横溝正史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ[霧の中の女]
霧の中に消えた女の正体とは? 現場から消えた服や靴の謎とは? 大都会・東京で起きた奇怪な事件に金田一耕助が挑む。
偶然と「世間は狭い」に頼りすぎな謎解きだったように感じたが、戦後間も無い東京の裏風俗を見たようでワクワクもした。
[洞の中の女]
欅の木の洞が、何故かセメントで固められていて、その割れ目から長い毛髪が一筋垂れていた。掘り返すと、女の死体が!
不気味且つ猟奇的な導入で惹きつける。複数の男女の愛憎関係が絡み合っていて、ドロドロ⋯。愛情のもつれは恐ろしい。
[鏡の中の女]
かつての事件で知り合った読唇術の得意な増本女史が、鏡越しに見た女の唇の動きを読んで、恐ろしい犯罪計画を察知した。
半信半疑の金田一耕助だったが、実際に事件が発生してしまう。だが奇妙なことに、計画者の女が被害者となってトランクに詰められていたから、事態は混迷を極め⋯
増本女史が、準レギュラーなのかなと勘違いするくらいの存在感なのが面白い。読唇術の盲点を突く金田一の推理に唸った。
[傘の中の女]
海水浴を楽しむ金田一耕助の目の前で、その凶行は行われた⋯。ビーチパラソル越しに起きた殺人事件に探偵魂が燃える。
同じ柄のビーチパラソル、錯綜する目撃証言⋯短い頁数にこめられた本格趣味満載のシチュが最高。大納得の真相だった。
[鞄の中の女]
車のトランクからはみ出していたのは⋯死んだ女の脚!? それを発端として巻き起こった連続殺人事件に金田一耕助が挑む。
なんと大胆な犯行だろう。堂々としているほど疑われにくいのは納得。些細な違和感から真相を看破する金田一の頭脳がすごい。
[夢の中の女]
未解決殺人の被害者の妹の死体が、姉が殺されたのと同じ場所で発見される。同一犯の犯行なのか。犯人に利用された金田一耕助が真相に迫る。金田一の冷静さの中に、後悔と怒りが入り交じっていたのが悲痛だった。
[泥の中の女]
死体消失、そして、時間差で川に浮いたふたつの死体の謎に金田一耕助が挑む。謎めいた導入に引き込まれた。結構複雑な経緯を短編に落とし込む作者の練達の筆に唸る。
[柩の中の女]
石膏像の中に女の死体が。金田一耕助が猟奇的な犯罪の背後の爛れた人間関係に肉薄していく。胸のすくような名推理、というわけでは無かったけど、納得の真相だった。
[瞳の中の女]
1年前、頭を殴られ記憶喪失となった男が唯一覚えていた顔だけの女の謎とは⋯。金田一耕助と等々力警部が、仲良く男を尾行する様子が微笑ましい。意外すぎる結末に呆然唖然。こんなのアリかよ、という感じ⋯
[檻の中の女]
霧の隅田川。鈴の音と共に流れてきた小舟に襦袢だけ纏った女が乗っていた。犬の檻に押し込まれて⋯。衝撃の導入だ。猟奇的な血みどろシチュエーションも登場し、横溝ワールド全開且つ、清張ばりの社会派要素も⋯
[赤の中の女]
海水浴場を舞台にした連続殺人。意外な真相を看破する金田一耕助の名探偵ぶりが鮮やかな一編だった。等々力警部が海水浴場にいつもヘルメットを被ってくるのは何故? -
Posted by ブクログ
ネタバレ迷宮の扉
僕がミステリー好きになったのは、おそらく中学生の頃で、当時有名な漫画ドラマがスタートした時期であり、それを動機としながら有名なミステリー小説を読み始めたわけだ。海外の作家で言えば、アガサクリスティやコナンドイルになる訳だが、日本の作家と言えば、当時知っているのは赤川次郎と江戸川乱歩、横溝正史であり、中学生ながらに江戸川乱歩や横溝正史を読んでいる自分凄いみたいなところから訳もわからず古典ミステリーを読み始めていた。
主に乱歩にハマっていたのだが、高校生の頃、古典の先生に難しい本を読んでるねぇと初めてリアクションされたのが横溝正史の「悪魔が来りて笛を吹く」だった。(難しいミステリーを読んでいる自分がかっこいいと思っていた訳だ笑)。
迷宮の扉
今作は横溝風てんこ盛りなイメージで、冒頭は辺鄙な場所にある謎の屋敷とそこに住む謎の住人たち。
怪奇的な手がかり。奇形の双生児、屋根裏の怪人、そして相続を発端とした連続殺人。登場人物達は二癖も三癖もあり、昔の作品の為言動が荒く、中編であるが横溝正史を読んだなぁと満足感を得られる作品だ。
金田一耕助とは久しぶりの邂逅になるのだが、少し印象が違っているのは余りシリーズを読めていなかったからなのだろう。最終までヒントがかなり出ているので犯人自体は読みやすくしかし一部辻褄が合わないぶぶもあるがそれはそれで楽しめた。そんな結末は現代社会ではきっと起こり得ないだろうなぁ。
片耳の男
不勉強で金田一耕助シリーズ以外を知らない為、登場人物達が今作のみかシリーズものか不明。
少女を追う謎の人物と真相。ある程度お約束の様な作品だが、最後のトリックは王道で面白い。彼らの関係性を描いたシリーズがあるなら読んでみたい。
動かぬ時計。
ショートショートの様な読み物。トリックなど無くただ単に少しだけ不思議を入れただけの作品。読みやすいが裏がない為物足りない。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ金田一耕助シリーズは、もっぱらテレビで、石坂浩二・古谷一行などの演じた映画・ドラマで得た記憶ばかりで、原作小説は読んでいなかった。映像の印象が強すぎて、もっとおどろおどろしいホラーじみた代物かと思っていたが、案外、読みやすい小説だった。
また、現実の戦後混乱期の日本とリンクする情報が(小説の本筋とは関係なしに)差し挟まれているのが目につき、意外とリアリティ志向のシリーズだったようだ。たとえば「一年ほどまえにも、さる凶悪な変質者の殺人が行われた場所だった」(p.377)は小平事件を、「昭和二十二年秋のその颱風こそは何十年ぶりともいわれるほど大きなもので」(p.390)はカスリーン台風を指していると思われる。きっと、事件の舞台となる屋敷があった麻布六本木という場所も、当時は小説に書かれたような土地だったのだろう(現在の六本木ヒルズ近辺の景色からは想像しづらい暗さ)。
気になった点は、トリック(p.427)と動機(p.463)とが、どうも噛み合わないように見えたところ。入念な準備なしには致死の確信が持てなさそうな不自然な姿勢での絞殺方法になる(ちゃんと力が入るのだろうか?)と思うのだが、それを「とっさに」決心して実行したって? -
Posted by ブクログ
ネタバレ聖女と呼ばれた女の裏の顔。彼女の周囲の人間が巻き込まれる犯罪の正体は?「七つの仮面」
殺害された女占い師。彼女の死体の周りに集まる猫と首が千切れかけた黒猫の死体。「猫館」
謎の電話の依頼で洋服姿である女性を尾行する金田一耕助。彼が発見した死体。「雌蛭」
流行作家の新居の庭で発見された死体。事件は解決したが、金田一耕助に犯人は別にいるとの告発の電話が。「日時計の中の女」
洞窟でふざけるカップルに矢をいかける金田一の先輩。洞窟で矢が突き立った死体が発見される。「猟奇の始末書」
隣のアパートで蝙蝠男が殺人を犯した現場を目撃した女子高生。トランクに詰められた美女の殺害事件。「蝙蝠男」
女傑のマダムの館に集められた関係者。新しい遺言に関する発表を待つ一堂だが。マダムの死体が…。マダムが面倒をみていた秘書の正体。「バラ荘」
-
Posted by ブクログ
金田一耕助ファイルの長編作品も、いよいよ、いよいよ残りわずかとなりました。
こちらの『女王蜂』はかなり初期の段階から知ってはいたものの、あらすじとタイトルから「艶っぽい話かなぁ……」とちょっと敬遠していて手に取るのが今になった作品です。実は昨年の11月に伊豆に旅行していまして、その縁で11月の読書1冊目に選んだ次第。
これまでに読んだ金田一作品を振り返ると、「佳人」が出てくるのはもはや大定番。
その中で「絶世の美女」と冠される大道寺智子嬢はさていかほどのものかと思って読みましたが……まぁそうねえ、私は『犬神家の一族』の珠世さんの方が好きですね(正直)。
珠世さんのように見目麗しく中身も高潔なタイプもいれば、『悪魔が来たりて〜』の美禰子さんのように作者から見た目はイマイチと評されつつも気高い心を持ち芯のあるタイプもいたり、はたまた『八つ墓村』の春代さんや典子さんのように奥ゆかしい献身的な女性もいる。
と、魅力的な女性をたくさん見てきてしまったので、智子嬢はどうにも気位ばっかり高く、イマイチ好きになれなくてですね……。必然的に彼女に猛アタックを仕掛ける○○氏もあまり応援する気になれず。
なので智子嬢の微笑みが誰に向けられるかにはあまり興味がなかったものの(ひどい)、次々と繰り広げられる惨劇は一向に犯人がわからず、その点でわりと夢中になって読み進めました。最後まで、○○○○は想いが報われなくてかわいそうだったなぁ……。「デブ」と罵倒され雑に殺されたあの人も。
それにしても、横溝先生はどうしてこんなにも女性の装束に詳しかったのでしょう。
智子嬢を飾り立てる華々しい装飾品の数々に、これらは一体どのようなものかしら、と想像を膨らませるのは楽しかったですね。
金田一作品の中で過度なエログロを避けるとなると、残りは『白と黒』『病院坂の首縊りの家』のみとなってしまうので、ちょっと次はどうしようか迷っております。横溝正史もクリスティーも未読が少なくなってきたぞ。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ金田一耕助シリーズ。
佝僂の首無し死体から始まる連続殺人事件。本当に死んだのは誰か、事件ではなく呪いなのか?絡まりあった因縁の先にある真実とは。
首無し死体は誰なのかで二転三転するの面白い。何処から事件の仕込みが始まってたのかとか。存分に活用されてた。
金田一耕助がなかなか出てこないのとあんまり出張ってこなくてちょっと意外。
犯人からしたら頼りなさそうなぽっと出不審者に真相に近づかれるの怖いだろうな笑
結局舞台が岡山になったのちょっと笑った。
途中でメタ読みで語り部が怪しくね?って思ってしまった。
動機が切ない。終盤の怒涛の語り。
尼さんも金もらってる割に迂闊では。
勝ったのは。