横溝正史のレビュー一覧
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現代のビレッジホラーにつながる名作。「封建的な、あまりにも封建的な」戦後と言う時代背景と、島と言う閉鎖的な環境の中では、異常と思えることが日常になる。そして、誤った選択を繰り返してしまう。映画版久々に観たいなぁって思ったけど、原作も気になって読み返し。金田一耕助の目を通して、事件の全貌に触れ島国で起こる異常なまでの執念と、それに取り憑かれた人々による殺人事件。その真相に触れる。昭和中期の作品なので表現も楽しめる。9月には横溝正史原作の『八つ墓村』も新作公開されるし楽しみだなぁ。『八つ墓村』の初代金田一耕助は、寅さんの渥美清さんが演じてたからなんか変な感じだった。寅さんが謎解きしてる!って、見えちゃった。子供心に。
#映画好きな人と繋がりたい #ホラー映画鑑賞 #映画鑑賞記録 #金田一耕助 #横溝正史 -
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ネタバレ初めて読んだ。映画も見たことない。9月に新しい映画が公開されると知り予習として。令和の今読んでも先が気になって一気読みしたくなる面白さなのはすごい。
落武者の呪いが残る村で起きる連続殺人事件を金田一耕助が解決する、としか内容を知らなかった。間違ってはいないけど、実際に読むとイメージしてた推理小説っぽさはだいぶ薄い。それより伝奇小説の面が濃い。犯人の手がかりを追ったり落武者の残した宝を探したり鍾乳洞をうろつく場面がかなり多い。主人公も金田一耕助ではない。村一番の有力者一族の後継者の青年。小説は彼の手記の形式で書かれている。
読んでいて犯人は最後までわからなかった。重要人物がどんどん死んでいくので消去法で大体絞れてはくるのだが。
ラストは爽やかなハッピーエンド。ヒロインの典子が可愛かった。 -
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金田一耕助シリーズ二作目。
映像化の機会も多い有名作。メタ的にいえば複数のミスリードとヴァン・ダイン的な見立てによる殺人事件が扱われている。トリックもビジュアルもやや地味な本作だが、注目すべきはこれが長編において戦争から帰還した金田一の初の事件であるという事だろう。ここで金田一は犯人のフェアプレーともいうべき数々のヒントを見逃し、ミスリードに囚われてなかなか真相に辿り着くことができない。
金田一作品といえば猟奇じみたイメージが先行しがちだけど、そもそも一作目の『本陣殺人事件』にもあるように金田一耕助は非常に理知的な探偵だ。あらゆる可能性を検討して綿密に証拠を集めていく探偵法。だからこそ、戦争で疲弊した金田一の理性は人間の妄執という理性の及ばない狂気に翻弄され、最後に真実に気づいた時に呆然として、狂ったように笑うしかなかった。これはちょっと象徴的だ。
横溝正史は混迷した戦後社会で探偵小説を書く意義について十分に意識して本作に取りかかったのだろう。前作から続投されてシリーズの看板を背負うことになった金田一耕助は名探偵としてこの課題に取り組まなくてはならない宿命となった。近年の長谷川博己版のドラマ作品ではこの「戦後」と「狂気」に焦点が当てられており、とても印象に残った。ここに金田一耕助シリーズの核があるようにも感じる。 -
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金田一耕助シリーズ二作目。
映像化の機会も多い有名作。メタ的にいえば複数のミスリードとヴァン・ダイン的な見立てによる殺人事件が扱われている。トリックもビジュアルもやや地味な本作だが、注目すべきはこれが長編において戦争から帰還した金田一の初の事件であるという事だろう。ここで金田一は犯人のフェアプレーともいうべき数々のヒントを見逃し、ミスリードに囚われてなかなか真相に辿り着くことができない。
金田一作品といえば猟奇じみたイメージが先行しがちだけど、そもそも一作目の『本陣殺人事件』にもあるように金田一耕助は非常に理知的な探偵だ。あらゆる可能性を検討して綿密に証拠を集めていく探偵法。だからこそ、戦争で疲弊した金田一の理性は人間の妄執という理性の及ばない狂気に翻弄され、最後に真実に気づいた時に呆然として、狂ったように笑うしかなかった。これはちょっと象徴的だ。
横溝正史は混迷した戦後社会で探偵小説を書く意義について十分に意識して本作に取りかかったのだろう。前作から続投されてシリーズの看板を背負うことになった金田一耕助は名探偵としてこの課題に取り組まなくてはならない宿命となった。近年の長谷川博己版のドラマ作品ではこの「戦後」と「狂気」に焦点が当てられており、とても印象に残った。ここに金田一耕助シリーズの核があるようにも感じる。 -
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ネタバレ□初見時の感想(2024年6月)
読書を始めたばかりの頃に読み、「読みづらい」「人が多すぎて覚えられない」「私、ってお前誰だよ」「機械トリックかよ」「著者が挑戦的でなんかムカつく笑」ということで、全然面白いと思えず、読むのが辛いと思ってしまった作品。
□再読時の感想(2026年6月)
超傑作。
この間海外小説を250冊ほど読みまくっていたこともあり、読みづらさは全く感じなくなっており、人物やその関係もスッと頭に入る。何より、機械トリックがどうとかそういうレベルの作品じゃないことに気づけた。
ただ、読書初心者がいきなり読む作品ではないなwとも思った。
■『本陣殺人事件』 ★★★★★
超傑作。
機械トリックは要素の1つにすぎないが、密室の破り方としても「綺麗」と感じる。
・殺して自殺したが、他殺に見せたかった
・密室になってしまった密室殺人
・三本指の男の使い方
・三郎の参戦とその根拠(生命保険の伏線)
・ディクスン・カーやアガサ・クリスティ、ホームズなどへの言及
・全編通して無駄のない描写
等々、どこをとっても美しく、完璧と思える作品だった。
強いて言えば、動機が現代になじまない、というところがあるが、そこは「まあ当時なら家柄を重視したとか醜聞を恐れたとかいう在り方が現在よりも強かったのだろうし、潔癖症だったという性格的掘り下げがプラスされてるから納得できるかな」と感じた。
■『車井戸はなぜ軋る』 ★★★★☆
「そういえば車井戸が軋んだ音がしました」が解決編で提示されるのがアレだが、それは些細なことで、単純にクソ面白かった。
「あ~これ伍一が大助に成りすましてるのか」と誰もが思うが、メタ読み(途中でまさにそのことに鶴代が言及すること)から「あれ?違うか」となるが、やはり頭には残り、「違ったとして、じゃあ真相は?」となるという、最後まで考える楽しみがあるストーリー。
状況がシンプルで、文章も綺麗なところがお気に入り。
■『黒猫亭事件』 ★★★☆☆
収録された3作品の中では一番「う~ん」と思った作品。というのも、「さすがにそれは現実の動き的に込み入りすぎというか無理があるのではw」と思ってしまったため。
特にごっこ遊びのくだりや日兆君の心理と行動に無理があるのでは、と感じてしまった。
「顔のない死体」+「一人二役」で、自分で提示したお馴染みパターンを破壊するという新たな挑戦そのものは素晴らしいと思った。 -
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ネタバレ金田一耕助シリーズ初読み。
名探偵ものの王道推理小説という感じで懐かしさも感じる。
戦後すぐに発売のため、読みやすさを心配していたが、杞憂だった。とても読みやすい。
ただ、現代ではあまり使われない言葉はあり、その点だけ時間がかかった(調べる時間)。
もっとも、読み飛ばしても大して影響はないのかもしれない。
表紙の絵は電子書籍版の方が昭和っぽく好み。
以下、犯人やトリックを簡単に以下に書きます。
ネタバレですので、ご注意ください。
それにしても、三作ともトリックにまんまと騙されました。面白い。
・本陣殺人寺事件
まさか妻を殺してから自殺とは驚き。
そして、弟は共犯とは。
犯人の性格が見抜くポイントだったか。
・車井戸はなぜ軋る
嫉妬心を利用して復讐を図るのが恐ろしい。
母違いの兄弟は入れ替わっているのかと思わせて、入れ替わっていない。
金田一耕助は最後に少ししか出てこない。探偵役は妹。
・黒猫亭事件
「顔のない屍体」のトリックかと思いきや、まさかの「一人二役」がトリック。
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ネタバレミステリーにおいて、いかに犯人らしからぬ人を犯人に仕立て上げるかという擬装は、そもそもミステリーの根幹だし、その為に筆者は様々な知恵を絞り、様々ななトリックや叙述トリックなど読者を騙す為の奔走がる。しかし「犬神家の一族」においてはあまりにもドストレートに犯人がおり、全く純度の高い動機の元に事件が発生し、そこに一つの工夫を加えることによって読者を欺き困惑させた作品だ。
余りの純度に真相究明時には空いた口が塞がらず、唖然としてしまった。現代ミステリーではおそらくここから何かしらのどんでん返しが用意され、その落差によって読者を騙す訳だが今回はそんな小細工は少な目に余りにも大胆に犯人を登場させ、それがかえって今作のどす黒さや衝撃の部分に繋がる。
倫理観は当然、現代と違う為、それに対しては何も無いが、金田一耕助シリーズを読み始めてから最も有名作品であるが最も印象に刻まれる作品である。
佐清は映像作品でもインパクトあるビジュアルで逆さまの死体はとても有名であるが、小説に登場する彼も戦争による傷のせいで余りにも不気味、グロテスクな容姿で登場する。
犬神家の一族はすべての面々が狂気じみており、竹子、梅子、松子はまるで悪魔の化身の様な姉妹。また、それぞれの倅である佐智、佐武、佐清も一筋縄にはならず、そこに絶世の美女である珠代と従僕の猿吉が相まって読み終わった後で後味の悪さ、腹立たしさを余韻で感じることができる。
発売当時の評価はわからないが、古典として現代に読む事により、理不尽な部分に気持ち悪さ、不気味さがブレンドされてより一層深い作品になっている。男女関係のあり方や戦争後の情勢、社会的背景、女性蔑視の倫理観等、あまりに新鮮だ。
松子に対する佐清の行動は現代ではどうしても理解出来ないし、青沼家の人々についてもなんとも言い難い結末である。また、作品自体は名作だが耕助の推理は後手に回っている印象で、これだけ大胆な擬装、トリックが使われているにも関わらず数人もの人が亡くなる事件は耕助に物足りなさを感じる(最終的には名誉挽回となるが)
最終章大団円は中々理解に苦しむ内容だが。歴史を感じてこれはこれで面白い。犬神家が再興していく事は難しいだろうが、せめて残された登場人物達の数名には幸せになってもらいたい。
流石は金田一耕助シリーズで屈指の有名作品だった。 -
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獄門島
金田一耕助シリーズの名作はいくつもあるが、今作は今まで読んだ事がなく、先入観の無い、全く新しい気持ちで読む事が出来た。タイトルの「獄門島」が醸し出すなんとも気味の悪いイメージが物語のアクセントになり、また戦後の陰鬱な雰囲気も相まってとても世界観が洗練された作品だと思われる。
横溝正史はタイトルの付け方が巧妙だと改めて思う。こんさに限らずタイトルからその作品が持つ嫌な空気感を1ページ目から擦り込まれている印象で、どんなミステリーもタイトルは拘っているのだろうが、横溝正史程作品とマッチした、インパクトのある名付けは多くない様に思う。
耕助が戦争から復員する船上にて、千万太という青年と出会い、彼は帰郷の前に死んでしまうが今際の際に耕助に妹達が殺されてしまう、助けて欲しいと言い残す。耕助は千万太の遺言を受け彼の生家である鬼頭家に向かう。
不穏な遺言、美しき三姉妹と女性達、気のふれてしまった座敷牢の男、俳句と見立て殺人。横溝作品を楽しむ為のピースがこれでもかと詰め込まれていて連続殺人が立て続けに起きる恐怖感も混じり合いながら「獄門島」に根付く業の様なものを終盤まで感じる事になる。
それぞれの見立てのトリックも面白く、現代から比べて夜の暗さは比べものにならないだろうから、トリック自体の大味な部分も納得できる。
自分は金田一耕助シリーズはまだそれ程手を付けていないため、恐らくあの人が犯人なのだろうと目星をつけていたのだが、まんまと欺かれてしまった。今作は犯人像も素晴らしいし、真相がわかった事で更に衝撃を受ける事が出来た。
女性や被害者に対する余りにもドライな感じや差別的な表現はこの時代特有のものだが、古典作品のこういった歴史背景はある意味でとても新鮮に映る。自体設定がこのくらいの時期になっている現代ミステリーもあるとは思うがやはりインパクトが違う。
金田一耕助シリーズは乱読している最中だが、やはり面白い作品が沢山ある。今作はとても面白かったし耕助と駐在の清水さんとのやりとりではクスッとなってしまう息抜きもある。
耕助はこの帰りにとある有名な作品の舞台に赴く訳だが、そう考えると復員してからの彼はかなり忙しく風来坊をしていたのだろうと読み取れる。
殺人の動機は見事。現代ミステリーでは中々見受ける事が出来ないものだ。
次は何を読もうかなぁ・・・。 -
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獄門島
金田一耕助シリーズの名作はいくつもあるが、今作は今まで読んだ事がなく、先入観の無い、全く新しい気持ちで読む事が出来た。タイトルの「獄門島」が醸し出すなんとも気味の悪いイメージが物語のアクセントになり、また戦後の陰鬱な雰囲気も相まってとても世界観が洗練された作品だと思われる。
横溝正史はタイトルの付け方が巧妙だと改めて思う。こんさに限らずタイトルからその作品が持つ嫌な空気感を1ページ目から擦り込まれている印象で、どんなミステリーもタイトルは拘っているのだろうが、横溝正史程作品とマッチした、インパクトのある名付けは多くない様に思う。
耕助が戦争から復員する船上にて、千万太という青年と出会い、彼は帰郷の前に死んでしまうが今際の際に耕助に妹達が殺されてしまう、助けて欲しいと言い残す。耕助は千万太の遺言を受け彼の生家である鬼頭家に向かう。
不穏な遺言、美しき三姉妹と女性達、気のふれてしまった座敷牢の男、俳句と見立て殺人。横溝作品を楽しむ為のピースがこれでもかと詰め込まれていて連続殺人が立て続けに起きる恐怖感も混じり合いながら「獄門島」に根付く業の様なものを終盤まで感じる事になる。
それぞれの見立てのトリックも面白く、現代から比べて夜の暗さは比べものにならないだろうから、トリック自体の大味な部分も納得できる。
自分は金田一耕助シリーズはまだそれ程手を付けていないため、恐らくあの人が犯人なのだろうと目星をつけていたのだが、まんまと欺かれてしまった。今作は犯人像も素晴らしいし、真相がわかった事で更に衝撃を受ける事が出来た。
女性や被害者に対する余りにもドライな感じや差別的な表現はこの時代特有のものだが、古典作品のこういった歴史背景はある意味でとても新鮮に映る。自体設定がこのくらいの時期になっている現代ミステリーもあるとは思うがやはりインパクトが違う。
金田一耕助シリーズは乱読している最中だが、やはり面白い作品が沢山ある。今作はとても面白かったし耕助と駐在の清水さんとのやりとりではクスッとなってしまう息抜きもある。
耕助はこの帰りにとある有名な作品の舞台に赴く訳だが、そう考えると復員してからの彼はかなり忙しく風来坊をしていたのだろうと読み取れる。
殺人の動機は見事。現代ミステリーでは中々見受ける事が出来ないものだ。
次は何を読もうかなぁ・・・。 -
Posted by ブクログ
噂のスケキヨみたさに読んだら、金田一耕助にどハマりしたそのきっかけ。
もじゃもじゃ頭の風采上がらぬ珍妙な男、金田一耕助。そこに舞い込んだ妙な手紙をきっかけに湖畔の屋敷で繰り広げられる凄惨な連続殺人事件。
これの面白いところは符牒と、金田一の立ち位置だ。
金田一耕助を元ネタにした金田一少年や名探偵コナンなどの昨今の探偵小説では探偵が解かざるおえない状態に持っていくのが殆どだが、金田一耕介は職業探偵であり、関係者とするには繋がりが弱い。始まりに耕介関係者の死亡があったとしてもいつでも手を引ける状態であると言うのは最近の推理小説ばかり読んでいた身としては新鮮だった。
ラブロマンスもあるので、是非未来の姿を見てみたいもの。