横溝正史のレビュー一覧

  • 金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件
    久保銀蔵や磯川警部といった金田一耕助シリーズの主要人物達が登場する作品。
    久保銀蔵は金田一の支援者で、本陣殺人事件の被害者である花嫁克子の叔父。
    私はこの銀蔵氏がとても好きなのだ。彼はこの時代にアメリカへ渡り苦学してカレッジを卒業している。渡航すること自体大変なことだろうに、さらにあちらで働き生活を...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル1 八つ墓村
    横溝正史の名作のひとつ。
    山奥の小さな村で巻き起こる連続殺人事件を、事件の中心にいた人物が追想するように書き進めるという作品。語り口調は主観的で、金田一耕助のことを客観的に見ていることもあり、まるで金田一耕助を目の前にしているような感覚になる。さらに面白いところは金田一耕助の言動の真意が分からない点...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
    横溝正史でも特に有名な作品のひとつだが、個人的には陰鬱さや得体の知れない恐ろしさではトップクラスではないかと思う。人物達の関係性は時代を考慮すればありそうな話ではあるし、実際にあったことでもある。それをフィクションとして練り上げまるで実際に起きた事件のように錯覚してしまうほど現実的だが、ある意味「小...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄
    というわけで金田一さんの冒険譚をゆるりと読み返しております

    『悪魔の手毬唄』ですわ

    最初に今作を読み終えたとき西の空に向かってこころの中で雄叫びをあげたのを思い起こしました

    「見たか!グレートブリテン!日本には手毬唄があるんじゃい!マザーグースなんぼのもんじゃい!」と

    なんか歪んでますね(苦...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
    再読です。
    金田一耕助シリーズの個人的偏愛作品。

    犯罪悲劇の傑作です。
    やはり横溝の作品構成力やストーリーテリング、読みやすい文体には感心してしまいます。

    再読を重ねるにつれて、タイプライターの描写は本当に必要か、さまざまな事情があるとはいえ美禰子にとって犯人は父親の仇同然ですが(根本原因は母親...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄
    金田一耕助シリーズ4作目。面白かった〜。登場人物多いし、事件も多いし情報が多いのに謎が全然解けないので後半一気に読めた。
    全体的に雰囲気が似てる感じなんですね?田舎のお家の対立、痴情のもつれ、怪しい第三者、美男美女、、、華やかでワクワク読めますね。次は犬神家の一族読もうかな。
  • 金田一耕助ファイル1 八つ墓村
    金田一耕助シリーズ3冊目。おもしろーい!エンタメとしてすごい。今回は金田一耕助はそんなに活躍しないというか、主人公寺田辰哉の冒険活劇って感じでこれは何度も映像化されますね!といった感じ。
    落ち武者の呪い、黄金伝説、田舎の富豪にお家騒動、ラブロマンスありとても読み応えあったー!男の夢とロマンがつまって...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル13 三つ首塔
    ゆる〜く横溝正史を読み直そう!『三つ首塔』です

    『三つ首塔』にはちょっと思い出がありましてね
    確か小学五年生か六年生だったと思うんですが、幼なじみに本屋の息子がいまして仲良くしてたんですね
    その彼が誕生日にプレゼントしてくれたのが本書でした
    自分からリクエストしたかどうかは忘れてしまいましたが、角...続きを読む
  • 吸血蛾
    金田一耕助、等々力警部といった主要な人物を除き登場人物がうち10人死ぬ。おそらく金田一シリーズで1番死者を出している作品。
    ※『八つ墓村』で32人が殺されるが金田一が関わる前に起きた出来事なので除外。
    服飾デザイナー浅茅文代専属モデルが次から次へと殺されていくが、死体の乳房が抉り取られ、不気味な色を...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル5 犬神家の一族
    池から足だけ出てることで有名なスケキヨですが、わたしはなんとなくしか知りませんでした。初めて詳細を知ってとても面白かったです。
    トリックというかWHYとWHOがとてもきれいでした。映像化されまくるのも納得です。
  • 毒の矢
    表題『毒の矢』と『黒い翼』を収録。
    『毒の矢』は緑ヶ丘のある家庭に黄金の矢と名乗る謎の人物から怪奇な密告状が届き、金田一耕助が事件の捜査に乗り出そうとするところから物語が始まる。
    金田一耕助が捜査をする中で、密告状の送り主に気がついたアメリカ帰りの富裕な女性が殺害されるという事件が起きる。
    女性は絞...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル5 犬神家の一族
    横溝作品を何作か読んだんだけど、段々と文章が最近っぽくなっている感じがした。

    酷く辛い話の中に、少しだけ明るい未来が見えた。
    佐兵衛翁の目的は結局何だったやら。
    佐清と猿蔵がお気に入りでした。

    なかなかどうして結局めちゃめちゃ面白かった。
  • 金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く
    横溝正史恐るべし。

    点と点が繋がって線になって、はっきりとした絵になって、とんでもない結末が顕になる。

    途中からは読む手が止まらず、仕事中もヤキモキするほど面白かった。

    ぜひ皆んなにおすすめしたい。
  • 金田一耕助ファイル3 獄門島
    おおっと!
    これは想定外のラスト!!(๑°ㅁ°๑)✧



    戦友で、復員兵である鬼頭千万太が復員船で金田一耕助に遺言を託す。

    瀬戸内海の小島『獄門島』へ行き、妹達が殺されるのを阻止してほしいと。

    獄門島で起こった連続殺人事件には、共通点があった—。

    金田一耕助シリーズ第3弾!


    第3弾!
    ...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル13 三つ首塔
    ほとんど金田一耕助が出てこないけれど、金田一耕助への評価が語り部の音禰についつい引きずられてしまう。あのシーンでは思わずこちらまでホッとしてしまった。
    両親を亡くして伯父のもとで暮らす音禰のもとに、見知らぬ男と結婚を条件に百億もの遺産が転がり込むことに。遺産をめぐり、今まで顔も合わせたこともない一族...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂
    「月琴島」という美しい名前の島から始まる連続殺人なんだけど、連続殺人の印象より人間関係の細やかさの方に意識が向く。「女王蜂」と評される絶世の美女の主人公は負けん気の強い女性だけれど、若々しい溌剌さと純粋なところがあってタイトルから受けるような毒々しさはあまり感じない。ただ、自分がどう振る舞うかではな...続きを読む
  • 金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄
    有名だけれど、映像作品で見たことのない金田一シリーズ。いかにも金田一いいぃ!な要素が散りばめられていて楽しめました。
    犯人は意外な人物だったし、登場人物の多さや関係性の複雑さになになに???どういうこと??となりながら読み進めていったけど、さすがにあの子の死はあんまりでは……。
  • 花髑髏
    短編集。

    どちらかといえば表題作よりも、白蠟変化が印象的。
    映像化したら迫力がありそうな気がする。心理的な要因が大きいのにビジュアルでぐっと惹きつけるような。所謂、犬神家的な要素を強く感じました。
  • 金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件
    金田一耕助が最初に登場した『本陣』をはじめとする初期の三つの事件。
    この三つの事件から分かった金田一耕助の来歴はこんな感じ。

    ●十九歳で、同窓生の風間俊六(『黒猫亭』に登場)と共に東京に出て大学に通う。
    ●1930年代:なんかふらりと渡米してしちゃった。アメリカでは毎日ぶらぶら暮らして危うく麻薬中...続きを読む
  • 華やかな野獣
    表題作の『華やかな野獣』他、二編を収録。
    『華やかな野獣』は破廉恥なパーティーの主催者である奈々子が館で絞め殺され、潜入捜査をしていた金田一耕助が解決に乗り出すというもの。
    絞め殺されたにも関わらず胸が抉られていた理由とは?
    パーティーの雰囲気がハリウッド映画『バビロン』を彷彿とさせ、頭の中ではずっ...続きを読む