横溝正史のレビュー一覧
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購入済み
夢にまで見るものすごさ
八つ墓村の話は、テレビでもよく見たような記憶があるが、当初は、怖くて読む気がしなかったが、読み始めると、つぎどうなるのか、次、どうなるのかと引きずられて最後まで読んでしまった。夜中、突然、目が覚めて、夢だったのか現実だったのか、自分が当事者のような錯覚を覚えた怖かった。
読み終わってから、森美也子が犯人だと知って、動機が分からなくって、今までの推理小説と違う印象を受けた -
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ネタバレ戦前戦後を通じて映画界のスターである鳳千代子には四回の離婚経歴があり、そのうち最初と二番目の夫は不可解な死を遂げていた。
今また三番目と四番目の夫が軽井沢で変死を遂げ、金田一が捜査に乗り出す。
大女優の派手な男性遍歴を軸にマッチ棒のパズルや不可解な数式、そして奇妙な所で見つかるライター等魅力的な小道具満載の長編。
ただ長さの割にそれら小道具が活かされているとは言い切れず、事件の解決も金田一の捜査や推理ではなくある人物の独白によって終わってしまうのが味気無かった。
推理小説とは必ずしも探偵が解決するとは限らないと割り切ればそれなりに楽しめるのだが。 -
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中編「悪魔の降誕祭」「霧の山荘」と短編「女怪」の三作品。金田一耕助の事務所で依頼人が殺されたり、金田一耕助の恋愛事情が示されたり、金田一耕助が騙されたりと、金田一耕助にまつわる事件集。
「悪魔の降誕祭」
金田一耕助の事務所で依頼人が殺されるという大胆不敵な犯行。依頼人は今後起こりそうな殺人の相談のために訪れたものであり、その通りにクリスマスパーティーで依頼人の関係者が殺される。
依頼人は携帯していた薬による毒殺であったにも拘わらず、犯人が金田一の事務所を訪問した上で、日めくりカレンダーを12月25日までやぶいた謎、依頼人が持っていた写真が切り取られていた謎、道明寺とたまきに呼び出し状を出した人物の謎、第二の被害者の服部がやすやすと殺された謎。
秘密の小廊下の存在や、パーティー当時の人物の動きはなかなか面白い。ある人物の犯人へのアシストによって真相が見えにくくなっており、アシストをした理由にも説得力がある。一部の謎の真相は肩透かしだが、写真が切り取られていた謎の真相は面白い。
最後まで読むと隠れていた動機が示され、犯人の鬼畜性が明らかになる。
「女怪」
金田一耕助の探偵話の記述者である「先生」と金田一耕助が、伊豆の鄙びた温泉場に静養のために訪れ、そこで体験した話が語られる。金田一のマダム虹子に対する恋心が示される異色作。著名な行者が虹子の前夫の墓場から何かを持ち出した疑い、それをネタに虹子が強請られている疑い、前夫の死亡原因に対する疑い。しばらくして、「先生」は行者の死亡記事を読み、さらにしばらくして、金田一から長文の手紙が届き、事件の真相を知る。被害者にとっても、加害者にとっても皮肉で救いのない真相。
「霧の山荘」
依頼を受けて、別荘地を訪問したところ、霧にまかれて途方にくれる金田一耕助。不在にしているわずかな時間の間に死体が消失し、狐につままれる金田一。翌日、その死体が屋外で発見され、等々力警部と共に周辺を調査をすることに。
死体消失の謎は早々に明かされるが、赤アロハの男の謎、死体が移動させられた謎、着物がはぎとられた謎、血だまりの跡が消えた謎、過去の迷宮入り事件の謎、ゴルフ場で被害者が出会った人物の謎など、次々と謎が提示され、それを説明する真相はなかなか面白い。
金田一耕助の策略が見事決り、犯人が逮捕される。 -
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第一巻を読んでないけど(本書はシリーズ2作目)、べつにどってことなく楽しめた( ´ ▽ ` )ノ
ヨコミゾ先生の作品にはずいぶん親しんできたけど、捕物帳は初めて( ´ ▽ ` )ノ
やっぱり面白いね( ´ ▽ ` )ノ
映画化前提で書かれたと解説にあったけど、キャラ造形からストーリーからセリフ回しから、まるきり映画黄金時代の東映時代劇(といっても、その手の作品はほとんど見たことないけど)( ´ ▽ ` )ノ
単純明快、痛快無比、大衆迎合( ´ ▽ ` )ノ
さすがヨコミゾ先生らしく淫靡さオドロしさもあるけれど、昨今のイヤミスと違ってそのものズバリの描写がないから、後味は悪くない( ´ ▽ ` )ノ
ほんと、古き良き時代の娯楽小説( ´ ▽ ` )ノ
まあ、ラストがパパパッと片付いちゃうのも昔風といえば昔風か?……正直、文七の大活劇シーンも読んでみたかったけどね( ´ ▽ ` )ノ
小説はともかく、もうこういう映画・ドラマが製作されることはないんだろうなあ……(´ェ`)ン-…
むかし(と言ってもほんの20年か30年前まで)は、この手の娯楽時代劇がやまほど作られていたもんだけどなあ……(´ェ`)ン-…
2017/10/30
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昭和5年。隠し扉やどんでん返しが
ふんだんに施された通称迷路荘で、
主人やその妻が殺害される事件が
起こった。真相ははっりしないまま。
昭和25年。
迷路荘にかつての惨劇の時と同じ
左腕のない男が姿を現し、
家人達は不安を募らせ、
現在の館の主人は金田一に調査を依頼。
そして発生する連続殺人。
綾辻行人の館シリーズに登場しそうな
仕掛けだらけの館。
更に館の下には地下道が通っている。
ボリュームがあって読み応えは抜群。
複雑な人間関係が事件をややこしい
ものにしていて、それも魅力的。
迷路のような地下道でくり広げられる
捜査は、冒険小説の様で面白かった。
戦後すぐの時代設定、
街から離れた豪勢な館、
謎の片腕の男、かつて起こった惨劇、
没落貴族等、
このシリーズらしい要素が満載。
金田一の活躍も見事で、
ラストは好みの締め方だった。
知名度は低いがもっと読んで貰いたい作品。 -
Posted by ブクログ
アメリカ帰りの富豪に依頼された人探しのために、金田一耕助は久しぶりに岡山県へ行く。そこで磯川警部と旧交を暖めたのも束の間、警部の話から探していた人物が怪死したらしいことを知る。
こういった物語が、上巻にあるような恐ろしく謎めいた言葉の書き出しで始まる。
こういう、今から恐ろしい物語が始まるよ、と自然に読者を横溝正史の世界に引きずりこむ盛り上げの上手さが横溝正史作品の魅力だと思う。
横溝正史の作品には「平家物語」や平家の落人といったものがよくあり、岡山県と平家は深く繋がっているのだなと感じる。「平家物語」も読むと更に愉しめるのだろうが、ちょっと読めそうにない。
この作品では、蒸発という出来事が頻発する。
蒸発という表現に時代を感じる。今なら失踪というところだが、昭和の時代では確かに蒸発とよく表現された。
こぼした湯が蒸発して姿を消す様と、人がある時忽然と姿を消す様が似ているために使われたのだと思うが、これも死語になるのだろうか。
また、シャム双生児という言葉も出てくる。
腰の部分で結合した双子。こういう気の毒な状況で生まれた子供を、恐ろしさを高めるために使うのは現代にはそぐわない気もするが、昭和の時代は障害のあるひとを差別語を用いて悪意なく呼ぶひとは普通にいた。横溝正史の作品を読むと時代の流れを感じる。
どの作品にも共通の殺人事件がドンドン起き、大概殺されたあと金田一耕助が推理という、もっと早く解決してよとツッコミたくなるところは同じであり、洞窟を探検するところなどの冒険のあるのも横溝作品には暫しある定番の面白さだ。
この作品の魅力は、金田一耕助シリーズにおいて金田一耕助と人気を二分するのではという磯川警部について多く描かれているところだ。わたし自身が金田一耕助よりも磯川警部がお気に入りだ。
「悪魔の手毬唄」においても磯川警部の切なさが印象に残ったが、金田一耕助も磯川警部も年を取り、老いが感じられるときに「悪霊島」で綴られる内容は、本当に辛く哀しい。磯川警部ファンには、益々磯川警部が好きにならざるを得ない。
若い頃の叶わぬ恋が忘れられず、富豪となって故郷へ帰ってくる男。これが金田一耕助の依頼人なのだが、まるっきりギャツビーではないか。
犯人は誰かなと推理小説本来の愉しみは勿論あり、そこに「平家物語」が絡んだり、昭和の時代を窺ったり、磯川警部の気持ちを読んで哀しくなったりと様々に愉しめる。
最後はまた金田一耕助が真相について沈黙するというわたしには異議ありな形であるけれど、今回は愉しめたので文句なしにしたい。
最近だらけ気味だった『ひとり横溝正史フェア』であったけれど、これだよ、こういうのを待ってたよと嬉しくなる作品だった。
おかげで最後まで『ひとり横溝正史フェア』を続けられそうだ。 -
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あの島には悪霊がとりついている
鵺(ぬえ)の鳴く夜に気をつけろ
その島の名は……
とても良い始まりをする「悪霊島」。
『ひとり横溝正史フェア』をつづけることがキツくなってきたので、他に読む作品があるけれど飛ばして大作である「悪霊島」を読むことにする。
確かこの作品も映画化されており、小さい頃にコマーシャルで、鵺の鳴く夜は恐ろしい、とかいうフレーズを聞いた。何がどう恐ろしいのかちっともわからないけれど、その煽るようなコマーシャルにガッチリ乗せられたわたしはとにかく恐怖を感じた記憶がある。
煽られすぎて結局映画自体は観なかったのだが、怖いもの見たさで原作小説は後に購入していたようだ。
ようだ、というのは小説は手元に残っているのだが、全く内容の記憶がないからだ。もしかしたら、興味はあって購入したものの気が小さいため読まずに終わったか、読んでみたらコマーシャル程の怖さがなく記憶から消去したかのどちらかではないかと思う。
果たして「悪霊島」は恐ろしい作品なのか。
始まりの鵺云々を読み、当然思うのが、鵺って何ということ。
読書の友である金園社国語辞典をパラパラめくるとこうある。
鵺 一、とらつぐみ。二、怪鳥の名。三、前後の不続一なもの。
……とらつぐみって何。
パラパラ。
載っていない。
鵺の挿絵には普通の鳥の絵。可愛らしい。
ただ大きさはわからないので、可愛いらしさを感じられない巨大な鳥の可能性はある。
まあ、何にせよそのとらつぐみなる鳥は存在するようなので、その鳥が何がしかの声で鳴く夜ということだ。もしくは、伝説の怪鳥が鳴く夜ということで、こちらの方が恐ろしさは増す。
ちなみに鵺は、空に鳥とも書くらしい。
作中でも鵺について語られる場面がある。(p97)
「平家物語」に出てくる頭は猿、体は狸、手足は虎、尻尾は蛇、鳴く声は鵺に似ている源三位頼政に退治された異形の怪物。
鳴く声が鵺に似ているだけで、鵺が怪物ということではないらしい。
この姿は可愛いらしくない。
その怪物が鵺の声で鳴く夜なのか、とらつぐみが鳴く声なのかどちらかは不明だが、始まりの文章は死に瀕した男が息も絶え絶えに伝える言葉なので、怪物の鳴き声の方がおどろおどろしい横溝正史の世界の幕開けとしてはふさわかもしれない。
物語の始まりと鵺についてばかり書いてしまったが、作品自体の感想は下巻を読んでからにする。 -
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また定期的にやってきた、金田一耕助読みたい病(笑)
まだあるかな〜と本棚を覗いたら、本書があったので読むことに。
悪魔の降誕祭、女怪、霧の山荘の3つの物語を収録。
どれもこれも、人間の欲望、浅はかさ、卑しさなどが事件を通して描かれている。
個人的には女怪、霧の山荘が印象に残った。
女怪では珍しく、金田一さんの恋愛模様を取り上げていて、おっ!と思ったのだが結末があんな形になって、私が金田一さんの立場だったら当分、再起不能に陥る。絶対に。
霧の山荘は、人をとってくった様な感じが腹立たしくて、後味悪い印象を受けた。
現在も謎解きものはたくさんあれど、金田一シリーズは安定のシリーズ。書かれた年代は少し古いが、そのレトロな文体や言い回しなんかも気に入っている。 -
Posted by ブクログ
下巻では、20年後に新たな殺人事件へと発展しましたが、20年前の殺人事件まで含めて全ての謎が氷解してスッキリしました!さすがに、いろいろな因縁が絡んでいてストーリー的には面白かったですね!金田一耕助シリーズの集大成的作品で良かったです。
最後には金田一耕助がアメリカに旅立ち、消息不明となるシリーズの終わり方も良かったと思います。
これ以上、新作が読めないというのは甚だ残念ではありますが、なんとなく金田一シリーズ全作品を読み切って、やり遂げた感はありますね!
でも、ついでといってはなんですが「金田一耕助の冒険」も読んでおきたいと思います。