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名探偵由利先生のもとに突然舞い込んだ差し出し人不明の手紙、それは恐ろしい殺人事件の予告だった。指定の場所へ急行した彼は、箱の裂目から鮮血を滴らせた黒塗りの大きな長持を目の当たりにするが……。
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Posted by ブクログ
何冊も横溝正史の本を読んでいるけどこれは面白かった。 特に表題作と『白蝋変化』は飽きさせることなく読み終えた。 ただ表題作の犯人はよくありがちな感じ。
短編集。 どちらかといえば表題作よりも、白蠟変化が印象的。 映像化したら迫力がありそうな気がする。心理的な要因が大きいのにビジュアルでぐっと惹きつけるような。所謂、犬神家的な要素を強く感じました。
初めての由利・三津木シリーズ。 戦前のこの時代特有の、不自由さや因襲が恐ろしく薄気味悪い。令和版のドラマも面白かったけど、原作はやはり格別。横溝先生の描く美男美女と怪人はそこにいるだけで背筋が凍るよう。 エロスとグロテスク、人のおぞましさに立ち向かう由利先生と三津木くんが格好良いです。 展開がスピー...続きを読むディでとても先を読めない。由利先生の慧眼に感服するばかり。 三作とも、とても面白かった。
長編「白蠟変化」、短編「焙烙の刑」「花髑髏」の 計3編収録。 いずれも名探偵・由利麟太郎&新聞記者・三津木俊助のコンビが活躍するが、 ドラマ化された「花髑髏」に辿り着くまでが長かった……(苦笑)。 以下、各編についてネタバレなしで少々。 「白蠟変化」 タイトルの読みは「びゃくろうへんげ」。 1...続きを読む936年『講談雑誌』連載。 男女の愛憎入り乱れる中を飄々と飛び回る怪人・白蠟三郎。 悪人だが意外にしおらしいところもある(笑)し、 妙な哲学を持ってもいて、 愛する人の冤罪を晴らそうと必死になっていた女性をいじらしく思ってか、 妙な気の回し方をする、という……。 一人二役や悪漢の跳梁ぶりは非現実的だが、 エログロナンセンス活劇として愉快に読めてしまった。 が、最後の由利先生と俊助の溜め息がほろ苦い。 「焙烙の刑」 1937年『サンデー毎日』掲載。 タイトルは、中国古代・殷の紂王が行った火炙りの刑のこと。 俳優・桑野貝三は画家・瀬川直人と結婚した 又従妹の葭枝から相談を受け、 奇妙な事件に巻き込まれた――。 桑野が賢明にも、それを友人・三津木俊助に打ち明けたことで 由利麟太郎が担ぎ出され、事件は解決するが、 年の離れた妻の日記を読んで嫉妬に狂った夫が 手の込んだ策を弄するところが奇怪、気色悪い。 「花髑髏」 1937年『富士』掲載。 精神科医・日下瑛造が殺害され、養女・瑠璃子は負傷。 瑛造の息子・瑛一、日下家の書生・宮園魁太、 瑛造の友人・湯浅博士に疑いの目が向けられ……。 ドラマを先に観てしまったが、充分に楽しめた…… というか、やはり別物である。 バス停の名前に変更されていた「二本榎」が 本当に二本の木だったところで、ちょっと笑ってしまった。
横溝正史『花髑髏』角川文庫。 4ヶ月連続復刊刊行の由利麟太郎シリーズ第4弾。名探偵・由利麟太郎と助手の三津木俊介の活躍を描いた『白蝋変化』『焙烙の刑』『花髑髏』の3編を収録。 フジテレビ系列で吉川晃司を由利麟太郎役に5週連続でドラマ化。テレビドラマの第1話は奇しくも本作の表題作『花髑髏』だった。...続きを読む舞台は現代にアレンジされ、奇妙な風体の由利麟太郎がヒーローぽく冒頭から登場するのだ。作品を読む限り、由利麟太郎は枯れた人物のイメージだったが……何しろあの吉川晃司なのだから仕方がないか。 『白蝋変化』。由利麟太郎シリーズとしては珍しく混み入ったプロットの短編。妻殺しで死刑囚として刑務所に収監された男の脱獄を企て、悪者たちに依頼した男の元恋人。しかし、悪者たちが誤って脱獄させたのは稀代の女蕩しで四本指の悪党、白蝋三郎だった……と、ここまでは事件の触りにしか過ぎず、やがて予想外の大事件へと発展していく。そして、いよいよ由利麟太郎が登場する。 『焙烙の刑』。最後の最後に由利麟太郎が登場。由利麟太郎シリーズはこういうパターンが多い。 『花髑髏』。表題作。由利麟太郎に花髑髏から届いた挑戦状……原作は意外にあっさり。テレビドラマの方はだいぶ脚色しているようだ。 本体価格800円 ★★★★
奇想天外で愉快。 色んな要素を詰め込んだ1冊。 横溝正史さんもノリノリで楽しく書いたんじゃないかな。 戦後間もないあけすけな明るさと東京区内にシンと沈む街と鬱蒼と茂る樹木の作る暗闇が見える。 現代ではなかなか出せない世界観は流石です。
ドラマ化ときいて読んでみた。 中編「白蠟変化」と短編「焙烙の刑」「花髑髏」の由利先生シリーズ3編収録。 分量的にも内容的にも「白蠟変化」が印象深いので、なぜ表題をこっちにしなかったのか謎。 金田一シリーズと違ってかなり通俗的なスリラーで驚いた。面白かったが突っ込みどころ満載。特に白蠟三郎の存在感がす...続きを読むごすぎて、由利先生はほぼ空気。そして最後のオチは笑った。
全三編ありますが、どれも男女の恋愛が発端となっているのが面白いです。 中でも『白蠟変化』は、終盤の無情感が好きでした。しかし、由利麟太郎や三津木が活躍するというよりかは、白蠟三郎の暗躍がメインです。
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