横溝正史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最初誰かわからない会話から始まり、若干置いてきぼりになったけれど、首を切られた死体が出てから一変して面白くなってきた。あと、傴僂って字が最初読めなくて、意味を調べてもぴんと来なかったから不気味さがよくわからなかった。これは私が悪い。
水の中から首を見つけたときが一番怖かった。ぎゃあ!
語り手が、実は寅太じゃなくて、殺されたとされた誰かのパターンだ!と早々に予測し見事に外した。なるほどね。
金田一が出てくるとすっごく安心するなぁ。一気に物語が加速する。最初は不審者だと思われているのに、妙にその魅力に取りつかれていく登場人物たちは面白い。途中で力尽きるところは笑ってしまった。
雨と夜の描写が美しい -
Posted by ブクログ
ネタバレ爛れた人間関係の中で殺人事件を起こすことでは右に出る者がいない横溝正史。今作も見事なまでに、いくら創作とはいえ、ここまでケダモノじみた人間ばっかり出てくる世界を終戦直後の日本に置いていいのか?というような状態になっている。この人の小説だけ読んで、戦後の没落、衰亡しつつある華族の生活を読み取ろうとすると、歴史をひどく読み違えてしまうのではないか、と不安になったりもする。
今作は、実際に起きた天銀堂事件という毒殺事件もストーリーに織り込まれているので、余計に「本当に起きた事件なのではないか」という気にさせられてしまう。舞台は70年以上も昔の日本なので、事実と創作が交じり合い、真実を読み切れないと -
Posted by ブクログ
表題作の他に「火の十字架」が収録されており、どちらも1958(昭和33)年作。これは「幽霊男」(1954)よりも後で、「悪魔の手毬唄」と同年、「白と黒」(1960)の少し前である。
戦前にはかなり密度の高い文学的文体をも用いた横溝は、戦後徐々に文体が軽くなり、昭和30年代以降は戯作的なユーモアも含む剽軽な文章へと変貌していくように思っていたが、本作もそうした「軽い文体」への移行が印づけられている。が、本巻の2編とも、そう悪くない。「幽霊男」はちょっと文章もプロットも粗雑に過ぎたが、この2編は結構良いのである。何よりも「読ませる」小説であり、やはり横溝の作品は全然完璧ではないのだけれど抜きん -
Posted by ブクログ
表題作「蝶々殺人事件」を含む三篇。
緻密なトリックが素晴らしかった。殺害場所はどこなのか、どうやって運ばれたのかなど予想の遥か先を行く展開に心踊りました。
読者への挑戦があったのも新鮮。
横溝先生、クロフツやカーがお好きだったんですね。
蜘蛛と百合では珍しく女に誑かされ我を忘れ、由利先生に悪態をつくほど取り乱す三津木くんが新鮮。
その先生が助けてくれなきゃ一体どうなっていたことやら。まだ青いんだな。
薔薇と鬱金香ではすんでのところで事件を解明した二人がナイスプレイでした。前作の憑かれた女が悉く悲恋だったので、うら若いカップルが死なずにすんでとてもほっとした気持ちです。