横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1957(昭和32)年から1958(昭和33)年にかけて発表されたもの。
もちろん、表題は『シャーロック・ホームズの冒険』をもじっているが、さらに、各話のタイトルは「○○の中の女」と統一されている。
11編入っており、各話は短い。そのため、かなり大急ぎで書いているという感が強い。特に最後の謎解きの部分は切り詰められすぎていて、言い漏らしが多々あり、「え? アレはどうだったの?」などと戸惑わされてしまう。
横溝正史の語りの巧さはやはり卓越したものがあるし、アイディアもよく練って書いてあるようだが、やはり中編以上、ある程度の長さがあった方が充実していて面白いかもしれない。
ミステリ短編と -
Posted by ブクログ
ネタバレジュブナイル作品とのことだが、結構容赦なく人が殺されていくので驚いた。
殺人予告した方は、解説にもあった通り成功率は低いものの、他の場面では流血沙汰は多い。
御子柴少年にいたっては、警部から託されたピストルをぶっ放す場面も。
ツッコミ入れたくなる場面ではあるが、少年少女が読んだらわくわくする場面なんだろうなと思う。
殺人は失敗しても、真の目的に関しては常に犯人が上を行く(主人公たちが犯人に出し抜かれる)場面が多く、三津木や由利先生をもってしても止められない鉄仮面。
読者を意識した大立ち回りも多く、ハラハラすること多数。
しかも、犯人との追いかけっこは日本を飛び出す始末。
まさに大冒険だった。 -
Posted by ブクログ
1951(昭和26)年-1952(昭和27)年作。
最初この作品の年代を知らずに読んでいたら、すっかりもっと後年(1960年代以降)の作と思い込んでおり、「やっぱり以前と比べて薄味になってるなあ」などと考えたのだった。が、本作は『八つ墓村』(1951)、『犬神家の一族』(1951)などの印象深い屈指の名作にすぐ続く時期の作品なのである。
「にも関わらず」味が薄いのだと言うほか無い。何が薄いかというと、前述のような名作群と比べると、登場人物たちが振りまく強い情念の匂いが、ほとんど感じられないのだ。ここでは密な人間関係における愛憎が浮き彫りにされていないし、おまけに、横溝が得意なはずの怪奇趣味