横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズです
50年前に書かれた因習村モノです
出生の秘密で出てくる、要蔵パートが読んでいて一番ドキドキしました
あの暴れっぷりは読んでいて爽快なくらいでした
頭に懐中電灯をツノみたいに巻いて、猟銃と日本刀ぶら下げて嫁を探し回るバーサーカーは、非常に恐ろしかったです
村の犠牲者もとんでもないことになっていたし、曰く付きの伝説ばかりやたら泊がついてる村でした
八つ墓村の言い伝えになぞらえて次々に犠牲者が増えていきますか、主人公の恐怖レパートリーが汗かくか震えるかぐらいなので、4人目に差し掛かるころには慣れてきて、いいから探偵に告げ口にいきなさいと思いました
典子が道中に変に親切な -
Posted by ブクログ
ネタバレ横溝正史4冊目。いやはや、読むたびに知らない扉が開いていきます。沼にずぶずぶだ……。
『本陣殺人事件』に『アクロイド殺し』についての言及がありましたが、今作こそまさに。ただ、毎回まっさらな気持ちで読んでいく私は、終盤にさしかかるまでまっっったく疑念を抱きませんでしたが。。
私がまんまと書き手を信用してしまったのも、屋代=Yだから。
なまじ「黒猫亭殺人事件」を読んだばかりだったために、序盤でいきなり直記と屋代なる人物が出てきて混乱したものの、きっとこの屋代は作者のことなんだろうと誤解してしまったんですね。
それにしても、賢明なる読者であれば、屋代が記した記述から犯人を導き出すことができるものな -
Posted by ブクログ
ネタバレ『獄門島』から金田一耕助のデビュー作へ。
本陣殺人事件、車井戸はなぜ軋る、黒猫亭殺人事件の三作が収録されており、特に前二作にはかなりの衝撃を受けました。
ちなみに『獄門島』を読んでいる時から、地の文の”私”は誰なのだろうと確証が得られなかったのですが、「黒猫亭殺人事件」を読んで納得。作家であるYこと横溝先生が、知り合いの金田一から伝え聞いた話……という体裁を取っているのですね。
「本陣殺人事件」は、前々からあらゆるミステリーランキングで目にしていた作品。
横溝先生は人物を魅力的に書き上げるのがうまく、賢蔵と克子の婚礼の儀を読みながら、このまま誰も殺されることなく、普通の小説として読んでみたい -
Posted by ブクログ
お盆休みなので腰を据えて、なにかじっとりしたものを読みたくなり……手に取ったのが横溝正史でした。
ミステリー好きを名乗っておきながら、触れたことがあるのは『犬神家の一族』のみ。これは原作も映画も鑑賞しましたが、特に白黒映画の方のインパクトがすごかった。
そして、『悪魔の手毬唄』。
期待通りの独特の世界観に浸かることができ、気付けば一日で読破。うーん、やっぱり昭和の田舎を舞台にした作品でしか味わえない雰囲気ですよね。
男女平等なんてカケラもない時代に、次々と明らかになる姻戚関係。「人物相関図をくれ!」と思いながら読んでいましたが、盛大なネタバレになるからうかつに相関図なんて作れませんね……。
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Posted by ブクログ
初、横溝正史。
クリスティー攻略本で何度も横溝正史の名前が出てくる。「横溝正史はクリスティーを愛好していて作品が相似している」と書かれているので読みたくなった。
作中で作者である横溝正史が、あることを読者に説明するのに、「アガサ・クリスティー女史の『○○』から学んだのである」と語っていた。
作中で名前まで出してるー!突然クリスティーの名前が出てきて何だか嬉しかった。
トリックの使い方や名家一族みんなが何かを隠していて怪しい感じは、クリスティー作品から影響を受けているのかなと感じたけど、横溝正史初心者の私にはそこまで似ているかどうかわからなかった。
『本陣殺人事件』が1番好きだった。
おどろ -
Posted by ブクログ
1979年から1980年にかけて発表された、横溝正史の金田一耕助シリーズの最後の長編。横溝はこの後、1981年の末頃に79歳にしてガンで死去。
『八つ墓村』(1949)などの傑作をたくさん生み出した頃に比べると、後年の作品は今ひとつな観があったが、本作は非常に良かった。
相変わらず語り口が非常に上手い一方、たまに次のページに同じような内容の描写を繰り返してしまうといったポカもあることは確かだ。
しかし、本作はストーリーも良いし、昭和前半の時代にはあからさまに書くことの出来なかったような性的なグロテスクさの主題が屹立しており、印象深い。
この作品は1967(昭和42)年を舞台にしているが