あらすじ
鮮血が飛び散る部屋の中で、血溜りに鼻を押しひしゃげて突っ伏す寝巻姿の女。そして隣の部屋には、額をざくろのように割られ、凄まじい形相をした老婆が死んでいた! 駆けつけた等々力警部と金田一耕助はただちに聞き込みを開始。だが、使用された凶器の意外な捨て場所、さらに70年前、世間を恐怖のどん底に陥れた毒殺事件とのからみが、事件をますます複雑にしていった。謎の因縁話に秘められた斬新なトリック、横溝正史の傑作長編推理。ほかに「女の決闘」を収録。
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『支那扇の女』
金田一耕助には「多聞修」という助手なのか御用聞きなのかがいるというので、出てくる本を読んでみよう。
「支那扇の女」として知られる毒殺容疑者がいた。八木子爵の妻の克子は、姑と義妹を毒殺しようとしたとして逮捕され、本人は無実を訴え続けたが審理中に死亡した。
代は代わり、八木子爵の子孫の朝井と、志那扇の克子の子孫の美奈子が結婚した。この家で新たな殺人が起こる。等々力警部と金田一耕助は捜査に乗り出し…。
「多聞修」出てこないなーと思ったら、最後にちょっと出てきた。なんでも「数犯の前科を持つ30歳前後の町のあんちゃん風の男で、以前殺人犯の容疑が掛けられた所を金田一耕助の推理により助けられた。それ以来金田一耕助に心酔して助手なんだか御用聞きみたいなことをしている。裏社会にも顔が利くので、人の家に忍び込む、影の仕事をする人を呼び集めるなど、犯罪スレスレな手段ではある」っていうこと。出番は少ないし、実際に何をしたのかは「探偵の秘密です」で秘されるんだが、その数行の出番はなかなか印象的でした!
『女の決闘』
あ!これNHK『シリーズ横溝正史I』でドラマ化されてた!金田一耕助は池松壮亮で、地の文章をそのまま使って「原作に忠実に映像化」したものです。
日本が気に入ったイギリス人で英語教師のロビンソン夫妻の帰国さよならパーティーが行われた。
金田一耕助もご近所さんとして呼ばれていた。耕ちゃんは「若い頃渡米して風来坊、薬中毒一歩手前、日本人街で犯罪解決したので、顔役に気に入られて、日本に帰って探偵になった」という過去があるので、英語できるしアメリカ時代のお友達もいます。
このパーティーで顔を合わせたのが、作家の藤本と今の妻多美子と、藤本の前の妻の泰子だった。しかも泰子には偽の招待状が届いて訪れたのだ。気まずくなるパーティー会場。そして多美子と泰子が並んで座っている時に多美子が毒を盛られて倒れる。真っ先に疑われる泰子。この時に多美子の命は助かった。
しかし数日後、また藤本と泰子は顔を合わせることになり、今度は藤本が毒殺されてしまう。
Posted by ブクログ
住宅街で起こった凄惨な殺人事件にかつての毒殺婦の肖像画が絡んでくる『支那扇の女』と緑ヶ丘のパーティーで起きた事件を描く『女の決闘』の2作を収録。
『支那扇の女』は読んでいて事件が複雑な方向に転がっていき、最後の神宮外苑での犯人との攻防戦が手に汗握る展開がとても良かった。
『女の決闘』は短いながらも読み応えがあり、それでいて犯人への手がかりも散りばめられている良作。
ちなみに『支那扇の女』は横溝がかつて、短編として出しており、その後にガラッと変えた作品のひとつ。改訂前の作品も他社から出版されてるので読み比べても面白いかも。
Posted by ブクログ
【支那扇の女】どんでん返しに継ぐどんでん返し。スタートが変わっているだけに、引きつけられる。面白い。
【女の決闘】高級住宅地での事件。結末がだいぶ後になってから分かる。トリックよりも動機についてが、意外性があり。
Posted by ブクログ
1960年。中編集。
びっくりなのが支那が変換されないこと。
表題作は、金田一耕助がどうやって事件を解決したかがぼやかしているが(職業上の秘密)、多門修と関わりがある。ちなみに最後にちょこっとしか出てこない。
「女の決闘」
短編だね。緑ヶ丘のパーティで盛られたストリキニーネ。妖精のように笑うとはどんな笑みか?
両方とも殺人起こって解決するが、推理小説って感じじゃないかなぁ。職業上の秘密だったり、手紙で真相わかったりなので。
意外性は高いものの
しっくりこない感じがある。
そのへんは好みの問題かもしれないが。
まぁ、この本にたどり着くのは
金田一シリーズを一通り読んだ人だろうから
これもこれとして、楽しめると思います。