唯川恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「青の使者」
不倫相手の森岡が消えて一月。
容子は貸した金を返してもらうため妻・芙美の元に行くが、やはり森岡はいないという。
そしてもう一人の女、ユリの元に行き、容子が取った行動とはーー?
→ゾッとする話。蠱毒を連想した。芙美がしたことと容子がしたことは同じだが、本当の青い鯉はどっちなのかな?
「きれい」
美容整形外科医の女の元に、昔いじめた同級生が整形をして欲しいとやってくる。
→女の復讐。百田尚樹「モンスター」と題材は同じだが、こちらの方が女のおどろおどろしさというか、女の嫌なところが出てる。
「耳鳴りにも似て」
小学生の時から自分を家来のように扱ってきた小夜子が宏美の前に現れた。宏美にマルチ商法を持ちかけたのだ。そして、宏美が選んだ行動、親切にしてくれていた同僚の文子が取った行動は。
→欲深さは身を滅ぼす。小夜子も文子も同じ。宏美の場合は分かりにくいが、「保身のために気軽に一線を越える」という意味では三人の中で一番危険だと思う。その恐ろしさを分からずにつけ込む文子も考えが甘いかな。
「眼窩の蜜」
双子の祥子は生まれつき体が弱い。そして、小さい頃から「私」は祥子に全てを奪われる。そんなある日、祥子は魚の目を食べるようになっていた。子供を作るため、ホルモンバランスを整えたいのだという。
→怖い。祥子の狂気が量子を飲み込んでいっているのが怖い。結末は描かれてないが、果たして窮鼠猫を噛むとなるか否か?
「誰にも渡さない」
大学時代からの友人章吾を好きな朋子。
章吾は付き合う女性と必ず破局する。そしてとうとう章吾と付き合うようになった朋子だがーー。
→この話を一言で表すと、「人を呪わば穴二つ」かなと思う。好きなら相手の幸せを願えば良いのにね。
「闇に挿す花」
離婚した真弓は花屋で働き始める。そこで出会った堂本と不倫の関係になる。真弓は堂本の娘の話を聞くのが好きだった。
だがある日、堂本は真弓に別れを切り出す。そして真弓が選んだ道はーー。
→幼少期の事がネックになってるのは分かるけど、健全に見えても内面は分からないから恐怖。これもある意味嫉妬なんだけど、捻じ曲がってる。堂本は自業自得としても、マユちゃんが可哀想だね。
「翠の呼び声」
音絵は通い猫のミャアが死んだとき、一ヶ月後に人生の幕を引こうと決めた。結婚詐欺にあって、財産もなくしていた。そんな音絵の目の前に現れた青年の正体はーー。
→これまでの短編がネガティブだっただけに、ほろりと来た。切なくて苦しいのにほんのり優しい話。
「嗤う手」
美容室で働く「私」の元を一人の女性が訪れる。女性の話と、暴力を働く「私」の夫の話が交差する。
→虐げられてる人の精神はどんどん病んでいくんだなぁ…って感じ。
「降りやまぬ」
家庭教師をしていた澤子の元に教え子が来る。
そして澤子は夫に別れを切り出される。
→諸悪の根源というか、大元はカオルの父親じゃないか!と思った。江國香織「真昼なのに昏い部屋」に出てくる女の人と澤子の性質は同じだな。
「月光の果て」
病院で盗みを働く教子は、篤志という少年に脅される。しかし、篤志を知っていく内に教子は……。
→恋って盲目なんだなぁ。 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
平凡な結婚を控えた公美は、偶然出会った男とのセックスで快楽に目覚め、全てを捨てて彼の元へゆき水商売を始める。
一年後、かつての婚約者と再会するが…(「ただ狂おしく」)。
仕事にも結婚にも答えを見つけられない女たち。
人生という長い旅の幸福な結末を求め、覚悟を決めて歩き出す彼女たちの、孤独と痛みを描ききる、ビターな恋愛小説集。
[ 目次 ]
[ POP ]
愛がなくても生きていける、かもしれない。
けれど、愛することや愛されることを経験すると、愛がないことの寂しさを知り、一人を独りだと感じるようになる。
相互の愛情の割合は、どちらかが重くなったり軽くなったりの繰り返しで、いつだって天秤みたいに揺れているものだけど、傾いたままの状態になったときが、どちらか一方が終わったらThe end.なのだ。
生きていくことは、ひとつひとつ決断をしていくことだ。
過去に鍵をかけ、何を捨て、何を選んで、どう生きるのか。
一人でさっそうを歩いていくことを決めるものもいれば、けものみちのような深い迷路に進んでいった人もいる。
ありふれた環境の中で暮らす女たちがする恋を描いた作品だが、どこか生々しく感じるのは、その心情が強く浮き彫りにされているからだろう。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
いつかヤルヤルと思っていたけどついにヤっちまいました。
持ってる本、買っちゃった
一つ目のお話読み始めて「あれ?知ってるぞ」から始まり「まさか~」を通り過ぎ「あ~やっぱり」で終わり。
まぁ、私が選んで買うんだから同じ本買っちゃうのもあると思ってたんだぁ。
さて、気をとりなおしてこの本。
これ、面白いです。短篇集なんですが、どれも面白い。
ちょっと怖いお話もありますが・・・。
スラスラ読めます。
どの作品も男性が主人公で書かれています。
不器用な男性から、情けない男性まで(笑)
私が好きなのは「バス・ストップ」かなぁ。女性の立場からしてスキっとしちゃう。
「分身」は不思議な話だけど何か・・・ありそうな気もしたりなんかして・・・
主人公の男性が少し可哀相だったな。
最後に、これが言いたい。
カラスが喋った言葉は「殺される」だべ?
いや、しかし男って勝手。 -
Posted by ブクログ
10人の女性たちの短編集。
本当は☆2だったけど解説が素晴らしすぎて3にした。
著者には失礼だけど、この解説をまた読みたくてぽいにしなかったといってもいい。
「フィクションと実生活の関連づけが読書の本当の目的である」セアラ・フィールディング
小説を読むことで、人は自分でない誰かの人生を生き、そこから俯瞰で世界を見渡して、なにかを吸収することができる。
選択肢の多様化は幸福の多様化となって、現代女性をじわじわ苦しめる。
選択肢が増えたことで、女性の人生も、幸福のあり方も、複雑化しただけに思える。
たぶん本当の不幸は、自分自身の幸福がなんなのか考えもせず、もしくは押し殺して、他人のためにあつらえられたものさしで自分の人生を測ることだ。 -
Posted by ブクログ
「結婚」についての考え方が変わった気がします
好きなだけじゃ駄目って意味が少しわかったような、
永遠子と文彦の周りではありえないぐらい
色んなことが起きて
小説だからこんなに起こるんだろうなあ…
なんて最初は思いながら読んでいたけれど
きっと結婚生活にありえないことや
想像してなかったことなんて
いっぱい起こるんだろうなあ と思います
まだ結婚なんて先の話だと思っている年なので
ふと考えるのは自分の親のことだけど
きっと私の知らないところで色々あったのだと思って
「家族」を大切にしようと思えた本です
あとがきに「最高のテキスト」とあって 少し納得
自分が結婚するとき 子どもを産むとき
時間が経って読んでみたら
また面白いでしょうね