あらすじ
大胆不敵! 金田一耕助の事務所で起こった殺人事件。被害者は、その日電話をしてきた依頼人だった。あまりのことにさすがの名探偵も唖然とするばかり。その時、12月20日であるべき日めくりのカレンダーが何者かにむしられ、12月25日になっているのに気がついた……。降誕祭パーティーの殺人を予告する悪魔のような犯人。屈辱的挑戦を受け、名探偵の激しい怒りが燃える。本格推理小説の最高傑作! ほか2編収録。
カバーイラスト/杉本一文
感情タグBEST3
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未読の横溝作品発掘シリーズ。
『殺人鬼』に続いて本書もゆのまるさんのレビューで発掘できました。いつもありがとうございます♪
さて、こちらは金田一もの中編三話を収録した、何とも“ええ塩梅”の作品集でございます。
金田一さんの探偵事務所で死体が発見される、表題作「悪魔の降誕祭」
金田一さんの不器用な恋心が切ない「女怪」
別荘地で起きた、元女優の殺人事件と死体消失の謎に挑む「霧の山荘」
三話とも分量・構成が“丁度いい感じ”の中編で、長編でなくてもまとまりのある洗練されたミステリとして楽しめるところが横溝先生の巧さですよね~。
「悪魔の降誕祭」は金田一役が池松壮亮さんでドラマ化もされていたようですね。
複雑な人間関係を背景にしたストーリーは横溝センセのお手のもの!私は犯人(who)に関しては予測ついたのですが、方法(How)の部分は見当がつかなかったので金田一さんの名推理に脱帽でした。
そして、金田一さんの恋というレアな設定に注目の「女怪」は、マダムの薄幸ぶりというかダメンズウォーカーぶりに「マダム~、ここに風采は冴えないけど優しくて聡明な殿方がおりますよ~・・」と、声をかけたくなった私ですw
個人的に好きだったのは「霧の山荘」なのですが、この話の“別荘トリック”は、どうも既視感があるんですよね~。
確かクリスティー作品?(か何か)で似たようなシチュエーションの話があったような気が・・(←※全然クリスティーではなかった件(;'∀'))
あと、金田一さんと等々力警部がワチャワチャ仲良しな様子も微笑ましいです♪ただ、岡山の磯川警部が見たら焼き餅焼いちゃうかも(笑)?
ということで、名探偵・金田一耕助の魅力を堪能できる秀逸な中編集を楽しませて頂きました。
読みやすいので、横溝作品を読んだことない方にもお勧めの一冊かと思います~。
※急に思い出したのですが、上述の“別荘トリック”デジャヴの件、クリスティーではなくて、東川篤哉さんの『探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線』に収録されていた雪山の別荘地でのトリックの件でした~( ̄▽ ̄;)
何でクリスティーと思ったんかな?自分の記憶力がバグりすぎて怖い・・。
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今月は個人的短編集強化月間!
ということで、秀逸な短編集をセレクトして読んでいる私です。
金田一さんの短編集はいくつか読みましたが、読みやすさという点ではこれがダントツだと感じました。死姦が出てこない!笑
東京の等々力警部の登場が多いからか、都会らしい(?)カラッとした事件ばかりだなと感じました。
その中で、『女怪』はかなりの見もの。なんと、恋する金田一さんが描かれています。
『女怪』についてちょっとした事前知識はあったものの、これまで知った気でいた金田一さんとは全く違う一面が垣間見え、非常に新鮮な気持ちになれました。事件の結末はなんともやるせなく、その後の彼に与えた影響の大きさもきっとかなりのものでしょうね……。
あろうことか金田一耕助の事務所で殺人が起きる、目撃したはずの死体が別荘ごと消えている……などなど、大掛かりな仕掛けだけでなく、きっちり解決まで描かれる本書は、金田一耕助短編集の中ではかなりオススメの一冊です(ただ最後の事件で、なぜ死体を動かしたかはわからずじまい……)。
あっ!
それから、解説が二本入っているのですが、二つ目は別作品のネタバレに触れているのでご注意を!私はしっかりネタバレ(よりによって金田一最後の事件!)を喰らいました(´;ω;`)解説で別作品に触れるのやめてえ……
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金田一耕助ものの短編集。今回は金田一耕助の事務所で死体が見つかったり、金田一耕助が犯人の仕掛けの一部に使われたり、いつもと違う立場での登場でおもしろかったです。
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中編「悪魔の降誕祭」「霧の山荘」と短編「女怪」の三作品。金田一耕助の事務所で依頼人が殺されたり、金田一耕助の恋愛事情が示されたり、金田一耕助が騙されたりと、金田一耕助にまつわる事件集。
「悪魔の降誕祭」
金田一耕助の事務所で依頼人が殺されるという大胆不敵な犯行。依頼人は今後起こりそうな殺人の相談のために訪れたものであり、その通りにクリスマスパーティーで依頼人の関係者が殺される。
依頼人は携帯していた薬による毒殺であったにも拘わらず、犯人が金田一の事務所を訪問した上で、日めくりカレンダーを12月25日までやぶいた謎、依頼人が持っていた写真が切り取られていた謎、道明寺とたまきに呼び出し状を出した人物の謎、第二の被害者の服部がやすやすと殺された謎。
秘密の小廊下の存在や、パーティー当時の人物の動きはなかなか面白い。ある人物の犯人へのアシストによって真相が見えにくくなっており、アシストをした理由にも説得力がある。一部の謎の真相は肩透かしだが、写真が切り取られていた謎の真相は面白い。
最後まで読むと隠れていた動機が示され、犯人の鬼畜性が明らかになる。
「女怪」
金田一耕助の探偵話の記述者である「先生」と金田一耕助が、伊豆の鄙びた温泉場に静養のために訪れ、そこで体験した話が語られる。金田一のマダム虹子に対する恋心が示される異色作。著名な行者が虹子の前夫の墓場から何かを持ち出した疑い、それをネタに虹子が強請られている疑い、前夫の死亡原因に対する疑い。しばらくして、「先生」は行者の死亡記事を読み、さらにしばらくして、金田一から長文の手紙が届き、事件の真相を知る。被害者にとっても、加害者にとっても皮肉で救いのない真相。
「霧の山荘」
依頼を受けて、別荘地を訪問したところ、霧にまかれて途方にくれる金田一耕助。不在にしているわずかな時間の間に死体が消失し、狐につままれる金田一。翌日、その死体が屋外で発見され、等々力警部と共に周辺を調査をすることに。
死体消失の謎は早々に明かされるが、赤アロハの男の謎、死体が移動させられた謎、着物がはぎとられた謎、血だまりの跡が消えた謎、過去の迷宮入り事件の謎、ゴルフ場で被害者が出会った人物の謎など、次々と謎が提示され、それを説明する真相はなかなか面白い。
金田一耕助の策略が見事決り、犯人が逮捕される。
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また定期的にやってきた、金田一耕助読みたい病(笑)
まだあるかな〜と本棚を覗いたら、本書があったので読むことに。
悪魔の降誕祭、女怪、霧の山荘の3つの物語を収録。
どれもこれも、人間の欲望、浅はかさ、卑しさなどが事件を通して描かれている。
個人的には女怪、霧の山荘が印象に残った。
女怪では珍しく、金田一さんの恋愛模様を取り上げていて、おっ!と思ったのだが結末があんな形になって、私が金田一さんの立場だったら当分、再起不能に陥る。絶対に。
霧の山荘は、人をとってくった様な感じが腹立たしくて、後味悪い印象を受けた。
現在も謎解きものはたくさんあれど、金田一シリーズは安定のシリーズ。書かれた年代は少し古いが、そのレトロな文体や言い回しなんかも気に入っている。
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中編2編「悪魔の降誕祭」「霧の山荘」と短編「女怪」の計3編構成となっていました。中編の2編は、どちらもなかなか秀逸なトリックが隠されていて面白かったですね!
「女怪」は恐らく金田一耕助シリーズで初めて金田一耕助が惚れた女性にまつわる殺人事件という設定で、切ないミステリー作品でした!
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巨匠・横溝正史の生み出した名探偵・金田一耕助の人となりを知るうえで欠かせない中短編集。ぜんたいを通して「仮面舞踏会」を思い起こしたのは私だけであろうか。
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久々に、横溝正史の金田一耕介シリーズ。
読書は、思いも寄らない知識が得られることが多くて、それがネットとは違って好きです。
ただ、横溝正史の書く小説ってのはほぼ必ず女性が犯人なわけで、作者の何か怨念みたいのを感じずには入れない。
女性に何か暗い思い出があるのでしょうね、きっと。
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やっぱり面白いなぁ。外れがない。
トリックもさることながら、ドロドロした人間関係がいいのよね…これは自分が年をとったからだと思う。若いときはそんなことより、ひたすら謎解きに重きを置いてた。
好みは変わるんだなぁ。
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『悪魔の降誕祭』
金田一の依頼人が金田一の部屋で毒殺される。降誕祭の夜に殺害される被害者。被害者の妻であるジャズ・シンガー。
『女怪』
金田一耕助の恋。金田一が恋する女をゆする『狸穴の行者』と呼ばれる男の死と婚約者の秘密。
『霧の山荘』
金田一が依頼されて訪れた山荘での死。警察を呼び戻ると消えた死体。裸で見つかった死体の謎。
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表題作他『女怪』『霧の山荘』の三作。『悪魔の〜』と『霧の〜』が光文社文庫の『金田一耕助の新冒険』に入っていたため、初読は『女怪』だけでしたが、2作も新冒険よりボリュームが増えて読み応えのある改稿がされているので面白かったです。この調子で最近手に入らない読めない作品を文庫化して欲しい。
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金田一耕助、短編集。
何気に発横溝正史作品かも。面白かった。
悪魔の降誕祭のラストの怒涛の展開かやはり印象強い。あの言い回しだったり文字だけですごい圧を感じた。
女怪はちょっと切ない終わり。
なんか金田一耕助って意外と普通の人なんだと思った。もっと風変わりな変人的な造詣されてるイメージだった。
警部がもう相棒枠になってるから事件が起きた時のツーカーぶりよ。
長編も読みたい!
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場面が金田一の部屋、降誕祭、婚約披露宴、と展開していくのが、飽きさせない。
新聞の切り抜きなど、ちょっとした違和感を伏線にするのが本当に上手くて、いつもまんまと引っ掛かってしまう。
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横溝正史のミステリ作品集『悪魔の降誕祭』を読みました。
『人形佐七捕物帳 新装版』に続き横溝正史の作品です。
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金田一耕助が悪魔のような犯人に挑む! 本格推理小説の最高傑作!
金田一耕助の探偵事務所で殺人事件が起きた。
被害者は、その日電話をしてきた依頼人だった。
彼女は、これから殺人事件が起きるかもしれないと相談に訪れたところ、金田一が戻ってくる前に青酸カリで毒殺されたのだ。
しかも、その時、十二月二十日であるべき日めくりのカレンダーが何者かにむしられ、十二月二十五日にされていた。
降誕祭パーティーの殺人を予告する犯人とは―(表題作より)。
そのほか「女怪」「霧の山荘」の全三編を収録。
本格ミステリの最高傑作。
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1950(昭和25)年から、1958(昭和33)年に発表された金田一耕助シリーズの中篇~短篇ミステリ3作品が収録されています。
■悪魔の降誕祭
■女怪
■霧の山荘
■解説 中島河太郎
■愛すべき名探偵――金田一耕助 山前譲
金田一耕助の事務所で起こった殺人事件という大胆かつ屈辱的な犯行と新聞の切り抜きの裏表が印象的な『悪魔の降誕祭』、
まさか、愛する人と憎んでいる人が… 金田一耕助の大失恋と悲劇的な結末が印象的な『女怪』、
殺人事件なのか狂言なのか… 虚実の入り混じった展開が愉しめる『霧の山荘』、
どの作品も愉しめました… 今度は長篇を読んでみたいな。
Posted by ブクログ
久しぶりの金田一耕介シリーズだよ~。
やっぱり横溝正史の本は好きだなぁ。
「悪魔の降誕祭」「女怪」「霧の山荘」の中編3編収録されてます。
3編とも結構、設定や環境が同じような感じで書かれてるんだけど、私は最後の「霧の山荘」が面白かったと思う。
特に、金田一の証拠集めと推理していく展開が面白かった。
いつも思うんだけど、横溝さんの話の設定は昭和初期でDNA鑑定も科学捜査も発展してなかった頃で、金田一は見事に証拠だけで真相を暴いちゃうっていうのが、今の時代に読むと新鮮でかえって面白く感じる。
Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ。予備知識なしに読む。若干軽めか。タイトル作にでてくる犯人に対して、廻りの人物が感じる評価がいくつもあり、だんだん悪い方に向かっていくのが印象的であった。
Posted by ブクログ
実際に読んだのは、70年代出版の緑背版です。表示絵は、なぜか石柱の立つ草原の向こうに乱れ髪の女性の顔の下からのアップ。う〜ん、淫らな感じでいてシュール。収録作品は3篇。「悪魔の降誕祭」★★★金田一探偵の事務所で殺人事件が発生!降誕祭ってクリスマスのことね。「女怪」★★★金田一探偵が想いを寄せるバーのママが登場。身も心も憔悴してしまいます。冒頭で金田一耕助から話を聞く「私」が保養で温泉宿に逗留するシーンが、なかなかいいです。「楽しい退屈」これだな。でも、事件は陰惨。「霧の山荘」★こういうトリック重視のゲーム的な話はおもしろくないな。今回は怖い女性がたくさん出てくる。