【感想・ネタバレ】死神の矢のレビュー

あらすじ

※本書は、昭和51年5月に刊行された角川文庫『死神の矢』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。

弓の収集家として名高い考古学者の古館博士が、三人の若者を招き弓遊びに興じていた。見事的を射た者を、愛娘早苗の婿とするというのだ。
だが、その直後、競技に参加した若者の死体が発見される。浴室の中でシャワーを浴び続ける男の胸部には、白塗りの矢が射ちこまれていた……。
解決不能と思われた密室トリックを名探偵・金田一耕助が解き明かす。
一風変わった隣人の嫌疑に挑む「蝙蝠と蛞蝓」を併録したファン必読の小説集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『死神の矢』と『蝙蝠と蛞蝓』を収録。
『死神の矢』は考古学者が自分の娘の婿を3人の男たちから選ぶために海に漂う的を狙わせるという遊びから始まる物語。婿が決まったその夜に元候補者の1人が密室で殺害され、そこから連続殺人事件に発展していくというもの。金田一耕助はどう推理するか?
被害者たちが揃いも揃ってクズだったので犯人に同情してしまう1作。最後の被害者も金田一耕助なら止められたはずの殺人なのになぁ……。
『蝙蝠と蛞蝓』は異色の短編。あるアパートに住む湯浅が書いた小説が現実世界で起き、湯浅に殺害の容疑がかけられて……というもの。
短いながらも読み応えたっぷりの1作。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

時代柄なんだろうけど、出てくる男たちが不快。

それ以外はテンポよく読めた。
なんだか“ママ”の立場が切なく感じた。

短編の『蛞蝓と蝙蝠』の方は主人公の青年のあだ名センスにクスリとした。

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2024年06月22日

Posted by ブクログ

自分の娘の婿選びに無理難題を仕掛ける資産家で変人の父、それに群がるいけすかない青年達、溺愛されすぎた美しい娘。ユリシーズを下敷きにした物語とのことですが、よく仕掛けるなぁ。でも容疑者を全員集めてのアリバイ確認はいかに昭和40年代の警察でもやらないのでは?40年代でも羽織袴の金田一探偵のリアリズムを維持するためには背景のリアリティーが大事だと思うのだけど。
美女に群がる男っていうのも昭和的単細胞エネルギーに満ち溢れていて元気になる!という単純な話かと思って読んでいると・・・ねじれてはいるけれども深い愛情の物語でした。

それにしても頑健な肉体を持ち野生味溢れながら考古学博士でもある古舘博士の異常な愛情は、その後失われてしまった時代の一つの象徴かもしれません。生き方って時代が現れますね。自分の価値観や生き方もその時代に縛られた滑稽で奇妙なものとうつるのだと思い知らされます。謙虚に生きていこう。

この作品の他に「蝙蝠と蛞蝓」という短編が収められていますが、こちらの方が面白い。戦後間もない超インフレに悩まされる貧乏学生から嫌われた金田一耕助が「蝙蝠」とあだ名されて・・・こんな短い作品にその時代風俗 と異常心理をユーモラスに凝縮した逸品。傑作です。

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2024年05月19日

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昔の時代の王道ミステリーという感じで、今読むと懐かしく感じられます。私的には短編の「蝙蝠と蛞蝓」が、金田一耕助の登場のさせ方が変わっていて面白かったです。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

悲しい復習の物語だった。犯人が全然分からなかったのだけれど、分かったら分かったで人の思いやりがさらなる思いやりを呼んで複雑な事件となった今回。ハッピーエンドとはいかず、悲しい結末に切なく涙がこぼれそうになる。暴力を持って、人を自分の思い通りにする、自分の欲を満たすような人間は本当に生きている価値がない、アフリカのサバンナにでも行って自分の本能のままに動物と暮らしたら良いと思う。本当に満たされない寂しい人間だと思う。

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2023年07月12日

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ネタバレ

「死神の矢」は復讐と愛と献身の事件だなぁ、と。一度読んでるはずなのに、よく覚えていなかった…
「蝙蝠と蛞蝓」は面白い。

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2022年05月10日

Posted by ブクログ

事件のあらましがドラマじみているので星3つ。同時収録の「蝙蝠と蛞蝓」は、とても好きな短編でこちらの方がおすすめ。

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2022年02月28日

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