あらすじ
雑踏で賑わう吉祥寺駅前で、金田一耕助と等々力警部が、一人の青年を見張っていた。やがて、動き出した青年を等々力警部が尾行し、金田一は、見当をつけていた現場へ先廻りすることになった。青年は、一年前に不可解な事件に巻き込まれて失った記憶を取り戻そうとしていた。その事件の鍵を握る謎の女は、彼の瞳の中だけに存在するのである。今ようやく、事件の全貌が明らかにされようとしていた…。(瞳の中の女) 一篇ごとに趣向を凝らした、金田一耕助異色の事件簿。
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Posted by ブクログ
金田一耕助短編集。「女」シリーズ。
短編集だからサクッと読めるけどあっさり。
今更だけど、痴情のもつれ、浮気、不倫、詐欺とかそんな動機が多い笑
あと犯人が時差して終わるのも。
鏡の中の女は斜め上すぎた。
泥の中の女や赤の中の女みたいに殺人がブッキングするパターンも面白い。
傘の中の女は真相を知るとシュールさが凄い。目と鼻の先で殺人が行われて悔しがる金田一耕助。
等々力警部が割と頻繁に金田一の所に遊びに行ってるのわらう。
二篇は長編化されてるみたいだからまた読んでみようかな。
Posted by ブクログ
長編の時はあまり思わなかったけど
短編をまとめて読んでみると
金田一さんも痴情のもつれ系が多いなぁ。
「孫」も「動機はほぼ復讐」だけど。
『霧の中の女』『洞の中の女』
『泥の中の女』『棺の中の女』のように
警察から協力を頼まれることが
事件に関わるパターンのようです。
『傘の中の女』『鞄の中の女』
『夢の中の女』などで犯人に利用されたり
『瞳の中の女』や『檻の中の女』では
謎は解けたけど犯人は
(ある意味)取り逃しちゃったり。
『鏡の中の女』の事件も
防げたっぽいのがモヤっとする。
トリックは王道のおもしろさなのですが。
『赤の中の女』が
後妻業ネタのようでびっくり。
時代を先取りだ。
Posted by ブクログ
1957(昭和32)年から1958(昭和33)年にかけて発表されたもの。
もちろん、表題は『シャーロック・ホームズの冒険』をもじっているが、さらに、各話のタイトルは「○○の中の女」と統一されている。
11編入っており、各話は短い。そのため、かなり大急ぎで書いているという感が強い。特に最後の謎解きの部分は切り詰められすぎていて、言い漏らしが多々あり、「え? アレはどうだったの?」などと戸惑わされてしまう。
横溝正史の語りの巧さはやはり卓越したものがあるし、アイディアもよく練って書いてあるようだが、やはり中編以上、ある程度の長さがあった方が充実していて面白いかもしれない。
ミステリ短編としては、世界的巨匠と比べるのもなんだが、ディクスン・カーの方が数段上だと思った。