あらすじ
厳重な警戒態勢を潜り抜け、高価な宝石類を略奪して日本中を荒らしまわる、まぼろしの怪人。次々と姿を変えては行方をくらまし、正体も隠れ家も謎のままだった。そしてとうとう、警視庁の敏腕警部、等々力宛の犯行予告が届く。クリスマスの夜、警察の威信を賭けた闘いに、現場にあらわれたのは……? 神出鬼没、大胆不敵な大泥棒に、探偵小僧・御子柴進が等々力警部や敏腕記者の三津木俊助らとともに挑む、傑作ジュブナイル。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
横溝正史のジュブナイルミステリ作品『まぼろしの怪人 改版』を読みました。
『怪獣男爵』、『黄金の指紋』に続き、横溝正史の作品です。
-----story-------------
横溝正史生誕120年記念復刊! 横溝正史の異色傑作!
厳重な警戒態勢を潜り抜け、高価な宝石類を略奪して日本中を荒らしまわる、まぼろしの怪人。
次々と姿を変えては行方をくらまし、正体も隠れ家も謎のままだった。
そしてとうとう、警視庁の敏腕警部、等々力宛の犯行予告が届く。
クリスマスの夜、警察の威信を賭けた闘いに、現場にあらわれたのは……? 神出鬼没、大胆不敵な大泥棒に、探偵小僧・御子柴進が等々力警部や敏腕記者の三津木俊助らとともに挑む、傑作ジュブナイル。
解説 山村正夫
-----------------------
1958年(昭和33年)から1959年(昭和34年)にGakken(学研)が発行していた月刊学習雑誌(学年誌)『中学一年コース』、『中学二年コース』に連載され、1979年(昭和54年)に刊行された作品です。
ここ数年間、どんな厳重な警戒体制も潜り抜け、高価な宝石類を略奪して日本中を荒らしまわる、まぼろしの怪人……警察が必死の捜査を繰り広げるが、この男の正体も隠れ家も、いまだにつきとめられてはいない、、、
その怪人から警視庁の等々力警部あてに不敵な犯行予告状が届いた……彼の目当ては、探偵小僧御子柴進が寄宿している、新日報社社長の姪可奈子の宝石であった。
等々力警部と5人の刑事、さらに新日報社の敏腕記者三津木俊助と御子柴少年が警戒に当たった……そして遂に、怪人が予告したクリスマスの夜がやってきたのである、、、
強烈なサスペンスで描く傑作推理。
昭和ジュブナイル作品の愉しさがぎゅっと詰まった一冊……まぼろしの怪人は、変装の名人で神出鬼没、怪盗アルセーヌ・ルパンや怪人二十面相を思わせる痛快な怪盗ぶりが物語の前半をぐいぐい引っ張ります、、、
後半では、怪盗譚だけでなく殺人事件を絡めた2つのエピソードが入り、物語にしっかりミステリの緊張感が加わります……構成のメリハリが効いていて、最後まで飽きません。
探偵小僧こと御子柴進少年の活躍も魅力的で、少年探偵ものの王道らしい爽快さがあります……童心をくすぐる、軽快で楽しいジュブナイルミステリでした。
Posted by ブクログ
顔を変幻自在に変え、宝石などをいただくと予告すると、何でも必ず盗んでしまうまぼろしの怪人。探偵三津木俊助と、新聞社に務める探偵少年御子柴進がまぼろしの怪人の犯罪予告を阻止しようとするが…。
横溝正史の青少年向け推理小説。明らかに乱歩の怪人二十面相と明智+少年探偵(小林君)をモチーフにしたストーリーである。
乱歩の二十面相は、絶対に殺人だけはしないというのが売りであったが、まぼろしの怪人が現れるところでは往々にして殺人事件が起こる。しかし、その殺人は本当に宝石などを盗むためのものなのか?
催眠術などの、科学的(?)トリックも散りばめつつ、時にはまぼろしの怪人も逮捕したりと起伏が激しいので、子供向けの探偵小説と言えど、なかなか飽きさせないという意味で、本作は成功している。
一方で、本来殺人が起きないはずのシチュエーションで殺人が起こってしまったり、盗むものが一様に宝石であったりと、作者の悪ノリやめんどくさくなっている部分も垣間見えてしまう。
怪人二十面相という下敷きがあるがゆえの難しさについては、割と楽しんで書いているんじゃないかなと思わせる部分も多く、始終描きたいというモチベーションが感じられるのは良かった。