横溝正史のレビュー一覧
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ネタバレ表題作の『華やかな野獣』他、二編を収録。
『華やかな野獣』は破廉恥なパーティーの主催者である奈々子が館で絞め殺され、潜入捜査をしていた金田一耕助が解決に乗り出すというもの。
絞め殺されたにも関わらず胸が抉られていた理由とは?
パーティーの雰囲気がハリウッド映画『バビロン』を彷彿とさせ、頭の中ではずっとメインテーマが流れていた。
『暗闇の中の猫』は金田一耕助と彼の盟友である等々力警部が初めて出会った事件を扱った作品。
銀行強盗犯が逃げ込んだキャバレーで、目撃者が銃殺され、キャバレーのマダムが毒殺される。金田一がたどり着いた真実とは?
『睡れる花嫁』は感想を書くのも嫌になるおどろおどろしい作品。中 -
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ネタバレ中編の表題作と短編の『廃園の鬼』を収録。
表題作『壺中美人』は、陶芸蒐集家の画家がアトリエで何者かによって殺害され、その真相を金田一耕助が解き明かすというもの。犯人が凶器を持ったまま現場にあった巨大な壺の中に入ってこうとする奇妙な姿が目撃されていたのだが……。
目撃者と犯人がグルだったため、話がややこしくなるも、ちょっとした違和感から犯人まで辿り着いた金田一耕助の推理力が冴え渡る1作。
短編の『廃園の鬼』では、精神を病んでしまった男が残した不気味な廃墟で殺人事件が起こる。証拠と思しきものが多く見つかるが、金田一耕助の力を持ってしても解決に至らず迷宮入りへ。
しかし、最後の数ページで真相に辿り着 -
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モギャーーーッ!!!
笑いましたヾ(≧▽≦)ノ
ドタバタ喜劇で、キャラの個性も最高!
横溝作品、面白い!!
帯の『異色』の意味がわかりました。
完全にコメディですね。
このタッチの小説もすごくいい♡
もちろん、ミステリの仕掛けは最高級。
言うことなし!
文句なしの面白さ!
梟座の『パンドーラの匣』開演中に殺人事件がおこります。
舞台上の仕掛けで起きた殺人…。
箱を開けると、ナイフが飛び出し役者に刺さる!
なんとびっくりです笑
登場人物は各配役の格好をしているのですが、これもまた個性豊かで面白い。
カリガリ博士(ドイツのサイレント映画らしい)
フランケンシュタイン
せむ -
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うわぁ〜……(-∀-`; )
これは…この結末は何ともまぁ……
『悪魔が来りて笛を吹く』
タイトルのセンス抜群!!としみじみ感じますな゚+.゚(´▽`人)゚+.゚
「この話、よく映像化できたな(^▽^;)」という感想が1番に思い浮かびました。笑
私は映画は観ていないのですが、興味ありますね( ≖ᴗ≖)
今回も推理バトル本として読んだのですが、スレスレの85%まで読んでも全く犯人が分からず、かなり苦戦しました…(・_・;
結果、犯人を当てる事ができましたが、相手も当たったので、引き分け((´・_・`)不服)
この作品は、椿子爵の自殺後に娘から金田一へ依頼。話が始まります。 -
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ネタバレ『死神の矢』と『蝙蝠と蛞蝓』を収録。
『死神の矢』は考古学者が自分の娘の婿を3人の男たちから選ぶために海に漂う的を狙わせるという遊びから始まる物語。婿が決まったその夜に元候補者の1人が密室で殺害され、そこから連続殺人事件に発展していくというもの。金田一耕助はどう推理するか?
被害者たちが揃いも揃ってクズだったので犯人に同情してしまう1作。最後の被害者も金田一耕助なら止められたはずの殺人なのになぁ……。
『蝙蝠と蛞蝓』は異色の短編。あるアパートに住む湯浅が書いた小説が現実世界で起き、湯浅に殺害の容疑がかけられて……というもの。
短いながらも読み応えたっぷりの1作。 -
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横溝正史の面白さがわかって6冊目が本作です。最初は展開がゆっくりで、なかなか読み進めなかったが、金田一耕助が西に行くあたりから、どんどん読み進めました。生きているはずがない人が、生きているかもしれないという不気味さがじわじわと感じられてきて、新しいことがわかると、○○と○○は、本当の親子なのだろうかとか、○○の素性がはっきりせず怪しいとか、いろいろ考えながら読めました。そして、クライマックスも、想像を上回る展開でした。また、ラストで、犯人の手記が出てくるところで、島田荘司の「死者が飲む水」を思い出しました。犯人がそうしなくてはならなかった事情が丁寧に描かれています。その一方で、事件の舞台が田舎
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ネタバレ表題作ほか、短編の『湖泥』と『堕ちたる天女』が収録された本作は、「これぞ横溝正史」と言える中短編集。
『湖泥』では岡山県の寒村が舞台の短編。短い中に対立する名家、消えた美人、戦争で心を病んだ男と横溝エッセンスがこれでもかとぶち込まれているために読み応えたっぷり。最後には飄々と事件を解決する金田一耕助の姿がとても頼もしい。
『貸しボート十三号』は不気味な死体が見つかることから始まる中編小説。途中まで首が切断された遺体の持つ意味や、被害者の名誉を守ろうと足掻く若者たちの青さがクローズアップされた本作だが、読み終えたあと少し切なくなる。
『堕ちたる天女』は石膏で固められた死体を巡る物語。幾重にも張り -
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ネタバレ読み始めてすぐに「あれ、女王蜂と大体の構図一緒じゃね?」と思うけど読み進めてるうちにそれが大体一緒だ!の確信に変わります!
でも女王蜂よりも横溝先生の書きたかったこと全開!という感じで清々しくて好きです♡面白人間博覧会かな?っていうくらい濃い登場人物に翻弄されながらも全身タイツで頑張る音禰ちゃんが好きです♡
でもよくわからないけど何で音禰パパは音禰ちゃんを陥れようとしたの?他のやつ皆殺しにすればよくない?指紋はどうやって残したの?と様々な疑問が湧いてきますが横溝先生の圧倒的な「俺はこういうのが書きたかったんじゃい!」の前ではそのような瑣末なことを考えるだけ無駄ですね♡
本格的なミステリを所望し -
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ネタバレ横溝正史とはこんなに時代の先を見ていた作家だったのか。
正直なところ横溝正史の作品をじっくりと読んだのは初めてだった。
映像化された作品は観てきたけれど、よくありがちな原作にはあたらないというムーブばかりしていたのである。
今回読むきっかけになったのは9月4日にNHKで『シリーズ深読み読書会/悪魔が来りて笛を吹く』が再放送されたからである。
横溝正史は『八つ墓村』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』など田舎の因習ものという作品を立て続けに発表し、その後で都会の貴族ものである『悪魔が来りて笛を吹く』を書いたのだと番組内で言っていた。
そういうわけで私はこの番組を見て、いわゆるネタバレを受けた状態 -
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ネタバレ『びっくり箱殺人事件』は横溝正史の中でも異彩を放つ作品と言われていたが、読んで少し唖然とする書きっぷり。特に地の文が、「本当に横溝なのか?」と思うほどにはちゃめちゃなのである。そして、登場人物が個性的を通り越して際立つのも特徴。また、200ページの中で4人の連続殺人、ラブ・ロマンスと読んでいて「えっ?」となるが、最後はきちんと解決まで持っていくからこの書き方はさすがだなと思わずにはいられない。
もう一編の『蜃気楼島の情熱』はお馴染みの金田一耕助が登場。前に他作品に収録されていたのを読んだが、当時は中学生だったために内容は全く覚えておらず、読み返してとても新鮮な気分に。
犯人たちが人の皮を被った -
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ネタバレ『扉の影の女』と『鏡が浦の殺人』の中編2篇が収録されている。
『扉の影の女』は金田一耕助と容疑者候補の人々、そして等々力警部が互いに騙し合いながら話が進んでいく。しかし、犯人は最後の方に出てきた奴だったのがビックリ!ただ、犯人が誰かということよりも犯人に至るまでの経緯は読み応えがあるので、全体的に満足いく出来となっている。ハウダニットを中心に据えたミステリと言っていいだろう。
『鏡が浦の殺人』は夏の終わりに起きた毒殺事件をめぐる物語。こちらは犯人は誰かに焦点が当てられたミステリであり、トリックは中盤で明らかになるように書かれている。夏の終わりを惜しむ儚さも感じられる一作である。
さて、本書は横