横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々に600ページ近い大作を読破。手が疲れますが、だんだん栞が進んでいくのが楽しい。
というわけで、ちょうど10冊目の金田一耕助ファイルですが……これまで読んだミステリーの中で最もといっても過言ではないくらい複雑な人間関係でした(^^;
そもそも、「映画女優・鳳千代子」には過去4人の夫がいる、というのに興味を惹かれたのですが、まあこれがややこしい!
変な話、全員亡くなっているなら話は簡単なのですが(ひどい)、作中で起こる事件によって一人二人と消えていくので、最後の最後まで慎さんと津村さんで混乱してしまいました。そこに輪をかけて、次の夫候補である飛鳥氏の身内にも側近や忘れがたみがいるわ、警察サイドも日比野警部補に狸刑事に等々力警部に県警の山下警部と多いわ、さらにさらに謎の田代君まで出てくるからもう大変。
映像化したらさぞキャスティングにやり甲斐があるでしょうが、さすがに枝葉が多すぎたのでは……?な感が否めません。
それでも、退屈することなく読み進められるのはやはり横溝先生の温かな文体によるものだよなぁなんて思っていたのですが、エピローグがなぁ、ううむ。ちょっとついていけず……。
というか、軽井沢で豪華絢爛な仮面舞踏会が見られると思ったのにな。。
やいやい言いましたが、既読の作品に比べると気の抜けた会話も多く、かつて軽井沢で見られたであろう上流階級の方々の様子を垣間見ることができる、新鮮な読書体験ができました。
ちなみに本書でいちばん好きなのは、登場人物紹介の「みなさん先刻お馴染みの、もじゃもじゃ頭の探偵さん」です(・∀・)暗闇の中でピアノを奏でるシーンもロマンチック。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとあるキャバレーでの佝僂(せむし)の男の狙撃事件を皮切りに、古神家に次々と惨劇が襲いかかる。友人の助けにならんと三文推理小説家の「私」は古神家に泊まり込むが、一家に纏わる因縁、佝僂と夢遊の病、血に塗れた日本刀、首のない遺体と、明かされる度に謎が謎を呼び…。
とにかく一家の「呪い」の設定が凝っていて、登場人物も全員一癖も二癖もある「濃さ」でかなり面白かった!!!今までの長編『本陣殺人事件』『獄門島』よりも妖しくて好きかもしれない。しかしいかんせん謎解きの部分で力が抜ける〜。
強姦された女性が強姦した相手に惚れるというファンタジーに依拠するトリックにはガッカリ。以前読んだ短編の「殺人鬼」と似たオチだし。動機がまた戦争に絡むという点は興味深かった。似たような事は多々あったのかも。 -
Posted by ブクログ
「あいつは体のくっついたふたごなんだ」
「あいつは平家蟹だ」
「あの島には悪霊がとりついている」
「鵼のなく夜に気をつけろ」
……と、奇妙なセリフで始まる本作。ドジャーン!とばかりに切って落とされる幕開けに、これこれぇ!とテンションが上がってしまいました。横溝正史の唯一無二の雰囲気はたまらんです。
まったく、これだけ不穏な空気をよく作り出せるものだと感心するしかありません。
成功してかつて追い出された島に帰ってきた勝利者、島に残り続ける者、「いちどはなんでも見てやろう君」……誰も彼もがそれぞれの思惑を持って刑部島に集う。その島には不審な行方不明者もおり、本州では強請りを繰り返してきた市子(いたこ)が何者かに殺され、どこで不安がピークになるのかというところで、上巻終盤でやっと(?)殺人事件が起こります。
久々の方言全開で進むお話に最初はちょっと苦戦しましたが、ぐいぐい引き込まれていくのが横溝作品。
この殺人はまだまだ序の口としか思えませんが、下巻で一体どうなっていくのか。
風光明媚な瀬戸内海の描写に想像力を膨らませつつ、いざ下巻。
それにしても、本筋に関係ないのですが「とおみんさる」はどんなニュアンスなのでしょうか……?
〜だそうな、〜なので、的な意味かなと思いつつ、調べてもはっきり出てこないのでモヤモヤ。。 -
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ネタバレ『本陣殺人事件』以来のシリーズ長編で嬉しい。戦友の遺言で示唆された不穏な内容を未然に防ぐため、瀬戸内海の離島である「獄門島」を訪れた金田一耕助。しかし彼の努力虚しく、第一の被害者が木に吊るされた状態で発見される。犯人は?そして目撃者が発した「きちがいだが仕方がない」の真意とは…?
次々と発生する見立て殺人、京極夏彦の『鉄鼠の檻』みたいに坊主が犯人だろ〜と思っていたら違った、もっとヤバかった…。地方の閉鎖性故に可能になる事件をベースにした所謂「因習村」ものだが、例えどこであってもこんな殺人は起きんだろ…。そして一連の事件は男性優位な価値観が犯人を殺人に走らせるフェミサイドで、当時はこれが動機として成立し得たのか、と驚いてしまった。個人的には『本陣殺人事件』に続いて動機に納得がいかない作品だった。
それはそれとして「因習村」ものは大好きで消費してしまう。『屍鬼』然り『ゲゲゲの謎』然り『サマータイムレンダ』然り。自分の理解を超えた常識が通用している場で、それ故不可解な出来事が立て続けに発生するのであれば田舎でも村でも離島でなくても良いんだけど、そういった場所にしてしまうのが作者としては説明責任が免除される(「田舎だから」で済む)と思って楽なんだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『本陣殺人事件』以来のシリーズ長編で嬉しい。戦友の遺言で示唆された不穏な内容を未然に防ぐため、瀬戸内海の離島である「獄門島」を訪れた金田一耕助。しかし彼の努力虚しく、第一の被害者が木に吊るされた状態で発見される。犯人は?そして目撃者が発した「きちがいだが仕方がない」の真意とは…?
次々と発生する見立て殺人、京極夏彦の『鉄鼠の檻』みたいに坊主が犯人だろ〜と思っていたら違った、もっとヤバかった…。地方の閉鎖性故に可能になる事件をベースにした所謂「因習村」ものだが、例えどこであってもこんな殺人は起きんだろ…。そして一連の事件は男性優位な価値観が犯人を殺人に走らせるフェミサイドで、当時はこれが動機として成立し得たのか、と驚いてしまった。個人的には『本陣殺人事件』に続いて動機に納得がいかない作品だった。
それはそれとして「因習村」ものは大好きで消費してしまう。『屍鬼』然り『ゲゲゲの謎』然り『サマータイムレンダ』然り。自分の理解を超えた常識が通用している場で、それ故不可解な出来事が立て続けに発生するのであれば田舎でも村でも離島でなくても良いんだけど、そういった場所にしてしまうのが作者としては説明責任が免除される(「田舎だから」で済む)と思って楽なんだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
初の横溝作品に挑戦
記念すべき金田一耕助シリーズの第一弾
以下三作品を収録
『本陣殺人事件』☆3.6
金田一シリーズ全体に抱いていた「おどろおどろしさ」というイメージはここから顕在
中でもミスリードが巧みに行われていて犯人は自分的にかなり意外な人物だった。犯人の動機に共感できるかで賛否が大いに変わる作品な気がするが、現代ではほとんどの人が理解しがたいように思う
『車井戸はなぜ軋る』☆3.9
金田一はほとんど登場しない
ある主要人物の手記で物語が進んでいくので日付が進むにつれての臨場感が凄まじい
これまた犯人は予想外の人物でした
『黒猫亭事件』☆4.0
自分的には一番好みだった
金田一やY先生(作中における横溝先生を投影した人物)が「顔のない死体」とはいかなるトリックなのかと解説してくれてミステリ初心者にも易しい作り
後半ちょっとだけハラハラする劇的な展開もありで非常に楽しめた -
Posted by ブクログ
金田一シリーズの短編2冊目。
これまで様々なアンソロジーなど読んできて、どうにもぶつ切り感が強かったり物足りなく思うことが多かったのですが、これはどれも満足度が高かったです!
ただ、直前に読んだ『殺人鬼』はオシャレな話が多かったのに比べて、こちらはエログロ度高め。やけにネクロフィリアな話が多く、苦手な方は注意です……!
表題作の「人面瘡」に加え、「睡れる花嫁」「湖泥」「蜃気楼島の情熱」「蝙蝠と蛞蝓」の計5篇が収録。
前述の通り、どちらかというと吐き気を催すような事件ばかりですが、その分磯川警部(+久保銀造氏)が登場するエピソードも多くて、彼らとのやりとりのほっこり具合でバランスが取れているように感じました。
特に出来がいいと感じたのは表題作の「人面瘡」。
夢の中で妹を2度殺した――というおどろおどろしい導入からラストの大団円まで、特に完成度が高いなと思いました。正義の殺人なんて言ってはアレですが、あの2人はこれから幸せになってほしいですね。
それにしても、金田一さんの人懐こさは癒やし。夢中になるミステリーには、やはり好きな探偵が欠かせませんよね〜。 -
Posted by ブクログ
実業家の風間の妻美樹子が心中自殺に見せかけて殺害されるという事件が起こった。その後も次々と残虐な手口で巻き起きる殺人事件、突如として消え去る死体、雨の日に現れ"雨男"を名乗る不気味な男などミステリーとしての要素が詰まった一作である。
悪趣味で侮辱や憎悪の詰まった殺害現場や犯人の手口が読んでいて素晴らしかった。
主人公の水上三太の聡明さや行動力の高さが見ていて気持ちよく、文章から十分に伝わってくる種子の薄気味悪さに非常に興味を惹かれるなど登場人物もこの作品の魅力であろう。
ただ真犯人に対しての驚きは少なく、もっと犯人の残虐性や異常性に対しての深堀が欲しかったかなとは思った。
他にもシリーズがあるようで…気になる