横溝正史のレビュー一覧

  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂

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    ネタバレ

    中学のときの親友が横溝正史が大好きで、いつも読んでたことを思い出す。私は今まで、横溝正史詠んだことなかったけど、これはミステリー苦手とする私でもつまづかずに読めて面白かった。ただ、出てきてから智子が急に派手な感じに豹変したのはなんでだったのかな?ってちょっと疑問。特にそこは筋とは関係なかったみたいだし。

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    2014年10月10日
  • 金田一耕助ファイル14 七つの仮面

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    金田一ジッチャンの方の事件簿、短編集。
    金田一の短編は「起承転結」よりは「序破急」の構成が多く「急」の急ぎっぷりがハンパない。

    金田一が寒村に出かけることが多い長編では、古くからの因習に纏わる「起承転結」をじっくり楽しめるが、短編では展開が急な代わりに、昭和前半の都市部の生活や風俗の描写が楽しい。

    戦後、復興した都市に流入した様々な背景(身分や貧富の差など)を持つ人々が巻き起こす奇妙な事件が中心となるかんじ。

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    2014年10月04日
  • 金田一耕助ファイル10 幽霊男

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    金田一ジッチャンの方の事件簿。
    孫の金田一少年の事件簿ともども、酌むべき事情のある犯人が多い中で『迷路荘の惨劇』と並んで、完全に犯人が悪人のパターン。

    この作品では、金田一が犯人その他に出し抜かれる機会が多く、その度に「畜生、畜生!」と髪を掻き毟って地団駄を踏むので、映画版の石坂浩二のイメージで読むと非常に滑稽で面白い。

    推理小説というよりは、幽霊男 vs 女怪「マダムX」vs 金田一という、三つ巴の冒険小説といった趣の作品。

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    2014年09月10日
  • 金田一耕助ファイル11 首

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    長編、殊に映像化作品においては、金田一は単独の探偵で、ホームズに対するワトソンのような所謂「助手」はいないと感じられる。
    ところが、本書のような短編においては、バディとしての磯川警部や等々力警部の姿が、鮮やかに浮かび上がってくるのである。

    長編においても(読み直してみれば)彼らの協力が、事件の解明に不可欠であることが分かるのだが、短編においてはそれが際立っている。
    特に磯川警部の如きは、遠方まで静養に来た金田一を何くれとなく世話する様子が、じつに微笑ましい。

    事件の内容自体は、金田一の短編においては定番の、ネクロフィリア、首無し、男女入れ替えと若干マンネリ気味である。

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    2014年09月06日
  • 金田一耕助ファイル11 首

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    高校生当時にハマって読んだ横溝正史作品。文庫本、よくとってあったな俺。

    暑い夏にヒンヤリしようと再読してみたのですが・・・かえってドロっと、ベトっとした気分になりましたね(笑)
    そうそう、こんな感じだっただった!

    言わずと知れた名探偵 金田一耕助が猟奇な謎を解き明かす、推理小説短篇集。

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    2014年08月26日
  • 金田一耕助ファイル8 迷路荘の惨劇

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    金田一ジッチャンの方の事件簿。
    冒頭に登場人物一覧ページがあって、非常に助かる作品。
    登場人物が多い上に、血族・姻族の関係が複雑なので、中盤までは一覧を見返すことしばしば。

    トリック全般はどうということはないが、タイトルに「惨劇」とある通り、一部被害者のやられ方が、まぁ酷い。
    それと、金田一作品には珍しく犯人が救いようの無いワルで(※)、金田一も嫌悪感を顕わにしている。
    ※孫の『金田一少年の事件簿』でも共通しているが、大抵は被害者の方がどうしようもない奴で、犯人には酌むべき事情がある場合がほとんど。

    加えて、全編通してのヒロインが存在しないのも珍しい。
    強いて言うなら、迷路荘の主の娘、陽子

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    2014年08月26日
  • 金田一耕助ファイル11 首

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    金田一ファンというより、杉本画伯の描く横溝世界に惹かれて古本屋さんを歩き回って集め、事件年代順に読むという金田一祭りを一人開催中。やっぱり、寝苦しい夜は横溝だなぁ。

    読んだ本は、昭和51年発行の杉本画伯が表紙を飾る文庫版でタイトルは「花園の悪魔」。表紙絵は表題作の犠牲者がおどろおどろしく描かれています。
    収録作は同じです。

    死体陵辱等異常者による猟奇的な事件など、都会においてのおどろおどろしさを出そうとすると、こういう要素が必要になるか。田舎の因習に縛られた一種閉鎖環境での異常性と対比すると興味深い。

    金田一は吃音癖があって地方訛りも少し残っているという設定ではなかったっけ?表題作中での

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    2014年08月18日
  • 金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件

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    中短三編を収録。
    表題作は金田一氏初登場の回と聞きつけての購入でしたが「2巻」とはこれ如何に?
    さて余りに有名な作品故、初読とはいえ予備知識なり憶測なりを抱きつつの取り組みでした。
    意外だったのは、装丁やら映像作品等から受ける怖い印象はなく、むしろ探偵のコミカルで頼りなげな印象の強い、明るめの物語だった事です。
    ミステリとしては、家柄や風土が重視されがちの背景が故にトリックよりも動機が肝という所でしょうか。
    探偵が動機を見てきたかの様に語る姿が気にならなければ、論理的で重厚な謎解きを楽しめます。
    車井戸~がお勧め。

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    2014年07月13日
  • 悪魔の降誕祭

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    久しぶりの金田一耕介シリーズだよ~。
    やっぱり横溝正史の本は好きだなぁ。

    「悪魔の降誕祭」「女怪」「霧の山荘」の中編3編収録されてます。
    3編とも結構、設定や環境が同じような感じで書かれてるんだけど、私は最後の「霧の山荘」が面白かったと思う。
    特に、金田一の証拠集めと推理していく展開が面白かった。

    いつも思うんだけど、横溝さんの話の設定は昭和初期でDNA鑑定も科学捜査も発展してなかった頃で、金田一は見事に証拠だけで真相を暴いちゃうっていうのが、今の時代に読むと新鮮でかえって面白く感じる。

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    2014年07月01日
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂

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    普通に面白かったです。
    横溝正史は確かですね。

    ただ、動機がちょっと弱かったかなー、と。
    描写されている犯人のキャラクターと連続殺人をする理由にちょっと違和感があるかな。

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    2014年02月02日
  • 殺人鬼

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    金田一シリーズの短編小説詰め合わせ。
    結構ラクに読めました。
    長編の二転三転の緊迫感は少ないですが、ピンポイントで圧縮されている気がします。
    戦後雰囲気は出てますが、下手に二時間ドラマ見るよりは面白かったです。

    金田一耕助……事務所持ってたんですね……

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    2014年01月05日
  • 金田一耕助ファイル16 悪魔の百唇譜

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    大人向け。戦争直後の裏の世相を表している。当時としてはエライこっちゃ。ついこの何カ月か前、ストーカーからみの事件があったが、ネットに自撮りの写真をばらまかれていた。なんか、当時の意識と隔絶しているな。

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    2013年12月25日
  • 悪魔の降誕祭

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    金田一耕助シリーズ。予備知識なしに読む。若干軽めか。タイトル作にでてくる犯人に対して、廻りの人物が感じる評価がいくつもあり、だんだん悪い方に向かっていくのが印象的であった。

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    2013年12月02日
  • 殺人鬼

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    昔はよく推理小説を読んでいましたが、横溝正史作品はこれが初めてになります。
    この作品の時代背景などもよくよく知らなかったため、
    金田一耕助は兵隊にとられていたのか!と変なところで感心してしまいました。

    この本には4つの短編が収録されていますが、まさに「本格推理小説」でどれも楽しめました。

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    2013年10月22日
  • 金田一耕助ファイル9 女王蜂

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    映画版と全く別物。映画版のオチの方が良かったけれど、これはこれで横溝さんらしくて好き。
    映画版はほぼオリジナルじゃないか。

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    2013年10月15日
  • 金田一耕助ファイル6 人面瘡

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    金田一耕助シリーズの短編集。
    短編集は初めて読んだけど、一話一話引き込まれて夢中で読んだ。
    全話面白かったけど、一話一話をもっとじっくり読みたいと思ってしまった。
    私は、長編の方が好きらしい。

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    2013年09月26日
  • 金田一耕助ファイル19 悪霊島(上)

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    上下巻セットで、既に下巻も読み終えてしまってるのですが、上巻の終わりまでの時点で抱いた感想を書きます。

    横溝正史が最後に綴った金田一モノということらしいのですが、これまでに角川文庫で出ている金田一シリーズをほぼ読んできた身として言うと、初期の作品の方が面白いかな、という感じ。
    時代はこの作品の方が今に近いので理解しやすいかと思いきや、実は横溝作品のほとんどは岡山とその周辺の、当時でさえ「過疎地」とされた辺鄙なところが舞台なので、風習については昭和初期並みに昔の話になってしまい、むしろ理解できない。完璧に、舞台の向こうの話として傍観するしかないです。まぁ、これは古い小説を読む時には仕方ないこと

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    2013年08月30日
  • 悪魔の家

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    金田一耕介ではない三津木探偵シリーズの本は初めて。
    7編の短編集でした~。

    短いながらも、それぞれよくまとまってたし、何篇かは最後にジーンときたりとしましたぁ。
    どれが一番いいとは言えないんだけど、7編とも普通に昔からあるミステリー短編って感じ。

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    2013年08月26日
  • 夜光虫

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    『真珠郎』に続き由利先生シリーズ、但し、こちらはお初。
    とは言っても、むか~し、これを少女マンガらしくコミカライズした
    高階良子『血まみれ観音』を読んだので、大筋は了解した上。
    ……で、ビックリしたのは、
    あのマンガは物凄く大胆な翻案だったんだな~、
    でも上手く纏まっていて、よく出来た話だったな~、ということ。
    ストーリーは、
    ならず者を殺害した容疑で拘束された美青年が逃走したところから始まり、
    この青年の肩に人面疽(瘡)があって、
    しかもそこに秘密が隠されているらしく、彼を追う者たちがいて、
    名探偵・由利麟太郎と新聞記者・三津木俊助のコンビが謎解きに奔走する
    ――といったところ。
    地の文から

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    2014年05月06日
  • 双生児は囁く

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    金田一が出てこない横溝作品集。書かれた年代もバラバラのようで、作品としても佳作もあれば何だこりゃなものもあり。表題作の『双生児は囁く』以外は、推理小説としては長さとしてもトリックとしても物足りない印象です。

    全体的に、横溝作品の絶対的なテーマである「大正から昭和にかけての仄暗い空気感」と、「金持ちは必ず外に妾を作り、本妻が生んだのと同じ年の隠し子を作っておかなければいけないというある種の義務感」(笑)に包まれてるので、その辺が抑えられれば話の展開も読みやすくなります。

    全体的には、まぁよほどの横溝ファンでもなければ手を出さなくてもよいでしょう、という印象です。

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    2013年06月19日