【感想・ネタバレ】扉の影の女のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『扉の影の女』と『鏡が浦の殺人』の中編2篇が収録されている。
『扉の影の女』は金田一耕助と容疑者候補の人々、そして等々力警部が互いに騙し合いながら話が進んでいく。しかし、犯人は最後の方に出てきた奴だったのがビックリ!ただ、犯人が誰かということよりも犯人に至るまでの経緯は読み応えがあるので、全体的に満足いく出来となっている。ハウダニットを中心に据えたミステリと言っていいだろう。
『鏡が浦の殺人』は夏の終わりに起きた毒殺事件をめぐる物語。こちらは犯人は誰かに焦点が当てられたミステリであり、トリックは中盤で明らかになるように書かれている。夏の終わりを惜しむ儚さも感じられる一作である。
さて、本書は横溝正史生誕120周年&没後40周年を記念して俗に言う緑字(背表紙の文字が緑色だったもの)シリーズで復刊されたものの一作であり、末尾に必ず編集部から「現在の人権感覚と照らし合わすと不適切な言葉がある」と記されている。
無論、これらの言葉は人権差別を助長するものではない。大事なのは、それらの言葉が現在の人権感覚で使うことが許されていない言葉でいることを読者である我々が受け止めることだと思う。

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2022年08月18日

Posted by ブクログ

昭和30年、私も生まれていない時代に起こった殺人事件と交通事故死。金田一耕助の推理に等々力警部も煙に巻く。登場人物同士の会話が楽しく犯人が誰であっても気にならないほど。金田一の懐が暖かくなる展開も珍しい。

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2023年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

金田一耕助シリーズも、これでコンプリート。
あとはジュブナイル作品のみ。という時点での一冊。
まさか角川文庫で復刊するとは!

扉の影の女
金田一耕助のこの時点のおおよその年齢、食生活、探偵としてのやる気が起こる時、虚無感に襲われる時それはどんな時か。お金の使い方、など人物像にせまる記述も多い。
末もいい終わり方をしているし、最後に犯人がどう捕まったかも、しっかり書かれているのでそこもスッキリ。

鏡ヶ浦殺人
海辺のシリーズ(パラソルで隠れて…とか砂に埋もれたときに…とか)みたいのかと思ったら、そうではなかった。ゴムマリのトリックは他で読んだのですぐわかった。
こちらは…ひどいやつが結構いた。それと誰が誰とどんな関係だったのか何度かわからなくなって読み返した。
でも世界観は良かった。

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2022年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハットピンでの殺害というあまり聞き慣れない殺害方法に驚いた。
確か村上春樹のIQ小説でもアイスピックで暗殺するというのがあり、驚いたのを思い出した。
さらに2つ目のお話でも毒針という殺し方で、中々に気づきにくい方法があるんだなあと変に感心してしまった。
どちらの殺人も殺害の動機はよくあるものだったけど、殺害方法が印象に残った。

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2023年09月21日

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 表題作が1961(昭和36)年、併収の「鏡が浦の殺人」が1957(昭和32)年の作。
 いずれも水準に達した横溝作品。前者はアパートらしきところに住んでいる金田一耕助の生活の様子が垣間見られて楽しい。
 最近はやや頭を使うような書物を続けて読んでいて、息抜きとしての娯楽小説が読みたくなって本書を開いた。本格推理ものではあるが私はたいして推理もせずに読んでいるので、息抜きを楽しむことができた。推理小説も謎解きの面で頭を使うのだが、学術的な本を読みながら抽象的な思考を繰り広げるのとでは、おそらく脳の活性部位が異なるのではないだろうか。
「鏡が浦の殺人」の方は例によって金田一耕助と等々力(とどろき)警部が休暇を楽しむため観光地・避暑地に出かけると殺人事件に出くわす。この二人で旅行に出かけると必ず人が死ぬのだから、止めた方がいいと思う。
 あまり長くない中編は登場人物たちが長編ほど大量ではないので、苦労せずに読めた。
 やはり娯楽としての小説も、私には必要であるようだ。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

表題「扉の影の女」と「鏡が浦の殺人」を収録。
「扉の〜」は事件そのものが面白いのは勿論。その上、金田一耕助がどのようにして依頼人をさばいているのかも分かるので面白いし、好き。

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2022年02月15日

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