横溝正史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すっかり気に入って読み継いでいる横溝正史4冊目。本巻には5編の金田一耕助シリーズの短編が入っている。執筆年は1947(昭和22)年から1960(昭和35)年。
何となく、横溝正史を好んで読みまくるというのは、何やら淫靡な趣味のような感じがする。淫靡と言ってもそんなにエロくはないけれども、当時としてはあからさまに性交を扱った作風として、同時代においてやはり淫靡な世界と扱われたのではないか。それに加えて、おどろおどろしい怪奇趣味。本巻に収められた短編には、屍姦とか、作者にとってグロく思われたらしい「義眼」が複数回出てくる。
しかし、このように短編の体裁の中に本格推理の構成をもってくるとなると -
Posted by ブクログ
これといえるトリックなりロジックなりがあるわけではないのだが、やはり読者を物語に入り込ませる力やリーダビリティは一級品...しかし、正直全く新しさがない。既視感すら覚えてしまう。
つまり、面白いは面白いのだが、少しマンネリ化してきてしまっている印象。
横溝さんの最近読んだ作品はどれも軒並み面白さは☆4前後という感じだし、内容も正直そんなに大差はない。
(とはいってもやはり犬神家や悪魔が来りて〜の方が上)
だが、「姫野はなぜ19年前の殺人のことを遊佐に話したのか」という点に着目して推理するのは面白いし、トリックと言えるのかはさておき、肩透かしとも言えるがまぁ心理的密室とも言える密室トリックも -
Posted by ブクログ
ネタバレ金田一耕助もの。金田一耕助の小説は大好きだけれど、この「悪魔の百唇譜」は金田一耕助ものっぽくない。哀愁漂う雰囲気がない、というか。
昔、この「悪魔の百唇譜」のドラマをちらりと見たことがある。確か、吉川十和子と火野正平が出演していたように思う。古谷一行が金田一耕助のドラマだ。
その吉川十和子が大変健気な感じで、小説もそういう感じなのかと思っていたら、全くそんなことがなかった。
「仮面舞踏会」もそうだったけれど、ドラマより小説のほうが酷薄で読者の一人としては小説の酷薄さが現実に近い感じがして、本格推理小説という現実離れした設定に一つの落ち着きを与えているように思っている。
朱美の遺書を読んで、