夕木春央のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
画家の井口が相談事を持ちかけたのは、元泥棒で今は論文の翻訳をしている友人の蓮野である。
元泥棒相手に物騒な相談というのも問題ありだが…。
井口の父が美術収集家に売った置時計が贋物で、近々、その収集家である加右衛門氏が美術館を造設するという。展示して贋物とわかり大恥をかく前になんとかしてほしいと病床で譫言をいう。
さて、どうするか…どうなるか。
この加右衛門氏の美術館を始め全6作。
ちょっと風変わりで違う目線で人を見る蓮野が、警察抜きに次々と解決していく。
少しワクワクとしてくるのも否めない。
【加右衛門氏の美術館】
【悪人一家の密室】
【誘拐と大雪 誘拐の章】
【誘拐と大雪 大雪の -
Posted by ブクログ
四人の容疑者から犯人を捜し出す、典型的なフーダニットと思いきや、そもそも何が起こっているのかが分からないホワットダニットだろうなあ、これは。何故、元泥棒が探偵役に駆り出されたのか? 何故、容疑者たちは犯人捜しに熱心すぎるのか? 何故、警察が捜査した後の部屋が荒らされて、証言をした後の証人が襲われるのか? これらの謎にそれまでの風景が一転する感じで、明快な答えが返ってくる、ドミノ的な終盤のロジックは圧巻。うひょひょひょひょとか歓声を上げてしまった。実に愉しい。
あと、文体がかなり特異。新青年傑作集の類いに目を通しているミステリ好きには言うまでもないだろうが、これは大正期から昭和初期にかけてのミス -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ方舟と同じようにまた最後になにかひっくり返るのがあるんだろ…?と思いながら読み進めていった。
案の定やはり真犯人は別にいて、というラスト20ページの急展開が繰り広げられた。
方舟で慣れてしまっていた分驚きはあまりなかった。
しかしながら、前回は犯人だけが真実に気がついていたが、今回はそういう訳ではなく主人公である里英も実は最初から真犯人がわかっていた、という違いが重要な部分であったように感じる。
それをわかった上で読むと、主人公目線で語られる地の文は、全く違う意味を持つことがわかる。
綾川さんが白々しく父に〜という文も犯人のくせに何を白々しく、と思う里英の心情が見えたり、綾川さんのアリバイ