あらすじ
「君に預けておく。これを金田一耕助という人に渡してくれ……」そう言って難破船の遭難者が死ぬ前に言付けた黒い箱。邦雄少年が中を開けて見ると、それは燦然と輝く黄金の燭台だった。思わず息をのみ慌ててしまおうとした時、彼は妙なことに気がついた。燭台の火皿に指紋が一つ焼きつけられていたのだ。邦雄は知らなかったが、これこそ一人の少女の運命を握る大切な証拠の品だったのである……。巧みな変装術と鮮やかな推理で事件の核心に迫る金田一耕助の活躍!
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Posted by ブクログ
横溝正史のジュブナイルミステリ作品『黄金の指紋』を読みました。
『怪獣男爵』に続き、横溝正史の作品です。
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横溝正史生誕120年記念復刊! 横溝正史の異色傑作!
「君に預けておく。これを金田一耕助という人に渡してくれ……」そう言って難破船の遭難者が死ぬ前に言付けた黒い箱。
邦雄少年が中を開けて見ると、それは燦然と輝く黄金の燭台だった。
思わず息をのみ慌ててしまおうとした時、彼は妙なことに気がついた。
燭台の火皿に指紋が一つ焼きつけられていたのだ。邦雄は知らなかったが、これこそ一人の少女の運命を握る大切な証拠の品だったのである……。
巧みな変装術と鮮やかな推理で事件の核心に迫る金田一耕助の活躍!
解説 山村正夫
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1951年(昭和26年)から1952年(昭和27年)に『少年少女譚海』という雑誌に連載され、1976年(昭和51年)に刊行された作品……ゴリラのような体と天才科学者・古柳冬彦の頭脳を併せ持つ、稀代の大犯罪者(異形の怪人)・怪獣男爵を主人公とした作品の第3作です。
「これを金田一耕助という人に渡してくれ」……難波船の遭難者が死ぬ前に邦雄少年にことづけた黒い箱、、、
薄幸の少女の運命を握る燭台の謎とは……事件の核心に迫る金田一の活躍いかに!
古き良き冒険ミステリの愉しさがぎゅっと詰まった一冊……難破船と消えた遭難者、怪しげな洋館の地下室、オリオン・サーカスの大曲馬団、人形のすり替えを使った変装術、軽気球での脱出 等々、少年読者を喜ばせるための仕掛けが次々と登場し、サービス精神に満ちています、、、
そして本作では、金田一耕助の“動く名探偵”ぶりが新鮮! いつもの飄々とした観察者ではなく、邦雄少年たちとともに積極的に動き回ります……洋館の探索やサーカス団との接触、危機での判断など、アクティブに事件へ踏み込む姿が描かれ、ジュブナイルならではの軽やかな金田一耕助像が愉しめました。
荒唐無稽さも含めて「少年冒険もの」の王道を踏まえた構成で、横溝正史の筆がそれらを自然にまとめ上げている印象……ただ、邦雄少年が岡山から東京へ「新幹線ひかり号」で移動する描写は、明らかに時代背景と合わず、文庫化の際の修正によるものと思われ、この齟齬は少し気になりました、、、
総じて、冒険とミステリの魅力をたっぷり味わえる快作で、アクティブな金田一耕助の姿も含めて、童心が刺激される愉しい作品でした。