横溝正史のレビュー一覧
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ネタバレ「恐ろしき四月馬鹿」「河獺」「画室の犯罪」
「広告人形」「裏切る時計」
「山名耕作の不思議な生活」
「あ・てる・てえる・ふいるむ」「蔵の中」
「猫と蝋人形」「妖説孔雀樹」「刺青された男」
「車井戸は何故軋る」「蝙蝠と蛞蝓」
「蜃気楼島の情熱」「眠れる花嫁」
「鞄の中の女」「空蝉処女」
前半はノンシリーズ。色んなテイストの話があって良い。ただ三津木俊助とかシリーズ探偵が出てくるとちょっと安心する。「車井戸は何故軋る」「蜃気楼島の情熱」が好き。「車井戸〜」は特に良く出来ていて感心する。
短編に出てくる金田一耕助は長編とちょっと雰囲気が違いこちらも好き。 -
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ネタバレ昭和に書かれたこともあって事件はかなりシンプル。
おそらく最初の時点で佐清マスクのトリックと正体、読み慣れている人は犯人までわかるかと思います。
とは言え次々に起こる連続殺人事件に明らかになっていく情報が提示され、多くを暗示されることで読者の推理欲も掻き立てられるため最後まで飽きることなく読み切れました。
章立ても大小あってダラダラと続かないので凄く読みやすいのも良い点でした。
物語ですが、かなり不幸と愛憎が渦巻いていて暗いです。
それでもまぁ欲と憎しみが溢れた中に、親子愛や純愛があったのは救いですかねぇ...。
シリーズは大好きなのですが、後手後手に回る金田一耕助にやきもきして中々探偵と -
購入済み
読みごたえがあった
面白かった。
トリックの巧妙なもの
動機や犯人側の事情の複雑なもの
それぞれのケースが解明されていくのが
毎回なるほどなぁと唸らせられてしまう。
とにかく長編はどれも物語として面白く読めました。 -
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ネタバレ金田一耕助シリーズ第5作品目ー時系列に沿うように読み進めている、横溝正史の代表作の1つ。有名な作品ながら、昔、テレビで少しだけ見た覚えがあるが実際にはどういう話か分からず、手に取った。
金田一耕助が探偵とし、、ではなく、あくまでも語り部が主で金田一耕助はちょい役なのが異色ではある。
舞台は岡山と鳥取の県境、実際に起きた1938年津島30人殺しをオマージュしている。金田一耕助シリーズは1949年〜1950年だから、当時の生々しさや衝撃が作品を通じ感じる。
今作はとにかく読みやすい、当時の言葉遣いや風習などは違和感があるが、これこそ文学である。村社会という閉鎖世界における狂気は外部から見ると異 -
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なかなかページが進まなかった上巻と比べ、それまで隠されていた各々の思惑が次々明らかになる下巻。ぐいぐいぐいと引き込まれ、数時間で読破してしまいました……!
なんといっても見どころは終盤での緊迫感溢れる対決。本を読みながらこんなにもハラハラしたのは、本当に久しぶりの体験です。
ただ、エピローグについてはどちらでもいいのかなと。
稀代の悪女の行く末はたしかに気になるところではありますが、ほのめかす程度でもよかったのかな……とこれは個人の好みですがね。
地下大洞窟での冒険、隠匿されてきたグロテスクな凶行と、ほんのり『八つ墓村』を思い出す要素もあり、それでいて臨場感も気味の悪さもパワーアップした本 -
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金田一耕助シリーズ7冊目。『悪魔が来たりて笛を吹く』と同様、タイトルは知っていたが、内容は全くの初見。
首なし連続殺人事件。「夢遊病」や「佝僂病」等、特異な性質を持った人々と旧家の爛れた内情、妬み・憎悪・因縁が絡み合い、先入観で読者を陥れる―――。
『犬神家の一族』、『八つ墓村』、『獄門島』等と比べると(自分の中では)知名度が一つ落ちるので、ぼちぼちの期待感で手に取ったのだが・・・いやはや、自分の中の金田一耕助シリーズNo.1が変わりましたわ!まさか、こんなトリックを仕掛けてくるとは夢にも思わなかった・・・。(推理小説としては反則級のトリックだが、これはあくまで「事件簿」なのでね。)
こ -
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ネタバレ今更になって初めて横溝正史を読んだ
金田一耕助があまり活躍してない…?
要蔵の32人殺しの時の容貌、(白鉢巻に懐中電灯、片手に猟銃、腰には日本刀)最初に出てきただけなのに有名だねー、映画での影響が大きいのだろうか
いわゆる犯人探しの要素は少なめに感じた、なにせ人がどんどん死ぬし、田治見家の因縁、離れの抜け道など新しい事象がコロコロ出てきて考える間もなく終わってしまった
猿のように小さい双生児のお婆さんや兎口の醜い濃茶の尼の容姿は嫌でも考えずにはいられない、鍾乳洞の描写も素晴らしい、クドい文体のおかげで場面や人物描写が際立つねー
辰弥の未来に幸あれ -
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ネタバレ金田一耕助はあまり出てこず、調査や推理の描写を楽しむ作品ではないです。
手記形式で、主人公を中心に広がる事件の中で、翻弄されたり、冒険したり、出生を追ったりが描かれるような作品。
硬派なミステリーと言うよりもドラマ的で(特に後半は)目紛しく動く展開に、緊張感、焦燥感も煽られるところが楽しいかも?
読者に疑心を植えるのが巧くて、読み進めるごとにこの人が犯人?利用されてるだけ?無関係?と推理が二転三転させられ、読む手が止まらないです。
特に弁当の描写のリフレインのせいで犯人をミスリードさせられました…。
村の独特なおどろおどろしさはあいもかわらず、集団意識の恐ろしさを感じますね…。