あらすじ
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫獄門島ーー江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与えたミステリーの金字塔!!<「文豪ストレイドッグス」シリーズとは>中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
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Posted by ブクログ
私は推理小説というジャンルについては門外漢だが、そもそも読み物として面白くなければ長い年月を通して人々に愛されることはないということくらいはわかる。横溝正史という人は推理作家である前に一流の物書きであったのだろう。
Posted by ブクログ
(表紙が違うんですが多分中身は同じなのでこれで登録)
市川崑監督をはじめとする映画はいくつか見ていて粗筋も犯人も知っているんだけど、金田一耕助(以下、耕ちゃん)ものは原作だとやっぱり良いので読んでいっている。
今回はなんと言っても『本陣殺人事件』で探偵デビューした耕ちゃんが、その後戦争の真っ只中で「人生でいちばん大事な時期を空白で過ごし」たあとというのがなんかぐっと来ました。25、6歳だった耕ちゃんは30半ばのくしゃくしゃの頭に和装にソフト帽子の中年に。物語中盤で『本陣殺人事件』で親しくなった岡山県警磯川警部と再会してお互い感じ入る場面があるんですがこのあたりはやっぱり戦争中は考えることもなかった相手が無事で相変わらず活躍しているって知ったときの感慨は私たちが想像するより深いんだろうなあ。
※放送禁止用語が使われていますが重要な鍵のためそのまま記載しています。
その金田一の耕ちゃんは瀬戸内海の小島「獄門島」に向かっている。表向きは戦友鬼頭千万太(以下チマタ)の戦死を伝えること。しかし彼には裏の目的があった。なんとしても生きて帰ることを望んでいたチマタが無念の病死に際しての遺言「俺が死んだら三人の妹たちが殺される…俺の代わりに獄門島に行ってくれ…おれの従兄弟が…」という願いを叶えるためだった。
金田一耕助物語では親族関係がとても複雑に絡み合うのでまとめておく。
まずは「網元」について。物語で網元の地元での強さ、漁師たちをまとめる力などは読んでいたんだけど、ここで説明されていたのを読んで納得でした。そりゃー強い。
漁師には3階級ある。一番下は船も網も持っていない。農家で言えば小作人。
次の階級は船も網も持っているけれども小規模なので、「自作農」みたいな感じ。
それらに君臨するのが、船も網も漁業権も持っている網元。「大地主」にあたるんだけどそれより権力がある。網元は漁穫の全てを総取りして、漁師たちに日当を渡すという関係。漁師は網元からそれぞれの網、鯛網、壺網、鰯網…などなどの網をその場その場で借りなければいけない。そして「板子一枚下は地獄」の世界に生きる漁師たちを束ねるだけの肝っ玉が必要となる。改めてナルホド。
●鬼頭家(島随一の網元の本家。「本鬼頭」と呼ばれる)
嘉右衛門(故人):「太閤」と呼ばれる程の権力を持っていた。死んだことにより獄門島の権力のバランスが崩れる。
与三松:嘉右衛門の長男で本鬼頭の当主のはずなんだけど、「気ちがいさん」で座敷牢に入れられている。
チマタ(故人):鬼頭家の跡取りだったが、戻れなかったことでどうなるか…。
月代、雪枝、花子:チマタの三人の異母妹。知的障害者だろう。派手な振り袖に帯に髪飾りでいつでもキャラキャラ大騒ぎで、異様な雰囲気を醸し出す「徒花」。
お小夜(故人):月・雪・花の母。女役者だったのが与三松の後妻になった。
一(以下ハジメ):嘉右衛門の次男(与三松の弟)の息子。
早苗:ハジメの妹。ふんわりカールの美女だがなかなか度胸があるらしい。
●分鬼頭(わけきとう。嘉右衛門の従兄弟?の家)
儀兵衛:当主の老人。本鬼頭から権力奪取を狙っている。
志保:儀兵衛の妻。あだっぽい中年女性。ものすごく権力奪取を狙っている。
鵜飼章三:分鬼頭夫妻が、本鬼頭から権力奪取のために住まわせている復員軍人。美少年。
●島人
了然(りょうねん)和尚:獄門島の千光寺住職。故嘉右衛門老人と親しく、島での権力者。
了沢(りょうたく):千光寺典座で、了然の跡継ぎ。
荒木真喜平:獄門島村長だが、故嘉右衛門老人の派閥なので、もし分鬼頭が権力を握ったら追い出される。
村瀬幸庵:獄門島の医者。故嘉右衛門老人の派閥なので、もし分鬼頭が権力を握ったら追い出される。
竹蔵:漁で潮つくりという大切な役目。
清公(せいこう):流れ者の床屋。俳諧もかじっていたので嘉右衛門のお太鼓持ちだった。耕ちゃんの重要な情報源。なお、よそ者耕ちゃんが島人から犯人じゃないかと疑われた時に「馬鹿言っちゃいけない、仮にも金田一の旦那は江戸っ子だ。本鬼頭を乗っ取る気なら回りくどいことしないでピストルパンパンぶっ放して解決すらあ。だいたい江戸っ子がこんな島の麦なんざ食ってられるか」とかばってくれた?ようで、耕ちゃんをなんか複雑な気持ちにさせるのです・笑
●警察関係
磯川常次郎:岡山県警察部の警部。耕ちゃんとは『本陣殺人事件』で知り合っている。戦争を経てお互い前の仕事を続けているとわかって感慨深くなっている。なお階級は当時と同じ警部。同僚では警視になった者もいるけれど、戦争のゴタゴタで昇格しそびれたけれど、そのために県警名物の古狸警部としてドドーンと一目置かれているらしい。
清水巡査:獄門島巡査。島では事件はそんなに起きないので(起きても島の人たちが島の掟で解決する?)、瀬戸内海の海賊対応の仕事なんかもやっているらしい。「向こうは7,8にんポンポンピストル売ってくるし、警察の船も弾丸打ち込むし、壇の浦以上の大合戦ですよ」ってのが警察のお仕事。なるほど。
●獄門島絶大な権力の鬼頭家の跡取り順番
チマタ→月→雪→花→ハジメ→早苗→儀兵衛。
儀兵衛と志保には子供がいないので、美少年鵜飼章三を雪月花の婿に入れて権力を取ろうとしている。
チマタの遺言のとおりに「俺が死んだら三人の妹が殺される」としたら、ハジメが跡取り。
そして現在では「私はハジメさんの戦友でした。ハジメさんは生きて、もうすぐで戻ってきますよ」という復員兵が獄門島を訪れた。
●帰ってきたもの、帰ってこなかったもの
死亡:チマタ
生きているという知らせがあった:ハジメ
戻る予定:戦争中に供出されていた千光寺の釣鐘が、戦争が終わったために鋳潰されずに返還されることになった。
ということで耕ちゃんは戦友の遺言で獄門島に渡ったのだ。
美しい早苗さんに驚かされる。徒花のような三姉妹に驚かされる。艶っぽいお志保さんに驚かされる。
そして獄門島の権力争いが蠢いていることを感じる。他所から来た巡査の清水さんは「この島の者はみんな気がくるってる」というくらいだ。
千光寺の釣鐘が戻って来た日に、チマタの葬儀が行われることになった。だがその夜から連続殺人が起きるのだった。
今回の連続殺人では、死体を俳句に見立てた装飾をされる。まだそれに気が付かない頃の耕ちゃんが「なんだ、有名な松尾芭蕉か!」などと食傷気味なんだけど、俳句を見てすぐに読人とか背景をかを思い浮かぶのが、戦争を挟んだとはいえこの時代の、耕ちゃんの教養だよなあ。(アメリカ放浪していたので、英語もペラペラのはず)
「無惨やな 冑の下のきりぎりす」(松尾芭蕉)
「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」(松尾芭蕉)
「鶯の 身を逆に初音かな」(宝井其角)
横溝正史物は死体が装飾されておどろおどろしいんだけど、それでも読めるのは「死」をだのエンターテイメントにしていないことだよなあと思います。P167に「死という事実は厳粛であるべき」って書いてあるのですが、これだけ死体を弄られていても読んでいて不愉快にならないのはちゃんと死を一人の人間の人生の終わりとして書いていることを感じるからじゃないかなあ。そして耕ちゃんも、死を前に不謹慎なことを口走る人には不快の目を向けるのであります。
そんなおどろおどろしい死を書きながらもちょっと笑ってしまう場面も。駐在の清水巡査が海賊対応する様子(の報告)だとか、岡山県警の磯貝警部と知り合いだって聞いて「あんたはいい人みたいだけど、磯貝警部に疑われるような悪党じゃないだろうね?」と勘違いされるところ、そしてその清水巡査に最初の殺人犯人と間違われて牢屋に入れられちゃったところで「バカ、バカ、清水さんのバカ!」と悔しがるところ。しかし結果的には耕ちゃんが牢屋に入ったお陰で第二の殺人が起きたので耕ちゃんの無実が証明されたのである、あんまり嬉しくないタイミングだけどね(^_^;)。
今回の殺人は、偶然と偶然が重なり、さらに合ってはならないタイミングでの「嘘」によって行われたことだった。まさに酷いことが重なっちゃったよなあ。
そして犯人には現実の罰よりも酷い「絶望」が与えられる。それでも後味が悪くないのは、残った人たちが戦後の新しい獄門島を立て直そうとする早苗さんの強い眼差し。また醜い権力争いしているかと思われた分鬼頭の儀兵衛老人がさすがは網元の大人物で、良くも悪くも封建社会の権化であった嘉右衛門老人のことを「とにかく稼いで使ってそのために島の人々の暮らしが豊かに明るくなったことは確かだ」とお互いを認め合っていたのも良かった。
そういえば横溝正史は「金田一耕助には、恋人も妻もいない」って書いていますが、全小説で耕ちゃんがほぼ唯一よろめいたのが、美しく案外肝が座った早苗さん。東京に出ませんか?って一応プロポーズ???耕ちゃんがんばったね。(振られたけど)
Posted by ブクログ
金田一耕助ものの有名作は概ね犯罪悲劇の傑作だ。本作はそのなかでも一、二を争う犯罪悲劇だろう。金田一耕助は「旧来の(旧弊的な)価値観」と「新時代の価値観」の両者を映し出す鏡のような存在であり、さらに「新時代の価値観」を作品から読者に媒介する役割を持っている、とわたしは考える。本作がこれほどの犯罪悲劇にもかかわらず、読後感がどこか開けているように感じられるのは、横溝自身が当時における若い世代に抱いていたほの明るい希望と期待からだということは、ほかの作品からも伺えることだ。
横溝の筆について触れると、横溝の書く文章の内容は頭のなかで映像として浮かばせやすく、映像喚起力が高い。花子の遺体のシーンは、それこそ暗く耽美なシーンとして浮かばせやすい。また、金田一がときおり「あっはっは」と笑うのも、作品の一服の清涼剤となっている。普通なら「耕助は笑い」などですませられる描写だが、実際に笑い声を描くことで作品内容の暗さを緩和している。
連城三紀彦はフォークナーの『八月の光』と本作を同等に読むと述べており、作品に書かれていることは「氷山の一角」でありその下部構造の大きさは計り知れない、といった旨のことを述べていたが、まさにその通りだと思う。わたし自身は本作とジェイムズ・エルロイの『ホワイト・ジャズ』を同等に読むが、これらの作品の破綻のない緻密な構成は読む者を圧倒する。
Posted by ブクログ
現代のビレッジホラーにつながる名作。「封建的な、あまりにも封建的な」戦後と言う時代背景と、島と言う閉鎖的な環境の中では、異常と思えることが日常になる。そして、誤った選択を繰り返してしまう。映画版久々に観たいなぁって思ったけど、原作も気になって読み返し。金田一耕助の目を通して、事件の全貌に触れ島国で起こる異常なまでの執念と、それに取り憑かれた人々による殺人事件。その真相に触れる。昭和中期の作品なので表現も楽しめる。9月には横溝正史原作の『八つ墓村』も新作公開されるし楽しみだなぁ。『八つ墓村』の初代金田一耕助は、寅さんの渥美清さんが演じてたからなんか変な感じだった。寅さんが謎解きしてる!って、見えちゃった。子供心に。
#映画好きな人と繋がりたい #ホラー映画鑑賞 #映画鑑賞記録 #金田一耕助 #横溝正史
Posted by ブクログ
八つ墓村に続いて再読。
今作は見立て殺人と三人の犯人による別々の殺人とが組み合わさり、推理を難しいものにしている。
ところどころに張られた伏線は、最後にきっちり回収され、内容的にはスッキリ。ただ、物語的には救いのない虚しさしか残らないが。フェアプレー精神でヒントは点在しており、それがきちんとつながっていくことで、終盤まで一気に読み進められるのは横溝正史さんの筆力あってこそ。
殺人事体におどろおどろしさはないが、あの時代のムラ意識、因襲、妄執こそが恐ろしく、それが現実の世界にも根付いていたという事実がまた恐ろしい。
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ二作目。
映像化の機会も多い有名作。メタ的にいえば複数のミスリードとヴァン・ダイン的な見立てによる殺人事件が扱われている。トリックもビジュアルもやや地味な本作だが、注目すべきはこれが長編において戦争から帰還した金田一の初の事件であるという事だろう。ここで金田一は犯人のフェアプレーともいうべき数々のヒントを見逃し、ミスリードに囚われてなかなか真相に辿り着くことができない。
金田一作品といえば猟奇じみたイメージが先行しがちだけど、そもそも一作目の『本陣殺人事件』にもあるように金田一耕助は非常に理知的な探偵だ。あらゆる可能性を検討して綿密に証拠を集めていく探偵法。だからこそ、戦争で疲弊した金田一の理性は人間の妄執という理性の及ばない狂気に翻弄され、最後に真実に気づいた時に呆然として、狂ったように笑うしかなかった。これはちょっと象徴的だ。
横溝正史は混迷した戦後社会で探偵小説を書く意義について十分に意識して本作に取りかかったのだろう。前作から続投されてシリーズの看板を背負うことになった金田一耕助は名探偵としてこの課題に取り組まなくてはならない宿命となった。近年の長谷川博己版のドラマ作品ではこの「戦後」と「狂気」に焦点が当てられており、とても印象に残った。ここに金田一耕助シリーズの核があるようにも感じる。
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ2作品目。
1作品目の本陣殺人事件を事前に読んでおいたので、冒頭の時系列における説明がしっくりくる状態で読み進めることができた。たとえ本陣を読んでいなくても、今作の本編としては何ら支障はないが。
今作は事件の絵面が鮮明なイメージとして残る、とても印象的な作品だった。締めくくりは本陣にも増して暗く悲しい結末が待っていた。そんなことって…。
Posted by ブクログ
獄門島
金田一耕助シリーズの名作はいくつもあるが、今作は今まで読んだ事がなく、先入観の無い、全く新しい気持ちで読む事が出来た。タイトルの「獄門島」が醸し出すなんとも気味の悪いイメージが物語のアクセントになり、また戦後の陰鬱な雰囲気も相まってとても世界観が洗練された作品だと思われる。
横溝正史はタイトルの付け方が巧妙だと改めて思う。こんさに限らずタイトルからその作品が持つ嫌な空気感を1ページ目から擦り込まれている印象で、どんなミステリーもタイトルは拘っているのだろうが、横溝正史程作品とマッチした、インパクトのある名付けは多くない様に思う。
耕助が戦争から復員する船上にて、千万太という青年と出会い、彼は帰郷の前に死んでしまうが今際の際に耕助に妹達が殺されてしまう、助けて欲しいと言い残す。耕助は千万太の遺言を受け彼の生家である鬼頭家に向かう。
不穏な遺言、美しき三姉妹と女性達、気のふれてしまった座敷牢の男、俳句と見立て殺人。横溝作品を楽しむ為のピースがこれでもかと詰め込まれていて連続殺人が立て続けに起きる恐怖感も混じり合いながら「獄門島」に根付く業の様なものを終盤まで感じる事になる。
それぞれの見立てのトリックも面白く、現代から比べて夜の暗さは比べものにならないだろうから、トリック自体の大味な部分も納得できる。
自分は金田一耕助シリーズはまだそれ程手を付けていないため、恐らくあの人が犯人なのだろうと目星をつけていたのだが、まんまと欺かれてしまった。今作は犯人像も素晴らしいし、真相がわかった事で更に衝撃を受ける事が出来た。
女性や被害者に対する余りにもドライな感じや差別的な表現はこの時代特有のものだが、古典作品のこういった歴史背景はある意味でとても新鮮に映る。自体設定がこのくらいの時期になっている現代ミステリーもあるとは思うがやはりインパクトが違う。
金田一耕助シリーズは乱読している最中だが、やはり面白い作品が沢山ある。今作はとても面白かったし耕助と駐在の清水さんとのやりとりではクスッとなってしまう息抜きもある。
耕助はこの帰りにとある有名な作品の舞台に赴く訳だが、そう考えると復員してからの彼はかなり忙しく風来坊をしていたのだろうと読み取れる。
殺人の動機は見事。現代ミステリーでは中々見受ける事が出来ないものだ。
次は何を読もうかなぁ・・・。
Posted by ブクログ
最後がなんともやるせない…
被害者を怖がらせる目的以外の、忠誠心とフェアプレー精神での見立てってとこが面白い
そしてみんなしっかりやり遂げててすごい笑
金田一耕助シリーズはなによりその雰囲気を楽しむミステリーだと思ってるので、細けぇこたいいんだよ精神で読んでる
装丁変わっちゃったのねー
私が読んだのは「獄」の漢字が格好いいやつ
Posted by ブクログ
トリックも動機も素晴らしいの一語に尽きる。衝動殺人以外、動機も重要なミステリの要素。乱歩はこの動機を批判したが横溝正史の長編ミステリの動機は、やむをえないものがおおい。
Posted by ブクログ
日本ミステリー史上最高傑作!!
あのセリフ、道具立て、怪しい雰囲気、意外な犯人、最後の一撃…全てが完璧なミステリー!
毎年何度も読みたくなる作品。
金田一耕助の事件簿は全てが魅力!
その中でも上位の難事件。
最近家族も読むことに…時代はかわっても傑作は色褪せない。
ぜひ〜
Posted by ブクログ
初めての横溝正史。
昔「八つ墓村」を挫折している為に心配だったけど、鍛えられていたお陰かあっという間だった。
田舎の閉鎖的で排他的な世界が大好きな自分にとってはなんとも美味でした。
最初から殺害動機のトリックが練られていたのには多少の感激があった。
古典的なミステリーが好きだから面白く読めたし、先に長谷川博己の金田一耕助役にてこのドラマを観たけど、原作もドラマも面白かったです。
脳内では古谷一行が金田一耕助でした。
これで恐れずに金田一耕助シリーズが読める…。
Posted by ブクログ
展開にスピード感があって、先に先にと読みたくなる推理小説だった。終戦直後の話ということもあって、時代の違いを感じることがあったけれど今のミステリー小説の源流のようなものを感じた。簡単に殺されてしまった被害者たちは気の毒だけど、加害者たちも相応の報いを受けているような結末だった。男尊女卑が当たり前の時代だったんだなあと感じた。
Posted by ブクログ
■面白い
なるほど、シンプルで割と直球、まさに古典、という感じの面白さ。
手がかりをまき散らして、ほとんどはミスリードだが一本だけ正しい線があります、という作品ではなく、ミスリードは太く鋭く少なめに、意味がありそうなところにはちゃんと意味があり、納得もできる、という作品だった。
ヒントから「あーこれはこういうことでしょう」とわかる箇所があり、それが楽しい一方、全体像としては把握できず、解決編を読むのもまた楽しい。
重要な手がかりは最後の方になるにつれて出てくる一方、最序盤も決して無駄な描写ではなく、道中にも「あ、あれってそういうことだったのか!」という描写が織り込まれている、無駄のない面白さを感じた作品だった。
■読みづらさあり
海外作品ばかり読んでいる自分にとってほぼ初となる日本の古典本格だが、不慣れも相まってまあ読みづらい。
海外作品の場合邦訳されているため古い作品であっても「当時の感覚がわからない」ということはあっても「根本的に文章が読みづらい」ということがあまりない。
しかし日本の古典はほぼ当時そのまんまの文体のため、どうしても読みづらく感じてしまう。
地文も台詞も表現が古いのでスラスラと読みづらく、物の名前や表現も「どういう意味?」となる箇所が多い。
しかし全くついていけないというレベルではなく、重要ポイントはしっかり押さえられるし、漢字や文脈からだいたいこういうことだろと推測できるので、全文の意味を端から端まで完璧に理解できるか、といえば怪しいが、プロット的には問題なく読めた。
日本古典は日本古典で読むのに慣れが必要だな、と感じた。
■見立て殺人
見立て殺人は、「作者にとって作るのが大変というかむしろパターンが狭まって損なんじゃね?」という思いがあった。
というのも、見立てという縛りがあるが故に「なぜ見立てる必要があったのか」をきっちり説明できなければならず、よくあるパターンとして、「連続殺人に見せることで1件でもアリバイがあれば犯人にならないから」的なやつがあり、本作もそれ系かな?と思いつつ読んだ。
しかし本作はまた違う系統の見立て殺人であり、なるほど、これはこれで納得できた。
感情による繋がりと遺言。そもそも、見立てだと探偵役が気づくまでに時間がかかるパターン。
なるほどそういうパターンもあるのか、と新たなパターンを知ることができて勉強になったし、十分に面白いと感じられた本作でした。
Posted by ブクログ
1947年。ドラマで見た。読んだのはこんな表紙じゃないんだけれど・・・・頭ガリガリとフケとばすし(映画で見たことあり)。
見立て殺人。無残やな兜の下のきりぎりす、はまだ覚えている。無残様(違う話)!そして美しい死体。
瀬戸内海の獄門島。耕助は復員船で死去した千万太の依頼を受け、獄門島に。結局3姉妹は殺されたわけだが。探偵は解決すればいいのだ。いいのかな。これからは早苗が頑張る、と早苗が意地を見せ、明日への希望を覗かせる。
Posted by ブクログ
面白かった
角川の金田一耕助シリーズではは3作目だが、
原作は2作目。
金田一耕助が久しぶりの登場という設定。
本陣殺人事件に続いで磯川警部が登場。
3人の妹たちが殺される
おれの代わりに獄門島へ行ってくれ
復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託され、獄門島に渡る金田一耕助。
そして遺言通りに3人の娘が殺されていく。
しかもただ殺されるだけではなく
死体を何かに見立てるように。
映画では曖昧だったトリックも原作では細かく説明されていて、金田一耕助の心情も映画より遥かに表現されている。
そして全ての伏線を見事に回収できている。
ただ犯人が映画と違うところは少し驚いた。
でもこれで良いと思う。
Posted by ブクログ
横溝正史の代表作の一つ。久方ぶりの再読です。
瀬戸内の小島での連続殺人事件に探偵金田一耕助が挑む。
島の歴史・慣習にも根差した人間模様が事件究明に深く関わっており、虚をてらった犯罪トリックに頼らない構成は、古い作品でありながら色褪せない印象です。
また、昭和以前の作品に特徴的ですが、文章の美しさも読後の充足感に寄与しています。
Posted by ブクログ
金田一の名は知っていても実際に読んだこともなく、これが初読みになります。ビブリア古書堂で読みたくなり読んでみました。
推理しようと思って読んでいないので、最後は怒涛の流れで話が進むのは面白かった。現代では差別用語と取られる言葉も多く、「当時の」小説として読まないと文句を言う人もいるでしょうね。
Posted by ブクログ
金田一耕助の個性が、確立した作品(あくまで、個人的な感想です。)
絶景の孤島で島を支配する綱元の遺言より始まる、殺人事件。横溝正史の作品らしさが盛り込まれた秀作。
金田一耕助の恋愛? チラッと見える。
Posted by ブクログ
わかるかこんなもん。
芝居の道具とか、発表当時の読者にはなじみだったんだろうか。言われてみればなるほどなぁと頷けるも、全く想定はできなかった。
ミステリとしてももちろん、キャラクターの造形もよい。
Posted by ブクログ
「若い三姉妹が理不尽に命を奪われる連続殺人事件」だが、それと記号的な地名人名以外は呑気で牧歌的な方向に振れていて、映像化作品のおどろおどろしい世界とは良い意味で異質の、瀬戸の夕凪に漂う潮の香りのような素朴な明るさと温かみに魅力を感じる。晴れの国といわれる地域でしかも秋なのにやたら雨が多いのは不自然だったが(台風?)。流刑の囚人と海賊たちの子孫とは思えない陽気で人懐っこい人々、本当に一代の網元の統率力でここまで変わったとは驚きだが 、逆にここまで素直、素朴(でどちらかというと 小心者が多い?)でなければこんな事件にならずに済んだのかも(早苗さんが少々異質で浮いていて、野々宮珠代に連なるしっかり者の怜悧で謎めいた美女)。久保銀蔵さんがなぜ心配したのか拍子抜けするほど、性悪な人がいないというか、フェアプレイのためにわざわざ屏風を持ち出して探偵の部屋に置く実行犯(!)作者はクリスティの「そして誰もいなくなった」を読んで見立て殺人を書いたようだが、その割に見立ての出典登場が遅すぎでは?さらに悪筆で解読に時間かかったし。敵対する本家と分家と言っても犬神家の一族のようなギスギス感はほぼなく、一応分家が敵方設定ながら割に怖がりでビクビクしながらみんなに頼っていた小さな集落の結束力が微笑ましい。分家の主人の終盤の話ぶりを聞くに、地道な人格者でいい人やんか、と思ったが、権現様にたとえられる辺りが忍耐強く待って嵐が去ればきれいな形で島をまとめる、というこの人の意思も無意識的に働いたのかな?という余韻を残す。
Posted by ブクログ
読んだものと表紙が違うけれど、発売年が1971年って書いてるので登録。
きがちがってるのね。
有名作品だし、映画も見た気がする。
映像作品もよく出来ているし、そのイメージが強いけれど、横溝作品は原作読んでも面白い。
Posted by ブクログ
見立て殺人を扱った国内ミステリの代表作として挙げられることが多いゆえか、『東西ミステリーベスト100』の85年、2012年の両方で1位となっている。しかし、新本格を経た2012年においても1位というのは歴史的な側面に重きを置きすぎな気もする。わが国のミステリの歴代1位というには気になる点も多い。第二の殺人のトリックなんか無理がある。さらに犯人や動機に島全体を覆う因習が大きく関係してくるが、金田一が本鬼頭寄りすぎて、分鬼頭サイドの視点が儀兵衛との会話くらいしかないので、真相の取って付けた感が否めない。
Posted by ブクログ
事件が起きているときは「悪魔の手毬歌」の方が面白いと思っていたけど、ラスト数十ページの解決編で一気に巻き返してきたのが見事
現代の自分の感覚では想像もしなかったけど、言われてみれば「そういうこともありそう」と思えたのがめちゃくちゃ気持ちいい体験だった
コンプラ的に近年聞かなくなったワードがてんこ盛りな上、そのワード自体がヒントになっているのが面白かった
本陣殺人事件も読まなくちゃ
Posted by ブクログ
金田一さん、いったい何しに行ったんだい?
と、事件は解決してくれたけど、もうちょっと何とかならなかった?と思うところあり。
それでも、臨場感があって面白いが、騙された感や意外な感じはそこまでなかった。
Posted by ブクログ
今まであまり読んでこなかったミステリー小説に興味を持ち、現代作家が影響を受けたとして名を挙げる横溝正史の作品を読んでおきたいと思い、本書を手に取りました。ジャンルの特性から説明的な文が多いのですが、それらがとても分かりやすく書かれていてスラスラと読み進められます。また、このジャンルで"お約束"や"大前提"としてなおざりにされがちなことまで丁寧に書き切ってくれているので、モヤモヤすることなく物語に没入できます。言うのはおこがましいのですが、「さすが!」と思いました。
Posted by ブクログ
戦後の小さな島を舞台にした小説。
犯人の動機は想像が付くが、犯人とその手法が掴みきれないむず痒さが面白い。
各登場人物の奇怪な部分と、連続殺人が起こっている最中とは感じられない雰囲気が不思議だったが納得のラスト。
Posted by ブクログ
島ミステリー大好き。
狭いところにずっといると人間は狂っていくものなのかもしれない。
今もあるけど、昔の血筋への執着には常軌を逸するものがあると思う。
Posted by ブクログ
『本陣殺人事件』以来のシリーズ長編で嬉しい。戦友の遺言で示唆された不穏な内容を未然に防ぐため、瀬戸内海の離島である「獄門島」を訪れた金田一耕助。しかし彼の努力虚しく、第一の被害者が木に吊るされた状態で発見される。犯人は?そして目撃者が発した「きちがいだが仕方がない」の真意とは…?
次々と発生する見立て殺人、京極夏彦の『鉄鼠の檻』みたいに坊主が犯人だろ〜と思っていたら違った、もっとヤバかった…。地方の閉鎖性故に可能になる事件をベースにした所謂「因習村」ものだが、例えどこであってもこんな殺人は起きんだろ…。そして一連の事件は男性優位な価値観が犯人を殺人に走らせるフェミサイドで、当時はこれが動機として成立し得たのか、と驚いてしまった。個人的には『本陣殺人事件』に続いて動機に納得がいかない作品だった。
それはそれとして「因習村」ものは大好きで消費してしまう。『屍鬼』然り『ゲゲゲの謎』然り『サマータイムレンダ』然り。自分の理解を超えた常識が通用している場で、それ故不可解な出来事が立て続けに発生するのであれば田舎でも村でも離島でなくても良いんだけど、そういった場所にしてしまうのが作者としては説明責任が免除される(「田舎だから」で済む)と思って楽なんだろうなぁ。