横溝正史のレビュー一覧

  • お役者文七捕物暦 比丘尼御殿

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    ネタバレ

    若く見目のいい男を誘拐し夜の相手をさせる比丘尼御前の噂。ある夜誘拐された大道寺主水と名乗る若侍。比丘尼御殿の秘密を探るために大道寺主水として潜入した文七。世之助という囚われた男。脱出後に巨勢家の屋敷が怪しいとみて文楽一座の阪東三津次の阪東簑次と名乗り屋敷に潜入する。巨勢家の美しい姫で尼になっている梅香院と醜い双子の姉妹。文七が誘拐されその後追い屋敷に侵入した文七の妹お小夜。囚われたお小夜の危機。梅香院に好意を寄せる侍・浅香鉄之助。

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    2013年04月19日
  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(上)

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    横溝正史で島が舞台の小説となりゃ、そりゃあ期待しますわな。

    ただ冒頭にかなり魅力的な謎を持ってきているんだけど、そのあとの展開が遅い。
    もうちょっとぱっぱと進まんもんかねえ。

    ま、ともあれ水準はクリア。

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    2013年04月14日
  • 金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

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     巷では『ビブリア』のドラマ化のキャスティングの是非が話題のようだが、映像と原作は別物と考える私からすると、不毛な議論に思えて仕方ない。
     原作。コミック。そしてドラマ。
     子供につきあって、すべてに目を通したが、まあそれぞれいいのではないか。

     それより世の中には色々な失敗作がたくさんある。

     原作のイメージぶち壊しの設定変更。
     芸能界の事情丸出しのキャスティング。
     時間やスポンサーの縛りで変わるストーリー。

     若いころはその一つ一つに目くじらを立てていたものだが、
     裏切られ、
     失望し、
     幻滅し、
     そのようなもの、と思えるようになってきた。
     
     映像と原作は別物。
     うま

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    2017年08月16日
  • 金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会

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    確か映像を先に見た作品。
    大作ではあるんだけだ、金田一耕助がほとんどでてこない作品。
    軽井沢の夜は現代になってからしか経験はないけれど、暗く自然の音がかえって静かさを強調する感じでした。薄暗闇の中をただ歩いて行くのは不思議な感覚を受けたなぁと。
    そんな事を思いながら読んでいると、ミステリーというよりもホラーを読んでいるようでした。
    ただ中盤の金田一耕助が広間でアリバイを聞くシーンはうまいなと思いました。緊張と弛緩、自分の他者に与えるイメージの載せ方とか。ちょっと勉強になりました。

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    2012年12月22日
  • 殺人鬼

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    金田一耕助短編集

    <殺人鬼>
    探偵小説家・八代が知り合った女性・加奈子は復員してきた夫・亀井にストーカー行為を受けていた。
    おびえる加奈子の不安は的中し、同居している賀川が殺され、自身も殺されかける。
    賀川の妻・梅子が警察からの取り調べ中に服毒自殺をしたり、ゴミ溜めからステッキやら偽の義足が見つかったり。
    本当に「殺人鬼」は亀井なのか?
    金田一の出番は少ない!八代の手記という形で展開されていく。
    戦後の混乱期ならではの事件。

    <黒蘭姫>
    エビス百貨店で起きた万引き女による店員殺害事件。
    同じ建物の喫茶店では百貨店の元従業員が毒殺されていた。
    万引きしても見逃される「黒蘭姫」の正体とは?

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    2012年12月09日
  • 金田一耕助ファイル6 人面瘡

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    『睡れる(ねむれる)花嫁』は、あるアトリエで起こった昔と今の事件をテーマにしたミステリー
    『湖泥』は、ある田舎にある北神家と西神家の対立を背景に起こった殺人ミステリー。
    『蜃気楼島の情熱』は、あるアメリカ帰りの紳士が竜宮城のような建物を沖の小島に建て、そこで起こった殺人事件。
    『蝙蝠と蛞蝓』は、金田一耕助を怪しむアパートの住人が嵌められた殺人事件。
    『人面瘡』は、姉が妹を2度殺したと訴え、その直後妹が死体で発見されたミステリー。

    どれも似たようで、それぞれのストーリーがあって、すべて楽しめて読めました~。
    今時の科学捜査でなく、金田一の頭脳で事件を解決するところが読んでて面白い。

    しかし、

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    2012年11月27日
  • 金田一耕助ファイル15 悪魔の寵児

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    ネタバレ

    戦後成金・風間欣吾とその愛人たちに送りつけられた情死を思わせる不吉なハガキ
    風間欣吾の正妻から始まり、愛人たちが次々と殺害され、その遺体は様相はなんともエログロい
    重要な承認兄妹を目の前で誘拐されたり、襲われて負傷したり、新聞記者に出し抜かれたりと金田一はあまり良いとこ無し
    意外な犯人で逮捕される前に自決!は定番ですけど、風間欣吾がこれからのうのうと幸せに暮らすのかと思うとなんかなあ…

    2012/11/07-08

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    2012年11月08日
  • 金田一耕助ファイル14 七つの仮面

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    ネタバレ

    短編集
    「七つの仮面」:聖女の皮をかぶった娼婦・美沙を巡る男女のいざこざ。
    「マリア様が見てる」の過激版のような…金田一はチラリとしか出てきませんが美沙の語りがいいです。
    「猫館」:女占い師と飼い猫が殺害される。何故犯人は女占い師の上着だけを脱がせ、数多くいる猫のうち1匹だけを殺したのか?そして内弟子の女の行方と裏に住む男やもめの画家は事件に関わっているのか?あっさり終わってしまいます。
    「雌蛭」:珍しく金田一耕助自身が冒険します。洋服まで着て!
    あるマンションの部屋からハンドバッグを取ってきて欲しいという依頼を受けた金田一がその部屋で発見したのは硫酸を掛けられ息絶えている男女の死体だった。ハ

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    2012年11月06日
  • 金田一耕助ファイル11 首

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    ネタバレ

    『生ける死仮面』:美少年の死体と彼から作ったとされるデスマスクを愛でていた芸術家が逮捕される。その直後に顔をしつようにつぶされた男のバラバラ死体も…異常愛の果ての凶行かと思いきや、実際は財産目当ての事件。それぞれの遺体は一体誰なのか
    『花園の悪魔』:ヌードモデルの死体が花壇で発見される。いっしょの宿に泊まったとみられる男に手配がかかるが1年経っても消息がつかめない。実はモデル殺しはカモフラージュのための殺人であった
    『蠟美人』:腐敗した死体の骨から生前の顔を再現したところ、それは良人殺害の容疑で手配中の銀幕女優だった!世間を騒がせた直後、復元した学者が殺害され、蝋人形も破壊されてしまう。遺体は

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    2012年11月04日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

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    ネタバレ

    金田一シリーズには珍しく、舞台が都会、伝説や迷信など出てこない、動機がけっこう浅い、人間関係のドロドロが薄め
    探偵推理小説というよりはホラーチック!
    幽霊男の発案者と実行犯が異なるとか、マダムXの正体とかは面白かった
    マリ殺害の理由や、鮎子の蝋人形の搬入方法など金田一がしてやられて悔しがってばかりいる作品…
    死体が芸術的に飾り立てられているので映像化に最適

    2012/10/31-11/2

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    2012年11月02日
  • 金田一耕助ファイル6 人面瘡

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    ネタバレ

    短編集。
    好きな磯川警部が頻繁に出てくるのがイイ!
    短編でさくっと読めるのは気軽でいいのですが、
    やっぱりドロドロぶりは健在
    特に「睡れる花嫁」、「湖泥」と死姦モノが続くので重いです
    『蜃気楼島の情熱』にもチラリとそういった描写が…

    1番短いのに印象深いのは「蝙蝠と蛞蝓」
    八ツ墓村もそうでしたが、登場人物視点もいいですね
    金田一耕助の出番は少なくなってしまいますが

    2012/10/27-28

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    2012年10月28日
  • 金田一耕助ファイル11 首

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    ネタバレ

    金田一耕助シリーズの短編がよっつ。
    ミステリ小説に出てくる好きな探偵はダントツ金田一耕助!好き!

    どれも首が鍵になってて、さらりとグロくてあまり嫌悪感もわかず、話も分かりやすかった。
    でもそれぞれのインパクトはふつうだったので星三つ。

    トヨエツ版金田一耕助を今一度!

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    2013年03月11日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

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    好きな作家なのですが、この作品はちょっといまいちな感じ。誰がどうなっても別に驚かないし、犯人はもう別に誰でもいいと思ってしまうくらい登場人物たちに魅力が感じられなかった。

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    2012年09月03日
  • 金田一耕助ファイル18 白と黒

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    田舎でない金田一耕助シリーズ。団地という現代的な舞台装置のせいか、それほど古臭さは感じなかった。そこに違和感があったが、生臭さと現代的チックな展開と相まって不思議な魅力がある。題名に隠された意味に加えて黒色がクライマックスで大きな役割を果たすのが忘れられない。でも張り込み中に寝ちゃいかんでしょう。

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    2012年08月29日
  • 金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会

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    ここまで書かれると、横溝先生は狙って書いていらっしゃるのではないかと邪推してしまう…(金田一先生のことです)
    あと…ろうそくの明かりの中でピアノを弾くとか、横溝先生ロマンティックですよね。

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    2012年06月03日
  • 金田一耕助ファイル15 悪魔の寵児

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    ネタバレ

    金田一耕助モノ。
    やっぱり横溝さんの世界は、男女の爛れた不埒な情欲と、金に対する執着を動機とした犯罪が描かれているというか、むしろそれ一辺倒というか(笑)昭和30年代に、本当にこんな感じの脂ぎったエログロの世界があったのかどうか知らないけど、この作品世界だけを読んでこの世界観を真に受けてしまったら、昭和の前半という時代を見誤りそうで怖いっちゃ怖い。

    金田一モノの代表作と言える『八つ墓村』や『犬神家の一族』とかに比べて、この辺の作品はあんまり金田一が活躍しないので、個人的にはそんなに面白いとは思えませんでした。金田一作品の主だったところを全制覇するためには避けて通れない作品ということでサクっと

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    2012年06月01日
  • 金田一耕助ファイル13 三つ首塔

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    ネタバレ

    序盤から中盤までは、かなり重苦しく、場面によってはちょっとした生理的嫌悪感も抱いてしまうような展開。テンポ良く話が進むので、それに助けられて読み進められたけど、これで展開がもうちょっと遅かったりしたら、途中で投げてたかも。

    結局のところは最終章の名前通り、「大団円」としてまとまるけど、そこに至るまでのオチとトリックがちょっとなぁ…という感じ。推理小説でこのオチをやられると、個人的にはちょっと脱力してしまう。

    やっぱり推理小説は、クイーンやクリスティみたいに犯人が辿ったルートを作品内にそれとなく忍ばせてくれて、読みながら一緒に推理できる方が面白いかな。ホームズの発想力や「実はこういうことだっ

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    2012年05月15日
  • 金田一耕助ファイル16 悪魔の百唇譜

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    ネタバレ

    うーーーん。

    イマイチ。なーんかイマイチ。個人的には、金田一耕助の活躍が輝く時代設定は、戦後すぐの昭和20年代中盤ぐらいじゃないかと思う。この作品のように昭和30年代になって、それなりに便利なものが普及し始めてる頃になると、戦後すぐの時代背景の金田一作品が持っている猥雑さ、仄暗さというものが感じられなくなる。

    やっぱり金田一が関わる人たちには、戦争から帰ってきた退役軍人、没落した士族や華族や大地主、そしてむやみやたらにそこらじゅうにいる後家さんが出てこないと、らしさが出ないなー。

    横溝作品を制覇したい、というのではなく、とにかく金田一耕助の活躍を読みたい、というのであれば、他の作品から読

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    2012年05月10日
  • 真説 金田一耕助

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    ネタバレ

    金田一耕助シリーズは、中学三年の秋~冬に読みました。
    その集大成で読んだのがこのエッセイです。横溝氏の執筆の苦労話や疎開先で得たアイデア等、ある程度作品を読んだ後に読みたい一冊です。

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    2012年01月07日
  • 双生児は囁く

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    短編集なのでテンポよく読めた。
    「三年の命」と「蟹」が印象深い。
    他者とのコミュニケーションがなかったら、赤ん坊は死んでしまうと聞いたことがある。
    最低限のコミュニケーションで育った人間は、どんなふうに成長してどんな人生を歩むのだろうか。
    また、結合性双生児はとても興味があるので、モチーフにした作品があったら横溝以外でも読んでみたい。
    いや読んだような気もするけど忘れたな…

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    2011年10月12日