横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今月は個人的短編集強化月間!
ということで、秀逸な短編集をセレクトして読んでいる私です。
金田一さんの短編集はいくつか読みましたが、読みやすさという点ではこれがダントツだと感じました。死姦が出てこない!笑
東京の等々力警部の登場が多いからか、都会らしい(?)カラッとした事件ばかりだなと感じました。
その中で、『女怪』はかなりの見もの。なんと、恋する金田一さんが描かれています。
『女怪』についてちょっとした事前知識はあったものの、これまで知った気でいた金田一さんとは全く違う一面が垣間見え、非常に新鮮な気持ちになれました。事件の結末はなんともやるせなく、その後の彼に与えた影響の大きさもきっとかなりのものでしょうね……。
あろうことか金田一耕助の事務所で殺人が起きる、目撃したはずの死体が別荘ごと消えている……などなど、大掛かりな仕掛けだけでなく、きっちり解決まで描かれる本書は、金田一耕助短編集の中ではかなりオススメの一冊です(ただ最後の事件で、なぜ死体を動かしたかはわからずじまい……)。
あっ!
それから、解説が二本入っているのですが、二つ目は別作品のネタバレに触れているのでご注意を!私はしっかりネタバレ(よりによって金田一最後の事件!)を喰らいました(´;ω;`)解説で別作品に触れるのやめてえ…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ金田一耕助ファイル14冊目。未読の長編もだいぶ少なくなってまいりました〜。
本作は、屋敷のあちこちにどんでん返しや抜け穴がある豪邸が舞台。
金田一シリーズの中では結構ボリュームがあり、手に取った時は驚いたのですが、いやこれが面白い!
『八つ墓村』の冒険要素あり、『悪魔が〜』の没落貴族あり、『悪霊島』の自分勝手すぎる犯人あり、”身体に特徴がある謎の人物”あり……オマケによく耳にする”糸を使ったトリック”まで出てきて
「これがあの!!」と興奮してしまいました。笑
パトロンの風間氏が出てくるところも高評価◎
これだけ要素てんこもりなためか、謎解きはやや性急でさすがにちょっと無理では??と引っかかっていたのですが、最後の最後に……いやぁ肝が冷えましたね。
ただ、三代の閣下が出てくるわけですが、辰人氏に関しては生前の描写が少なく、伝聞でしか彼の人となりを知れなかったのが残念かな。「ルパシカ」姿の薄幸の彼も、本編で唯一好きになれたキャラクターだけに無念でした。
”金田一耕助詰め合わせ”として、初心者のうちに触れておくのもアリかと。哀しく描かれる元華族の姿に、『悪魔が〜』を再読したい気持ちになりました。 -
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ6作品、昔の慣習と言葉遣い、差別的な考えが逆に当時の空気感を表していて好き。田舎の村ならではの人の距離の近さは懐かしさを感じる。
かなり方言が出てきて読みづらいかもしれないが、私自身が西の生まれなので、ざっくりはわかるし、西の独特な陽気さと田舎の卑屈さが通ずるところにも楽しさを感じた。
話の構成の巧みさはさすが、またストーリーのみならず、登場人物の心理という面でも巧さを感じる。八つ墓村や犬神家の一族よりも一般的ではないのが不思議。6作中、八つ墓村に続いておススメしたい。次はいよいよ犬神家の一族かな。
さて、今作品に戻り、私が感じたことはトリックがどいたこうよりも、人のうちに秘めた怒りや暗さ。犯人の立場になれば仕方ないとも思える。この事件の後を知りたい。
次も楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ金田一耕助もの。初めて読んでみた。せむし男や夢遊病、横溝らしい物語だ。
三文小説家の屋代は親友の仙石直記からある因縁話を聞く。彼の家の主家筋の古神家にまつわる話である。古神の忠実な家来であった仙石家。直記の父の鉄之進は古神家の未亡人、お柳さまと関係がある。古神家の先代、織部の子どもは先妻の子、守衛とお柳の子、八千代。守衛はせむしである。八千代は鉄之進の子ではないか、と直記は疑っている。八千代は脅迫状で脅されており、情緒が不安定な時にバーであった、せむしの男、蜂屋を拳銃で撃ってしまう。直記に頼まれて屋代は彼の小金井の家に行く。その時、事件が起こる。なんと顔のない死体。せむしの体から守衛か蜂屋であることが分かる…話の半分くらいまで金田一耕助が出てこない。顔のない死体ものではあるが、何のために顔のない死体にしたのか、誰の利益のために顔のない死体にしたのか、分かりにくい。妖刀村正も出てくるし、もう、てんこ盛り。ただ絵にしたときの美しさが分かりにくいので、これは映画やドラマにはなりにくいな、とは感じた。屋代さんが結構どころか全部持って行っているので、磯川警部はほとんど台詞なしだし。金田一の出番が少ないので星を一つ減らした。これも鬼首村だけど「悪魔の手毬唄」より後の話なのだろうか。