んだのは初めてだった。
映像化された作品は観てきたけれど、よくありがちな原作にはあたらないというムーブばかりしていたのである。
今回読むきっかけになったのは9月4日にNHKで『シリーズ深読み読書会/悪魔が来りて笛を吹く』が再放送されたからである。
横溝正史は『八つ墓村』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』など田舎の因習ものという作品を立て続けに発表し、その後で都会の貴族ものである『悪魔が来りて笛を吹く』を書いたのだと番組内で言っていた。
そういうわけで私はこの番組を見て、いわゆるネタバレを受けた状態 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『びっくり箱殺人事件』は横溝正史の中でも異彩を放つ作品と言われていたが、読んで少し唖然とする書きっぷり。特に地の文が、「本当に横溝なのか?」と思うほどにはちゃめちゃなのである。そして、登場人物が個性的を通り越して際立つのも特徴。また、200ページの中で4人の連続殺人、ラブ・ロマンスと読んでいて「えっ?」となるが、最後はきちんと解決まで持っていくからこの書き方はさすがだなと思わずにはいられない。
もう一編の『蜃気楼島の情熱』はお馴染みの金田一耕助が登場。前に他作品に収録されていたのを読んだが、当時は中学生だったために内容は全く覚えておらず、読み返してとても新鮮な気分に。
犯人たちが人の皮を被った -
Posted by ブクログ
ネタバレ『扉の影の女』と『鏡が浦の殺人』の中編2篇が収録されている。
『扉の影の女』は金田一耕助と容疑者候補の人々、そして等々力警部が互いに騙し合いながら話が進んでいく。しかし、犯人は最後の方に出てきた奴だったのがビックリ!ただ、犯人が誰かということよりも犯人に至るまでの経緯は読み応えがあるので、全体的に満足いく出来となっている。ハウダニットを中心に据えたミステリと言っていいだろう。
『鏡が浦の殺人』は夏の終わりに起きた毒殺事件をめぐる物語。こちらは犯人は誰かに焦点が当てられたミステリであり、トリックは中盤で明らかになるように書かれている。夏の終わりを惜しむ儚さも感じられる一作である。
さて、本書は横 -
Posted by ブクログ
やっぱりいいね!
由香利(あえてね)の告白は、想像すると随分エゲツない画が浮かんでくるのだが、文章は下ネタチックに書いてないので、やっぱり上手いんだなぁと思う。
心情の変化も自然で、救いもある。
追記すいません…
孤高の金田一耕助。どんなに慕って慕われて、共に協力して事件を解決し、戦友の様な関係を築いたとしても、やっぱり最後はひとり。
周りに流される事なく事件と、その事件関係者と、自分と向き合い、自分で考え、人はひとりで歩いて行かなければならないんだ。これが“人間”なんだと毎回気付かされる。
そして周りの人達もそれを理解し、気に掛けつつ、そっと見守っている。
私もこうありたい!なんて思ってし -
Posted by ブクログ
安定の金田一耕助シリーズ。
ミステリー小説の基本ですね^ ^
面白かったです。
鬼首村(おにこべむら)の『亀の湯』で休息する事になった金田一耕助。
磯川警部は、ここで起きた20年前の事件の解決をさりげなく促す。
そして、殺人事件に遭遇する。
死体には『手毬唄』の歌詞に沿った装飾が施されていた。
真相を探る金田一。
20年前の事件との関連は…。
この話の魅力は、なんと言っても「異様な死体」です。
手毬唄の歌詞に沿った意味ありげな証拠品の数々。
いかにも「犯人はこの人ですよ」と言わんばかりのヒントであり、金田一は裏をかく推理で真相を暴きます。
もうひとつあるのですが、ネタバレになってしまう可能 -
Posted by ブクログ
久しぶりの金田一シリーズ。狂気の表情を浮かべる猫の表紙。これは冒頭の惨劇のシーン。
ダ・ヴィンチ別冊のムック「金田一耕介the Complete」も合わせて読みながら横溝世界を堪能しました。時代設定としては戦後10年、出版も同じくらいの時期のせいか「戦災」跡の描写が生々しく、今読むと別世界のように感じられると共に非常にリアルな情景です。
今回は金田一はほとんど登場せず、複雑な仕掛けを解くというより、苦境に陥った人々を掬い上げる男の活躍を描くサスペンス比重が高い。共感してほしい、かまってほしいとか
、すぐに心折れたとかが多い今と違って、弱音を吐かないとかなんとしてもやり抜くとか昭和の理不尽なまで -
Posted by ブクログ
ネタバレ市川崑監督の映画はもう何度も観ているが、原作を読むのは初めてだった。作者本人もお気に入りの作品のようだが、日本の探偵、推理小説における名作の一つと言っていいだろう。
どうしても先に観た映画と比べてしまうのだが、映画は原作をほぼ踏襲しつつも、里子が殺されて以降、終盤の流れはかなり変更されている。原作ではリカが犯行を自供することなく死んでしまうが、映画では千恵子に自分が犯人であることを告白するシーンがあり、誤って我が子の命を奪ってしまったリカの苦しみが表現されている。自分は映画の方が好きだと思う一方で、リカにみなまで語らせず、取り返しのつかないことをしてしまったリカの後悔に読者自ら思いを馳せる原作 -
ネタバレ 購入済み
面白かった!
金田一シリーズでお馴染みの横溝正史の短編小説です。横溝先生の文章はとても読みやすくて、一気に読んでしまいました。最初のお話は、入れ替わりが最大の鍵になっています。いろんな人がそれぞれちょっとずつ悪事に手を染めている感じです。結局誰が一番の悪人だったんだろう?
私は、自分が何かをすることなく望みの物を手に入れた安道なんじゃないかと思っています。ぜひ一度読んで見てください。
最後のお話は新婚のカップルがとんでもない悲劇に巻き込まれて…というお話です。新婚の夫の上司の妻が、自分の思い通りに行かないのを恨んで、無関係の少女を殺して、その罪を新婚の夫に着せようとします。夫の無実を信じる妻が、自分の -
Posted by ブクログ
戦前の小説らしいのだが、戦後の「八つ墓村」や「犬神家の一族」等々の要素があちこちにあって、もぉー、ニンマリ。
そして、横溝正史と言えば、読んだ後に残る、一抹の哀感。
横溝正史のいい所であるそれが、ちゃんと担保されている。
つまり、ぶっちゃけ言えば、すでにワンパターン!w
ただ、それは横溝正史だから。横溝正史が横溝正史の小説の中でワンパターンしている分には大歓迎なわけだ。
ていうか、主人公の椎名耕助って、ミョーに「姑獲鳥の夏」での関口くんとダブるんだけど?
えっ。もしかして、彼のキャラはここからきてる?
なぁ~んて思ってしまうと、この話と「姑獲鳥の夏」って、どこか似ているよーな、似てないよーな!